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2017年 02月 23日
父の病⑪
老いては子に従え。
介護度落ちた日本死ね。(もうそれはいいから?)


(医療保険)
■一般病床 89.4万床
■医療型療養病床 27.1万床
■精神病床 33.6万床

(介護保険)
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床

・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅



医療保険で入院する場合には当然医療の必要性がある場合となる。
医療の必要があると判断されれば年齢や介護度問わず誰でも入院出来るが、医療の必要性はない、あるいは必要性が低いと判断されれば入院は出来ない。
尚且つ入院したとしても入院期間には非常に厳しい。

介護保険を利用する次の施設は年齢制限があり、原則要介護1以上あるいは要介護3以上と決められている。
年齢が該当していても要支援では入所の条件を満たさない。
また順番待ちをしているような状況であり、要介護者であっても総合的に優先度が低いと判断されれば入所は難しく、入りたい時にすぐに入れるわけではない。
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床

介護保険を使う上記3つの施設は法にかなり縛られている。運営は社会福祉法人や医療法人。費用的には比較的安い(下記施設よりは安いことが多い)。そのため「国営」と言われる。
それに対して下記の施設は「民営」と呼ばれることが多い。
・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅


●「介護療養型医療施設」については前に説明したとおり、終身を前提にはしていない。
医療の必要性がなくなれば退院を求められる。平均在院期間は1年。
平均要介護度4.39

●「特別養護老人ホーム」(通称:特養や老人ホーム)は死ぬまで居られる。終身を前提として入所する。
終の棲家であるので、リハビリして自宅に戻り自立した生活を送れるようにという意識はほぼない。
だからと言うか何というか、住民票を移させる。(住所が施設所在地となる)
一端入ってしまえば後々の世話などを心配する必要はない。費用も一番安価である。だから人気が高い。
平均要介護度3.85

●「介護老人保健施設」(通称:老健)
病院と家庭の中間にあるような感じ。介護療養型医療施設との差が大してないとも言われる。
病気やリハビリで入院期間が長期となっている(退院・転院を迫られている)が、自宅での生活も難しかったり受け入れ病院がなかったりする高齢者の受け皿となっている。
リハビリなどの機能回復訓練やレクリエーションを行い、自宅で自立した生活ができることを目指している。
ということで、病状が安定し日常生活をある程度行うことができるようになったら自宅へ戻る。それが前提である。
こちらのほうが特養よりは空きがでやすい。
平均要介護度3.23


・有料老人ホーム

■「介護付有料老人ホーム」(特定施設入居者生活介護)
都道府県より特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームのみが「介護付有料老人ホーム」と名乗ることが出来る。
特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできない。
介護サービスは24時間施設常駐スタッフによって提供される。
食事や入浴や排泄など日常生活全般の介護サービス・生活サービスの提供を受けられる。
入所は要介護者を対象とした介護専用型と、要支援者や自立している人(認定を受けていない人)も受け入れる混合型がある。
胃ろうや気管切開といった医療ケア(医療行為)が必要な人でも入居できる施設が比較的多い。
部屋は個室、入所は終身が原則。

入居一時金は数百万、数千万、、、1億円超えのところもあり。
近年は入居一時金が必要なかったり安いところも誕生しているが、その場合には月額利用料が高めとなることが多い。(ので月額利用料もよく見ましょう)
入居一時金は入居時に30%など一部が初期償却され、残りも一定の期間内で少しずつ償却されていく。
償却期間内に死亡した場合などには未償却分が返還されるが、ある程度の期間居れば返ってくるものではない。
償却期間5年などと定められているので最初によく確認しておく必要あり(トラブル多し)。
90日以内の契約解除ならば一時金についてはクーリングオフが効く。
民間企業運営の場合には倒産なども全く在り得ないとはいえない。
介護サービスについては、介護保険1割自己負担で受けられ、介護度に合わせて1日当たりの金額額が決まっている。
その他に賃料、管理運営費、食費、光熱費、上乗せサービス、付加サービスなど1ヶ月の利用料は15~50万円(~100万円)くらいかかる。
入居一時金も月額利用料も施設によってかなり幅がある。

昨今施設数が増え、入居にかかる費用も高いために、入居まで長期間待つということはほとんどない。
それでも入居率の全国平均は80%を超えるという。







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# by yumimi61 | 2017-02-23 12:07
2017年 02月 21日
父の病⑩
介護度落ちた日本死ね

とでも書けば良かったんだろうか?

がんと診断され状態が悪くなる中、「末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれる」にも関わらず、父の介護認定は上がるどころか要支援2から要支援1に下がった。

父が要支援2で受けていた介護サービス
 ・介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
 ・歩行車レンタル

介護サービスの何をどう使うかは、個々の問題を解消し課題を克服できるように、ケアマネージャーが本人や実際にサービスを提供する事業所と相談の上、ケアプランを作成して決定する。
介護保険には支給限度額が決められているので保険内で行えることは自ずと決まってくるが、目いっぱい使わなければならないということでもない。

要介護状態  支給限度額(単位) 自己負担限度額(円)
要支援1      4万9,700        約4,970
要支援2     10万4,000        約1万400
要介護1     16万5,800        約1万6,580
要介護2     19万4,800        約1万9,480
要介護3     26万7,500        約2万6,750
要介護4     30万6,000        約3万600
要介護5     35万8,300        約3万5,830
※1単位=1円
※1ヶ月あたりの限度額

要支援2だった父は月額自己負担1万400円までは介護保険でサービスが受けられた。
介護保険でのサービスは本人1割負担である。
どんなにお金を出すと言っても介護保険における(1割負担による)介護サービスはこれ以上は受け付けないが、全額(10割)自己負担すれば可能なサービスもある。

介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)が要支援者対象のもの。
ホームヘルパーが自宅を訪問してくれて、身体介護や生活援助(家事援助)などを行ってくれる。
要介護者対象のものは身体介護と生活援助を分けているが、要支援者対象のものは区別がない。(要支援者の場合は身体介護は少ない)

訪問介護の料金は下記の通り。
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出典:厚生労働省 訪問介護(ホームヘルプ)

※基本料金は上記の通りだが、介護職員処遇改善加算や地域加算などもあるので、自己負担額ももう少し上乗せされる場合もある。東京23区などは地域区分によって若干高くなる

明確に回数が決められているわけではないが、要支援1だと週2日まで、要支援2だと週3日までと言われる。1日(1回)の訪問時間は45分。
要支援2の父は介護予防訪問介護に3日入ってもらっていた。
その他、屋外用(庭用)の歩行車をレンタルしていた。座れるようになっているタイプなので歩いて行って苦しくなったら座ることが出来る。
訪問と歩行者レンタルで自己負担額は1ヶ月5000円弱程度だったと思う。
要支援2の上限(月額自己負担)1万400円までなので全額を使っているわけではない。
残りはデイサービスやショートステイに充てることが出来るが、父は使ったことはない。

ちなみに母もクモ膜下出血後に介護認定を受けて要支援2となった。今も変わらず要支援2である。
母も介護予防訪問介護に3日入ってもらっていたので、父3日と母3日で実家には週6日ほどヘルパーさんが来てくれていた。
母はそれにプラスして、ベッドサイドに手すりをレンタルしている。またデイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリ)に通所していたこともある。父が検査入院した時にはショートステイのお世話にもなった。
介護予防訪問介護やデイサービス・デイケアとショートステイが同じ月にあると、介護保険内では収まらなくなるし、ショートステイも食事代などは全額自己負担である。


昨年夏に要支援2から要支援1になった父は、介護保険で入れる訪問が週3日から週2日になった。
介護度が下がったことは不思議だったが、だからといって暴れるわけにもいかない。
減った分は自費サービスを利用した。
介護度が上がるべき状態で上がらないことが一番問題になるのが、要支援か要介護かの違い(要支援2と要介護1の違い)である。
(父の場合は要支援2で現状維持でも問題であったが、それどころか下がった)

要支援と要介護の何がそんなに違うのか。
それは施設入所である。

介護保険を利用する施設
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床


これらの施設は原則要介護1以上、あるいは要介護3以上と決められている。
要支援では入所の条件を満たさない。
仮に満たしたとしても、「要介護度」「介護の必要性」「介護者の状況」「待機期間」「資産や収入額」などから総合的に判断し入所が決定するのだから、優先順位はかなり低くなってしまうだろう。
常時何十人何百人待ちしている施設に、要支援の人、介護度が低い人がすんなり入れるわけがない。






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# by yumimi61 | 2017-02-21 13:01
2017年 02月 20日
父の病⑨
動くと苦しくなる(苦しくて動けない)という特徴を持つ疾患を患っていて、肺気腫による呼吸器機能障害3級であった父の要介護認定の結果はどうであったかというと、要支援であり要介護になったことはない。

下記は先日書いたものだが、要介護度は要支援1から要介護5まで7段階ある。要介護5が一番介護を必要とする人。

介護保険では指定の介護サービスを1割自己負担で受けられるわけだが、①がその費用(自己負担分)である。
介護サービスは何でもかんでも希望するものを受けられるわけではなく、介護度に応じてサービスや金額は決まっている。
逆を言えば、どんなにお金を出すと言っても、介護保険における介護サービスはこれ以上は受け付けないということである。

要介護状態  支給限度額(単位) 自己負担限度額(円)
要支援1      4万9,700        約4,970
要支援2     10万4,000        約1万400
要介護1     16万5,800        約1万6,580
要介護2     19万4,800        約1万9,480
要介護3     26万7,500        約2万6,750
要介護4     30万6,000        約3万600
要介護5     35万8,300        約3万5,830
※1単位=1円
※1ヶ月あたりの限度額



【要介護度の決定まで】
①要介護認定を受けるためにはまず居住地の市町村に申請書を提出する。
②申請書が出されると、市町村の職員や市町村から依頼された介護支援専門員(ケアマネジャー)が家庭や施設、病院などに申請者を訪問し、全国共通の調査項目にそって日頃の心身状態などの聞き取り調査を行う。
③調査票の内容を元にコンピュータによって判定が行われる。⇒一次判定
④主治医から意見書をもらう。
⑤一次判定や主治医の意見に基づき、どれくらいの介護が必要かを介護認定審査会(保健医療福祉に関する学識経験者5~6人で構成)が判定する。⇒二次判定(7段階の介護度決定、あるいは非該当となる)

●申請から30日以内に市町村から認定結果が届く。
●認定は無制限に有効ではない。新規認定の場合の有効期限は6ヶ月。変更申請での認定も6ヶ月。更新申請の場合は12ヶ月。有効期限を経過すると介護サービスを利用できなくなるので、継続して介護サービスを利用する人はその都度更新申請する必要がある。


父は長いこと要支援2であった。
病気の程度や医療の必要性と要介護度は必ずしも一致しない。リンクしていないと考えたほうが良いかもしれない。

要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

[例]認知症の進行に伴って、周辺症状が発生することがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする周辺症状のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に認知症の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の周辺症状は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

厚生労働省 要介護度認定はどのように行われるか より>

ではこの高齢化時代にどれくらいの人が介護認定(要支援・要介護)を受けているか?
認定率の全国平均値は17.6%である。
(認定率=介護保険第1号被保険者の要介護認定者数/介護保険第1号被保険者数) 
(介護保険第1号被保険者とは65歳以上の者)

簡単に言えば、65歳以上の17.6%の人が要支援・要介護の7段階の認定のいずれかを受けているということ。
65歳以上の17.6%でしかないと考えるか、17.6%もいると考えるかは人それぞれといったところか。
ちなみに要介護だけならば全国平均値は12.7%である。

■要支援・要介護認定率の高い都道府県
 1.長崎県 22.3%
 2.和歌山県 21.7%
 3.徳島県 21.2%
 4.島根県 20.7%
 5.愛媛県 20.6%
 6.鹿児島県 20.5%
 7.岡山県 20.3%
 8.秋田県 20.2%
 9.熊本県 20.1%
10.鳥取県 19.8%

■要支援・要介護認定率の低い都道府県
 1.埼玉県 13.7%
 2.千葉県 14.1%
 3.茨城県 14.4%
 4.愛知県 15.1%
 5.静岡県 15.1%
 6.栃木県 15.4%
 7.山梨県 15.6%
 8.神奈川県 15.7%
 9.岐阜県 15.8%
10.滋賀県 16.8%
(群馬県は11位で16.9%、東京都は14位で17.4%) 

認定率が低いのは関東圏である。上位3県は関東であり、関東の1都6県は全て全国平均値以下である。
ではここから何が言えるかということはなかなか難しい。
どこに有意差があって、どこに有意差がないのか、これだけでは分からない。
介護認定制度の認知度、あるいは申請の頻度に都道府県の差があるのかどうか。(上記のパーセンテージは認定者/申請者ではない)
コンピューター判定などを取り入れ公平に努めているとはいえ、最初の聞き取り調査や最終的な認定は人間が行っており、しかも全て同じ人間が担当しているわけではないから、比較のための条件が揃っているとは言いきれない。
また高齢になるほど援助が必要になるのは当たり前のことなので、「65歳以上」という同一の条件であっても、65歳以上の中に高齢者が多くいるほど認定率が高くなることは予想できる。
介護度認定と同居の有無は直接関係はないが、審査に携わる専門家(市町村職員、介護支援専門員、医師、学識経験者)にバイアスが全くかからないとは言えないと思う。
実際の運用面から見れば生活援助は同居の家族が居る場合には受けられない。
施設入所なども同居家族がいる場合には優先順位が低下したり収入限度額の関係で安いところには入れないなどといったことはある。

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出典:WAM NET 独立行政法人 福祉医療機構



第一次判定での要支援2と要介護1の要介護状態は同じである。
では2つを分けるのは何か?
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出典:厚生労働省 同上


要介護1に該当する(予防給付が適さない)のは次の人。
 ・心身の状態が安定していない者
 ・認知症等により予防給付の利用に係る適切な理解が困難な者

厚生労働省のホームページには具体的な説明がある。

予防給付の適切な利用が見込まれない状態像は、以下のように考えられる。

(1) 疾病や外傷等により、心身の状態が安定せず、短期間で要介護状態等の再評価が必要な状態

・脳卒中や心疾患、外傷等の急性期や慢性疾患の急性増悪期で不安定な状態にあり、医療系サービス等の利用を優先すべきもの 。
・末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれるもの等。

これらの状態の判断は、運動器の機能向上のためのサービス等、個別サービスの利用の適格性に着目して行うのではなく、要介護状態が変動し易いため予防給付そのものの利用が困難な事例が該当すると考えられる。

(2) 認知機能や思考・感情等の障害により、十分な説明を行ってもなお、予防給付の利用に係る適切な理解が困難である状態

・「認知症高齢者の日常生活自立度」が概ねⅡ以上の者であって、一定の介護が必要な程度の認知症があるもの。
・その他の精神神経疾患の症状の程度や病態により、予防給付の利用に係る適切な理解が困難であると認められるもの。



父は1年に一度介護認定を更新していて、昨年8月が更新時期だった。
肺がんと診断され、放射線治療を受けたのが昨年の5~6月。
呼吸機能が良くないために治療は不可能と言われ、父もそれを受け入れ積極的な治療は希望しなかった。
当初は放射線治療も呼吸機能を落とすだけなので出来ないと言われた。
それでも僅かな望みをかけてということで定位放射線治療を勧められ、その後は全て各病院の医師の指示に素直に従ったまでのこと。
結局定位放射線治療は受けることが出来ずに、当初出来ないと言われた放射線治療を行う結果になった。
「放射線治療の副作用が出るとしたら3ヶ月後くらいからだと思う」と放射線治療を行った医師は言っていた。
そうであるならば8~9月頃から副作用が出る、つまり容態が悪くなっていく可能性があるということである。

そうでなくともがんと診断されてからの父は体調が思わしくなかった。
がんが見つかるまではそれまでと変わったところはなく、がんが疑われた時にも父は「なんの症状もない」と言っていた。
肺気腫で在宅酸素療法を行っていたこともあって父は1ヶ月に1回欠かすことなく病院を受診していたが、定位放射線治療が問題なく出来るほどがんが早期に発見されることはなかった。
7~8cmの悪性腫瘍が肺にあるという宣告は周囲が思う以上に父を苦しめたと思う。
すぐに食欲不振や不眠を招き、混乱して記憶力の低下や同じことを何度も言うようなことが見られた。急激だった。
「頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃった」とか「うつになっている」など混乱を何度か口にした。
認知症ではなくてショックで認知能力が下がってしまった状態、父が自分で言うように老人性うつに近い状態だったかもしれない。

しかしながら驚くべきことに、8月の介護認定の更新で父の等級は下がったのである。
要支援2から要支援1になった。

父の状態は厚生労働省が示す予防給付に該当する状態にはなかった。状態維持や改善可能性は低い。予防給付(要支援)ではなく介護給付(要介護)に移るべき状態に相応しい。

・末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれるもの等。

しかし結果は全く違って逆行したのである。














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# by yumimi61 | 2017-02-20 14:33
2017年 02月 18日
父の病⑧
私は高校卒業後に一人暮らしを始めたので、父と一つ屋根の下に暮らしたのは10年あまりのことである。
そして多くの若者がそうであるように、家を出てから長男が誕生するまでの期間(私の場合は9年ほど)は実家に帰ることはそう多くなかった。

父の定年は、長男(1995年生まれ)と次男(1997年生まれ)の誕生の間にあった。
子供の成長に一喜一憂しながら慌ただしく流れる日々。
父の身体の変調や定年を迎えての心の変化に思いを馳せる余裕はなかった。
父がいつ病院を受診して、どんなふうに父の呼吸機能が悪化していったのか、実のところよく分からない。
禁煙をしたのかいつだったか、在宅酸素療法を始めたのはいつだったろうか、障害者認定を受けたのはいつのことだったろうか、思い出してみたが明確な記憶はまるでなかった。

父が亡くなった後に障害者手帳を見てみたら、「平成10年1月23日交付」とあった。
「肺気腫による呼吸機能障害3級」の認定を受けている。
1998年1月23日。次男が1997年4月生まれなので1歳前のことだ。
父が定年退職したのは1996年60歳の時だったと思うので、退職から2年で障害者認定を受けていることになるが、ということは在職中から呼吸が苦しかったのだろうか。
咳や痰は結構昔からあったが父は元気だった。私は元気な父しか知らない。
晩酌をし、休みの日にはあちこち出掛け、温泉に頻繁に通い、カラオケをした。山菜やキノコ採りをしたり山野草を愛した。飛行機に乗って海外旅行にも何度か行った。
定年間近でもそんな感じだったように思う。
いつからそんなに呼吸が苦しかったんだろう。
私の子供達が少し大きくなってからだって、ちょっとした山や公園に連れて行ってくれたり、バーベキューをしたり、温泉に一緒に行ったり。あの頃はまだ在宅酸素療法はしていなかった。
ゲートボールをしていて大会に出たりもしていたけれど、あの頃はもう酸素を吸っていたろうか。

煙草について言えば、私が子供産んで里帰りした時にはすでに父は煙草を一切吸っていなかった。
つまり肺がんが発見されたのは、禁煙して20年以上も経過してからのことになるのだ。



【障害の種類と等級】
 種類             等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級
・視覚(目の不自由な人)      〇  〇  〇  〇  〇  〇
・聴覚(耳の不自由な人)      /  〇  〇  〇  /  〇
・音声言語(発語に障害)      /  /  〇  〇  /  /
・肢体(四肢に障害)         〇  〇  〇  〇  〇  〇
・内部                  〇  ※  〇  〇  /  /
 (呼吸器、心臓、腎臓、膀胱、直腸、小腸、肝臓に障害、AIDS)

/は単独障害での該当はなし。聴覚と言語など障害が重複した者はその等級(上位級)になることがある。
※の内部障害は2級は存在しない(重複の場合も)。


【内部障害(呼吸器機能障害)の場合】
1級 呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級  ※
3級 呼吸器の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 呼吸器の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの
5級  /
6級  /


【内部障害(呼吸器機能障害)の認定基準】
1級 呼吸困難が強いため歩行がほとんどできない者
    呼吸障害のため指数(予測肺活量1秒率)の測定ができない者
    指数(予測肺活量1秒率)が20以下の者
    動脈血酸素分圧が50Torr以下の者

3級 指数(予測肺活量1秒率)が20を超え30以下の者
   動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下の者
   又はこれに準ずる者

4級 指数((予測肺活量1秒率)が30を超え40以下の者
    動脈血酸素分圧が60Torrを超え70Torr以下の者
    又はこれに準ずる者



前に医療保険を利用する医療型療養病床(高齢者とは限らない)について書いた。
医療区分とADL(日常生活動作)区分によって入院点数(基本料)が決まるタイプの病床である。
療養病床は法的な入院期間の縛りはないが、3ヶ月を目安に退院や転院を勧められる。

(医療保険)
■一般病床 89.4万床
■医療型療養病床 27.1万床
 ←これ!
■精神病床 33.6万床

(介護保険)
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床



医療型療養病床の医療区分3には酸素療法患者も含まれている。
・酸素療法を実施している状態 (安静時・睡眠時・運動負荷いずれかでSaO290%以下。常時流量3L以上を必要とする状態、心不全状態(NYHA重症度分類のⅢ度又はⅣ度)、肺炎等の急性増悪で点滴治療を実施している状態(実施から30日間)に限定。それ以外は区分2)


障害者の認定基準にある「動脈血酸素分圧」はPaO2という。
医療区分にあるSaO2は「動脈血酸素飽和度」のことで、「動脈血酸素分圧(PaO2)」と「動脈血酸素飽和度(SaO2)」は酸素解離曲線で表されるので、どちらかが分かれば片一方が分かるということになるが、「動脈血酸素分圧(PaO2)」も「動脈血酸素飽和度(SaO2)」も血液ガス分析をしないと数値が出てこない。
簡単には調べられないということ。
それを簡単に調べられるようにしたのが、経皮的動脈血酸素飽和濃度(SpO2)である。
「動脈血酸素飽和度」とは血液中(動脈)のヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを示しているわけだが、経皮的とあるようにSpO2 はパルスオキシメータという簡易装置を用いて測定できる(指先などを挟んで測定)。
要するにSaO2=SpO2であるので、これが分かれば「動脈血酸素分圧(PaO2)」も推測できるという仕組みである。

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出典:ナースプレス(ナース専科) 心不全と呼吸不全のアセスメント 酸素化の指標


臨床的には、SaO2(SpO2)が96%以上なら正常値、95%未満は呼吸不全の疑いあり、90%未満は酸素療法の適用ということになる。
但し肺疾患を患って長い人や高齢者などは、SaO2(SpO2)が90~95%の呼吸不全疑い状態であっても、呼吸苦を感じることなく日常生活を送れる人もいる。徐々に低下してきたような場合。
マラソン選手などが酸素の薄い高地でトレーニングすることがあるように、ある程度の低酸素に適応していく場合もある。

障害3級に当てはまる「動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下の者」とは、「SaO2(SpO2)が85~90%の者」と言い換えることが出来る。
それはすなわち医療区分3の「安静時・睡眠時・運動負荷いずれかでSaO2が90%以下」にも当てはまってしまう。
つまり結構大変な状態である。酸素療法が必要。
父は定年から2年後にはこの状態にあったということになる。

実家にはパルスオキシメータがあって父は時々測定していたが、酸素療法を行っている状態での安静時は98~99%くらいであった。常時流量2.5Lだった。
肺繊維症や肺気腫での慢性呼吸不全の患者は歩行や動作時にPaO2やSaO2が大幅に低下する傾向が顕著であって、父もそうであった。動くと苦しくなるのである。












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# by yumimi61 | 2017-02-18 13:50
2017年 02月 17日
父の病⑦
先日2月14日の夕方から夜にかけて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のことと煙草やアスベストについて書いた。
ちょうどその日、実家でもアスベストのことが語られていたということを昨日母から聞いた。
所用があってケアマネジャーさんが母を訪問してくれたのだが、その時にケアマネジャーさんが父の事を離してくれたのだという。
「私は肺の病気と言えば煙草だとばかり思っていたけどそれだけではないんだってね」と母。
ケアマネジャーさんは父にアスベストの健康被害申請をしてみたらどうかと勧めてくれたことがあったらしい。
そのとき父は「世話になった会社だから、そんなことは出来ないよ」と言ったそうだ。
「らしいでしょ」とケアマネージャーさんは母に話してくれたんだとか。
肺の病の原因の可能性が煙草だけにあるわけでないことを父が知っていたことは私も知っているが、それについて深く話したことはなかった。

アスベスト(石綿)
石綿は生活のあらゆるところで使用されてきました。石綿の用途は3000種といわれるほど多いのですが、大きくは石綿工業製品と建材製品に分けられ、その8割以上は建材製品です。
石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。
また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的で使用されてきました。

石綿は、石綿セメント製パイプ状製品として煙突や排気管などの低圧管と上下水道用高圧管に使用されていました。
また、タンクやパイプラインなどを接続する際の継ぎ目からの液体もれを防止するためのシール材としてパッキングやガスケットなどに使用されています。
この他、石綿は、ブレーキライニングやクラッチフェーシングと呼ばれる摩擦材などにも使用されていました。

独立行政法人 環境再生保全機構 アスベストはどのような場所で使用されていたか?より>



アスベストが肺癌の原因となる可能性があることは1938年にドイツの新聞が公表した。ドイツはすぐに対応し、アスベスト工場への換気装置の導入、労働者に対する補償を義務づけた。しかし、戦時中の研究は第二次世界大戦後無視されていた。

空気中の大量のアスベストが人体に有害であることを指摘した論文はすでに1964年の時点で公開されている(水道水には通常、大量のアスベストが含まれているが無害であると言われている)。
アスベストの製造物責任を世界で最初に追及されたのは、世界最大のアスベストメーカーであったアメリカのジョンズ・マンビル社である。1973年に製造者責任が認定されると、類似の訴訟が多発し、1985年までに3万件に達した。マンビル社自体も1981年の段階で被害者への補償金額が3,500万ドルを超えた。更に同社だけで2万件近い訴訟の対象となり、最終的な賠償金の総額が20億ドルに達することが推定できた。このため、同社は1982年に連邦倒産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請し倒産した。このような動きを受け、世界的にアスベストの使用が削減・禁止される方向にある。


(日本では)2005年にアスベスト原料やアスベストを使用した資材を製造していたニチアス、クボタで製造に携わっていた従業員やその家族など多くの人間が死亡していたことが報道された。クボタについては工場周辺の住民も被害を受けているとの報道もあった。
その後も、造船や建設、運輸業(船会社、鉄道会社)などにおける石綿作業者の健康被害が報じられ、2005年7月29日付けで厚生労働省から平成11年度から16年度までの間に、全国の労働基準監督署において石綿による肺癌や、中皮腫の労災認定を受けた労働者が所属していた事業場に関する一覧表が公表された。

アスベストによる健康被害は労働者だけではなく、その家族やアスベスト関連事業所周辺の住民にも被害が及んでいた疑いも持たれ、近隣住民の被害、政府の規制遅れが大きな問題となっていた。2005年8月26日、政府は関係閣僚会議を開き、アスベスト健康被害者救済の特別立法制定を正式に決定した。

建造物の中に含まれたアスベストは、将来解体されるときに排出されることになる。環境省では、建築物の解体によるアスベストの排出量が2020年から2040年頃にピークを迎えると予測している。年間100万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、その対応を懸念する声もある。

アスベストは建造物を解体しない限り危険性はないと言われる(普通、アスベストを含んだ建材は粉砕しないと空気中には飛散しない)「尼崎市保健福祉局」「WHO」。アスベスト吹き付け工事直後や解体工事時には多量のアスベストが飛散する恐れがあり、一連のアスベスト騒動で心配になったからといって、性急に除去工事を行うことはリスクを増大させる恐れがある。学校・病院等公共建造物ではアスベストの撤去作業を進めているが、解体作業者の安全性を考えると、アスベストを撤去した方が安全なのか、そのまま撤去しない方が安全なのか議論の分かれるところである。学校等の解体作業者が将来20~40年後中皮腫になる事についての懸念が持たれている。

災害で壊れた建物のアスベスト被害が確認されている。
アメリカ同時多発テロ事件 - 2001年(平成13年)9月11日発生
阪神・淡路大震災 - 1995年(平成7年)1月17日発生
東日本大震災 - 2011年(平成23年)3月11日発生 



父は前橋の設備会社に定年まで勤務していた。
学校、病院、温泉施設、旅館やホテルなど、そうした公共施設の設備を多く扱っており、建設や増改築、解体などといった現場に無縁ではなかったし、当然排気管や上下水道用高圧管なども扱っていた。

父と母が出会いもその会社がなければなかった。
父の同僚の奥さんが母の知り合いだったのだ。
その人を介して父と母は会って結婚した。
それともうひとつ縁と言うか何と言うか、父の前妻が亡くなった日は8月14日なのだが。私は8月15日生まれである。
前妻は病弱だったらしいが父は優しくしていたらしい。
母が父と結婚した理由は優しい人だったからだそう。









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# by yumimi61 | 2017-02-17 17:46
2017年 02月 17日
ほしはいつつのてんでえがく
私は以前、「ほしはいつつのてんでえがく(星は5つの点で描く)」という言葉を夢で聞いたことがある。
そのことは前にも書いたことがあるのだが、昨日の夜「VXガス」でひらめいた。

「V」「X」をローマ数字と考えれば、5と10!
星は五つのtenで描く・・・「いつつのテン」は日本語と英語!?

しかしローマ数字にVX(5・10)という並びは在り得ない。
510ならばDXで表される。
50ならばLで表される。
51ならばLIで表される。
ローマ数字で表せることが出来るのは3999までで4000以降は表現できない。

X 10
L 50
C 100
D 500
M 1000

ローマ数字で「L」は50なので、「LOL」に当てはめれば「50・O・50」。
アラビア数字では「0」(零)に「O」を用いてきた歴史もあるが、ローマ数字にはそもそも「0(零)」を表す表記が存在していない。
「L」ひとつで50と表せるわけだが、仮に「5・10」で「ごじゅう(50)」としよう。
「5・10」にそれぞれローマ数字を当てはめれば「VX」である。

「O」はアルファベットの15番目。
「O」は座標の原点。座標の原点は「0」ではなくて「O」。振りいれた数字の起点としては0(零)でもよいが、X軸やY軸に対応する原点はOということである。Originという単語の頭文字をとっている。
「O」は酸素の元素記号でもある。

15をローマ数字で表せば「XV」となり、VXの逆となる。
仮に1と5という数字そのままにローマ数字を当てはめれば「IV」であるが、ローマ数字でのIVは4である。
ローマ数字は減算則に則る。ある場合においては右側から左側を引くのである。IVがそうである。V(5)-I(1)=4である。
IX(9)なども同様である。X(10)-I(1)=9






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# by yumimi61 | 2017-02-17 09:25
2017年 02月 14日
父の病⑥
父は肺気腫を患っており慢性呼吸不全で在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy・HOT・ホット)をしていた。
酸素カニューラ(カテーテル)を鼻腔に入れて酸素を吸入させる方法。
症状は安定しているが、十分に酸素を取りこむことが出来ない患者が適応となる。
かつては酸素を吸うために(酸素を吸うだけのために)長い入院生活を送る必要があったが、1985年に在宅酸素療法が保険適応となり、機器の発展もあって自宅で日常生活を送ることが可能となった。
室内では酸素濃縮装置(室内の空気から酸素を濃縮する装置)を、屋外や外出時には携帯用酸素ボンベを使う。
現在15万人以上の人が実施している。


肺の疾患というと必ずや原因に喫煙が疑われる。
特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)は厚生労働省が「たばこ病」という名前を検討していたほどである。

慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、代表的な慢性呼吸器疾患の一つであり、肺胞の破壊や気道炎症が起き、緩徐進行性および不可逆的に息切れが生じる病気である。多くの場合、咳嗽や喀痰も見られる。

以前より病理学的に「肺気腫」と呼ばれていた疾患概念と臨床的に「慢性気管支炎」と呼ばれていた疾患概念を統一したもので、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) として総称する疾患概念となった。

COPDの主要な原因はタバコ喫煙であり(間接的・受動的曝露を含む)、少数は大気汚染や職業病などによる、有毒なガスや微粒子の吸入である。日本名における慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は通称「たばこ病」であり、厚生労働省は以前「COPD」の名称として「たばこ病」や「肺たばこ病」を検討していた。

2012年には世界で年間300万人がCOPDで死亡しており、これは世界における死因の6%を占める。死者の90%以上は中低所得国である。2030年までに、COPDは世界3位の死因になるであろうとWHOは予測している。


※上に「死者の90%以上は中低所得国である」と書いてありいかにも多いようなのだが、中低所得国が世界人口の84.5%を占めている。
だから凄く特別にCOPDの死者の割合が多いというわけではない。
人口が多ければその比率で死者が多くなるのは当然のこと。
人口が多いのにその比率でもって多くならなくて初めて特色が出るわけである。
COPDの場合は、がんと診断され死なない分だけ上乗せされたくらいの数値である。
統計のからくりの1つ。

それはともかくとして。

COPDの患者の80~90%に喫煙歴がある。
だからCOPDの原因の80〜90%は喫煙であると言い切る人もいる。
しかし喫煙者全体のうちCOPDになるのは15%程度である。
逆を言えば、喫煙者の85%はCOPDにはならないのだ。
この間書いたインフルエンザ脳症ではないが、どのような人(どのような喫煙者)がCOPDになり、どのような人がならないのか、実のところまだよく分かっていない。
加齢や体質、大気汚染やアスベストなどの化学物質による原因も考えられている。
上に転記した文章には「COPDの主要な原因はタバコ喫煙であり(間接的・受動的曝露を含む)、少数は大気汚染や職業病などによる、有毒なガスや微粒子の吸入である」と書いてある。
喫煙が原因と考えられる人であってもすぐに症状が出るものではなく数十年の年月を経てから発症する。
アスベストなどによる疾患もやはり数十年経ってから発症することが多い。
COPDに関しては日本にはおよそ530万人程度の潜在患者がいると考えられている。





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# by yumimi61 | 2017-02-14 18:36
2017年 02月 13日
父の病⑤
(前回のおさらい)
一般的に「3か月で追い出される」「3ヶ月で転院させられる」と言われてるのは、急性期病院ではない病院における入院のことである。
かつては、療養型病床や慢性期病院(慢性期病棟)、老人病院などと呼ばれていたが、2000年介護保険法施行、2001年医療法改正で見直され、 高齢者とは限らない療養型病床(慢性期病院)と高齢者が中心の老人病院を「療養病床」として一本化した。
そのうえで、「医療療養病床」と「介護療養病床」に分けた。
「医療型療養病床」は医療保険を利用して入院する。
「介護療養病床(介護療養型医療施設)」は介護保険を利用して入院する。

「医療型療養病床」は病院が入院に応じてくれれば誰でも入院できるが、医療区分2と3の患者の割合をクリアしなければならないので、医療区分2と3の患者が優先される。

「介護療養病床(介護療養型医療施設)」も病院と思ってもらっていいが、誰でも入れるわけではない。
入所対象者は医学的管理が必要な要介護1以上の高齢者(65歳以上)。
かかる費用は医療保険とは性質が違い、介護保険を使った施設入所に近い。
初期費用は必要ないが、月額利用料が必要。 月額利用料は施設や部屋の設備、世帯収入や課税状況によって違いがあるが、およそ9万~17万円/月ほどの自己負担となる。
医療保険ではないので高額療養費の対象でもない。
(おさらいここまで)


上に「介護療養病床(介護療養型医療施設)」に入るとおよそ9万~17万円/月ほどの自己負担があると書いたが、内訳としては次の通り。
 ①介護サービス費(入所して指定のサービスを受けるための自己負担分) 2~3万円
 ②居住費(賃料) 1~15万円
 ③食費  4~6万円
 ④介護サービス加算
 ⑤医療費
 ⑥理髪代など
 ⑦病院指定業者のレンタル品の使用料
 
個人差が最も大きいのが居住費である。病院の大部屋のような部屋ならば1万程度の負担で済むものからあるが、個室になれば高くなり、居住性を重視すればさらに高くなる。
また医学的管理が必要な人が入る場所なので、別途医療費がかかってくることが多い。
9万~17万円/月というのは比較的安くてという話で、1ヶ月の自己負担が20~25万以上になることも珍しくない。

介護保険では指定の介護サービスを1割自己負担で受けられるわけだが、①がその費用(自己負担分)である。
介護サービスは何でもかんでも希望するものを受けられるわけではなく、介護度に応じてサービスや金額は決まっている。
逆を言えば、どんなにお金を出すと言っても、介護保険における介護サービスはこれ以上は受け付けないということである。

要介護状態  支給限度額(単位) 自己負担限度額(円)
要支援1      4万9,700        約4,970
要支援2     10万4,000        約1万400
要介護1     16万5,800        約1万6,580
要介護2     19万4,800        約1万9,480
要介護3     26万7,500        約2万6,750
要介護4     30万6,000        約3万600
要介護5     35万8,300        約3万5,830
※1単位=1円
※1ヶ月あたりの限度額


そして実はこの介護保険にも高額介護サービス費制度というものがある。

区分     対象                                  負担限度額
第1段階  ・生活保護受給者                        ・・・1万5,000円(個人)
       ・老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税の人・・・1万5,000円(個人)
第2段階  本人および世帯全員が住民税非課税で
                     課税年金収入が80万円以下の人・・・1万5,000円(個人)
第3段階  世帯全員が住民税非課税で第2段階に該当しない人  ・・・2万4,600円(世帯)
第4段階  上記以外の人                          ・・・ 3万7,200円(世帯)

※(世帯)とは夫婦それぞれの自己負担額を合算できるということ。
例えば要介護5の夫と要介護1の妻がいた場合、自己負担限度額は35,830円と16,580円で合わせて52,410円となるが、高額介護サービス費制度を使えば世帯で37,200円あるいは24,600円でよいということである。

※年金は、65歳に満たない人の受給額が108万円以下、65歳以上の人の受給額が158万円以下の場合、所得税を支払う必要がない(非課税)。その金額を超えた部分は課税となる。
住民税はケースによって違うがおおまかな目安として、65歳以上で年金などの収入額が年間155万円以下であれば支払う必要がない(非課税)。
生活保護を受けている人、、障害者、寡婦(寡夫)で前年中の合計所得金額が125万円以下の人も住民税を支払う必要はない(非課税)。 合計所得金額が125万円以下を年金などの収入額に換算すると年間245万円以下となる。
国民年金の老齢基礎年金(満額)だけを受給している場合、年間78万なので非課税となる。
年間158万や155万という年金は、ひと月に換算すれば12~13万である。
障害者手帳を持っている人ならば、ひと月20万円までの収入は住民税非課税。 


「介護療養病床(介護療養型医療施設)」への入所は医療保険を使った入院とは違うので高額療養費の対象とはならないが、上記のとおり介護保険の介護サービス部分については高額介護サービス費制度の対象となる。

また、居住費・食費の補足給付もある。
但しその対象になるのは次に該当する人のみ。
注目点は所得だけでなく預貯金などの資産も加味されること。(マイナンバーで管理しているのかと思ったら、今のところそうではないらしく、持っている通帳のコピーを提出するように求められる)
今現在所得はないが預貯金は何千万何億と所有しているという場合がある。
当座の貧乏裕福は所得だけでは分からないということなのだ。
1人当たり1,000万以上の預貯金があると、年金暮らしの非課税世帯でも対象にはならない。

区分     対象                                  
第1段階  ・生活保護受給者
       ・住民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者

第2段階  ・住民税世帯非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の人
       ・本人の預貯金などが1000万円以下(夫婦合わせて2000万円以下)

第3段階  ・住民税世帯非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以上の人
       ・本人の預貯金などが1000万円以下(夫婦合わせて2000万円以下)


上記の要件に所得も預貯金も満たないという人は、居住費と食費についても負担限度額が定められている。
国が示した標準的な居住費・食費を基準費用額として、基準費用額と負担限度額の差額が介護保険から施設に支払われる。
基準費用額を大幅に超える施設であっても基準費用額までしか支払われないということなので、お高い施設側としては受け入れたくなくなるであろう。

        多床室 従来型個室 ユニット型個室 ユニット型準個室  食費

第1段階    0円    490円     820円       490円      300円

第2段階   370円   490円     820円       490円      390円

第3段階   370円  1310円    1310円      1310円      650円

基準費用額 370円  1640円    1970円      1640円     1380円

※ユニット型とは、概ね10人以下を1グループとした生活単位(ユニット)としたケア体制のことで、食堂・リビング等の共有スペースを囲むように個室が配置されている。

※金額は1日当たり。居住費の1ヶ月個人負担限度限は、370円×30日=11,100円から1,310円×30日=39,300円となる。食費の1ヶ月個人負担限度額は、300円×30日=9,000円から650円×30日=19,500円となる。


「介護療養病床(介護療養型医療施設)」の入所期間は特に定められていないが終身を前提にはしていない。平均入所期間は約1年である。
実はこの「介護療養病床(介護療養型医療施設)」、2006年に新設の停止と2011年度末での廃止が決定された。
しかし移行が思うように進まず、2011年に廃止を2017年度末まで延長した。2017年度と言えば今年度!
何故廃止の方針なのか。
実は全ての施設の中で介護度が高い人が一番多くいるのが「介護療養病床(介護療養型医療施設)」である。
「介護療養病床(介護療養型医療施設)」の平均要介護度は4.39であるとすでに述べたところだが、ほとんどが4と5の人ということである。
特別養護老人ホーム(通称:特養、現在の入居基準は原則として要介護度3以上)の平均要介護度は3.85である。
動けない=重体というイメージが強いせいか医療法人が経営する「介護療養病床(介護療養型医療施設)」には介護度が高い人が集まってしまう結果になってしまった。
実際に動けないということは大変なことである。しかしながら必ずしも、動けない=医療の必要性が高い(医療としてお金になる)ということではない。
医療の必要性がない人が入所してしまうという問題の他、医療を売りにしている施設なだけに本来その人には不必要な医療までをも提供してしまう(医療費がかさむ)などの問題点もある。
また医療行為(例えば痰の吸引や経管栄養)を必要とする患者の受け入れ先が無いといった問題にも直面していた。
痰の吸引は介護職員では行うことが出来なかったため介護施設では受け入れ不可能となっていた。(2012年に喀痰吸引等制度ができ、介護福祉士や研修を終了した介護職員が行えるようになったため受け入れ可能な施設は増えてはいる)
自宅介護で家族が行うならば許可されるのだが、介護してくれる同居家族がいない場合には当然不可能である。
国は在宅介護を促したいのだ。


(医療保険)
■一般病床 89.4万床
■医療型療養病床 27.1万床
■精神病床 33.6万床

(介護保険)
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床

・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅


以前書いたように一般病床は看護体制と平均在院日数によって入院基本料に違いがでる。
7対1、10対1といった看護体制を敷く急性期病院は1~2週間での退院を目指している。
13対1(平均在院日数24日以内)や15対1(平均在院日数60日以内)といった看護体制の病院ではもう少し長くいられる。

入院基本料は一度退院すれば在院日数がリセットされるため、療養病床に入らず(入ることが出来ずに)一般病床で転院を繰り返す人が続出した。
そこで90日ルールと180日ルールが導入されたのである。

「90日ルール」
同じ理由で90日を越えて入院している患者は「特定患者」となる。再入院の場合でも前の入院日数も加算される。「特定患者」になると、看護体制には関係なく十把一絡げに、「検査、投薬、注射、病理診断、単純撮影、創傷処置・酸素吸入・留置カテーテル・鼻腔栄養等厚生労働大臣が定める処置」が包括された「特定入院基本料928点/日」となってしまう。これは15対1の入院基本料よりも低い。厚い看護体制を敷く病院にとってはたまったものではない。

「180日ルール」
同じ理由で180日を超えて入院している患者は、入院基本料の85%しか医療保険の対象にならず、残り15%分は全額患者の自己負担となる(難病、がん、重症、小児などは除外)。入院期間は転院しても通算される。
但し生活保護受給者は残り15%も公費負担となる。
例えば入院して1ヶ月の入院基本料が30万だったとする。30万の15%(4万5000)は保険外となり全額自己負担。
残りの85%(25万5000)は保険適用で、1~3割(2万5000~7万6500)が自己負担。こちらの部分は高額療養費の対象となる。


また近年急性期病院では疾病群別包括払い制度という診療報酬の算出の仕方が導入されている。
疾病群別包括払い制度(DPC, Diagnosis Procedure Combination)とは、特定機能病院を対象に導入された、急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。 日本の診療報酬は出来高払い方式をとってきたが、平成15年度よりDPC制度が導入された。平成24年時点では全一般病床の約53.1%を占めている。

DPCで用いる診断群分類は、約500種類の主な疾患(病名)を基本として手術・処置・副傷病名の有無などにより、さらに2494種類に分類したもの。
入院患者はそのうちのどれか1つに該当することになる。該当しない場合は今まで通りの計算。
これまで行えば行った分は多いにせよ少ないにせよ点数(お金)に反映された。これを出来高という。
DPCでは入院基本料の他、検査、画像診断、投薬、注射等が包括され、分類ごとに1日あたりの定額点数(包括点数)が予め決められている。入院日数も関係している。
(手術、麻酔、輸血、内視鏡・心臓カテーテル検査等、処置の一部、食事等についてはこれまで通り出来高)
DPCは過剰診療の防止や医療費増大の抑制に繋がるが、行っても行わなくても料金定額なので利益に繋げるためにはなるべく行わないほうがよい。そうとなれば今度は必要なことが行われない心配も生じる。
またこの方式ではアップコーディング(upcoding)という詐欺も可能である。(日本においては、診断群分類包括評価の対象となっている病院が、故意に実際と異なった病名をつけて、入院にかかる診療報酬を不正に多く請求すること
もっともどんな方式だって詐欺を行おうと思えば可能だろうけれども。


このように一般病床では入院日数に大変厳しい。
療養病床では入院日数に関する縛りが法的にあるわけではないが、良くも悪くも3ヶ月でおおよその結果が出る(目途が付く)と言われている。
手厚く熱心な医療、看護、リハビリを提供して劇的な回復をしたとしても、病院は成功報酬を取るわけにはいかない。
費用的には、どれだけ行ったかが大事であって、結果は関係ない。完全や成功を待つ必要はない。
従って医療型療養病床でも3ヶ月以内に退院させられるということになる。
唯一3ヶ月よりも長くいられるのが(平均1年)介護費用を利用しての入所(入院)となる介護療養病床(介護療養型医療施設)だったわけであるが、これが廃止の方向にある。









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# by yumimi61 | 2017-02-13 12:40
2017年 02月 09日
インフルエンザと薬
インフルエンザ、後追い自殺…「エビ中 松野さん急死めぐりデマ拡散、法的問題は? Yahoo!ニュース配信―弁護士ドットコム 2/9(木) 18:08配信

人気アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバー、松野莉奈さん(18)が2月8日に急死したことを受けて、ツイッターなどSNS上では、作り話や真偽不明な情報が拡散された。

あるツイッターの投稿は、東京大学の男子学生が自宅で亡くなっており、「残された遺書の内容から、松野莉奈さんの病死に関連した後追い自殺と見られる」という内容だ。投稿は削除され、投稿者は後に「創作ニュースすら自由に流せない」と投稿している。

また、松野さんの死因はインフルエンザ脳症だとして、「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」という情報もツイッターなどで拡散され、NHKニュースが専門家の否定コメントを流す事態に発展した。

SNSには、真偽不明な情報が投稿されることも多く、デマや作り話を本気にしてしまう人もいる。実際の事件・事故などに関連してデマや作り話を投稿することは法的に問題ないのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

(以降略)

タイトルを読んだ時点では、急死の原因がインフルエンザであったこと、後追い自殺があったこと、それらがデマだったという話かと思った。
驚いたことに記事を読んでみると少々違った。
若き女性が亡くなったことから離れて、「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」というのがデマだと言っているのだ。
しかも何故かNHK名指し。NHKだけが否定したということだろうか。

「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」という情報を一般の人が個人的にTwitterで呟くことがデマなんだろうか。
そうということならばSNSに限らず社会には数多のデマが氾濫しているけれども。
ともかく「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」をデマだと断言してしまう記事自体がデマということになりかねない。
非常に性質が悪い、オブラートに包んで言えば、読者に誤解を与える記事である。
「なんだデマか、じゃあ大丈夫なんだな」と誤解させることは命を危険にさらす行為となる。

その件を扱ったNHKのニュースサイト。
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アイドル急死 ”解熱剤でインフル脳症”がネットに拡散 NHK NEWS WEB 2月8日20時26分

人気女性アイドルグループの18歳のメンバーが8日亡くなったことに関連して、ソーシャルメディアなどでは、「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」という情報が拡散しましたが、これについて専門家は、「これまで詳しい研究が行われたことはなく科学的な証拠はない」と話しています。

亡くなったのは「私立恵比寿中学」のメンバーの松野莉奈さん(18)で、8日未明に亡くなったと所属事務所が発表しました。ツイッターなどには、松野さんが亡くなった原因は「インフルエンザ脳症」だとして「インフルエンザのときに解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になることがあるらしい」という情報が拡散しました。

インフルエンザ脳症に詳しい岡山ろうさい病院の森島恒雄院長によりますと、インフルエンザの時に解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になりやすいかどうかについては、これまで詳しい研究が行われたことはなく科学的な証拠はないということです。
ただ森島院長らが、過去にインフルエンザ脳症になった患者181人を対象に行った調査では「ジクロフェナクナトリウム」や「メフェナム酸」といった薬を脳症の患者に単剤で使った場合の死亡率は40%と、薬を使わなかった場合の死亡率25%に対し、高い結果になったということで、脳症になっていなくてもインフルエンザになった段階でこれらの解熱鎮痛剤は、使用すべきではないということです。

このためこれらの解熱鎮痛剤は、今では小児科部門でほとんど使われることがなくなっていてこうした悪影響がみられなかった「アセトアミノフェン」とよばれる解熱鎮痛剤が主に使われているということです。
また一般的に知られている「アスピリン」もアメリカで別の病気との関連を示す研究があるため、原則として15歳未満のインフルエンザ患者には使わないということです。


この記事を読んで一般の人がすぐに理解できるだろうか?意味がよく分からないであろう。
そもそも中味なんかよく読まない人も多いかもしれない。

NHKが取材した専門家が語ったとされていること。

①インフルエンザの時に解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症になりやすいかどうかについては、これまで詳しい研究が行われたことはなく科学的な証拠はない
(下線部を言い換えると、詳しい研究が行われたことがないので科学的根拠があるとは言えない、ということになる。前にも説明したが科学的根拠とは論文である)

②インフルエンザ脳症の患者に「ジクロフェナクナトリウム」や「メフェナム酸」といった薬を使った場合、使わなかった患者よりも死亡率が高かった。

③インフルエンザ脳症になっていなくても、インフルエンザになった段階でこれらの解熱鎮痛剤は、使用すべきではない。

間違っても「鎮痛剤を使っても何ら心配ない」などとは一言も言っていないことが分かる。


では弁護士ドットコムは何故これをデマだと決め込んだのか。
NHKは何故これを「ネットに拡散」などという思わせぶりな誤解を与えやすいタイトルで配信したのか。
(インフルエンザ脳症に詳しい病院長の話として「根拠はない」を強調するも、デマという言葉を入れていないところがミソ)
NHKは誰の入れ知恵か知らないが、おそらくインフルエンザとインフルエンザ脳症の差を付いてきたのであろう。

インフルエンザに罹患するとインフルエンザ脳症という状態に陥ることがある。
インフルエンザ→インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルス感染に伴う発熱後、急速に神経障害・意識障害を伴う症候。
病型は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群(hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome、出血性ショック脳症症候群)などに分類されている。


・急性壊死性脳症(狭義のインフルエンザ脳症)
5歳以下(特に1〜3歳)に好発し、A型インフルエンザ(A香港型)が原因のことが多い。発熱して平均1.4日後に発症する。嘔吐・下痢・腎機能障害とともに意識障害も出現する。血小板が減少しDIC(播種性血管内凝固症候群)になることもある。
原因は不明であるが、40℃以上の発熱の数時間継続と解熱剤のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)内服など、何らかの原因で脳の血管内皮細胞が障害されて起こるということがわかっている。
インフルエンザに感染すると、サイトカインの産生が高まりミトコンドリアのエネルギー代謝が低下し、脂肪代謝系のCPT2への依存度が高まるが発熱継続によりCPT2の酵素活性が落ち、CPT2遺伝子多型患者の場合はミトコンドリアが更にエネルギー不足に陥るためにインフルエンザ脳症を起こしやすいことがわかっている。ちなみに、DICを合併した場合をHSE症候群という。


・ライ症候群
6〜12歳に好発し、B型インフルエンザが原因のことが多い。他、水痘・帯状疱疹ウイルスなどでも生じる。発熱して5〜7日後に発症することが多い。嘔吐・意識障害・痙攣を生じる。また、高度の肝機能障害・低血糖・高アンモニア血症も伴うことがある。解熱剤のアスピリンに含まれるサリチル酸がミトコンドリアを障害するという説がある。
実際はインフルエンザウイルスが発症者の脳から検出されたことはなく、メフェナム酸(ポンタール)やジクロフェナク(ボルタレン)といった、強すぎて海外では既に使われていないが日本国内では認可されている解熱剤により発症するという意見も無視することはできない。



私は1月5日にインフルエンザやインフルエンザ脳症やボルタレンについて書いている。
その中にこう書いた。

現在はインフルエンザにボルタレンを使うことは禁忌となっている。
インフルエンザ ボルタレン で検索すれば注意する記事が幾つも出てくるが、当時はまだそういった認識がなかったのである。


厳密に言うと薬の説明書に書かれている禁忌は、インフルエンザ脳炎・脳症の患者であって、インフルエンザの患者ではない。

しかし「禁忌」という言葉は薬の説明書だけに使われるものではない。
禁忌とは、「してはいけないこと」の意。タブーとしての禁忌には道徳的な含みが あるのに対して、他の用例では、技術的、科学的な根拠によって禁じられている。

禁忌
1 忌(い)み嫌って、慣習的に禁止したり避けたりすること。また、そのもの。タブー。「禁忌を破る」
2 人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法を避けて行わないようにすること。

デジタル大辞泉

インフルエンザに医師が処方することが禁忌でなくても、保健指導の立場から、あるいは経験者の立場から、それが禁忌だと言うことはあるだろう。
また入院などしていて医療従事者が投薬する場合以外は、結局のところ処方された薬を使う使わないは個人の判断に委ねられている。
その個人の判断が吉となることもあれば、凶となることもある。
学者や医師だけで世の中回っているわけではない。

製薬会社ノバルティスファーマの医療関係者向けサイトのQ&Aにも次のようにある。

Q 小児の発熱に対するボルタレン錠、ボルタレンサポの使用は?

A インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者は禁忌のため、投与しないでください。
また、インフルエンザの発熱に対するボルタレン錠とボルタレンサポの使用は「禁忌」ではありませんが、臨床経過から脳症発症の可能性を予測することは困難とされており、その使用は推奨できません。
小児のウイルス性疾患の患者には投与しないことが原則であり
、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察してください。



どうしてインフルエンザ脳症が起こるのかよく分かっていない。
確定的なものは一つもないということになるが、解熱剤との関連性は有力視されている。
インフルエンザ脳症の状態にある患者に使えば重篤化してしまう。死亡率が高いとNHKが取材した専門家も言っている。

そもそもインフルエンザとインフルエンザ脳症の境目がよく分からないという大きな問題を抱えている。(ここ大事!)
上記に掲載したノバルティスの回答にはこんな表現があった。
「臨床経過から脳症発症の可能性を予測することは困難とされており」
つまり、インフルエンザと診断された患者が、いつ、どんな時に、どんな人がどんな確立でインフルエンザ脳症になってしまうのか分からないのである。
もちろんインフルエンザ脳症にならないで治る人が圧倒的に多いわけだが、治る人と治らずにインフルエンザ脳症になってしまう人の差が分からない。

病院に行ってインフルエンザと診断され薬をもらったので、ひとまず安心して家に帰った。
自宅で気が付いたらインフルエンザ脳症に陥っていたということもある。
病院で処方された解熱剤を使ってからインフルエンザ脳症に陥った人もいれば、処方された解熱剤を使わないうちにインフルエンザ脳症に陥ってしまう人もいるかもしれない。

乳幼児の場合は聞き取りや訴えにも限界がある。本人からいつどんな時にどういう状態になったのかと訊き出すことは困難。1歳未満の乳児では不可能。
だからどんな兆候があるのかよく分からない。兆候はなく突然起こるのかもしれない。
そばにいた人が観察して異変に気付くしかないが、すでにインフルエンザなり風邪で高熱を出してぐったりしたりぐずっている赤ちゃんや子供の更なる異変を早期に発見するのは難しい。
それは要するにインフルエンザからインフルエンザ脳症に移行する境界線を明確に引くことは出来ないということである。
例えば解熱鎮痛剤を使うことが問題なのはインフルエンザ脳症だけでインフルエンザは問題ないとしても、インフルエンザとインフルエンザ脳症の境目が分からない以上インフルエンザに対しても使うべきではない。(もう少し平たく言えば、インフルエンザでも使用は推奨できないということになる)


インフルエンザ脳症という名から分かる通り、症候(症状と診察所見)を指している。
疾患名とはニュアンスが違う。
症候は診断の手がかりとなるもの。
でも通常はすでにインフルエンザという診断がついているわけである。
それなのに通常インフルエンザでは見られない症状を呈する患者がいた。
それはどうも日本特有で、また日本でも昔からあるわけでもなくわりと最近のこと。(だから余計に薬が疑われる)
とにかく先にインフルエンザという診断が付いている。その後に脳に関する症候(症状)を呈する人がいるが、それによって何か別の疾患が見つかるわけではない。
だから症候がそのまま疾患名として用いられるようになったのだが、インフルエンザであったことには変わりない。
(ちなみにインフルエンザ脳炎と呼ばれることもあるが、インフルエンザ脳炎はインフルエンザ脳症よりは軽い状態とされる)




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# by yumimi61 | 2017-02-09 22:02
2017年 02月 06日
父の病④
長く入院させると診療報酬の点数が下がるので病院は儲からない。
病院はボランティアではないので、病院経営を考えてなくてはならない。
病院経営を考えた時には看護体制の維持と病床の管理が非常に重要となる。
病床管理には「病床稼働率」と「平均在院日数」という2つの指標がある。
急性期病院では1~2週間での退院を目指している。
このようなことを先に書いた。

では一般的に「3か月で追い出される」「3ヶ月で転院させられる」と言われてるものは何かと言えば、急性期病院ではない病院である。
かつては、療養型病床や慢性期病院(慢性期病棟)、老人病院などと呼ばれていた。
それが2000年介護保険法施行、2001年医療法改正で見直された。
高齢者とは限らない療養型病床(慢性期病院)と高齢者が中心の老人病院を「療養病床」として一本化した。
そのうえで、「医療療養病床」と「介護療養病床」に分けたのである。

「医療型療養病床」は医療保険を利用して入院する。
「介護療養病床(介護療養型医療施設)」は介護保険を利用して入院する。


まずは「医療療養病床」の説明から。
療養型の病院は、急性期病院(病棟)や回復期リハビリ病院からの受け入れが多い。
病院によっては急性期(一般病床)と療養型(療養病床)の両方を持つ病院もある。

前に紹介したこの診療報酬の点数は一般病棟に当てはまるものである。
【一般病棟入院基本料】
看護体制 1日の点数 看護師比率 平均在院日数
 7対1   1591点   7割以上   18日以内
10対1   1332点   7割以上   21日以内
13対1   1121点   7割以上   24日以内
15対1    960点   4割以上   60日以内
特別     584点     ―       ―  
(特別とは上記を満たさない場合)

【入院期間加算】
①1~14日以内の期間  450点加算
②15日~30日以内の期間  192点加算
③30日以上 加算なし


療養型の点数は次の通り。
医療区分1では診療報酬の点数が低くて病院は儲からない。
でも医療区分3や2という状態は一般の人からしたらかなり重体であり、そこに該当しない区分1であっても、これで区分1なのかと感じてしまうかもしれない。(実際には患者や家族に区分を教えるわけではないけれども)

【療養病棟入院基本料1】・・医師48対1、看護体制20対1、医療区分2と3の患者が8割以上である必要あり

        医療区分3 医療区分2 医療区分1
ADL区分3   1810    1412    967
ADL区分2   1755    1385    919
ADL区分1   1468    1230    814


【療養病棟入院基本料2】・・医師48対1、看護体制25対1、医療区分2と3の患者が5割以上である必要あり
                ・・29年度末まで暫定的に認められている体制。

        医療区分3 医療区分2 医療区分1
ADL区分3   1745    1347    902
ADL区分2   1691    1320    854
ADL区分1   1403    1165    750


■医療区分3
・スモン
・医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態
・中心静脈栄養を実施している状態
・24時間持続点滴を実施している状態
・人工呼吸器を使用している状態
・ドレ−ン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄を実施している状態
・気管切開又は気管内挿管が行われており、かつ、発熱を伴う状態
・酸素療法を実施している状態 (安静時・睡眠時・運動負荷いずれかでSaO290%以下。常時流量3L以上を必要とする状態、心不全状態(NYHA重症度分類のⅢ度又はⅣ度)、肺炎等の急性増悪で点滴治療を実施している状態(実施から30日間)に限定。それ以外は区分2)
・感染症の治療上の必要性から隔離室での管理が行われている状態

■医療区分2
・筋ジストロフィ−症
・多発性硬化症
・筋萎縮性側索硬化症
・パ−キンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パ−キンソン病(ホ−エン・ヤ−ルの重症度分類 がステ−ジ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る))
・その他の難病(スモン、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パ−キンソン病(ホ−エン・ヤ−ルの重症度分類がステ− ジ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る)を除く)
・脊髄損傷(頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る)
・肺気腫/慢性閉塞性肺疾患(ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る)
・悪性腫瘍(医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロ−ルが必要な場合に限る)
・肺炎に対する治療を実施している状態
・尿路感染症に対する治療を実施している状態 (発熱、細菌症、白血球尿(>10/HPF)の全てに該当する場合)
・傷病等によりリハビリテ−ションが必要な状態(原因となる傷病等の発症後、30日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る)
・脱水に対する治療を実施している状態 (舌の乾燥,皮膚の乾燥の両方ともみられるもの)
・消化管等の体内からの出血が反復継続している状態
・頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態 (1日1回以上を7日間のうち3日以上)
・褥瘡に対する治療を実施している状態(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が2カ所以上に認められる場合に限る。)
・抹消循環障害による下肢末端の開放創に対する治療を実施している状態
・せん妄に対する治療を実施している状態
・うつ症状に対する治療を実施している状態(うつ症状に対する薬の投与は精神保健指定医が行う場合に限定)
・他者に対する暴行が毎日認められる状態
・人口腎臓、持続緩除式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法を実施している状態
・経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態
・1日8回以上の喀痰吸引を実施している状態
・気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴う状態を除く)
・頻回の血糖検査を実施している状態((1日3回以上の血糖チェックを7日間のうち2日以上実施、糖尿病へのインスリン製剤又はソマトメジンC製剤の注射を1日1回以上実施)
・創傷(手術創や感染創を含む)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療を実施している状態

■医療区分1
医療区分3、医療区分2に該当しないもの


●ADL(日常生活動作)区分
ベッドの可動性・移乗・食事・トイレの使用についてそれぞれ次の6段階で評価し、ADL得点(合計)が決まる。

0:自立―手助け、準備、観察は不要又は1〜2回
1:準備のみ―物や用具を患者の手の届く範囲に置くことが3回以上
2:観察―見守り、励まし、誘導が3回以上
3:部分的な援助―動作の大部分(50%以上)は自分でできるが、四肢の動きを助けるなどの体重(身体)を支えない援助を3回以上
4:広範な援助―動作の大部分(50%以上)は自分でできるが、体重を支える援助(例えば、四肢や体幹の重みを支える)を3回以上
5:最大の援助―動作の一部(50%未満)しか自分でできず、体重を支える援助を3回以上
6:全面依存―まる3日間すべての面で他者が全面援助した(及び本動作は一度もなかった場合)

※合計ADL得点による区分
0~10点  → ADL区分1
11~22点 → ADL区分2
23~24点 → ADL区分3


医療区分3で唯一入っているスモン(亜急性脊髄視神経症)という疾患は薬害病である。
整腸剤キノホルム(クリオキノール、5-クロロ-7-ヨード-8-キノリノール)による薬害。1955年頃より発生し、1967〜1968年頃に多量発生した。
当初は原因不明の風土病とされ、発症者が多かった土地の名を取って釧路病と言われたり戸田奇病と言われたりした。ウイルス原因説も出たが、現在ではキノホルムが原因と判明している。
田辺製薬はキノホルム原因説の正しさを認識しつつ自社に不都合なデータを握り潰し、ウィルス原因説に固執していたが、白木博次の証言により敗訴に追い込まれた。




医療保険を利用する「医療型療養病床」(医師は48対1、看護体制20対1、29年度末までは25対1が認められている)への入院は、病院が入院に応じてくれさえすれば誰でも入院できる。
但し上記のように療養病床は医療区分3・2の人の比率を一定以上にしなければならず、医療区分3・2の患者が優先されるため区分1の患者の入院については必然的に厳しくなる。
こちらは医療保険を利用するので患者の支払う医療費(入院費など)は高額療養費制度の対象となる。

一方の介護保険を利用する「介護療養病床(介護療養型医療施設)」。
医師は48対1、看護体制は20対1であるが29年度末までは暫定的に30対1が認められている。
こちらは比較的重度の要介護者に対して医療処置とリハビリなどを提供するものである。
酸素吸入、痰の吸引、経管栄養など医学的管理ケアへの対応は十分であるが、レクリエーションや生活支援系サービスには重点が置かれていない。
医療機関という位置づけにある。医療法人が運営し病院に併設されていることが多い。
一般病棟のように大部屋もあり比較的少ない費用負担で利用できる。
とはいっても介護保険での入所となるため、かかる費用は医療保険とは全く性質を異にする。
初期費用は必要ないが、月額利用料が必要となる。
月額利用料は施設や部屋の設備、世帯収入や課税状況によって違いがあるが、およそ9万~17万円/月ほどの自己負担となる。
医療保険ではないので高額療養費の対象でもない。
入所対象者は医学的管理が必要な要介護1以上の高齢者(65歳以上)。
現実的には介護療養型医療施設の平均要介護度は4.39であり、入所者の要介護度はもっと高い。
ケアマネジャーを通して申込み、医師や施設スタッフや行政担当者などで構成される委員会が「要介護度」「介護の必要性」「介護者の状況」「待機期間」「資産や収入額」などから入所を判断する。
ほとんど満員状態であり、入所まで通常数か月程度の期間を要すると言われている。








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# by yumimi61 | 2017-02-06 17:50
2017年 02月 03日
ナンナクナンアリ
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上ばかり向いていても
下ばかり向いていても
見えないものはある
当たり前だよね

考えてみれば
上ばかり向いている人なんて
下ばかり向いている人なんて
見たことないよ

前に架かった虹は後ろを向いていたら見えないし
後ろに架かった虹は前を向いていたら見えないだろう
あそこに架かった虹はここからは見えなかった
ここに架かった虹はあそこからは見えなかったかもしれない

風を感じたければ走ればいいんだよとあの人は言った
七色を見たければ種を播けばいいんだよ
虹を見たければ水を撒けばいいんだよ
奇跡を待っていなくてもいいんだよ
奇跡は自分で作れるものなんだ
ちょっとしたコツはいるけどね

それでも偶然というものがあるならば
それはやっぱり神様がくれた奇跡なんだろう

***********************


日本では南側に虹が架かることはありません。
それは、虹は太陽の反対側に出来るからです。
東から昇った太陽が南に回って西に沈む。
だから南に虹が架かることはないのです。
眩い光ばかりを追い求めているとせっかくの虹を見逃してしまうかもしれません。

父が亡くなった翌日1月30日月曜日の午前中に自宅から実家へ向かう途中の17号線バイパス上で見つけた虹です。
北へ向かっています。
右手に見える山は「裾野は長し赤城山」です。
晴れていた日でしたが途中で雲が立ち込め、にわか雨のような通り雨のような天気雨のような雨が落ちてきて、その最中にうっすらと虹が架かっていました。

1月31日に実家に向かう途中では17号線の全面通行止めに遭遇。
伊熊の信号に警察官が立っていて全ての車両を右折させている。
何度となく通っている道だけれど17号線の全面通行止めに遭遇したのは初めてのことでした。
昨年の大雨で崖崩れがあった近くでもあったので、また崖崩れでも発生したのかと思いましたが交通事故が原因のようでした。
利根川沿いの裏道も昨年の大雨以降ずっと工事をしていて全面通行止めになっているため、関越道の赤城インターから高速道路を利用するしかない状況でした。


父が亡くなった日、死後処置の間、病棟の談話室で待っていた時のこと。
その談話室に小学生の子供2人(男の子と女の子)と女性が1人いました。
子供達は最初廊下で遊んでいて、上着は脱いでいましたがスキーウェアを着ていました。
談話室で女性が誰かに電話をかけだしたのですが、静かな談話室なため女性の声が耳に入ってきて、状況が全て分かってしまいました。
土日に千葉から家族でスキーに来ていたらしいのですが、その最中に旦那さんが何度も激しく嘔吐をするなど体調がおかしくなって地元の病院に救急搬送されてきたようです。
脳梗塞か脳出血のようでしばらくは動かせないのでこちらの病院に入院することになるということ。
奥さんは子供達を連れて一旦千葉の家に戻り、荷物を持って明日再びまたこちらに来るということでした。
その後、子供のお友達の家に電話。
朝早く出るので朝子供達を学校へ行くまで預かってもらって一緒に送り出してくれないかという相談でした。
夕方5時頃、「着くのは夜11時ぐらいかなぁ」と言って談話室を後にしていました。
「かかりすぎじゃない?」と小さな声で私の妹。
「高速道路は使わないのかも」と私。
ともかく子供達を連れてとても大変な状況にあることは私達にもよく分かります。
あの場所で出会ったのもきっと何かのご縁。御主人の回復を心からお祈りします。




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# by yumimi61 | 2017-02-03 10:30
2017年 02月 01日
父の死
1月29日午後4時46分、永遠の眠りに就きました。

生前のご厚情に深く感謝申し上げます。



銀嶺を映し出したる晴れた日に 行けとばかりにたらちねは往き
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# by yumimi61 | 2017-02-01 11:50
2017年 01月 28日
父の病③
前記事に一般病棟入院基本料について書いた。
入院基本料は一定の条件のもと診療報酬の点数で決まるため、病院が独自に値段を付けられるものではない。(保険外の個室の差額ベッド代は病院独自で値を付けられる)
入院基本料の条件として大事なのは看護体制と平均在院日数(入院日数)である。
平均在院日数(入院日数)をクリアしないと所定の点数が付けられない(入院基本料が取れなくなる)ので、医療機関、特に急性期病院では入院期間短縮を目指している。
一般的には「3か月経つと追い出される」と言われることが多いが、救急搬送を受け入れているような急性期病院では入院期間は1~2週間を目標にしており、3か月なんて悠長なことはなかなか言っていられない。
このようなことを書いたわけです。

入院料金を決めるのは基本料だけでなく加算もある。
こんなケースには加算されるといった特定の場合にのみ加算されるものもあるが、そうではなくて基本料と同じく入院した誰にでも適応される加算が入院期間に応じた点数である。

入院患者の入院期間に応じ、次の点数(1日あたり)をそれぞれ加算する。
 ①1~14日以内の期間  450点加算
 ②15日~30日以内の期間  192点加算
 ③30日以上 加算なし

例えば、看護職員が入院患者7人に1人いる病院では、1日の入院基本料は15910円である。
その病院に入院した場合の入院料金には2週間までは4500円が加算されるので、1日20410円になるわけである。
入院期間が2週間を超えると加算分が、4500円/日から1920円/日になってしまい、1ヶ月を越えようものならば加算することが出来なくなる。
つまり1人の患者を長く入院させておくと病院の入院料金収入は減ってしまうわけである。
長く入院させると病院が儲からないような仕組みに診療報酬がなっているのである。
儲からないということは人件費が出なくなるということに繋がる。
給料が他よりも安いのに、生命危機にある重症患者が多く精神的にも肉体的にも辛い、患者や家族に訴えられる可能性がある、夜勤が多い、労働環境が悪いなんてことになれば看護職員が離職するだろう。
そうなると今度は看護体制が維持できなくなってしまう。


では国はどうして長く入院させないような仕組みを作っているのかというと、医療費がかさむからである。

(例)看護職員が入院患者7人に1人いる病院に1週間入院した。
20,410円(基本+加算)×7日=142,870円 ・・・病院の収入
 ・患者自己負担(3割の場合)  42,861円
 ・健康保険(国保や社保)負担 100,009円 ⇒医療費がかさむというのはこの部分のことを指す

さらには、1ヶ月の医療費の患者負担が高額になった時(一定額を超えた場合)、申請 して認められれば限度額を超えた分が高額療養費として患者に払い戻される。
公的医療保険における制度の一つなので、国保でも社会保険でも高額療養費の払い戻しは行われる。
そのため一般的な治療で入院する場合、本人負担がべらぼうに高くなるということは実はないのである。
金銭感覚は人によってだいぶ違うと思うのでうっかりしたことも言えないが、払えそうな金額で済むということなのだ。
入院してひとつ儲けようとか、会社を休み入院したからその間の給料分をカバーしたいとか、差額ベッド代や保険適用とならない食事代をカバーしたいという人は別だが、個人で保険会社の保険に加入などしなくても標準的な治療や入院費用は公的医療保険(健康保険)がかなりの部分カバーしてくれる。

医療費がかさむというのはその公的医療保険(健康保険)の負担が大きくなるということである。
健康保険には次の種類がある。

 ◾組合健保  主に大企業などの従業員が加入しているもの
 ◾協会けんぽ 主に中小企業の従業員が加入しているもの
 ◾船員保険  船員が加入しているもの
 ◾共済組合   公務員が加入しているもの
 ◾国民健康保険 自営業者や無職者などが加入しているもの

各保険には個々人から保険料が支払われていて、健康保険負担分の医療費はその保険料から捻出される。
組合健保や協会けんぽでは保険料を支払うのは労働者と雇い主である。、
組合健保では保険料(料率)を独自に決定できる。組合員(従業員)の医療費を抑えられれば保険料が少なくても済むし、会社が福利厚生に積極的であったり利益が出ている時には会社側が多く負担してくれるということも可能。
でもまあ全従業員の保険料の半分を会社が負担するわけだから会社の負担は大きい。
だから非正規社員などは加入させないといったことも出てくる。(そうすると非正規社員は国保に回る)
それでも会社が儲からなくなってくれば組合健保を維持することも難しくなってくる。
そのようにして組合健保を解散し協会けんぽに流れた会社も少なくない。
とはいってもここはまだ保険料が労使負担なので国は直接的には関係が無い。
一方共済組合や国民健康保険では、組合健保などの雇い主(使)に当たる部分が国家である。国庫負担金として拠出する。
国が直接医療費を負担するということになる。赤字国家にはこれが大変辛いというわけである。


国民の4割ほどは国民健康保険に加入しているそうである。
国民皆保険が始まった1960年代には国保というのは自営業者や第一次産業(農林水産業)従事者が主体であったが、現在は無職者が半分以上を占めており、次いで多いのは社会保険に入れない雇用者である。
無職者と言うと、そんなに失業者が多いのかと思うかもしれないが、一番多いのは定年退職した高齢者である。
会社を退職すると社会保険からは離脱せざるを得ないので国保に加入する。
従って60歳以上の国民の75%ほどは国保に加入している状況にあったのだ。
普通に考えれば高齢者ほど医療のお世話になる。つまり国保の医療費はかさむ。

●組合健保や協会けんぽ(運営者)←労働者と雇い主(保険料を支払う)
       ↓
   組合員の医療費負担


●市町村(運営者)←国保加入者と国庫負担金(保険料として支払う)
     ↓
  加入者の医療費負担


国民健康保険(通称:国保)は保険料を自治体が徴収している。保険料と言っているが税金である。
そして国庫からも拠出される。
国は親分で地方自治体より権力を持っているので、国庫負担金を決めるのは市町村ではなく国である。
加入者に課せられる税金(保険料)は一律ではなく市町村ごとに違いがあるのが特徴。
医療費が少なく抑えられる自治体は加入者の支払う税金(保険料)を少なくすることが出来る。
またどのように課するか、例えば高所得者には多く支払ってもらうのか、それとも平等割なのかといったことも自治体が独自に決定できる。

医療費増大に困った国は1984年から国庫負担の引き下げを始めた。
また会社を定年退職した人は会社で面倒みてくださいとばかりに退職者医療制度を創設して、会社に医療費を負担させ国保負担から除いた。
1984年には国保の保険料の約50%ほどを国が負担していたが、20年後の2005年にはおよそ30%になっている。
だからといって急に人々が病院にかからなくなるわけではない。
それまでと同じ程度のサービスを提供しようと思えば、国が出さなくなった部分を加入者に負担してもらうよりない。
こうして保険料はどんどん値上げされる。
あまり高くなると保険料が払えない人が出てくる。未納や未加入者が増える。国民皆保険が崩れてくる。
保険料収入や国庫負担金が減っていく市町村も国保財政難に陥って国保なんかやっていられないということになる。
2008年には後期高齢者医療制度を創設して75歳以上の国保加入者をそこに移しした。
市町村が運営者であり国庫負担金も30%程度あることは変わらないのだが、多くの加入者は国保よりも保険料が上がった。









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# by yumimi61 | 2017-01-28 11:58
2017年 01月 25日
父の病②
1月18日の未明、父は炬燵から立ち上がろうとして後ろに倒れ、そのまま起き上がれなくなったそうで、母が3時にトイレに起きた際に「うーうー」というような声で何とか自分の存在を知らせたらしい。
母が「救急車を呼ぼうか?」と訊くと首を横に振って断ったため、母が父の首の後ろに手を入れ子供を抱えるようにして付き添い4~5時間同じ状態でいたらしかった。
その間にも何度か起き上がろうとしたが力が入らず起き上がれなかったそうだ。
母も力があまりないので力で起こしてやるようなことは出来ない。

年末頃から昼間はベッドで横になっていることが多かったのだが、母の話だとどうも夜中に起き炬燵に座っていたらしい。
呼吸器疾患や心臓疾患の人が呼吸苦になった時には起座位のほうが楽なのである。
父のベッドはもともとリクライニングベッドだったのだが壊れてしまっていて上げ下げが効かなかった。
12月の上旬にはいつもお世話になっているケアマネージャーさんが電動ベッドのレンタルを働きかけてくれて、父は一度は了解したのが何を思ったのか直後に断っていた。
私も「起きていたほうが楽なんじゃないの?」と何度も尋ねたが、「寝てれば大丈夫」と言う返事で、現に私が昼間行った時などは静かにベッドで寝ていた。
夜中になると不安感が増大して余計に呼吸が苦しくなってしまうのだろうか。

1月17日13時頃ににD病院で出してもらった鎮痛剤トラムセット10錠は、1月19日午前中には残り1錠になっていた。
1月19日午後がかかりつけの病院の呼吸器外来の日だったので受診した。
家の中でトイレにいくくらいはなんとか動いていたが、それ以上動くことはもう無理なので病院での移動は車椅子を利用した。


呼吸器外来の医師に12月中旬以降の状態や17日にD病院を受診して鎮痛剤を処方してもらったこと、18日未明の出来事、緩和ケアを希望することなどを話した。
すると今日入院させましょうと言ってくれた。
B病院の緩和ケア病棟への転院を前提にかかりつけの系列の病院(E病院)へ入院が決まった。


放射線治療を受ける前、父は治療はしなくてもよいと言っていた。
私は全く治療しないにしても放射線治療を受けるにしても状態が悪化してきた時が在宅では難しくなると思っていた。
そこで最初の段階から緩和ケアを行っている病院を気にしていたのだった。
前述したとおりD病院では放射線治療の時にスタッフが緩和ケアについてアンケート(問診)を取っていた。
また新病院のB病院では病院案内に緩和ケア病棟とあったので緩和ケアを行っていることを知った。
C病院で「定位放射線治療はやはり出来ない(難しい)」と言われた時にも、治療は仕方ないが最期の時が心配である旨伝えた。
「そういう意味も含めて近くの病院で放射線治療を受けておいたらどうか」とC病院の放射線科の医師にアドバイスされたのだった。

E病院にも呼吸器科があるわけではないのだが、父は以前にも肺炎で入院したことがあって馴染みがある。
家に戻ることなく受診から直に19日の夕方にE病院に入院した。
入院前のE病院の医師と話をして気管切開や経管栄養を希望するかどうかを確認されたが望まない旨伝えた。
状態によっては転院前に・・ということも覚悟の上。
移動は両病院の看護師さんが行ってくれ、夕方入院なのに夕食にも即対応してくれて、その前に摂食・嚥下障害の有無を確認すると言語聴覚士が病室を訪ねてくれるなど本当に一安心だった。
病院スタッフは基本みんな親切で本当によくしてくれる。
たぶん父も精神的に安心したのではないかと思う。
ただE病院の看護師さんが「この病院では普段そんなに強い鎮痛剤(麻薬系のことだと思う)は使わないので置いてないんですよ。早く転院できればいいですね」と言っていたように、鎮痛剤が効かず痛みが酷くなるようならば緩和ケアしかないだろうと思う。
痛みに苦しむということは本人も家族もスタッフも大変である。


看護師をはじめ病院スタッフは常に入院患者のQOL(quality of life)維持や向上に努めている。
出来ればずっと病院にお願いしたいという人も少なくないだろうと思う。
病院で見てもらえれば家族は安心。
病院嫌いな患者さんは少なくないが、そうは言っても本人にとっても安心。現実的な話、身内より他人のほうが良いこともあるのだ。
でも病院にずっといるこということはなかなか難しいことでもある。
一般的にはよく「3か月たつと退院や転院するように迫られる」というようなことが言われる。
どうしてこういうことが起きるのかと言うと、病院や病院スタッフはボランティアで行っているわけではないから。利益を出さなければならないのだ。
(災害ボランティアだってずっとではない、急性期だけですよね!?ボランティアですらそうなのだからボランティアでない場合には当たり前という話になる)


入院料金に大きく関与しているのは看護職員の配置である。
看護職員が多く配置されている病院ほど診療報酬の点数が高くなる。

【一般病棟入院基本料】
看護体制 1日の点数 看護師比率 平均在院日数
 7対1   1591点   7割以上   18日以内
10対1   1332点   7割以上   21日以内
13対1   1121点   7割以上   24日以内
15対1    960点   4割以上   60日以内
特別     584点     ―       ―  
(特別とは上記を満たさない場合)

看護職員が入院患者何人に対して1人いるかということが看護体制。7人に1人、10人に1人など。
平均人数なので平日昼間にはもっと多くの看護職がいる場合もあるし、夜間や休日はもっと少なくなる。
夜間も病棟ごとに最低2人は看護職員を配置しておく必要があるが、大抵最低人数2人で担当している。
「私1人で2人分働くので」とか言ってもダメである。

1点10円なので、看護職員が入院患者7人に1人いる病院では、1日の入院基本料は15910円となる。
そのうち患者さんの負担は1~3割。残りの部分は国民保険や社会保険が支払う。

看護師比率とは看護職員(看護師と准看護師の合計)のうちの看護師(正看護師)の割合のこと。
ランクが高い(入院基本料金が高い)病院ほど正看護師が多く必要になる。

平均在院日数は病院の一般病棟の入院患者から計算する。
例えば7対1の病院で平均在院日数18日を超えると、たとえ看護職員が十分に足りていても7対1の点数(入院基本料)を課すことが出来なくなってしまうのである。
看護職員を多く抱えるといことはそれだけ人件費がかさむのに、入院基本料金が安くなってしまっては元も子もないという状況に陥る。
看護体制の確保、平均在院日数の縛り、それ以外にもランクを維持するのは条件があるが、次第に条件は厳しくなってきている。
病院経営も大変なのだ。
看護体制が7人に1人、10人に1人の病院が一般に急性期病院と言われる病院で、こうした病院では3か月も入院させておけない。平均在院日数絡みで1~2週間勝負。
短期間入院を稼ぐためには手術よりも内視鏡のほうが良い。1クールの放射線治療を入院して行う理由などどこにもない。
とにかくベッドの回転率は病院にとってとても重要なのである。

過去記事
機宜*58 病院を入院から考える
機宜*61 入院とベッドの関係性 矛盾を抱えて
(診療報酬の点数は2年ごとに改定されているので過去記事とこの記事の点数は異なっています)






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# by yumimi61 | 2017-01-25 17:11
2017年 01月 23日
父の病
1936年(昭和11年)1月3日生まれの父は今年のお正月に81歳となった。
昨年80歳の誕生日を過ぎたところで肺に影が見つかった。
肺がんと診断されたのは3月だった。
すでに肺気腫の持病を持っており在宅酸素療法をしていたくらいで呼吸機能が良くない。
手術は難しいだろうと思っていたが、検査入院の結果手術も化学療法も無理だという結果が出た。
日常的には然程支障なく暮らせていても臓器や血液に問題がある場合の手術は要注意なのだ。

とくに術前術中術後の呼吸管理は非常に大事である。
全身麻酔では人工呼吸器を使用するために肺へ大きな影響を及ぼす。
また手術操作を容易にするための処置も呼吸抑制などを起こしやすい。
術後は一般的に呼吸機能が一時低下する。
つまり呼吸機能が正常でないと(余力がないと)手術中や術後の状態が死に直結してしまうのである。
普段は酸素を補いながら日常生活は支障なく送れていたとしても、手術となると全く話は違う。
在宅酸素療法患者(慢性呼吸不全患者)に限らず、例えば肺がんを早期に発見して肺を一部切除した場合なども同様で、肺を一部切除後に新たに違うがんに罹患した場合には呼吸機能が問題になって手術が出来なくなるようなことも起こり得る。

父は肺炎にも幾度か罹ったことがあり、もともと肺機能があまりよくないこともあって「最悪のことも覚悟して置いてください」と言われたこともあったが回復してきた。
病院は毎月かかさず受診していた。
しかし肺に影が見つかった時には、その大きさはすでに6~7cmあった。

今の時代はどこの病院も事も無げに本人にがんの可能性やがんであることを告知する。
他にどんな方法があるのか、どんな方法が最善なのかと問われれば答えに窮すが、患者本人の落ち込みは見た目以上に大きいものである。
「80歳まで生きられたからもういい」「周りに迷惑かけるだけだから治療などしなくていい」と口では言っていたが混乱して眠れない日々過ごしたようだ。
「あまり寝付かれないからラジオでも聞くかと思って夜中に付けてみたけどガチャガチャしたのしかやっていなかった」とこぼしたこともあった。
食欲旺盛な人だったが食欲がなくなった。

かかりつけの病院から呼吸器に強い病院を紹介してもらって検査入院した。(A病院)
その病院が昨年4月に統合され新病院になったため新病院に罹り直した。(B病院)
B病院で、手術や化学療法が不可能、放射線療法も難しいと言われる。
放射線療法はがん細胞だけでなく正常細胞をも破壊してしまうので、結局呼吸機能を落とし危険であるという判断である。
父は「治療はしないで放っておく」と言っていたが、B病院の医師が僅かな望みとしてということで「定位放射線治療」を勧めてくれた。

定位放射線治療は精密なコントロールのもとピンポイント(病巣)目がけて多方向から放射線を照射するものである。
個々の線源からの放射線は細く弱くても、多方向から病巣に向けて照射するので、病巣部に対しては大きな線量となり効果を上げることができる
通常の放射線治療よりも周囲の正常細胞に当たる線量を減少させることが可能で副作用が最小限に抑えられる。
この治療の体幹部への照射は2004年から保険診療の適応となっている。
治療が行える病院は限られていて群馬県内では2~3か所。
新病院のB病院でも導入予定だったが、導入を待っていたら間に合わないと言われて別の病院(C病院)を紹介された。

この治療は転移が無い状態で腫瘍が5cm以内が適応とされている。
父の場合は大きさ的に最初から微妙ではあった。
(肺の場合はステージに関係なく腫瘍の種類や位置によっても手術や放射線治療の適応が変わってくる)


5月連休前にC病院を受診して、連休明けに短期入院で治療を行う予定で体にマークを入れて準備をした。
場所をずらさないという精度が非常に大事な治療なので、このマークがとても大切である
消えないように消さないようにとの注意を受けて連休明けを待ち、治療開始直前に受診。
画像検査の結果からなのか、そこで「定位放射線治療は難しい」と告げられた。
そして家から近い病院で普通の放射線治療を受けたらどうかと言われ、D病院に移ることになった。
5月から6月いっぱいまで通常の放射線治療を1クール通院で受けた。
この治療の最中に姪っ子(父にとっては孫)が亡くなった。
1クール終了直後の検査で腫瘍が少し小さくなったそうだがそれ以上の治療はもう出来ないので、放射線治療終了後はかかりつけの病院の呼吸器外来(月1回)に移った。

かかりつけの病院→A病院→B病院→C病院→D病院→かかりつけの病院

呼吸機能が以前よりも悪くなるのは避けられず、力仕事や俊敏に動くことは難しくなったが、酸素を供給しながらなんとか過ごせていた。
しかし12月中旬から胸に痛みが出始めたようで体調がみるみる悪くなった。
食欲が無く、トイレにいくというような動きでも呼吸が苦しくて大変で、年末頃からは一日ほぼ寝ているというような生活になった。
何度も「病院に行こう」と誘ったが「大丈夫」と断られる。
年が明けてからはさらに状態は酷くなった。
そうこうしているうちに大雪が降り外出が余計に大変になってしまう。
そうこうしているうちに父も痛みに耐えかねたようで、1月17日にやっと病院に行く気になってくれたので連れて行った。

痛みが出てきたということは、がんの末期の疼痛であろう。
私はそう思ったので、放射線治療を受けた病院に連れて行った。
放射線治療を受けた際に緩和ケア(末期の痛みコントロールなど)の希望についてのアンケートをスタッフがとっていたので、内科受診して緩和ケアに繋げてもらおうと思ったのだ。
ところがその日は内科に呼吸器の医師が不在であった(心臓専門の医師に診てもらった)。
放射線治療後の経過を診ていないことや呼吸器の態勢が万全ではないとのことで、受け入れには消極的な感じであった。
緩和ケアも専門の科があるわけではなく、院内でチームを作って対応にあたっている状況だということだった。
でもとても長い時間話を聞いて下さり、最後は「専門外で治療は一切しないということを了解してもらえるならば私が主治医になってもいいですよ」と言ってくれた。
そのドクターが「がん難民」という言葉を使っていたが、最期の時はやはりなかなか難しい。


がん難民救済のカギ 止まらないがん難民の発生

現在、日本のがん治療の現場では納得した治療・療養生活を探し求めてさまよう「がん難民」と呼ばれる患者さんが増えていることが大きな問題となっています。手術や抗がん剤治療といった標準治療はほぼ平均的に全国に行き渡っているにもかかわらず、がん難民になる患者さんが跡を絶ちません。何故でしょうか?

日本のがん治療の全体像は、手術・抗がん剤・放射線治療を中心とした標準治療とがんの終末期のケアを目的とする緩和医療の2つに大きく分けられています。一般に標準治療で約半分のがん患者さんに根治が望めます。しかし、残りの半分は根治が見込めない患者さんたちです。ここで標準治療を使いきるあるいは標準治療ができなくなった時点で、「もう、治療はありません。あとは、緩和医療です」と言い渡されます。

また、抗がん剤の副作用で心身ともにボロボロになって、「もう、イヤだ」と、その先の抗がん剤治療を拒否した場合も「もう、治療はありませんから来なくていいです。あとは緩和病棟に行ってください」と見捨てられます。

ほかにも、抗がん剤治療の副作用で苦しんだ身内や知人を見たことのある方のなかで、最初から「抗がん剤治療はやりたくない」という患者さんも同様です。「それなら、もう来るな」です。

ところが、がんが身体に残っている、医師に見捨てられた“元気な”がん患者さんはたくさんいます。そういった患者さんは、「自分はまだ、こんなに元気なのに治療がないから緩和病棟に行けといわれた。本当に、もう諦めなくてはいけないのか?」 という思いから、何らかの治療・希望・可能性を求めてさまよう「がん難民」となるのです。がん難民は標準治療と緩和医療とに連続性がなく、両方の間に大きなスキマが存在することにより生まれます(図)。

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このスキマをいちばん実感しているのは患者さんご本人、あるいはそのご家族の方々でしょう。このスキマでは「これ以上治療はない」が前提のため、標準治療を提供する大学病院、がん専門病院、総合病院では解決策が出てこないことが多いのです。

一方、緩和医療ではモルヒネによる疼痛コントロールなど、がんに伴う症状の緩和行為は行うものの、がん病巣そのものに対しての医療行為は何もしないで死を待っているのが現状です。多くの患者さんは、たとえ緩和病棟を勧められようと延命効果が見込めないと告げられようと心の中では、いつまでもがんそのものに対する何らかの治療行為を求めています。

医療法人社団キャンサーフリートピア 銀座並木通りクリニックより>


上の記述とは少し違うのだが、父も私も積極的な治療行為は求めていない。
父は母の事を気遣っているせいもあるが、病院よりも自宅にいたい人である。
その父が私に病院に連れて行かれることを嫌がらなかったということはよっぽど体の状態が辛かったということなのだ。
私は父に痛みが出てからは緩和ケアを希望していたわけだが、その緩和ケア自体受け入れ先がそんなにない。
隙間の治療がないという問題だけではなく、緩和ケア専門の病院なり科を持つ病院が不足しているという問題もあるのだ。



1月17日受診のD病院では「緩和目的でうちに来るにしても他の病院に行くとしてもかかりつけの呼吸器の先生を介したほうがよい」とアドバイスされた。
かかりつけの病院の呼吸器の医師もその病院には月に2回しか来ていなかった。
だから待ってられずにD病院を受診したということもあったのだが、かかりつけの病院で19日がその医師の診察日だったので、D病院で話を聞いてくれた医師に「なんとか今日少々強めの痛み止めを出してもらえないでしょうか」とお願いして鎮痛剤を処方してもらった。
胸が痛むようになってからの父は市販の鎮痛剤を服用して誤魔化していたようだったのだが、その鎮痛剤も底をつきたらしかった。

ドクターはトラムセットを10錠ほど処方してくれた。
鎮痛剤としては結構強い薬ではあるが、通常は非がん性疼痛に処方される。
逆を言えばがん性の痛みというのはそれほどに強いということでもある。
トラムセットには弱オピオイド系と呼ばれる物質が含まれており他の鎮痛剤とは違う効き方をする(抗炎症作用はない)。
弱オピオイド配合製剤で、麻薬系鎮痛剤と考えてよいものだが、日本の法律では麻薬扱いされていない。
ドクターも「麻薬系ではないが強めの薬を出しておきましょう」と言って処方してくれた。
他のオピオイド系(麻薬系)より依存性が少ない。
麻薬系鎮痛剤であっても適切に用いている限り薬物中毒は起きないとされているが、それらの薬よりも依存性が低い。

ただし乱用は誤った使用方法ではやはり中毒に陥る。
こんな記事もある。

米国で蔓延する「オピオイド系鎮痛剤の中毒」
オピオイド系と呼ばれる鎮痛剤には驚くほどの常習性がある。米国では鎮痛剤の使用および乱用が蔓延状態であり、米国政府の試算によれば、2013年にはおよそ190万人の米国人がこうした鎮痛剤の依存症だったという。そこでアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は2016年3月中旬、医師が鎮痛剤の処方を管理するための新しいガイドライン(PDF)を公開した。

オピオイド系鎮痛剤に関しては以前から、「薬物治療」と「薬物中毒」の境界が曖昧だ。そして規制当局は、両者のバランスを取ろうとして苦労してきた。

オピオイド系鎮痛剤はもともと、植物のケシ(Opium poppy)からつくられた。ケシの実から採集されるアヘン(Opium)が、古来から麻薬として使われていたのだ。紀元前3400年ころの古代シュメール人たちもケシを栽培しており、「喜びをもたらす植物」と呼ばれていた。

20世紀はじめの米国では、アヘン中毒が問題になっていた。1908年にはセオドア・ルーズベルト大統領がアヘン中毒に対処する「アヘン・コミッショナー」を初めて任命したが、当時の米国では400人にひとりがアヘン中毒であり、そのうち2/3は女性だったという。1914年のアヘン規制法により、上流階級の白人女性でアヘン中毒になる人数は減少したが、非合法の利用は減ることはなかった。その後も政府は規制の努力を続け、1924年、1951年、1970年にも、(ほかの麻薬も含めた)規制法が成立した。

しかしその一方で、製薬会社はアヘンからさまざまな鎮痛剤(オピオイド系鎮痛剤)を開発していった。1804年にはモルヒネ、1832年にはコデインが作成され、1874年には、モルヒネからヘロインもつくられた(最初は鎮咳薬として販売されたが、注射器投与により強力な麻薬作用が生じることが判明し、厳しく規制されることになった)。その後、アヘンに含まれるアルカロイドからオキシコドンが合成されたほか、ヴァイコディン(コデインから合成されたヒドロコドンとアセトアミノフェンを配合したもの)やパーコセット(オキシコドン・アセトアミノフェン・パラセタモールを複合的に配合したもの)などの各種オピオイド系鎮痛剤がつくられていった(米国では処方薬として購入できるオピオイド系鎮痛剤が、日本では違法薬剤であることも多い。たとえばオキシコドンは2015年6月、トヨタ自動車の女性常務役員が麻薬取締法違反容疑で逮捕された原因となった)。

米国では、慢性痛の治療に使われるオピオイド系の鎮痛剤が乱用されており、中毒状態になっている者は190万人。死亡者は1999年から2014年までで16万5,000人に上るとされる。



■代表的な非ステロイド系鎮痛剤の強さ
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)>インドメタシン>ロキソフェナクナトリウム(ロキソニン)>メフェナム酸(ポンタールなど)> イブプロフェン(ブルフェンなど)=アセトアミノフェン(カロナールなど)>アスピリン(バファリンなど)

非ステロイド系鎮痛剤にも副作用や習慣性がある。
トラムセットは副作用が吐き気以外にほとんどないわりに非ステロイド系鎮痛剤よりも鎮痛作用が強い。
(でも他の麻薬系鎮痛剤と比べると5分の1程度の鎮痛作用)











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# by yumimi61 | 2017-01-23 13:32
2017年 01月 16日
日本国憲法の秘密-452-
これまでいろんな角度から原子力を見てきた。そのどれもが素晴らしくてどんな角度から見ても核分裂の利用は困難で、利点も大して無く、在り得ないという結論に至ってしまう。
1つ嘘をつくと、それがばれないようにとまた嘘をつく。嘘は雪だるま式に大きくなっていく。

核分裂の利用は困難でもウランは天然に存在する物質であり、これを使用することは出来る。
ウランは放射性物質であり有害化学物質である。
人体に影響を与える有害化学物質は数多くあるし、人を大量に殺傷する能力を持つ兵器は核兵器だけではないだろう。
そもそもなぜ核兵器と言うかと言えば、「原子核の分裂」を利用しているから。
でも放射性物質を積載した爆弾(汚い爆弾)だって、投下爆発後に拡散した放射性物質(核種)の「原子核が崩壊」を起こしていく。つまりこちらも核兵器である。
放射性物質は無暗に拡散させないことが大事(放射性物質に限らず細菌やウイルス、危険な化学物質もそうだけれど)。
もっと簡単なのは原子力発電所など放射性物質が存在している箇所を狙って爆弾を落としたりミサイルを撃ち込むこと。それだって核兵器となりうる。
稼働しているとかしていないとかは関係ない。そこに放射性物質がありさえすればよいのだ。
ミサイルに積み込む放射性物質よりも遥かに多い量の放射性物質がそうした施設にはあるのだから、そちらのほうがずっと効率がよい。核分裂なんか別に必要ない。

人間にとって一番脅威なのは予防の手だてがないものだろう。そして非選択性なもの。
自分には関係ないと思うものに対しては概して興味が薄く積極性も欠けるものなのだ。
もし世界が何より核兵器を拡散させたくないと考えているならば、放射性物質の悪影響に対しては予防の手だてがなく、非選択性だと思っているということになる。
そうでないならば、予防の手だてがあり、選択性がある(自分は大丈夫)と思っていることになる。
あるいは、核兵器なんか存在しないと思っているか(核兵器は裸の王様)。


2007年4月に、コスタリカ・マレーシア両政府の共同提案として「核兵器禁止条約(案)」が国連に提出された。
しかしこの条約は未だに発効されていない。
2015年4月27日開幕の核兵器不拡散防止条約再検討会議に向けて事前にオーストリアのアレクサンダー・クメント軍縮担当大使が、国連加盟国(193ヶ国)全てに「悲劇を二度と起こさないため、核兵器を法的に禁止することで無くす。この考えに貴国は賛同するか?」という外交文書を送ったそうだ。
この時点での賛同国は南米やカリブ海諸国、アジア、中東、欧州の一部など計65カ国で3分の1程度だった。
再検討会議の場でも同大使が「核兵器禁止条約」の発効を精力的に働きかけた。
アメリカは「地道な核兵器削減努力に水を差す行為」と反発したそうである。

アメリカ「核軍縮が進んでいないという発言には失望しました。我が国は軍縮の義務に真摯に向き合っています。議長、そして皆さん、禁止条約派の主張には注意してください。議論を単純化しています。たとえ、あなたの国が調印しても、調印しない国が出てきたら、どう思いますか?確実に不信感を持つでしょう。」

オーストリア「リスクが高い核兵器で安全を守れるというのは幻想です。まさにギャンブルだと何故気づかないのですか?人類のために目覚めてください。核兵器を禁止しましょう。」

唯一の原爆国と積極的に謳う日本は、2013年に一度だけ拘束力がない共同声明に賛同した以外は、これまで一貫してこの提案への賛同を拒否してきた。
この時も賛同せず、どうしてなのか?と報じられたので覚えている人もいるかもしれない。
あのイランだって(失礼!)賛同しているというのに。
もっともアメリカと日本だけでなくNATO(北大西洋条約機構 アメリカとカナダ及びヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟)に加盟している国はどこも賛同していない。ヨーロッパの国の多くは加盟している。
オーストリアはNATOに加盟していない国なのだ。

加盟国
1949年 アイスランド、アメリカ合衆国、イギリス、イタリア、オランダ、カナダ、デンマーク、ノルウェー、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク
1952年 ギリシャ、トルコ
1955年 ドイツ
1982年 スペイン
1999年 チェコ、ハンガリー、ポーランド
2004年 エストニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア
2009年 アルバニア、クロアチア
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# by yumimi61 | 2017-01-16 17:27
2017年 01月 15日
日本国憲法の秘密-451-
人はみな自分が正しいと思っている。
正しさの基準は自分にある。
個人を尊重すればそれは少しも間違いではない。
何を主張しても何を選んでも良いはずだ。
選択肢だって沢山あるほうが選びがいがあるだろう。
他人の人生を生きているのではない、自分の人生を生きているのだから。
本来それ以上もそれ以下も無い。自分の人生は自分で選ぶものだ。人が口出しすることではない。
でもそれを法律や社会や親族が許さないことがある。
法律や社会や身内の人間が力や多数を盾に制限を与え制裁を加える。
自分の好きなように生きられるわけではないのが現実でもある。

①Aを主張して、Bを主張する人を批判する人がいる。
②Bを主張して、Aを主張する人を批判する人がいる。
③どちらかに決めることは愚か、人間や社会は一様ではないと、Aを主張する人やBを主張する人を批判する人がいる。
なんとなく③が素晴らしいようなのだが、行っていることは同じ。結局みな同じことをしている。
ある意味これもパラドックス。
自分と違う主張がすーっと胸に浸透するなんてことはまずないと思っていい。
どんな体裁を整えても自分の考えに沿わない人は気に入らない。これが人間の本性だと思う。
そのことに気付いているからこそ「褒めて育てる」や「承認欲求」などが蔓延する。
自分の考えに沿わないけれどあの人が好きだということは在り得ないのだろうか?
愛されたいがゆえに、自分の考え方に沿わないことに酷く失望するのだろうか?

本来、一個人としてそれを行っているのか、仕事の一環として行っているのか、社会の一員として行っているのか、親族として行っているのか、どの立ち位置にいるのかによっても主張や行動は変わるものだ。

例えば、例えばAをオバマ大統領に、Bをトランプ次期大統領としてみよう。
Aはクリントンさんではないか?選挙で負けたクリントンさんはこの比較には当てはまりません。
選挙で勝利したのは誰が何を言おうと、トランプさんだったのだから。
報道などではだいたいトランプ次期大統領は悪者である。
だから②の人が劣っていたり悪く言われたりする。そうはっきり言わなくても必然的にそうなる。
選挙で勝った人を批判するということは多くの選挙民が馬鹿だと言っているのと同じである。

では実際、AとBとどちらが良いのか、どちらが正しいのか。誰しもが納得する明確な答えは存在しない。
比較に値する存在(この場合は同じ国の大統領職ということで比較に値する)であっても、選挙のように白黒付けることは出来ない。
誰かにとって良いことは、誰かにとって良くないことであったりするのだ。
どうしても白黒付けたければ、多数決を取って収めるしかない。
人は金で動く、人は愛で動く、人は気分で動く、人は欲で動く。
多数決を支えているのは個人の欲であり愛であり、個人に帰結する。客観的な指標など別に必要なく動く。
つまり多数決の結果は票を投じた個人の勝ち負けに直結する。
負け戦などしたくないと思えばわざわざ選挙に出向いたりもしないだろう。負けるくらいなら最初から参加しないと棄権する人がいる。
勝ち負けは思う以上に人々の日常に根付いている。スポーツに熱狂する人なんか軽く凌駕するくらい広くに勝ち負けは浸透している。
だから選挙の前には下馬評がとても大事になる。どちらかが優勢な雰囲気は投票行動をも左右することになる。




客観的にみると、原子力発電所よりも危険なのは、酸化ウランを六フッ化ウランに転換したり再び酸化ウランに戻す転換施設と、六フッ化ウランを用いているウラン濃縮施設である。
それは昨日書いた通り、ウランという放射性物質・有害化学物質のほかにフッ素という有害化学物質を大量に扱うからである。
フッ素は水に反応して(加水分解反応)フッ化水素を生じる。
加水分解と酸化は同じではない。酸化数(電子の変化)を伴うのが酸化で、伴わないのが加水分解。
フッ素は大気中の水分や人間の身体の水でも反応してフッ化水素を生じるのだが、このフッ化水素も非常に危険で呼吸器や皮膚・粘膜を破壊するという急性症状を示し、最悪死亡してしまう。

一般的に「フッ素」と言えば、虫歯予防のフッ素であろう。
虫歯予防のフッ素はフッ化ナトリウムである。

かつてフッ化ナトリウムとフッ化水素を間違えてしまった事故が歯科医院で起こったことがある。

1982年4月20日午後3時50分頃、八王子市内の歯科医院で、同院の院長である歯科医師(当時69歳)がう蝕予防用のフッ化ナトリウムのラベルがある合成樹脂製小瓶の液体を脱脂綿にしみこませ、市内に住む3歳の女児の歯に塗布したところ、辛いと訴えた(フッ化ナトリウムは本来無味である)。
女児の母親と同院の助手の女性が女児の体を押さえつけ、さらに液体を塗布したが、女児は診察台から転がり落ちて苦しがり、口からは白煙が上がった。
救急車で近所の医院に搬送され、症状が重篤であるため東京医科大学八王子医療センターに転送されたが、同日午後6時3分頃、急性薬物中毒のため死亡した。
翌日、女児の通夜の席で、歯科医師は脳血栓の発作を起こし倒れた。

この液体は、歯科材料商社から大瓶で購入し、歯科医師が当日小瓶に移し替えて使用していたが、事故後、歯科医師の妻(当時59歳)が「薬を間違ったのでは」と思い、ためしに塗布液を自分の歯に塗ってみた。ところが、強い刺激とともに歯ぐきが荒れたため、うがいをして吐き出したという。妻はこの液体を中身ごと自宅の焼却炉で処分した。妻には医学や薬学の知識はなかった。

その後の調べで、同年3月19日に歯科医師の妻が市内の歯科材料業者に、フッ化ナトリウムのつもりで「フッ素」と注文し、業者はこれを歯科技工用のフッ化水素酸と解釈し、同院に配達した。その際、毒物及び劇物取締法に基づき、受領書に捺印を求めた。これは、フッ化ナトリウムでは不要のものである。この瓶と従来使用していたフッ化ナトリウムの瓶の意匠が異なることについて、歯科医師は「前年暮から新たに取引を始めた業者であり、別のメーカーの製品ではないか」と思いこみ、品名を確認していなかった。

歯科医師は刑事責任を問われた。1983年2月24日、東京地方裁判所八王子支部で業務上過失致死罪により禁錮1年6月執行猶予4年の有罪判決を受け、この一審判決が確定した



フッ化ナトリウム(フッ素)は歯科医院で塗布することが主流だったが、その後歯磨き粉や洗口液などに加えられるようになり、現在は自分で塗布するような商品も販売されている。
世界的には水道水に添加してしまうという方法が採られている。
日本でも検討や議論があったが現在国内で水道水にフッ素を添加しているのは米軍基地内と群馬県下仁田町役場内の水道水だけだそうである。
この虫歯予防のフッ素に関しても反対している医師や科学者がいる。


水道水フッ化物添加についての議論


フッ素はほとんどの場合(ウラン濃縮で利用する以外は)化合物として存在しているが、化合物とはフッ素と何かがくっついたという状態である。
多少性質は変わるがフッ素自体がなくなったわけではない。
塵も積もれば山となるではないが、日々口にするようなものに有毒なフッ素を添加するのはいかがなものかということである。
商品ならば嫌ならば買わなければよいが、水道水に入れられてしまうと選択性がなくなってしまう。(ミネラルウォーターを買えばよいじゃないか?)
そういう意味ではやはり問題はあると思う。
ちなみにフッ素化合物を水道水に添加することを世界で最初に導入したのはナチスだったと言われている。(虫歯予防?人体実験?痴呆化目的?)


戦後の1950年代にアメリカで水道水への添加を巡って科学者の間で一大論争が起こった。

アメリカにおけるフッ素の有効利用の始まりはアメリカにおけるアルミニウム産業でした。
産業廃棄物であるフッ素の毒性と処理に手を焼いていたアルコア社の主任研者フランシス・フレイリーは、メロン産業研究所の研究員ジェラルド・コックスにフッ素の歯に与える影響を研究して、その有効利用を提案しました。
そして、コックスは 1939 年に虫歯予防のために、公用の水道水にフッ素を添加することを提唱します。

また、このメロン産業研究所は、アルコア社の株主であるアンドリュー・メロンが設立したもので、真の目的は、大企業が起こす大気汚染・土壌汚染などの公害に対して行われる訴訟から産業を守るために有利なデータを作成することでした。
同社はアスベスト産業を守るために「アスベストは安全である」と長年主張し続けています。

その後、欧米において「宣伝広告の父」との異名をもつ、エドワード・バーネイが「虫歯予防にフッ素」というキャッチフレーズで水道水へのフッ化物添加キャンペーンをテレビ・ラジオ・ポスターなどを用いて全米で大々的に展開しました。
そして、「フッ素は安全なもの、体に良いもの」というイメージが一般社会に定着したのです。

THINKER 虫歯予防”フッ素”の真実 より>


1950年代は、時代的に核兵器開発や核の平和利用(原発)が盛んになってくる時期である。
(アメリカのアイゼンハワー大統領が、1953年12月8日にニューヨーク の国際連合総会で「平和のための原子力」演説を行った。)
アメリカの一大論争の際、低濃度ならば安全であると主張したフッ素添加支持派の中心的人物がハロルド・ホッジだった。ホッジは原爆と無縁ではなかった人物であった。
原爆にしろ原発にしろウランを濃縮する必要がある。そこではフッ素が使用される。

ハロルド・ホッジ博士は、予期される核実験反対や訴訟に備え、あらかじめウランやプルトニウムを人体に注射し、その毒性を測る実験を指揮していました。
それと同時に核兵器の製造時に大量に使用し、排出されるフッ素ガスの毒性を一般大衆に察知されないように安全性をアピールしておく必要があったのです。
そのためにどうしても「フッ素は安全なもの」として一般の人々のイメージに浸透させておく必要がありました。こうしたことが、すべてからんでいるためにフッ素に関しての真実はいまだに隠蔽されたままなのです。
<出典は同上>


1930年代ハロルド・ホッジはアメリカのロチェスター大学の医学部と歯学部で、フッ化物と歯のフッ素症の研究を含む毒物学を探求した。
当時のアメリカで取り上げられていたのは虫歯予防ではなくて、天然に存在するフッ化カルシウムの濃度が高い地域でフッ素症の発生が認められることと、フッ化物を含む工業的大気汚染による健康への悪影響であった。
水道水にフッ化物を添加するのではなく、水道水からフッ化物を除去することが課題であった。


潮目が変わったのはやはり戦時中の原爆開発だったのだろう。
ホッジはウランとプルトニウムの安全性を調べる人体実験を行ったという。

The US government settled with the victims' families, paying $400,000 per family. Seven victims were injected with material smuggled into a hospital secretly through a tunnel. One unmarried, white 24-year-old woman was injected with 584 micrograms of uranium; another 61-year-old man was injected with 70 micrograms per kilogram of uranium.:93 Hodge also arranged for Dr. Sweet to inject 11 terminally-ill patients with uranium for their brain tumors; however, these subjects may have known they were being tested.

Hodge is also singled out by BBC journalist Christopher Bryson in his book The Fluoride Deception as having played a key role in promoting the implementation of water fluoridation in the U.S., from which the water fluoridation controversy stems. Hodge's position on the Manhattan Project was connected with his knowledge of fluoride from his tenure at the School of Medicine and Dentistry in Rochester, New York. Fluorine and fluoride by-products were considered as highly dangerous and had been quite thoroughly researched by Kaj Roholm at that time. Modern toxicological profiles confirm the industrial risks inherent in working with fluorine, fluoride and hydrogen fluoride.Bryson makes the case that Hodge knowingly lied in testimony to Congress regarding the safety of fluoridation.


ホッジは戦後も米国原子力委員会(AEC)の薬理・毒物学部門を率いてウランやベリリウム(有毒性が高いと言われている)の吸入影響などを研究していた。
そんな中、水道水のフッ化物添加を推進していたわけである。

しかし1993年にアメリカの地方紙アルバカーキー・トリビューンのアイリーン・ウエルサム記者(ジャーナリスト)が"The Plutonium Experiment"(プルトニウム実験)と題してホッジの戦時中の人体実験を暴露した。
彼女はこれによりピューリッツァー賞をはじめ数多くの賞を受賞し、ホッジの評判はがた落ちとなった。
彼女は1999年にも "The Plutonium Files: America's Secret Medical Experiments in the Cold War"(プルトニウム・ファイル:冷戦におけるアメリカの秘密医学実験)」という書を執筆し賞を受賞している。

タイトルはプルトニウムだがホッジはウランの実験もしている。
戦時中はウラン爆弾の実現性が乏しくプルトニウムに期待する向きがあったが、やはりプルトニウムは有効ではなく、戦後はプルトニウムから離れてウランを中心に研究していたということだろうか。

アメリカ合衆国における人体実験
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# by yumimi61 | 2017-01-15 14:10
2017年 01月 14日
日本国憲法の秘密-450-
ウランは酸素を与える酸化剤や助燃性の性質を有し、酸素を奪う還元剤としての性質も持つ。自然発火性も有している。
また水素とも極めて反応しやすく水素化物(水素化合物)を作る。水素吸蔵合金の性質も持つ。
非常に反応性の高い物質である。
こうした特徴を上手く使えば役に立つことも多いが、反面取り扱いが難しい物質でもある。
核燃料として用いられているのはウラン単体ではなくて酸化ウランである。
水との両立性に優れ、融点も高くなる(約2800℃)。
ウラン単体よりもずっと安定していて取扱いやすい。

原発や軍事利用のウランは濃縮をして(ウラン238と235の比率を変えて)使用しているが、濃縮を行うためにはウランを気体にする必要がある。

ウランの融点と沸点は昨日書いた。
ウラン単体は、融点(固体→液体)1132 °C、沸点(液体→気体)3745 °Cである

ウラン単体を気化して濃縮を行うならば、沸点3745 °C以上の温度を維持し続けなければならない。
この温度を維持するということはなかなか大変なことであるし、非常に多くのエネルギーが必要になる。
ウランは最初から効率があまりよろしくないが、さらにこれではさすがに効率が悪すぎると思ったのだろう。
そこでどうしたかというと、「六フッ化ウラン」を使うことにしたのである。
フッ素化したウランということである。
六フッ化ウランは常温では固体だが56.5 °Cで昇華(液体とばし)して気体になる。
3745 °Cを維持するのと、 56.5°Cを維持するのでは、その差は歴然。

濃縮は僅かな質量差(中性子3つ分)を頼りに行うので、もしもフッ素にもいろいろ種類(核種)があり質量差があればウランの差なのかフッ素の差なのか分からなくなるが、幸い(というかだからこそ選ばれたんだろうけれども)フッ素は天然に存在する核種がただ1つしかない元素である(単核種元素)。

ちなみにヨウ素やセシウムも単核種元素である。天然に存在しているものは安定した核種である。
ところがヨウ素やセシウムは核分裂により新たに放射性核種が誕生する(と言われている)。分裂片のことである。
ヨウ素129やヨウ素131やセシウム137などは新たに生まれた放射性核種である。(ヨウ素129は核分裂の他ウランの自然崩壊でも生成される)(ヨウ素による健康への影響を心配するならばヨウ素129も取り沙汰されてよいはずなのだが、ウランの半減期が長いところに持ってきてヨウ素129の半減期も1570万年と長いためあまり注目されずにいる)
ヨウ素127が安定同位体であり、他37種類が知られているものの、全て放射性同位体である。
これらの新たに生まれた放射性核種が単核種元素の存在比を乱してしまっている(よく分からなくさせている)。
ヨウ素について言えば、安定ヨウ素127とヨウ素129以外は半減期が短いため、通常環境中にはないとされる。(どこかで放出され、それを採取し、計測して、人間があーでもないこーでもないと考察を加えているうちにヨウ素ではなくなっているだろうから環境中にあることを知ることは出来ないということ)


◎天然ウランが核燃料になるまで
天然ウラン→酸化ウラン→六フッ化ウランに転換→(気体にして濃縮)→酸化ウランに再転換→酸化ウラン粉末→プレス機で成型・加工→高温で焼き固めてペレットに→核燃料


◎フッ素の黒歴史
酸素を発見したアントワーヌ・ラヴォアジェも単離には至らなかった。

1800年、イタリアのアレッサンドロ・ボルタが発見した電池が、電気分解という元素発見に極めて有効な武器をもたらした。
イギリスのハンフリー・デービーは1806年から電気化学の研究を始めると、カリウム、ナトリウム、カルシウム、ストロンチウム、マグネシウム、バリウム、ホウ素を次々と単離。しかし1813年の実験では電気分解の結果、漏れ出たフッ素で短時間の中毒に陥ってしまう。デービーの能力を持ってしてもフッ素は単離できなかった。単体のフッ素の酸化力の高さゆえである。実験器具自体が破壊されるばかりか、人体に有害なフッ素を分離・保管することもできない。

アイルランドのクノックス兄弟は実験中に中毒になり、1人は3年間寝たきりになってしまう。
ベルギーのPaulin Louyetとフランスのジェローム・ニクレも相次いで死亡する。
1869年、ジョージ・ゴアは無水フッ化水素に直流電流を流して、水素とフッ素を得たが、即座に爆発的な反応がおきた。しかし、偶然にも怪我一つなかったという。

ようやく1886年、アンリ・モアッサンが単離に成功する。白金・イリジウム電極を用いたこと、蛍石をフッ素の捕集容器に使ったこと、電気分解を-50℃という低温下で進めたことが成功の鍵だった。当時は材料にも工夫があり、フッ化水素カリウム (KHF2) の無水フッ化水素 (HF) 溶液を用いた。だがモアッサンも無傷というわけにはいかず、この実験の過程で片目の視力を失っている。フッ素単離の功績から、1906年のノーベル化学賞はモアッサンが獲得した。翌年、モアッサンは急死しているが、フッ素単離と急死との関係は不明である。


そんなフッ素を大量に・・・。

その性質上、フッ素を単体で使う場面は少なく、フッ化カルシウム (CaF2) と硫酸 (H2SO4) から生成するフッ化水素 (HF) を介して利用されることが多い。ウラン235 (235U) 濃縮のため、揮発性の高いフッ化ウラン (UF6) を製造する目的で単体フッ素が利用されることは、特筆すべき事柄である。

フッ素の化合物は、一般に極めて安定しており、長期間変質しないという特徴を持つ。この性質は環境中で分解されにくく、いつまでも残存するということを意味しており、その使用には注意が必要である。



フッ素は天然(自然界)にも単体では存在しておらず蛍石や氷晶石などとして在る。
酸化性が極めて高い物質。
反応性が高く取扱いが非常に難しい危険な物質であるため、酸化剤として用いられることはまずない。
研究などであってもおいそれと使える物質ではない。
あのNASAも諦めたくらいである。
単体のフッ素やClF5などの化合物はロケット燃料の酸化剤として、1950-1970年頃にかけNASAを含むいくつかの機関で検討されたことがある。例えばNASAでは液体酸素の代わりに液体酸素-液体フッ素の混合物(フッ素を70%含むFLOX-70や同30%含むFLOX-30等)をアトラスロケットのエンジンを用いて試験しているし、ソビエトでも同様の実験が行われていた。これはフッ素を酸化剤として使用した場合の比推力が酸素を用いた場合を上回るためであったが、性能向上がわずかであったのに対しフッ素の危険性ゆえに取り扱い上の困難が非常に大きく、結局ロケット燃料としての利用に関しては断念されることとなった。
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# by yumimi61 | 2017-01-14 16:22
2017年 01月 13日
日本国憲法の秘密-449-
原子炉建屋内には運転に用いている核燃料(ウラン110トン)のみならず、使用済み核燃料も冷却されて保管されていた。
事故の状況によってはウラン100トン分の放射性物質が放出されるだけでは済まないということである。


福島原発事故の際、原子炉などの説明として報道機関の報道をはじめとしてよく用いられてた図はこのようなタイプが多かった。
e0126350_1354490.jpg


こちらはこの間も掲載した電力会社の原子力発電(沸騰水型)の仕組みの説明図。
(今回分かりやすいように「原子炉格納容器」という言葉と矢印を私が書き入れました)
e0126350_136427.gif


原子炉格納容器(原子炉を格納している容器)(外側の容器)の一番下の部分には水が溜めてある。これを圧力抑制プールという。
(一番上の図では断面図であるためプールというイメージが少々涌きにくいかもしれない)
約3,000トンの水が入れられているそうだ。
温度がコントロールできないのも困るが、圧力がコントロールできないのも困る。(温度と圧力には関係があるけれども)
圧力が上がり過ぎれば容器の破損に繋がるからだ。
何らかの不具合(故障・事故)で原子炉圧力容器の圧力が上がり過ぎた場合に、原子圧力容器の弁を開けて蒸気を圧力抑制プールに送り込み、貯めておいたプールの水で冷却し圧力を低下させる役目を持っている。
送り込まれた蒸気が多ければ、あるいは原子炉圧力容器が破損して蒸気が漏れだしているようなことがあれば、原子炉格納容器も蒸気によって圧力が上がってしまい破損しかねない。それを水による冷却によって防ぐという役目もある。
いざという時には炉心(核燃料)を冷やす役目も持っているそうである。

では事故発生の時に散々耳にした炉心溶融(メルトダウン)とは何なのか。

炉心溶融、あるいはメルトダウンとは、原子炉中の燃料集合体が(炉心を構成する制御棒やステンレススチール製の支持構造物等をも含めて)核燃料の過熱により融解すること。または燃料被覆管の破損などによる炉心損傷で生じた燃料の破片が過熱により融解すること。

炉心溶融は原子力事故における重大なプロセスの一つであり、さらに事態が悪化すると核燃料が原子炉施設外にまで漏出して極めて深刻な放射能汚染となる可能性がある。それに至らないまでも、溶融した炉心を冷却する際に発生する放射性物質に汚染された大量の蒸気を大気中に放出(ベント)せざるをえないことが多く、周辺住民の避難が必要となるなど重大な放射能汚染を引き起こす可能性がある。

臨界状態の核燃料が炉心溶融を起こす場合もあるが、原子炉の運転中に生成蓄積された核分裂生成物が臨界停止後も大量の崩壊熱を発生するため、未臨界状態の核燃料であっても炉心溶融を起こしうる。


早い話、燃料棒(燃料被覆管)か、その中に収められていた核燃料(固体の酸化ウラン)が融けることである。(図の赤い部分)
要するに密封されていたはずの核燃料が被覆管の外に出てしまうということ。そこには放射性物質が多数存在している。

福島原発事故では、まず地震による停電で外部電源を失った。
しかし外部電源喪失は地下に設置されていた非常用ディーゼル発電機の起動によってカバーできるようになっていた。
ところが津波によって非常用ディーゼル発電機も海水に浸かって故障。
同時に電気設備、ポンプ、燃料タンク、非常用バッテリーなども流出したり故障したりで、全電源喪失状態(Station Blackout、ステーション・ブラックアウト)に陥った。
電気を作っている原子力発電所自体も電気なしにはやっていけない。
電気がストップして一番に問題になるのは原子炉圧力容器や原子炉格納容器に水が送れなくなることである。

水が送れないと蒸発する一方なので水位はどんどん下がっていき、通常は水(沸騰水)に浸かっている燃料棒が顔を出すようになる。
さらに続けば完全に水(沸騰水)が蒸発してしまう。
やかんに水を入れて火にかけ、かけたことを忘れるといずれ水が全て蒸発して、空焚き状態になる。
新潟県糸魚川市の大規模火災も元を正せば鍋の空焚きだったとか。
温度がどんどん上昇して火災にも繋がる状況である。(最近のコンロならば空焚きを感知して止まるようになっているらしいけれども)

それならば蒸気を逃さないようにすればいいじゃない?
普通の鍋に水を入れてしっかり蓋を閉める。
そのまま熱し続ければ、蓋がガタガタしだして、蓋が外れたり煮こぼれたりしますね。
蒸気を逃してやらないと中で圧力や温度が充満して耐え切れなくなってしまう。
蒸気や液体を逃さないように密封し、ある程度の圧力に耐えられるのが圧力鍋である。
しかし爆弾を作るのに使われたりする。圧力鍋だって限界を超えれば耐え切れない。
原子炉も蒸気を逃さないで熱し続ければ、結局容器が耐え切れなくなってしまう。


ボケ老人じゃないんだから(失礼!)忘れてたなんてことはないでしょ、まず火を止めなさい?
原発は火を止めたのである。緊急停止装置が作動したのである。
原発の「火を止める」とは緊急停止装置が制御棒を全て入れて「臨界反応(核分裂連鎖反応)を止める」ことである。
しかし実際のところ、この停止はほとんど意味をなさない。
何故かと言うと、人間には原子核が崩壊することによって生じる熱を止めることが出来ないからである。
原発の核燃料で核分裂に用いているのはウラン235の比率は3~5%。
残りの97~95%はウラン238である。
このウラン238、またウラン235の核分裂によって生じた放射性物質(分裂片)と、ウラン238の核崩壊によって生じた放射性物質が、どんどん核崩壊を続けている。熱を発し続けている。
だから実際のところ「火を止める」ことは出来ない。
考え方を変えて見ると、核分裂などさせなくても危機に陥るほどの熱を生じるのだから、端から核分裂なんか必要ないのである。
事故防止に大事なのは「火を止める」ことではなく「水を送り込む」ことなのだ。


ウラン単体は、融点(固体→液体)1132 °C、沸点(液体→気体)3745 °Cである。
燃料に用いている酸化ウランの融点は2850℃。
燃料被覆管に用いているジルカロイという物質の融点は1850℃。

温度は熱源の温度ではなくて物質の温度である。
物質(固体)の温度がこれ以上になれば融けて液体になってしまう。
熱源の温度が高ければ物質の温度も当然上がりやすいが、前にも書いた通り、温度の上がりやすさ(熱の蓄積)には熱伝導率や熱容量なども関係してくる。

燃料被覆管のジルカロイはジルコニウムと他の金属を合わせた合金。
主となるジルコニウムの熱伝導率はだいたいステンレスと同じくらいで、金属の中では熱伝導率は低いほうである。熱するまでにやや時間がかかるが熱は外に逃げにくい(熱しにくく冷めにくい)。

圧力容器内の冷却水(沸騰水)(水蒸気)の温度は約285℃。圧力は約70気圧。
水の沸点(液体→気体)は100℃であるが、これは常圧(1気圧)の時であり、それより圧が高いので100℃を超えて285℃となっている。
原子炉圧力容器は厚さ約15cmの鋼鉄(鉄と炭素の合金)製で90気圧まで耐えられるという。
純粋な鉄の融点は1535℃だが、一般的な鉄は炭素を含んでおり、1535℃よりも融点は低くなる。
鉄や炭素の熱伝導率はステンレスよりも高い(より早く熱し、熱を外にも逃しやすい)。
上にも書いたように圧力容器内の圧力が高くなりすぎた時には、弁が自動的に開いて高温高圧の水蒸気を圧力抑制プール(ウェットウェル)に逃し圧力を下げる。

沸点に達してから初めて蒸発すると勘違いしている人がいるかもしれないが、蒸発は低い温度でも発生する。
常圧にある水は沸点100℃にならなくても表面から蒸発している。
但し温度が高いほうがより蒸発しやすく、温度が低いと蒸発は少ない。
液体内部から蒸発が起きて一斉に蒸気になろうとする温度が沸点である。

内側の核燃料がジルカロイに熱を与え、ジルカロイは外側の水に熱を逃す。
燃料被覆管が融けてしまったら話にならないので、通常は被覆管ジルカロイは融点1850℃を超えない温度にある。

しかし不具合が起きていた。
何らかの不具合(故障・事故)で原子炉圧力容器の圧力が上がり過ぎた場合に、原子圧力容器の弁を開けて蒸気を圧力抑制プールに送り込み、貯めておいたプールの水で冷却し圧力を低下させる役目を持っている。
送り込まれた蒸気が多ければ、あるいは原子炉圧力容器が破損して蒸気が漏れだしているようなことがあれば、原子炉格納容器も蒸気によって圧力が上がってしまい破損しかねない。それを水による冷却によって防ぐという役目もある。


格納容器を守る役目もある圧力抑制プールであるが、福島原発の事故では格納容器内のプールではない部分(ドライウェル)の蒸気を外に逃すことも行われたそうだ(ドライベント)。
ウェットウェルだけでは間に合わなかったということだ。
被覆管や圧力容器に異常があってすでに放射性物質が被覆管や圧力容器外に漏れ出している可能性が高い。
そうは言っても原子炉格納容器は厚さ3cmの鋼鉄製。圧力容器より厚さがない。
水は気体になると体積が1700倍にもなる、逃さなければ爆発に繋がる。
だから放射性物質がすでに漏れ出している状態の蒸気を外に出すしかない。
でも結果的に福島第一原発の原子炉は爆発が起こった。
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# by yumimi61 | 2017-01-13 14:18
2017年 01月 11日
日本国憲法の秘密-447-
本日2本目の記事となります。

ヨウ素が取り沙汰された理由は半減期の短さだけではない。
いまいちど甲状腺がんのリスクとして挙げられている要素を思い出してほしい。

<リスク>
・放射線被爆
・遺伝
・体重増加
・ヨウ素(ヨード)摂取量
・ホルモン(ホルモン異常,経口避妊薬使用の有無,女性ホルモン補充療法の有無,不妊症治療薬使用の有無,乳汁分泌抑制剤使用の有無など)
・月経(初経年齢,閉経の有無,閉経年齢など)
・妊娠(妊娠回数,分娩回数,流産の回数,初回妊娠年齢,初回分娩年齢など)
・魚介類の摂取量
・アルコールや煙草


被爆とは別に「ヨウ素摂取量」自体がリスクの1つなのである。
ヨウ素(ヨード)は人間にとって必須成分であり、その半分は甲状腺に集まっていて、甲状腺ホルモンを生成するという役目を果たしている。
ヨウ素は食事などから定期的に摂取する必要がある。
多く含む食品は、昆布、ワカメ、ヒジキ、ノリ、寒天などの海藻類である。
こうした海藻類や魚介類を他国より多く摂取する日本ではヨウ素不足が問題になることはなかった。
(それでもヨード卵などという卵が売られていますね)
しかし世界的にはヨウ素不足は深刻で、これで命を落とす人も少なくないのである。
欧米では塩にヨウ素を添加することで改善をみたが、大陸の山岳地帯の発展途上国を中心に現代でもヨウ素不足は改善されていない。

ヨウ素過不足については過去記事でも触れている。
放射性ヨウ素を蓄えてしまう前に、安定ヨウ素で先に満たしてしまおうという考えで放射線汚染時に用いられるのがヨウ素剤である。
ヨウ素は通常でも過不足で健康障害を引き起こすことがある。
ヨウ素を含む海に囲まれる島国であり、広大な大陸でもないため土壌のヨウ素含有率も深刻に少ないという状況ではなく、さらに海産物を食べる習慣のある日本人は不足にはなりにくい。よってどちらかと言えば過剰が問題であった。
健康な人であればヨウ素摂取量が多少増えても排泄により自然に調節可能だが、長期間の過剰摂取は過剰症を引き起こすことがある。また疾患を持つ人は自然調節が上手くいかない場合もある。
外国では塩にヨウ素を添加していることも多いので日本人は注意が必要。
過不足ともに主に甲状腺(ホルモン)や妊娠や胎児に影響がある。


ヨウ素の過不足(特に不足)は周産期(妊娠22週から生後満7日未満)死亡に繋がる。
また先天的疾患や脳障害の原因としても非常に重要で、知的障害(精神遅滞)の最大の原因は世界的に見るとヨウ素不足なのである。

このヨウ素の過不足が甲状腺がんの発生にも関係しているという論文は幾つもある。
ヨウ素不足地域では性質の悪い未分化がんという種類の甲状腺がんが多く発生し、過剰地域では大人しく治りやすい乳頭がんの発生が多いそうである。
同時にヨウ素過不足と甲状腺がんの関係性は認められないとする論文も幾つかある。
両方を尊重すれば未だよく分からないといったところ。


ロシアは塩にヨウ素を添加している国である。
チェルノブイリ周辺の旧ロシア地区も比較的ヨウ素の摂取量が少なくヨウ素欠乏症が認められる。

2013年ロシアの状況
下院保健委員会のニコライ・ゲラシメンコ第一副委員長が、店舗で販売される全ての食塩にヨウ素を添加する法案を提出した。今、わが国では食塩へのヨウ素添加は任意である。ゲラシメンコ第一副委員長は、卸売・小売用の食塩にヨウ素添加を義務付け、パンの製造にもヨウ素添加塩の使用を義務付けることを提案した。

このような法案の根拠となったのは、内分泌学研究センターの研究である(2002〜2006年に行われた研究)。わが国では長い間、甲状腺の病気の状況が良い状況とはいえない。調査された19地域のうち15地域では、ヨウ素不足のために甲状腺腫(ヨウ素不足に関連した甲状腺の病気)の罹患率が5%から19%である;3地域(アルハンゲリスク州、ニジェゴロド州、アストラハン州)では甲状腺腫の罹患率は20〜29%の範囲にある。また、スヴェルドロフスク州では30%を超えている。これらのデータは法案への解説文に引用されている。

甲状腺腫を予防する最も単純な方法は、ヨウ素添加塩である。「実際、20世紀初頭、ソビエト政府によりすでにこの有益な実地応用は行われていました」―このように、「食事と健康クリニック」のミハイル・ゼイガルニク、主任医師は述べている。「これは深刻な病気―幼い子供の知的障害から大人の甲状腺機能低下症まで―を予防するための、最も安価な方法です。成人を完治させることができる一方で、子供たちのヨウ素不足は深刻な知的発達障害を引き起こしうるのです」。



摂取されたヨウ素の多くは甲状腺に運ばれる。
特に成長期の小児は甲状腺の働きが活発であるので、より多くのヨウ素を取り込みやすい。
慢性的にヨウ素が不足気味だったところにヨウ素が入ってくれば、待ってましたとばかりにそのヨウ素が使われる。
喉が渇いてれば水をゴクゴク飲むのと同じである。
チェルノブイリ周辺はヨウ素不足気味な地域であった。
従って原発から放出された放射性のヨウ素(ヨウ素131など)を甲状腺にたっぷりと取り込んでしまう。
日本ではこれまで健康な人が普通に生活していればヨウ素不足になるということは考えにくかった。
そうであるならば、不足気味で甲状腺に多くを取り込んでしまうチェルノブイリの小児と、不足の心配はない福島の小児とは、同じではない。

ヨウ素の種類が安定でも不安定な放射性でも、甲状腺細胞がそれを取り込む。
ヨウ素131など放射性のヨウ素が取り込まれると、放射性ヨウ素は甲状腺で放射線を放出し原子をイオン化させ、それがやがてがんになっていく。
がんになると手術でそれを取り除く。
もしも甲状腺を全摘するとなると、以後甲状腺ホルモンが作れなくなるので、ホルモン剤の服用が必要になる。
手術による甲状腺摘出や放射線療法による甲状腺機能廃絶後は、医源性の甲状腺機能低下症となってしまうのだ。
もともと疾病として持っている甲状腺機能低下症は原発性と言う。(原子力発電所の原発ということではない)

甲状腺ホルモンは全身のエネルギーを促すホルモンであり、それが利用できなくなるため、症状は多岐にわたる。 主な症状は、強い全身倦怠感、無力感、皮膚の乾燥、発汗減少、便秘、上下肢、脇、眉の外側の脱毛、声がかすれる、聴力の低下、目に光がなくなり,顔もぼてっとする,鍵の開け閉めなどできにくくなる、体重増加などである。 全身の活動が低下し無力感を持ったり低体温になる。
本症で最も問題となる症状は早老による動脈硬化などである。 また子供のクレチン症の場合は生育に必要な甲状腺ホルモンが欠如するので、発育障害や知的障害にいたる場合がある。
甲状腺機能低下症のその他の症状のうち、うつ症状、鼻閉、便秘/腸閉塞、多関節炎が非定型的で見逃されやすく、注意を要する。


上記の他、不妊の原因にもなりうる。
ホルモン剤で改善が見られる人もいるが、なかなか難しく何もする気が起きないという人も少なくない。
甲状腺にがんが見つかって甲状腺を切除してしまうとこうした厄介な問題を後々抱えることになりかねない。
成長期で後の人生が長い小児の場合はより深刻となるだろう。


実は放射性ヨウ素は甲状腺がんの原因になるだけでなく甲状腺がんの治療に用いることがある。放射性ヨウ素内用療法という。
放射性ヨウ素ががん細胞に取り込まれ、がん細胞を破壊するから有効なのである。
この治療が適応となるのは甲状腺がんで甲状腺を全摘した者。
全摘したのに何故必要?と思うかもしれないが、手術では甲状腺を完全に取り除いたつもりでも目に見えないほどの小さな甲状腺組織が残っていることがほとんど。
その残った甲状腺組織の中にもしもがん細胞があれば増殖してしまう。
それを防ぐために放射性ヨウ素をあえて飲んでもらい、放射性ヨウ素を甲状腺に送って、残っている甲状腺組織を破壊してしまうのである。
また肺やリンパ節などに転移している場合にも転移したがんは甲状腺と同じ性質を持つため、そこも破壊することが可能。
一方、全摘ではなくて甲状腺組織を一部残している場合、内用療法の利用は十分な検討を要する。
何故かというと、正常細胞を破壊してしまうからである。
従って治療ではなく体内に取り込んでしまった放射性ヨウ素にも細胞を破壊する(生命力を奪う)能力があると考えるのが妥当であろう。
がん細胞でも正常細胞でも非選択的に破壊してしまう能力があるということなのだ。
取り込んだ放射性ヨウ素の量によって結果は多少違うと思うが。


ここまで放射性ヨウ素について語ってきたが、私は以前何度か述べているように、核分裂利用についても懐疑的である。
もし核分裂を利用していないとなれば、ヨウ素131は生成されない。
それでもウラン238とウラン235は崩壊するので放射線は放出するし、違う種類の放射性物質も出来る。
でもヨウ素131やセシウム137は出来ない。
そうなれば原発事故で小児の甲状腺がんが他のがんに先駆けて発生する理由はなくなる。
甲状腺がんが有意に増えなくても良いということである。

でもチェルノブイルは有意に増えている?
それはヨウ素不足から発生したがんとは考えられないのだろうか?
不足しているところにヨウ素131が取り込まれてもがんの原因になるが、ヨウ素不足だけでもがんの原因になる。そういう論文がすでにある。
さらにスクリーニングによるバイアスも完全には否定できない。
核分裂の証明にはヨウ素131があったほうが都合が良いのだろうけれども。
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# by yumimi61 | 2017-01-11 18:19
2017年 01月 11日
日本国憲法の秘密-446-
昨日の記事にて広島・長崎原爆後の調査とチェルノブイリ原発事故の調査が「甲状腺がんの増加は放射線被爆と関係がある」との結論を導き出したと書いた。
但し広島・長崎原爆とチェルノブイリ原発事故では被爆の在り様が違う形で捉えられている。
広島・長崎原爆ではγ線の被爆(外部被爆)という認識。
一方のチェルノブイリ原発事故では放射性降下物という認識である。

放射性降下物(英: nuclear fallout)またはフォールアウト(英: fallout)とは核兵器や原子力事故などで生じた放射性物質を含んだ塵を言う。広域な放射能汚染を引き起こす原因はこの放射性降下物である。
一般には死の灰という俗称で知られる。日本では第五福竜丸事件が有名である。


第五福竜丸とは1954年のアメリカの水爆実験に遭遇して被爆したマグロ船のことである。
先日書いたように死の灰を浴びたが、乗組員の異変は「輸血による血清肝炎」だとアメリカは主張した。

放射性降下物とはウランなどの放射性物質(核種)(原子が集合し微粒子となり、さらに塵などに付着し粒子となったもの)のことで、それが広範囲に拡散されるのである。拡散されるということは密度は低くなる。
放射性物質があれば放射線を放出するが、放射線を放出するのは核崩壊する時であり、随時及び長期に亘る。
密度は低いとしても微粒子1個でも人間の体内に入れば原子のイオン化という異常をもたらす。リスクは有る。
つまりチェルノブイリ原発事故の調査は内部被爆の影響が念頭にあると言うことが出来る。

広島・長崎原爆では外部被爆(γ線)の影響で甲状腺がんが増加したと考えている。
一方のチェルノブイリ原発事故では内部被爆(放射性降下物に含まれる放射性物質から放射されるα線・β線・γ線)の影響で甲状腺がんが増加したと考えている。
両者には違いがある。

何が念頭にあるかによって調査の仕方は変わる。
特に後ろ向き研究の症例対照研究(ケースコントロール研究)では、対象者からそれに合わせた情報を得る必要があるので、何が念頭にあったかによって結果は随分違うものになる。
福島の原発事故の際も、日本では原爆の調査と同様に、ほとんどがγ線や外部被爆を中心に報道されたり論じられていた。
これにずっと違和感があった。
人々は福島第一原発から放射線が飛んでくるようなイメージを持っているかのようだった。


原爆も原発も核分裂を利用していると言われている。
核分裂を起こさせるにはウラン238ではなくウラン235が必要である。
それを完全に分離して使用することは出来ないので、238と235の比率を変えて利用する。これがウラン濃縮である。
広島・長崎原爆の比率がどれくらいだったかは分からないが、核兵器に用いる場合にはウラン235の割合が相当高くないとダメだと言われていて分離できないにしても100%近くになっていないとダメだという話があった。
現在一般的には核兵器などの軍事利用には70~90%の高濃縮ウランが必要と言われている。
原発の燃料に用いているウランのウラン235の比率は3~5%ほどだという。
劣化ウランは天然ウランのウラン235の比率0.7%よりも低い。
ではウラン235以外は何かと言えばウラン238である。

核分裂では放射線は放出されない。
もし100%のウラン235を用いた原爆ならば、爆発(核分裂連鎖反応)の瞬間に放たれる放射線はない。
厳密に言えば分裂後の放射性物質(分裂片)から幾らかは放射されるかもしれないが、取るに足らないものである。
もっと厳密に言えばウラン235の自然崩壊による放出もあるが、崩壊してしまうとウラン235ではなくなるということで核分裂連鎖の成功が怪しくなってくるので、崩壊はないことになっている。
核分裂は直ちに全ての放射性物質(分裂片)が崩壊を起こして放射線を放出するわけではないのだから、放射線はそれほど放出されない。
新たに生じた放射性物質(分裂片)の種類と量と半減期によって、どんな頻度で崩壊してどの程度の放射線が放射されるかは変わってくる。
ウラン235の比率が高いということは、瞬間的な放射線の放出量は少なくなるということなのだ。
広島や長崎の原爆が爆発した瞬間に多くの放射線(α線・β線・γ線)が放出されたということはない。
それなのに急性放射線症が被害の中心であるかのように謳っていることも、私があれは原爆ではなかったとする根拠の1つである。
(どこで摩り替えたか被害をもたらしたものは「熱線(赤外線)」になってはいるけれども)


原発に用いられているウランは原爆とは逆でウラン238のほうが圧倒的に多い。
ウラン238は核分裂しないのだから、来るべき崩壊の時を待つしかない。
核燃料内のウラン238は、適宜、順次、長期に亘って崩壊が続く。崩壊に従って放射線が放出されている。
核燃料内に3~5%ほど含まれるウラン235は核分裂連鎖反応を緩やかに継続させている。

以前、福島第一原発の3号機を例にして酸化ウランの量を計算した。
 ・ペレットの大きさは直径1cm×長さ1cmほど。小さな円筒形。
 ・ペレット1個の重量は約8g。
 ・燃料棒1本につき350個のペレットを用いる(燃料被覆管に350個のペレットが密封されている)
 ・燃料棒を束ねたのが燃料集合体であり、1体あたりの燃料棒数は72本
 ・原子炉一基あたりの燃料集合体数は548体
 ⇒8×350×72×548=110,476,800g=110,476.8kg≒110t(トン)


3号機という原子炉一基あたりではおよそ110トンのウランが使用されている。(これで4年間運転継続可能だそう)
そのうちの3~5%がウラン235であるので、3.3~5.5トンのウラン235が含まれている計算となる。

では原爆にはどれくらいウランが使用されていたのか?
科学者が計算で弾き出した数値としては、以下のとおりである。
・核分裂連鎖反応による爆発を起こさせるには、純度100%のウラン235が20kg以上必要。
 (ウラン10kgはおおざっぱに500mlペットボトル1本分くらいの大きさである)
・プルトニウム239でも、純度100%で5kg以上ないと核爆発しない。

しかしウラン235を分離することは出来なかったため、ウラン総量で75kg積載した。(ウラン235の比率が80%で60kg含有)
後年、このうち核分裂を起こしたのは60分の1程度、つまり総量で1.25kg・ウラン235で1kg相当だったと言われるようになる。(つまり不完全爆発だった)
ともかく原発一基に使用されているウラン量に比べたら遥かに少ない。

【ウラン総量】
 ●原爆 75kg
 ●原発 110,000kg(110t) 
※原爆の1467倍のウランが福島第一原発3号機には存在していた。

【ウラン235量】
 ●原爆(純度80%として) 60kg
 ●原発(純度4%として)4,400kg(4.4t)
※原爆の73倍のウラン235が福島第一原発3号機には存在していた。



原発事故後にその名が取り沙汰された放射性物質は「ヨウ素131」や「セシウム137」、「ストロンチウム90」。
これらはウラン235の核分裂後に出来る放射性物質(分裂片)である。
「ヨウ素131」や「セシウム137」が崩壊して別の核種になる際に放射線を放出する。
核分裂後に出来る放射性物質(分裂片)はこの2つだけではないし、核分裂しないウラン238だって崩壊によって放射線を放出する。

「ヨウ素131」「セシウム137」「ストロンチウム90」の崩壊過程は下記の通り。
15過程を経るウラン238に比べると過程は少ないし半減期も短い。
(物質としてはウランのほうが不安定なはずなのに半減期がやたら長いという矛盾があることはすでに指摘してきたこと)
※原子番号(原子番号が大きいほど不安定) ストロンチウム38 ヨウ素53 セシウム55 ウラン92

●ヨウ素131(半減期8.0207日)→β崩壊→キセノン131m(11.934日)→γ崩壊→キセノン131(安定)

●セシウム137(半減期30.1671年)→β崩壊→バリウム137m(2.225分)→γ崩壊→バリウム137(安定)

●ストロンチウム90(半減期28.90年)→β崩壊→イットリウム90(64.053時間)→β崩壊→ジルコニウム90(安定)

大きさが1μm(0.001mm)の酸化ウラン微粒子1個からは年に3~4回放射線が放出される。
・大きさが5μm(0.005mm)の酸化ウラン微粒子1個ならば1日に1回放射線が放出される。

1回の放出でもリスクはある。
ウラン238の半減期は44.8億年である。
それに比べてヨウ素131の半減期は8.0207日である。
微粒子の大きさが同じならば放出回数がもっとずっと多くなるということである。
1回の放出でもリスクはあるのに沢山放出があれば・・・。
現状、半減期が短いと放射線被爆リスクが高いということになる。
だから事故後真っ先に「ヨウ素」が取り沙汰された。
しかし反面、ヨウ素の半減期が短いために、その間に何もなかったからと放射線被爆から解放されたような気持になっていった人も多かった。
ヨウ素131は多くの放射性物質の1つに過ぎない。
またヨウ素を取り込んで被爆したとしても外部被爆による急性の放射線症ではないのですぐに影響が現れるわけではない。一般的には4~5年でも早いくらいである。
但しヨウ素は半減期が短い(被爆リスクが高い)という特徴があるので、それによって出現時期も早いと考察することも出来なくはない。
原発ではヨウ素131が生成される可能性のあるウラン235の比率は3~5%。
97~95%はヨウ素131を放出しないウラン238である。ウラン238の崩壊ではβ線より電離能力の高いα線を放出する。
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# by yumimi61 | 2017-01-11 12:06
2017年 01月 10日
日本国憲法の秘密-445-
高齢者の罹患は社会的に盛り上がらない、若年者の罹患のほうが訴求力が高い。

そこで原発事故でクローズアップされたのが甲状腺がんである。
甲状腺がんを発症する年齢は10代から高齢者までと非常に幅広い。
言い換えると小児と呼ばれる若い年齢層でも大人と同様に罹患する可能性がある珍しいがんなのである。
大人に多い胃がんや肺がんは小児ではみられない。(がんを見つけるための検査もしてない)

小児が罹患するがんを「小児がん」という総称で呼ぶ。(小児とは15歳以下を指す)
小児がんの中の割合。
①白血病 33%
②脳腫瘍 22%
③悪性リンパ腫 9%
④神経芽腫 6.5%
⑤骨腫瘍 4.1%
⑤軟部腫瘍(全身のあらゆる軟部組織に発生する腫瘍) 4.1%
⑦腎腫瘍(腎芽種) 3.5%
⑦網膜芽腫瘍 3.5%
⑨肝腫瘍(肝芽腫) 2.3%
その他 11%

①②③以外は大人ではまれなものばかり。
芽種は胎児期に細胞の分化が上手くいかずに、なるべき細胞になりきれず異常な細胞となり増殖して発生すると考えられている。これらには遺伝的要素があるものもある。
小児がんの場合には同じ腫瘍でも種類(病態)が沢山あり細かく分かれていて治療法も異なる。
大人の胃がんのようにがんが見つかったら手術して除去すれば良いというような単純なものではない。
そんなこともあってかつては小児がんは不治の病だった時代もあるが、現在はかなりの確率で治るようになってきている。

若い人のがんの進行は早いと言うが、小児がんは大人のがんよりも治癒率が高い。
現代では小児がんの70〜80%は治癒すると言われている。小児がんは不治の病ではなくなったということだ。
但し代わりに問題となってきたのが晩期障害・晩期合併症(Late Effects)である。
小児がんは克服しても、薬や放射線、手術など治療の影響(副作用や新たな疾病)がそのまま残る、あるいは何年か後に、場合にはよっては何十年も後に発症することがある。


日本では小児10,000人に約1人の割合で小児がんと診断されているような状況である。
1年に2,000~2,500人の小児ががんと診断される計算。
小児のうち10~14歳は死因のトップががんとなるが、それ以下の年齢ではがんがトップではない。

日本で甲状腺がんと診断されるのは、大人も含めて1,000人に2~3人くらいの割合。
そのうちの85%は、自覚症状が無く、進行も非常に穏やかな、治りやすい乳頭がんという種類のがんである。通常若い人が罹るのはこのがんである。
高齢になってからの罹患は若干予後が悪くなるが、それでも甲状腺がんで死亡する人は少ない。
甲状腺がんで問題となる(自覚症状があり、悪性度が高く、進行も速く、きわめて予後が悪い)種類のがん(未分化がん)は1%ほどである。発症するのは40代以降で高齢になるほど多い。
その他のやや問題になる種類の甲状腺がんを含めても、全体で90%は死を心配する必要はないがんである。
全てのがんの中でも最も大人しいがんと言われるくらい。

甲状腺疾患はがんよりも機能亢進症や機能低下症、甲状腺炎などホルモン異常事例のほうが遥かに多いし、現実的にはこちらのほうが問題となる。。
内分泌・代謝疾患のテキストを見ても甲状腺腫瘍(良性・悪性)の扱いはごくごく僅かである。


甲状腺がんとはそのようながんであるが、そのうえでリスクの話をすれば、甲状腺がんのリスクとして真っ先に挙がるのは放射線被被爆である。
この場合は若いほどリスクは高いとされる。
<リスク>
・放射線被爆
・遺伝
・体重増加
・ヨウ素(ヨード)摂取量
・ホルモン(ホルモン異常,経口避妊薬使用の有無,女性ホルモン補充療法の有無,不妊症治療薬使用の有無,乳汁分泌抑制剤使用の有無など)
・月経(初経年齢,閉経の有無,閉経年齢など)
・妊娠(妊娠回数,分娩回数,流産の回数,初回妊娠年齢,初回分娩年齢など)
・魚介類の摂取量
・アルコールや煙草

リスクがあるとかないとか何が決めるかと言うと「論文」である。
誰が決めるかと言えば、その論文を書いた学者や医療従事者ということになる。
実験や調査研究の結論で有意にリスクがあるとかないとか言うわけである。
これが「科学的に証明された」ということにもなる。
だけど前述したように調査者やその手法によって結論なんてどうにでもなってしまうものである。
だからと言うか何というか同じことを調べても真逆の結果がでることがある。リスク有りとリスク無しという論文がどちらも存在することはよくある。
そのどちらかだけを取り上げて何か言うならば「有り」か「無し」になるし、両方を尊重すれば「はっきりしない」「明らかになっていない」ということになる。
また調査数自体が少ないという場合もある。
「リスク有り」という論文を誰か書いたとしても、それ以外の人が誰も興味を持たずに調査研究していないという状態。それでも反論がないということで堂々と「リスク有り」と取り上げることも出来る。

放射線被爆は「有意にリスク有」りとされているが、この元になっているのは広島・長崎原爆後の調査とチェルノブイリ原発事故の調査である。
広島・長崎原爆後の調査で被曝量と甲状腺がんの発生には有意な直線関係が存在している、若い時の被爆ほどリスクが高いという結論が導き出されている。
但しこちらの調査は戦後すぐに行われたという状況ではなさそうだ。後ろ向き調査が主流だろうか。

チェルノブイリ原発事故では4~5年で甲状腺がんが増加したという報告があった。
一般的な大人のがんの場合にはリスクに曝露してから発生(発病)までにある程度時間があると考えられている。4~5年で発生というのは比較的短期である。
そのため増加したのはスクリーニングのせいではないかと疑われた。
スクリーニングとは集団全員を対象として「異常あり」「経過観察」「異常なし」などとふるいわけることである。
健康診断はスクリーニングの一種である。
事故が起きなければ調べることなどなかったのに、事故が起こったから調べた。
しかも原発事故なんていう特殊な状況で、調べる人も調べられる人も周辺の人々も平常心をやや欠いている。高ぶっている状態であるので余計にバイアスがかかりやすい。
しかしその後、スクリーニングだけでなく、症例対照研究やコホート研究(2つは代表的な観察研究である)もなされ、広島・長崎原爆と同様、被曝量と甲状腺がんの発生には有意な直線関係が存在していると結論づけられた。

■症例対照研究(ケースコントロール研究)・・・・後ろ向き研究
「異常あり」の集団と、「異常なし」の集団に対して、特定の要因への曝露状況を調査し、比較する。
特定の要因と疾病の関連を評価する研究手法である。罹患率を求めることはできず、リスクが何倍などと表される。
過去に遡ってリスク要因を調べていくので記憶に頼らなければならない。対象者から得た情報はどうしても不正確になりがち。
自分の記憶以外の情報から脚色されて自分のことだと思い込んでいることなどが考えられる。その傾向は「異常あり」とされた人に強い。
(原爆の被爆者があの日の空はこんなだった、とか言っているのを聞くといろいろと心配になる)
また自分の記憶も「異常なし」の人よりも「異常あり」の人のほうがよく覚えているという傾向が在り、記憶の程度からして違うため、そもそも両者が比較に耐えうるものではないという大きな欠点を抱えている。

■コホート研究・・・・前向き研究
特定の要因(リスク)に曝露した集団と、曝露していない集団を追跡して、研究対象とする疾病(例えば甲状腺がん)の発生率を調べる。
発生するかどうかも分からないものを長期間追跡するので、お金と時間がかかるという大きな欠点がある。
そのあげく、どちらもほとんど発生しなかったという悲惨な(?)結末も無きにしも非ず。
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# by yumimi61 | 2017-01-10 13:54
2017年 01月 09日
日本国憲法の秘密-444-
【HCVに感染している可能性が一般よりも高い人】
・1988年以前に血液凝固第VIII、第IX因子製剤の投与を受けた人。
・1992年2月以前に輸血を受けた人。
・1994年以前にフィブリノゲン製剤の投与を受けた人。

輸血用血液でHCV(C型肝炎ウイルス)に関してのスクリーニング検査が始まったのは1992年2月。
妊婦健診でHCV抗体の検査が導入されたのが1995~1996年頃。
近年では健康診断や人間ドックでも、HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体を検査項目にしていることが多い。
C型肝炎は感染力が強くなく日常生活はもとより母子感染(垂直感染)もほとんどないとされており、感染経路は血液が主である。
傷などから感染する可能性も皆無ではないので日常生活でも血液には直接触れないように注意する必要がある。

前記事でリンクした記事に書いたことだが、1954年にはアメリカは輸血が肝炎を引き起こすという事実を掴んでいた。
1954年3月1日、アメリカの水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」も死の灰を浴びて被曝した。
乗組員の異変をアメリカは「輸血による血清肝炎が原因であるとし、放射線の被曝は決定的なものではない」と主張した。
日本がこれより前に輸血に関してどのように考えていたかは分からないが、少なくともこの時には肝炎と無関係ではないことを知ったはずである。
ちなみに現在でも日本は他国と比較すると輸血を多くする国である。(最先端とか技術の高さとか愛を売りにしているのかしら?)
輸血で救われた私が言うのもどうかと思うが、こちらに書きました

日本は先進国の中でも輸血が多い。
しかし輸血は感染や拒絶反応などリスクも高く、費用もかかる。
臓器移植より簡単に考えられているが、本質的には同じである。
最先端の考え方は、他の方法で出血を防ぎ、輸血はなるべくしない方向にある。

適正な輸血が行われるためには、使用する医師が使用基準を熟知し、医療機関や国は使用基準が守られているかどうかチェックする必要がある。
日本はこれが大変甘い。
にもかかわらずというか、だからというべきか、日本は輸血を実施している病院が実に多いのである。
ところが専門の輸血部を持つ病院は非常に少ない。
日本赤十字社の御膝下である赤十字病院でも専門の輸血部を持つ病院は僅かしかない。
多くの病院が医師個人の裁量のみに頼り、頼りない施設の中、ぎりぎりの人数の医療従事者で実施しているのが現状である。
懸念されるのは輸血される血液の安全だけではないということ。



アメリカが言った「血清肝炎」とは血液や体液を介して感染する肝炎のことである。
血清肝炎はC型だけでなくB型やD型もある。
B型は急性症状を示すが予後は悪くない。C型は急性症状は示さないが発がんの可能性を残す。
被爆や輸血後すぐに発症したというのでは、C型肝炎のみが原因とは言えない。

B型肝炎については近年ひそかに性病として注目されていて、以前こちらに書いた
C型よりも感染力は非常に強い。
日本では昔は母子感染が多かったが、昨今はほとんどが性行為感染となっており、B型肝炎は「性行為感染症」として扱われている。
エイズなどと同じで海外では特に注意が必要。

辿る経過は以下の通り。
・自然治癒
・一過性の感染
・HBVキャリア(持続感染)
・劇症肝炎

B型肝炎は感染力は強いが治る病気である。ほとんどの人は良くなる。
感染したことに気付かずに自然治癒する人も珍しくない。
慢性肝炎になるとC型と同じように肝硬変や肝癌に繋がることはあるが、急性肝炎であれば一般的に長くても数ヶ月で治癒する。
劇症肝炎になると予後は悪くなるが、発症率は1%程度である。


主に水や食べ物を介して感染するのが、A型・E型肝炎ウイルス。こちらは衛生状態のあまりよくない発展途上国に行く際に注意が必要。

兎にも角にも、1954年には輸血に肝炎感染の可能性があると知っていたにもかかわらず、何も手を打たず1992年まで40年間あまり放置し続けた。
この間にも感染者は拡大し続けたであろう。

1954年から10年後の1964年にライシャワー事件が起こった。

血液銀行(輸血用血液)が日本赤十字社の独占業務になったきっかけが「ライシャワー事件」だったということである。
今なお日本の血液は日本赤十字社が牛耳っている。(その日本赤十字は皇室との関係が深い)
ライシャワー事件とは、1964年、駐日アメリカ大使のライシャワー氏がアメリカ大使館前で精神分裂病(統合失調症)であった若者にナイフで刺された事件。
ライシャワー氏はこの時の輸血により肝炎に感染したそうである。
アメリカの医療ドラマ『ER』でも医学生のジョン・カーター三世が院内で精神分裂病患者に刺されるというシーンがあった。
日本での放映はこの部分がそっくりカットされた。
ライシャワー事件では、輸血用血液の問題だけでなく、日本における精神障害者の医療体制も取り沙汰され、これが通報や入院制度の強化など精神衛生法の一部改正にも繋がった。
過去記事より)


薬害エイズ事件にはミドリ十字ルートというのがあったのだが、ミドリ十字社は日本赤十字社が血液銀行を独占する前に血液を売買していた。
「ミドリ十字社」は元軍医だった医師が創業したベンチャー企業「日本ブラッドバンク」としてスタートしている。
1950年に日本最初の民間血液銀行として会社設立されたのだ。
それを追うように血液銀行を開設したのが日本赤十字社である。
1952年、日本赤十字社法施行、血液銀行開設。

日本赤十字社は明治時代には新島襄を追っていた。
新島襄が設立した京都看病婦学校が始めた巡回看護を追いかけるようにして日赤篤志看護婦人会なるものを設立し活動を始めた。
さらに新島襄が亡くなった1890年に日本赤十字社は看護婦養成所を設立した。
新島襄の未亡人八重は夫が創立した学校ではなく日本赤十字社のほうへ肩入れしていったのだった。
新島襄が総合大学を目指して設立した同志社は未だに医学部が無い。

その後アメリカ水爆実験による被爆事件(1954年)があり、その後駐日アメリカ大使が刺される事件(1964年)があった。
ライシャワー事件後の閣議決定により日本赤十字社は目出度く(?)血液業務を独占することに成功した。
独占前にはベンチャー企業だったミドリ十字社も血液の売買をしていたが、ミドリ十字社は1996年薬害エイズ事件で歴代社長3人が逮捕された。
このあたりも因縁深い。


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高校サッカーの決勝戦を前半終了までテレビで見ていたが2-0で前橋育英が負けていた。
今まで失点してこなかっただけに厳しいかなぁと思ってトイレに立つと、犬がそわそわしだしたので仕方なく散歩に出かけ、散歩から帰宅後は暗くなる前にと思って買い物に出た。
買い物の最後に今日も灯油を買った。
相変わらず新聞紙はあのままである。
混雑している時や人手が少ない時以外は車両への積み込みを手伝ってくれるのだが、着いた時にはあまり客はいなかった。
それでも18リットルの灯油缶2本に灯油を入れている間に客がやってきたので店員さんも若干迷ったらしかった。
私はささっと1本目をトランクの「19人殺害」と書いてあるほうに積み込んだ。
そこへ店員さんがやってきてもう1本を積み込んでくれた。
セーフ。(なにがセーフなのか・・)

すると店員さんが「お客さん、サッカー見てた?」と言ってくる。
本当に一瞬のことだと思うけれど、「サッカー?なんで・・?」「え?どこで見られたのか?」とか頭をよぎりグルグルしたが、すぐに「高校サッカーのことだ!」とチャンネルがあった。
「前半まで見てましたけど」
「勝った?勝ったの?」
「いえ、2-0で負けてました」
「負けてたのかぁ」(がっかり観満載)
おじさん(店員さん)はそそくさと仲間の方へ歩いて行った。「2-0で負けてたってさ。こりゃあ負けたな」という声が背後から聞こえてきた。
その時にすぐに気が付けば良かったけれど、スマホで調べればすぐに結果は分かったから教えてあげられたのに思いつかなかった。

実は「19人殺害」見出しの横紙面の見出しは「27年ぶり聖地王手」なのである。
店員さんやっぱり新聞が目に入るんでしょうか・・入るんでしょうね・・。

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# by yumimi61 | 2017-01-09 13:48
2017年 01月 08日
日本国憲法の秘密-443-
・大きさが1μm(0.001mm)の酸化ウラン微粒子1個からは年に3~4回放射線が放出されると計算される。
・大きさが5μm(0.005mm)の酸化ウラン微粒子1個ならば1日に1回放射線が放出される。
・ウラン238ではα崩壊が起きる。
・1回のα線放出でおよそ13万個の原子をイオン化する。
・たった1回の放出でも発がんリスクはあるとされる

「リスク」の考えかたにもいろいろあるが、放射性物質を体内に取り込まなければ、放射性物質による電離・切断はない。従って放射線による挙動不審状態や余分なエネルギーや誤った再結合はない。
本来「無い状態」が「有る状態」になるのだから、それだけでリスクは高まる。
要するに放射性物質を体内に入れることは、電離能力の高いα線やβ線が体内で放出されることなので、それだけで発がんリスクがあると言えてしまう。(発がんリスクのみならず出生やその他の異常のリスクも同様)


「発がんリスク」と言えば、「無い状態」が「有る状態」になるのだから例え1回の放射であっても「リスクあり」になる。
放射の回数が増えれば増えるほどリスクは高まる。
でもこうしたリスクというのは健康な人には響かないことが多い。
保健師は健康教育や健康診断後に保健指導などを行ったりするのだが、この響かなさは嫌と言うほど経験している。
前にも書いたが比較的響きやすいのが妊産婦や乳幼児を持ったお母さん方である。(近年は巷にもいろんな情報が氾濫しているのでこうしたお母さん方が混乱したり追い込まれる元となる)
働き盛りのサラリーマンなんか要経過観察や要指導で指導してもまあ改善しないと言っていい。
その場だけ、口だけ、分かっちゃいるけど~ってな感じ。
改善に本気になったり注意を払うようになるのは入院するような事態になった時である。
でも治癒して退院して元気になってくるとだんだん忘れてくる。
(あまり人の事は言えないけれども)

そんなこんなで人々がより興味を抱きやすいのはリスクの有無ではなく発がん率などになると思う。
しかし発がん率が低ければやはり他人事になる。自分だけは大丈夫観が誰にでもある。
ともかく1回の放射で悪性腫瘍が発生する確率はどれくらいか。
何回放射されれば悪性腫瘍が何パーセントの割合で発生するのか。
それを調べるには動物実験なり人体実験をしてみなければ分からない。

例えばマウスに大きさ1μm(0.001mm)の酸化ウラン微粒子1個を取込ませて、悪性腫瘍が発生するかどうか観察する。
するとマウスに悪性腫瘍が生じた。
これをどう評価するかも観察者によって違う。
・マウスと人間は違う種の生き物であり同じことが必ず人間に起きるとは言えないと考える人もいるだろう。
・同じことは起きるかもしれないが発生までの時間や確率は違うと考える人もいるだろう。何故かと言えば個体の大きさ(=原子の数)が違うから。
・大きさ(=原子の数)は違ってもα線は40μm(0.04mm)しか動かないのだから部分に与える影響は同じと考える人もいるだろう

また例えば悪性腫瘍が発生したのが酸化ウラン微粒子を取り込ませてから1年後だったとする。
年に3~4回放射線が放出されたわけだが、悪性腫瘍は1回目の放射線放出の影響を受けて1年後に発生したのか、それとも4回放出されたからこそ発生したのか(累計が問題になるのか)、それは正直言ってこの1つの事例からだけでは分からない。
数多く実験を重ねて、いつも1年後なのか、1か月後に発生することもあるのか、翌日に発生することもあるのか、平均ではどれくらいなのか、そうしたことを調べる必要があある。
比較するには個体差による違いを排除するため比較に耐えうるような(同じような)マウスを用いなければならない。
次の段階では個体差(種類・大きさ・雄雌・疾病の有無など)による発生の違いがあるのかどうかも調べる必要があるだろう。


人間にとってどんな影響があるかは人間で実験するのが手っ取り早いが倫理的人権的にそれは出来ない(やりづらい)。
そうなると臨床試験か疫学統計に頼るしかない。
有効性を調べるならば臨床試験でよいが、悪影響を調べる時には臨床試験もやりづらい。
そうなれば生じた結果のデータを集めて考察するしかない。
しかし前にも書いたように疫学統計はやろうと思えばどんな結論でも出すことが可能。
意図的なものでなくても調査者やその方法、解釈によって導き出される結論は大いに変わってくる。
また断定的な物言いがしにくい。
従って疫学統計の結論は訴求力が弱い。
「リスクがある」と言うのと同様に広く一般に訴える力は実はそれほどでもない。
専門家向け、権力者向けなど、ある特定な者に対してわりと有効なのものである。
一般向けには小難しい数字データよりも、個人のクチコミのほうがよっぽど影響力がある。


私はHCV(C型肝炎ウイルス)のキャリア(持続感染者)である。
私は幼児期に血小板減少性紫斑病に罹患し入院した。
皮下出血・吐血・下血があり、この時に輸血を受けている。
激しい腹痛というアレルギー性紫斑病のような症状もありほぼ絶食であり点滴を繰り返し、そのうち腕に針が刺せなくなり足に針を刺して点滴したこともあった。
特定の症状だけで済まなかったためなかなか診断が付かず開腹手術が予定されたが、結局開腹手術はすることなく回復した。(このことについては過去記事『キャリア』に書きました)
退院後はすっかり元気になったが、小学校高学年から中学生の頃に首のリンパが腫れる(リンパ節炎)やリンパ液が溜まり(リンパ管種)、疲労感が酷くなったことがあった。(かなり運動をしていたと言えばしていたが)
リンパ液を抜くために定期的に受診していたことがあったが、疲労感の原因はよく分からず、しまいには人間ドックを受けさせられた(その病院では史上最年少の人間ドック受診者だったらしい)。
その結果で少し肝臓が悪いかもしれないと指摘されたが、疲労感も次第に回復して元気を取り戻した。
そんな私がHCV(C型肝炎ウイルス)のキャリア(持続感染者)であると知ったのは、次男を妊娠した時である。
今でこそ輸血歴のある人は献血できないが、キャリアの私でも高校大学時代に献血をしたことがある。
感染源にもなったということである。(そのことについてはこちらに書きました)


C型肝炎ウイルスは急性症状を示さないで慢性に経過する。そして肝がんに繋がることもある。
ウイルスと放射線は違うものであるが、こういう経過があるという参考にはなるのでは。
というのも私は放射線の内部被爆も比較的長い時間を経て発がんすると予想しているからである。

・HCV(C型肝炎ウイルス)に感染する。⇒感染者の約70%がHCVキャリア(持続感染者)となる。

・HCVキャリア(持続感染者)の65~70%が初診の段階で慢性肝炎と診断される。

・40歳のHCVキャリア(持続感染者)の集団を70歳まで適切な治療をせずに放置したと仮定する。⇒その集団の30~40%の人が肝硬変に移行し、肝硬変に移行したうちの60~70%の人が肝がんになると推測される。

・肝がんに移行するのは50代終盤から多く、高齢になるほど好発する。

・日本人の100人に1~2人がHCVキャリア(持続感染者)か慢性肝炎の人であると推測され、21世紀の国民病と言われることもある。

100人に1人を率にすれば1%である。多くの人には関係ないこと。それでもその国民全体の僅か1~2%が「国民病」という名に相応しいものであったりもする。
簡単に「流行」とか「多い」とか言うけれども数字にしたら大したことはない。
ではがんはどうか?
がんは30年以上も死因の第1位と なっており、国民の2人に1人(男性2人に1人、女性3人に1人)の割合でがんに罹る計算となる。
ガンで亡くなる人は、男性は4人に1人、女性は6人に1人。
2人に1人を率にすれば50%である。押しも押されぬ国民病である。
がんという国民病にはすでに放射線が関係しているかもしれない、あるいはこれからもっと増えていくかもしれない、そう考えることも出来る。
ではがんであるといつ発覚するか。
50歳前に発覚(罹患)する人は、男性では2.2%、女性では4.4%でしかない。
10人に1人(10%)ががんに罹患すると言えるようになるのは60歳を超えてから。
それでも、70歳未満の男性、75歳未満の女性は、80%以上の人ががんにならない。
3人に1人(約33%)ががんに罹患すると言えるようになるのは、男性では70代後半、女性では85歳を超えてから。

愛する身内ががんになり亡くなったりすれば例え何歳だって辛く悲しいものだが(皆さんそうでもないのかな?)、社会的に老害などと呼ばれる年齢になってからがんに罹患する人が増えたところで実際のところは「いい歳なんだしそんなもんでしょ」が本音ではないだろうか。
「直ちに影響がない」ということは何とも悲しく、社会的には便利なことなのかもしれない。
逆に社会的の関心を引くには「直ちに影響はない」や高齢になってから発病はあまり都合の良いことではない。
熱さが喉元を過ぎないうち、人々の神経が高ぶってるうちに、問題提起したほうが盛り上がる。
高齢者の罹患は社会的に盛り上がらない、若年者の罹患のほうが訴求力が高い。
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# by yumimi61 | 2017-01-08 12:11
2017年 01月 07日
日本国憲法の秘密-442-
原子からマイナスの電子が弾き飛ばされるのが電離、イオン化である。原子は中性ではなくプラスになる。
プラスになった原子と中性の原子は結合していられない。原子と原子が離れる、つまり切断されてしまうわけである。
これが染色体やDNA(遺伝子)が傷つくということである。



原子が切断され染色体やDNAが傷つく。情報が正確に伝わらなくなったり決まった役割を果たさなくなるということなので何かしら異常が起きやすい。
さらにその断片、プラスになった(イオン化した)原子は不安定な存在となっている。挙動不審な存在である。
弾き飛ばされた電子も自由電子となり本来いるべきないではところにいる。
人間の身体は何か少し本来と違ったことが起こってもそれを他がカバーする力を持っているし、DNAで不具合が生じると相同組み換えで修復する機能も持ち合わせている。
しかしながらこの状態が多かったり継続することは決してよいことではない。

だから原子自体も元に戻ろうとする性質を持っている。
不安定な原子は自由電子を捕まえて再び元の安定に戻ろうと努める。
安定に戻る時には一回で基底状態に入らないで励起を経ることがほとんど。
励起の時には余分なエネルギーを放出する。それが蛍光であったりγ線であることは前述した。
この余分なエネルギーもやや不安要素として残る。
しかしともかく原子が元に戻れば再び結合して切断は解消される。

ところがこの再結合が却って悪い方向に進めてしまうことがある。
それは原子のイオン化(プラス化)が同じような場所で幾つも起こった時に起こりやすい。

下図は離れた場所にイオン化(プラス化)された原子がある場合。
切断された箇所で再び結合する。
e0126350_14302599.jpg


下図は近い場所に複数イオン化(プラス化)された原子がある場合。(イオン化の密度が高い場合)
こういう時には再結合が誤った箇所で行われることが頻発する。
切断された場所とは違う所(矢印の箇所)と再結合してしまう。
(同様に相同組み換えも誤った解釈で行われてしまう可能性を否定できない)
切断されて挙動不審に陥っていた原子や分子、染色体やDNA、細胞は再結合によって本来の生命力を取り戻す。
要するに元の元気な状態になるわけだが、情報や役割を間違えている状態なので行うべきことではないことを行ってしまう。
これががん細胞を生成することに繋がる。
e0126350_143125.jpg



前記事に書いたことだが、
・大きさが1μm(0.001mm)の酸化ウラン微粒子1個からは年に3~4回放射線が放出されると計算される。
・大きさが5μm(0.005mm)の酸化ウラン微粒子1個ならば1日に1回放射線が放出される。
・ウラン238ではα崩壊が起きる。
・1回のα線放出でおよそ13万個の原子をイオン化する。
・たった1回の放出でも発がんリスクはあるとされる。

「リスク」の考えかたにもいろいろあるが、放射性物質を体内に取り込まなければ、放射性物質による電離・切断はない。従って放射線による挙動不審状態や余分なエネルギーや誤った再結合はない。
本来「無い状態」が「有る状態」になるのだから、それだけでリスクは高まる。
要するに放射性物質を体内に入れることは、電離能力の高いα線やβ線が体内で放出されることなので、それだけで発がんリスクがあると言えてしまう。(発がんリスクのみならず出生やその他の異常のリスクも同様)

ここで少し考えてもらいたい。
γ線やX線は電離能力が低い。
進むことだけに力を注ぎ、最後止まる時に僅かに残っているエネルギーを原子の電子に与えて終わる。
放射性物質が崩壊する時に放出する放射線はα線やβ線であってγ線ではない。こう言ってはなんだが崩壊に於いてはγ線はおまけみたいな存在である。
医療で用いるX線は原子核の崩壊ではなく人工的に作り出しているので、持っているエネルギーが核崩壊によるγ線とは違う。(性質は同じ)
だから電離作用が弱いにも関わらず治療(がん細胞の生命力を奪う、副作用としては正常細胞の生命力も奪われる)に用いることがあるのだし、検査に用いる時には細心の注意を払う。
レントゲン室の中に付き添って入ったりはしないですよね?
歯科でレントゲン撮影する時には鉛のエプロンをかけてもらいますね?
健康診断その他でレントゲン撮影する時には妊娠しているか、その可能性があるか聞かれますね?YESならばレントゲン撮影は避けていますね?

原発事故で皆さんが盛んに計測していたものはγ線である。(一般的な線量計はγ線しか計測できない)
核の崩壊で放出されるγ線のエネルギーは、α線やβ線に比べたら僅かである。
そのγ線の線量が高いということは、α線やβ線はそれよりもっとずっと高いということに他ならない。(ただ計測できないだけ)
反対にγ線の線量が高くなくても、α線やβ線はγ線よりも高いので安心できない。(α線やβ線は通常計測できない)
それでも問題視されてこなかったのはα線やβ線の透過力が弱いから。
放射している放射性物質のよほど近くにいない限り、人間がα線やβ線の影響を受けることはないからである。
何度も言うようだが、放射線を浴びる事と(外部被爆)、放射性物質を体内に入れてしまう事(内部被爆)は、全く違う。
だから肝心なことは放射性物質をやたらに動かさないことなのである。
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# by yumimi61 | 2017-01-07 14:44
2017年 01月 06日
日本国憲法の秘密-441-
年末までしていたウランの話に戻ります。

原子1個の大きさをおおざっぱに言うと1億分の1cm(0.00000001cm=0.0000001mm)である。
だから1×1×1cmの立方体(水ならば1g)に含まれている原子の数は、1億×1億×1億となる。
1億×1億×1億=1兆×1兆なので、1兆×1兆個の原子が含まれている。

福島第一原発の3号機を例にして酸化ウランの量を計算してみる。
 ・ペレットの大きさは直径1cm×長さ1cmほど。小さな円筒形。
 ・ペレット1個の重量は約8g。
 ・燃料棒1本につき350個のペレットを用いる(燃料被覆管に350個のペレットが密封されている)
 ・燃料棒を束ねたのが燃料集合体であり、1体あたりの燃料棒数は72本
 ・原子炉一基あたりの燃料集合体数は548体
 ⇒8×350×72×548=110,476,800g=110,476.8kg≒110t(トン)

ウラン酸化物とウランの重量は同じではないので(金属の酸化物は通常重くなるが、粉末などになった場合には軽くなる)、一概に比較できないが大きく違うわけではないので、おおまかな量を知る手掛かりにはなる。

ウラン10kg(おおざっぱに500mlペットボトル1本分くらい)に含まれる原子(原子核)の数は、10兆×1兆個である。
10,000,000,000,000×1,000,000,000,000=10,000,000,000,000,000,000,000,000(10秭)

10kgのウランに含まれる原子数は、10,000,000,000,000,000,000,000,000(10秭)。
110,476.8kgならば?簡単に考えればおよそ1万倍となる。
110,476,800,000,000,000,000,000,000,000(約11穣)。単位が上がった。


原子はあまりに小さくあまりに数が多いために現物をなかなか実感しにくい。
そこで砂や細菌・ウイルスなどと比較した。(同じ物でも大きさは一律ではなく何でも幅がある)

1m=1,000mm(ミリメートル)=1,000,000μm(マイクロメートル)=1,000,000,000nm(ナノメートル)=1,000,000,000,000pm(ピコメートル)
よって、1μm=0.001mm、100μm=0.1mm となる。

砂粒の大きさ(直径)を0.4mmと仮定したが、砂粒の大きさにも幅がある。0.06mm~2mmほどの粒が砂と呼ばれる。
小麦粉の粒子の大きさは砂粒よりもずっと小さくて30~150μmほどの粒子である。
細菌の大きさは約1~5μm(0.001~0.005mm)、ウイルスの大きさは20~1000nm(0.02~1μm)(0.00002~0.001mm)である。
ほとんどのウイルスは0.3μm(300nm)以下であり、ノロウイルスは0.025~0.035μm(25~35nm)ととても小さい。
細菌やウイルス単体は、医療現場で用いているサージカルマスクでも通過してしまう。
但し細菌やウイルスが飛ぶ状況は咳やくしゃみでもたらされるので、粒子の周りに水分を含んでいて5μmほどになっている。
この大きさになればサージカルマスクによって防ぐことが可能となる。
結核菌や麻疹ウイルスのような水分のない飛沫核(直径5μm以下)の場合にはもっと特別なマスク(0.3μm以上の微粒子を95%以上遮断し遮蔽率も高い)でないと感染予防できない。



原子1個の大きさをおおざっぱに言うと1億分の1cm(0.00000001cm=0.0000001mm)であると書いたが、実際には原子の種類(ウラン原子や水素原子など)によって若干大きさは違う。
但し人間が接する物質は例え小さくても原子1個というより粒子である。

酸化ウランの微粒子の直径は0.001~5μm(マイクロメートル)であるが、半分は1.5μm以下の微粒子であり、平均径はおよそ0.01μmとなる。
細菌(約1~5μm)やウイルス(0.02~1μm)と同じくらいの大きさの微粒子もあるが、多くはもう少し小さい。
微粒子を吸い込めばダイレクトに肺に届く大きさである。
酸化ウランが大きければ避けたり除染にも効果があるだろうが、微粒子になってしまうとマスクでは防げないし除染効果も弱い。

とても小さいウイルスの中でも特にノロウイルスは小さいということを先に述べた。
ほとんどのウイルスは0.3μm(300nm)以下であり、ノロウイルスは0.025~0.035μm(25~35nm)ととても小さい
最近はノロウイルス亜種のサポウイルスによる感染(食中毒)も増えているそうだが、サポウイルスはノロウイルスよりも感染力が強く2,3個のウイルスを体内に取り込んだだけで発症する。
こうした大きさのウイルスは手指に付着すると指紋や爪の間に入り込み、手洗いしても簡単に落とすことができない。(ノロやサポはアルコール消毒による殺菌も効果が無いので厄介。次亜塩素酸ナトリウムや熱湯は効果があるが手に振りかけるわけにはいかない)(外科医大門先生の爪が長いのが気になりましたね!?私、芸能人なので?所詮ドラマなので?あーひょっとして。私、心配しないので?)
とても小さなノロウイルスやサポウイルスに対しては手洗いが有効でないのと同じで、それよりも小さい酸化ウラン微粒子に除染は有効ではない。高圧洗浄機でもミクロの隙間に入り込んだ粒子は取り除けないと言われている。

体内をはじめどこかに入り込むには微粒子のほうが有利。
言い換えると小さければ小さいほど入りやすいわけだが、小さいということは原子の数も少なくなる。
原子が崩壊することで放射線を放出するのだから、1個当たりでくらべれば、大きいもの(=原子の数が多い)ほど放射線を多く放出する。
粒子1つよりも塊1つのほうが、微粒子1つよりもペレット1つのほうが多くの放射線を放出するわけである。
微粒子ほど体内に入れてしまうリスクが高まるが、体内に入った場合には粒子が大きいほどリスクは高い。

例えば大きさが1μm(0.001mm)の酸化ウラン微粒子1個ならば、年に3~4回放射線が放出されると計算される。
大きさが5μm(0.005mm)の酸化ウラン微粒子1個ならば、1日に1回放射線が放出される。
(この計算には半減期が関係しているので半減期が違えば回数も違ってくる。半減期が短いほど回数は増える。ウランは半減期が長い物質。私は半減期の定義に懐疑的である。しかし現状計算すれば上記のようになる。)


崩壊時に放出されるのはα線とβ線。励起(微調整)の時にγ線が放出される。
α線とβ線は、透過力が弱く、電離能力が強い。γ線やX線は、透過力が強く、電離能力が弱い。
前に進むという仕事と、電離(電子を弾き飛ばす・電子にエネルギーを与える)という仕事、どちらかを優先すれば一方が劣るのだ。


体内にウランの微粒子が入った場合には体内で放射線が放出されることになるが、α線とβ線は透過力が弱く自分では動く距離は僅か。
従って持っているエネルギーのほとんどを電離(電子を弾き飛ばす)に使う。
人体を構成している細胞や組織の原子をイオン化してしまうわけである。

ウラン238はまずα崩壊するのでα線を放出する。
α線が体内で進む距離は40μm(0.04mm)ほど。人間が見れば動いたのは分からないレベル。
進むと言うと電車が一本線路を真っ直ぐ前に進むようなイメージがあるかもしれないが、放射であるから放射線と呼ばれているわけで、開いたクジャクの羽根のように多方面に放たれる(進む)。
α線が電離に使えるエネルギーは4,200,000eV(電子ボルト)。電子ボルトはエネルギーの単位の1つ。
原子1つをイオン化するエネルギーの平均は32.5eVである。
4,200,000÷32.5≒129,231 
1回のα線放出でおよそ13万個の原子をイオン化することが出来る。
たった1回の放出でも発がんリスクはあるとされる。(ただこれはウラン半減期が長いことを前提にした話なので、本当はもっと何度も放出しているということになれば1回の放出で云々ということは言えなくなる。)


原子を構成する陽子は正荷(+)、電子は負荷(-)。そして原子自体は中性となる。
この中性の原子と原子が結合している。2つ以上の原子から構成される分子も中性である。
原子からマイナスの電子が弾き飛ばされるのが電離、イオン化である。原子は中性ではなくプラスになる。
プラスになった原子と中性の原子は結合していられない。原子と原子が離れる、つまり切断されてしまうわけである。
これが染色体やDNA(遺伝子)が傷つくということである。
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# by yumimi61 | 2017-01-06 12:59
2017年 01月 05日
ずっと
下記はこのブログの2011年6月10日の記事より

公害病や血液製剤によるエイズや肝炎のように、
安全だと思われていたものが、後で覆されるということがあります。
今では当たり前のことでも、その時点ではよく分からなかったということもあるでしょう。
公表の遅れが被害を拡大させた事例もあるかもしれません。

そういう犠牲のもとに確立された「安全」もあるのです。

私の妹の下の子は障害を持っています。
1歳になる前に、インフルエンザ脳症に罹患したのです。
インフルエンザ脳症の発症のメカニズムは今でもよく分かっていません。

妹の子供は高熱を出したため、妹が近所のかかりつけの医院に連れて行ったそうです。
その医院で、解熱剤としてボルタレンの座薬が処方され、妹はそれを子供に使ったのです。
けいれんなどが見られた為、再度受診し、総合病院へ移送されましたが、重症化は避けられませんでした。
一時は生死を彷徨ったほどです。
幸い命はとりとめましたが、障害を残しました。

当時は、インフルエンザ脳症についても、ジクロフェナクナトリウム製剤(ボルタレン)との関わりについても分かっていなかったのです。
これが平成11年(1999年)の状況。
こういった情報が出されたのが、平成12年(2000年)

妹の下の子は、うちの長男と同じ、平成7年(1995年)生まれ。その年に発症。
100年も200年も前の話ではありません。
今では当たり前のことでも、わずか数年前には分かっていないことがあったのです。


下線部には製薬会社(NOVARTIS・ノバルティス)ホームページでの注意勧告をリンクしたが現在はリンク切れになっている。
現在と書いたが、2012年にはすでにリンク切れとなっており、そのことについても記事(2012年9月8日・習性)にした。


現在はインフルエンザにボルタレンを使うことは禁忌となっている。
インフルエンザ ボルタレン で検索すれば注意喚起する記事が幾つも出てくるが、当時はまだそういった認識がなかったのである。
インフルエンザの解熱にボルタレンは危険!使用禁忌の成分と理由は?
インフルエンザにボルタレンは禁忌!座薬タイプも危険!
ボルタレンをインフルエンザ時に使用してはいけない理由

インフルエンザと解熱剤の深い関係
インフルエンザ罹患から48時間以内であれば「タミフル」や「リレンザ」といった医薬品によってある程度の治療が可能なのですが、それ以外にはほとんど効果がありません。
ただし、対処療法的に効果があるものがあります。それが「解熱剤」なのです。

ところが、インフルエンザ時には解熱剤の利用には慎重にならなくてはいけません。通常は生理痛や頭痛などにも使われるような解熱鎮痛薬であっても、インフルエンザ時に投与すると「急性脳症」といわれる重篤な症状をひきおこすことがあるのです。
そして、ボルタレンはそのなかでも最もインフルエンザ時に使用してはいけないタイプの薬品なのです。

ボルタレンは通常、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、手術後・抜歯後などの鎮痛・消炎や急性上気道炎の鎮痛、解熱などに使われ、風邪などに処方されることはそれほど多くありません。効果の強い薬の一つで、ごくごくまれにインフルエンザ等で高熱がでている時に処方されてしまうこともあるそうですが、絶対に飲んではいけません。

というのも、インフルエンザにおいて飲んではいけないことが「2000年11月、「平成12年度厚生科学研究インフルエンザの臨床経過中に発生する脳炎・脳症の疫学および病態に関する研究班(厚生省インフルエンザ脳炎・脳症研究班)1999/2000年シーズンにおけるインフルエンザ脳炎・脳症二次調査」という現厚生労働省の文書でも記されています。ここでは大人もボルタレンを飲んではいけないことが明確に指示されていますので、注意が必要です。

特に小児期への投与は厳禁
ボルタレンはインフルエンザ脳症を引き起こす可能性があることは広く知られていますが、他に「ライ症候群」などといった意識障害を引き起こす可能性があることも知られています。
インフルエンザ脳症や、ライ症候群は小児期に起こりやすく、特に1,2歳での発症が目立ちますが、15歳未満まで発症のリスクがあります。
インフルエンザ脳症などを引き起こす原因も実はよくわかってはいませんが、有るタイプの解熱鎮痛薬との関係が強く指摘されています。インフルエンザ脳症の罹患数は少なく、誤診されてしまうこともあります。



姪っ子の障害は、療育手帳で程度が「A」とされる知的障害である。重度障害者にあたる。
まず言葉が出ない、会話は不可能。文字の読み書きも出来ない。
排泄など日常生活にも促しや介助が必要。だから大きくなってもオムツは外せなかった。自ら考えて何かをするということは出来ない。
でも聞くことはできるので言えば分かることもある。「これをしよう」とか「これしてね」とか言えば出来ることもある。ただし加減がなかなか効かない。
感情は豊かで嬉しい時や楽しい時には笑うし、悲しいことがあればポロポロ涙をこぼして泣く。
自分のほっぺを人差し指でつんつんとする時は美味しいの合図。
人見知りがちだが祖父母にはとてもよく懐いていてた。温泉が大好きだった。
身体障害の程度は軽く、足と手が少し動かしにくい程度。車椅子などは必要としないで自分で動くことは出来た。
幼い時はぐずぐずしたり癇癪起こすことが普通の子よりも多く妹は大変だったと思う。
外出した時にぐずぐずしてしまっていたら、近くにいた知らない人が「親なら子供をなんとかしなさい」と注意されたそうで、妹は憤り悲しんでいた。
手や足が無かったり車椅子にでも乗っていれば一目で障害者と分かるのかもしれないが、そうではないので障害による難しさだということが分からなかったのだろうと思う。
ディズニーランドに行っても午前中のうちには帰ってきたと言っていた。
しかし小中高と養護学校に通い、季節季節の行事や旅行なども経験した。
18歳で養護学校の高等部を卒業後は施設に通っていた。

その姪っ子が昨年亡くなってしまった。
うちの長男と同じで平成7年(1995年)生まれ。長男は4月生まれで、姪は6月10日生まれ。
昨年21歳になる誕生日の前の夜、20歳最後の夜に急逝した。
その詳細についてはここに書くつもりはない。

あの事件が起きたのはそれからおよそ2か月後のことだった。








 

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# by yumimi61 | 2017-01-05 12:53
2017年 01月 04日
生涯
昨年夏に園芸用の土を買いに行った。
園芸店の人が「車に載せるのに新聞紙が必要ですか?」と言って下さったので新聞紙を戴いた。
その新聞紙をトランクに敷いて土袋を上に載せる。
新聞紙を広げて敷くと「19人殺害」という大きく派手な見出しが目に飛び込んできた。
7月26日未明に神奈川県相模原市緑区の障害者施設「県立津久井やまゆり園」で発生した事件を報じる記事の見出しだった。新聞はスポーツ紙のようだった。
あまり気持ちの良い文字ではなかったが、かといって新聞紙を交換するとかわざわざ反対面にするほどのことでもないと思って、そのまま使用した。
さらにその後も荷物を載せるあてがあったので、新聞紙は敷いたままになっており、冬を迎えた。
灯油を買いに行った。お店の人が灯油を入れて重くなった灯油缶を積み込んでくれるというのでトランクを開ける。
トランクを開けると嫌でも「19人殺害」が目に入ってくる。
なんだか少しバツが悪い気もしたが、そこに灯油缶を積み込んでもらって、挨拶をして別れた。


おそらく多くの人が言葉には出さないが感じているだろうあの事件の居心地の悪さみたいなものの正体はいったい何なのだろう。
狙われたのは重度の障害者、犯人はかつての職員、知ってか知らぬか道路に設置された防犯カメラに写る位置にあえて停車し犯行現場へ、衆議院議長や首相に宛てた手紙、親が教師、措置入院、尿から大麻反応、断片的に伝えられる情報がますますそれを助長する。
19人も人が殺されながら、犯人の趣旨に一定の理解を示す人が少なからずいるという事実に、人々は戸惑うのだろうか、それとも安堵するのだろうか。

衆議院議長への手紙は昨年2月15日に渡していたものだと言われている。
発表によると植松容疑者は今年2月14日、東京都千代田区永田町にある衆議院議長公邸を訪れ、手紙を渡そうとしたということです。
しかし受付で手紙を受け取ってもらうことはできず、翌2月15日になって再度訪れたとのこと。そこで座り込みを行ったことなどもあり、警備にあたっていた警察官が衆議院事務局に確認したうえで、しかたなく手紙を受け取っていました。
渡した手紙はA4サイズのリポート用紙複数枚(合計で10枚にもわたるという情報もあり)で、手書きで書かれていたといいます。
そのなかには犯行予告ともとれる内容が含まれていたことなどから、管轄する警視庁麹町署はその日のうちに、神奈川県警津久井署に情報提供していました。


手紙を見ると「津久井やまゆり」という施設名が書かれている。犯行時間帯も施設名も分かっていた、犯人には措置入院の経歴もあった、にもかかわらず犯行を防げなかった。


衆議院議長大島理森様(1枚目)

この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。
私は障害者総勢470名を抹殺することができます。
常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為と思い居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。
理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。
障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております。車イスに一生縛られている気の毒な利用者も多く存在し、保護者が絶縁状態にあることも珍しくありません。
私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。
フリーメイソンからなる(   )が作られた(      )を勉強させて頂きました。戦争で未来ある人間が殺されるのはとても悲しく、多くの憎しみを生みますが、障害者を殺すことは不幸を最大まで抑えることができます。
今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます。日本国が大きな第一歩を踏み出すのです。
世界を担う大島理森様のお力で世界をより良い方向に進めて頂けないでしょうか。是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います。
私が人類の為にできることを真剣に考えた答えでございます。
衆議院議長大島理森様、どうか愛する日本国、全人類の為にお力添え頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します。


フジテレビはその手紙を独自入手したとして報道した。
文面は警察から公表されたが手紙を独自で入手したということなのか、それとも手紙を入手したフジテレビが報道した以降に文面が報道されたのか、そのあたりの経緯が良く分からないが、手紙(コピー)を渡せるのは国か警察しかない。

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(※赤線は私が引いたものです)


福島原発やもんじゅのお金問題ではないが、私はこの事件のベースにもお金の問題があるのではないかと思った。
犯人はかつてそこで働いていた職員だと知って余計にその思いを強くした。
何故そう思ったかと言うと、世間には「障害者は給付金を沢山貰っているんでしょう」と思っている人がいるからである。

しかし障害者と一口に言っても程度は様々。
軽度の障害ではお金なんか貰えない。
給付金などが支給されるのは重度障害者である。

「重度障害者」にも統一された明確な定義はなく、それぞれの法律や制度によって若干定義が違う。

例えば障害者雇用促進法における重度障害者ならば次の通り。
身体障害者
 ・等級が1級、2級の人
 ・等級が3級で重複の障害を持つ人
知的障害者
 ・療育手帳で程度が「A」とされている人
 ・児童相談所又は知的障害者福祉法に規定する知的障害者更生相談所、療育手帳の「A」に相当する程度とする判定書をもらっている人
 ・障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する障害者職業センターにより「重度知的障害者」と判定されている人

例えば重度障害者医療費助成に該当する重度障害者ならば次の通り。
 ・1級・2級の身体障害者手帳の交付を受けている人
 ・知能指数(IQ)が35以下と判定された人
 ・3級の身体障害者手帳の交付を受け、かつ知能指数(IQ)が50以下と判定された人
 ・1級の精神障害者手帳を交付されている人

身体障害者には1~7級という等級があるが、4級以下は重度には該当しない。
3級の場合は重複の障害がある場合のみ。
雇用促進法では精神障害者は含まれない。たとえ身体障害3級と重複していたとしても。
身体障害者の1級と2級、療育手帳で程度「A」ならばどの法律でも制度でも重度障害者と認められると考えてよいと思う。

但しこの等級(障害程度)は医学的な判定(基準)に基づくものであり能力(スキル)全般を表すものではない。
重度身体障害者でもパラリンピックに出場して活躍できる人もいるし、仕事や特技で持っている能力を健常者以上に活かせる人もいる。
そういう意味で一番難しいのは重度知的障害者だと思う。
パラリンピックにも知的障害者が出場しているが、おそらく重度障害者ではないだろうと思う。
NHKの番組に出演していた障害者も比較的軽度な方が多かったのではないだろうか。
津久井やまゆり園は知的障害者の施設で、しかも重度障害者が狙われたと報じられていた。


では重度障害者はどれくらいの給付金などを受けることができるのか。
20歳未満の重度障害者でひと月14万くらい。
20歳以上の場合には障害者年金が関係してくるので障害者となった年齢や保険料支払いによって変わるが、満額に他の給付金も含めてひと月18万くらい。
但し障害者年金以外の給付金は、施設に入所していたり、病院に入院している場合、世帯所得が一定額以上の場合には給付対象とはならない。
その場合には障害者年金くらいになってしまうので年間100万程度(ひと月9万くらい)

その他に税金の減額や免除、医療費助成、住宅手当や補装具・日常生活用具の支給、ガソリン補助、住宅改造や車両改造の助成、交通機関(高速道路、航空、電車、バス、タクシー)の割引や補助、携帯電話料金やNHK受信料の割引や免除、宿泊助成や各種施設優待など優遇措置があるので、一般の人に比べて日常生活においてもお金がかからないと言えばかからない。

ちょっと下衆な話になるが、生まれながらの障害ではなくて、不慮の事故で身体障害者になった場合、もし保険に加入していれば保険金が支払われる。
金銭的な面や障害後のスキルや仕事、バックアップ体制に関して言えば、知的障害者よりも身体障害者のほうが有利であると言えよう。


障害者は障害福祉サービスを受けられる。
在宅での支援、医療機関での支援、勤労支援や日常生活支援などを行うための施設への通所、施設入所など様々な形があるが、自己負担額は所得に応じて4区分に分けられ、それぞれ負担上限月額が設定されている。
ひと月に利用したサービス量に関わらず、これ以上の負担が生じることはない。
1.生活保護世帯 負担なし0円
2.非課税世帯(概ね世帯所得が300万円以下) 負担なし0円
3.課税世帯(概ね世帯所得が600万円以下) 9,300円 
4.所得が3を超える者 37,200円
※入所施設利用者(20歳以上)とグループホーム・ケアホームを利用している者は世帯所得に関わらず4となる。
※18歳以上の障害者の場合の世帯所得とは本人と配偶者のことを指し親は含まれない。

サービスの自己負担分に加えて、施設入所者には食費・光熱水費の実費負担がある。
58,000円を上限として施設ごとに額が設定されているが(通所はもっと安い)、低所得者が障害者年金から出すとなると、それを超える額になってしまうこともあるので、いずれの場合も本人に25,000~28,000円残るように調整される。
つまり障害者年金を超える額を支払うことはない。俗に言えば食いっぱぐれはない。
※障害者年金や各種給付金は所得には含まない。


給付金だけのことを考えれば施設に入所させてしまうよりも在宅や通所のほうが多く貰えるし残る。但し家族の負担は増える。
施設入所すると給付金は貰えなくなるが、制度自体が本人の障害者年金内で済むようになっているため、家族からの費用の持ち出しがほとんどない。あっても僅か。
それで施設に入れてしまって後は全部おまかせということになると、犯人の手紙にあるように「保護者が絶縁状態にあることも珍しくありません」ということにも繋がりかねない。
面倒見てくれる人がいるからそれでもやっていけてしまうのだ。
その面倒見てくれる人たちの給料が高いかと言ったらそんなことはなくて安月給である。仕事は精神的にも肉体的にも重労働であるにもかかわらず。
多くの施設は国の制度の範囲内の料金でサービスを提供しており利益追求には限界がある。高い給料を払える環境にはない。


犯人の手紙では「重複障害者」を問題にしている。
私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。

重複障害者が多く在籍している2つの園(津久井やまゆり、      )を標的にします。


この「重複障害者」が「重度障害者」の言い間違いではないとすると、重度の知的障害と重度の身体障害が重複している状態である「重症心身障害者(児)」のことを指しているのではないだろうか。
上に一番難しいのは重度知的障害者と書いたが、重複を含めれば当然重度の知的障害と身体障害を持つ人が一番難しい。



幾ら相手が重度障害者だったとはいえ短時間に一人で19人も殺害するなんて尋常ではないし大胆不敵な犯行だと思う。
ただ重複障害者を問題にしていたわけで、障害者がみんなダメだという考えでもなさそう。
重複障害者が重度障害者や重症心身障害者のことならば、その人達が一番大変なのは事実であり、そこまで支離滅裂ではない印象を受ける。
常軌を逸する発言であることは重々承知しているとも自ら書いていて冷静さがないわけでもない。
しかし重複障害者を殺害すると世界経済の活性化や第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと思った理由はなんだろうか。やはりお金絡みな発想だろうか。
障害者殺害(作戦)が革命になると思うのは何故なんだろう。
自分は戦争で人を殺すのは嫌だから、私は先に障害者を殺しますので勘弁してくださいという意味なんだろうか。



首相の名前が出てきたり首相に嘆願するのは分かりやすいが、衆議院議長というのはなかなか珍しいと思った人も多いのではないだろうか。
これは衆議院議長という肩書が重要だったわけではなく、尾崎行雄記念財団会長という肩書が重要だったのではないだろうか。
実は私、ちょうど1年前の1月4日の記事に「一般財団法人 尾崎行雄記念財団 役員一覧 (2015年9月現在)」を掲載している。
会長 大島理森 (衆議院議長)

尾崎行雄(相模国・現神奈川県出身)は世界連邦運動に携わった人物である。
日本では(第二次世界大戦)終戦直後に尾崎行雄ら有志の議員が「世界連邦建設に関する決議案」を国会に提出。1948年には「世界連邦建設同盟」が結成され尾崎行雄が会長に、賀川豊彦が副会長となって活動を開始した。また、名誉会長には戦後初の総理大臣東久邇稔彦が、第五代会長には湯川秀樹が就任している。「世界連邦建設同盟」は現在「世界連邦運動協会」と名を変えて活動している。

昨年2月13日の記事より。
※尾崎行雄
日本の議会政治の黎明期から戦後に至るまで衆議院議員を務め、当選回数・議員勤続年数・最高齢議員記録と複数の日本記録を有することから「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれる。
伊勢神宮内宮前・合格神社の祭神。
世界連邦建設同盟(現、世界連邦運動協会)初代会長。


年初にイエズス会のことを書いた。
現皇后陛下が通われたのが聖心女子学院高等科と聖心女子大学だからである。
この学校はカトリック系。設立母体は「イエズスの聖心会」。
聖心女子大学の卒業生の中に参議院議員の山谷えり子さんがいて、尾崎行雄記念財団の顧問もされているので、財団の役員も列記した。

実は尾崎行雄もクリスチャンである。しかも聖公会の信徒であった。
1875年(明治8年)のクリスマスに、聖公会のカナダ人宣教師で英語教師でもあったアレクサンダー・クロフト・ショーより洗礼を受けた。


相模国津久井県又野村(現・神奈川県相模原市緑区又野)生まれ。
尾崎家の先祖は今川義元の家来で、武田信玄に攻め立てられて没落した。

今川義元は駿河国・遠江国(現:静岡県)の大名。

父・行正(彦四郎)は、戊辰戦争(1868-1869年)の際、官軍土佐藩迅衝隊総督の板垣退助の徳を慕って馳参じ、隊長・美正貫一郎の率いる断金隊(旧武田家臣の子孫たちで構成された部隊)に加わって会津戦争を戦い抜き、貫一郎の討死後は、断金隊の二代目隊長に任ぜられ、維新後は弾正台の役人となった。

先にも述べたとおり、板垣退助は1868年に乾姓から板垣姓に改姓して旧武田家臣を騙くらかした。
尾崎行雄の祖先は武田信玄に敗北し没落した。
その武田家(信玄の次代)も織田・徳川連合軍に滅亡させられてしまったわけだが、尾崎行雄の父は旧武田信玄家臣を騙す側の板垣退助に付いて旧徳川幕府勢力と戦い、やがて旧武田家臣の上に立つようになったということになる。







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# by yumimi61 | 2017-01-04 12:38
2017年 01月 03日
そうそう
「24時間テレビ」は障害者の「感動ポルノ」 裏番組のNHK生「バリバラ」に大反響(J-CASTニュース 2016年8月28日 21時24分)
J-CASTの当該ページをリンクしたがブログがこれを反映しない。それならばアドレスをそのまま掲載しておこうと貼り付けたが、これも文字にならない。真っ白。
こんなことは初めての経験だが、いったい何が起こっているのでしょうか。

 「Eテレが本気出してる」「バリバラ攻めすぎでしょ」――視聴者からそんなツイートが相次いだのは、日本テレビの「24時間テレビ」の裏番組として、NHK Eテレが2016年8月28日に放送した「バリバラ」(19時00分~30分)だ。

24時間テレビをパロディー化して笑いのめしながら、障害者を「感動」の具とする「感動ポルノ」に、障害者自身も含む出演者たちが異を唱える。そんな野心的な内容は、ツイッターで番組名が「トレンド」に入るなど、大きな反響を呼んでいる。



『24時間テレビ』の裏で障害者番組『バリバラ』が“感動ポルノ”批判! でも溜飲を下げる前に考えるべきことが(LITERA本と雑誌の知を再発見 2016年8月29日)

放送直前にパーソナリティのひとりだった高畑裕太容疑者が逮捕され、注目を集めた『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)だが、今年も「サライ」の大合唱で無難に幕を閉じた。しかし、その一方でネット上では、ある裏番組の“ぶっこみ”に話題沸騰となった。

 その番組とは、テレビ業界で「もっともチャレンジングな番組」と評判の“日本初の障害者のためのバラエティ番組”である『バリバラ』(NHK Eテレ)。『バリバラ』はなんと、『24時間テレビ』が佳境に入りはじめた真裏の28日19時からの放送で「検証!〈障害者×感動〉の方程式」と銘打ち、真っ正面から「障害者に感動は必要なのか?」と疑問を投げかけたのだ。

 番組はまず、「24」という字がプリントされたボードがアップで写され、出演陣全員が「笑いは地球を救う」と書かれた黄色地Tシャツに身を包むという手の込みようでスタート。もうこの時点で“『バリバラ』の本気”を見た思いだが、番組は骨形成不全症を抱え2014年に亡くなったジャーナリスト・コメディアンのステラ・ヤング氏によるこんなスピーチを紹介したのだ。

「手がない女の子が口にペンをくわえて絵を描く姿、カーボンファイバーの義肢で走る子ども、こうした姿を見たとき、みなさんは『自分は人生は最悪だけど、下には下がいる。彼らよりはマシ』だと思うでしょう。私たちはこれを“感動ポルノ”と名付けました」



NHK『バリバラ』が『24時間テレビ』の裏で"障害者×感動"をテーマに大討論(@Niftyニュース 2016年11月26日21時25分)

記事まとめ
⇒NHK教育テレビジョン(Eテレ)の『バリバラ』で、障害者×感動をテーマに討論が行われた
⇒出演者のひとりは「普通に生きているだけなので感動の材料にされたくない」とコメント
⇒番組終了ではコメンテーターが「サライ」のメロディを口ずさみ去って行った

提供社の都合により、削除されました。
概要のみ掲載しております



「NHK Eテレ」はかつての「教育テレビ(3チャンネル)」です。
私も夏の終わりに、Yahooニュースだったか何かで、Eテレが障害者番組を感動ポルノだと批判をしたという記事の見出しを見た。
(パラリンピックを大々的に持ち上げているNHKがパラリンピック前によくそんなこと言えるなぁ、場所をEテレに移して暗にパラリンピック批判なんだろうか?)と思ったが、中の記事を読むことはなかった。
そんなわけでバリバラという番組も12月まで知らなかった。
私が知ったのは12月21日のこと、NHK総合テレビで夜に放送していた『ココがズレてる健常者』に遭遇したから。
見たの少しだけだったけれども、その時に「夏に見た記事の番組はこれだったのかぁ」と分かった次第です。
12月21日には番組中にサライが流れたらしいので、これはもう日本テレビ『24時間テレビ』狙いうち批判ということなんでしょうか?イメージ音楽?

完全なる余談ですが、高畑さんが事件を起こしたホテルはかつて私が実業団駅伝でいらしていたと思われる宗監督をお見かけしたまさにその場所にあります。
ちなみに私、高畑裕太さんという方を全然知らなくて、逮捕の一報を聞いたのが車のラジオのニュースだったのですが、俳優と言って報じてはいたもののあまり有名ではない俳優さんなのかとその時は勝手に思い込み通り過ぎました。
後でテレビなどで大々的に報じられているので驚いた次第です。

話はまた少し戻りますが、「感動ポルノ」と批判するような番組を放送しておいて、「ぐんまびと」で口で絵や詩を書く障害者を取り上げるなんて・・・まったく酷いですよね~!?






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# by yumimi61 | 2017-01-03 15:29
2017年 01月 02日
新年
・大晦日の恒例番組NHK紅白歌合戦の採点(紅組勝利)に納得いかない人が多かったそうなので一言二言三言。
まず紅白歌合戦ですが、紅白歌合戦という名称から何となく分かるかと思いますが、紅組と白組に分かれて歌を歌ったり踊ったりします。(そこから?)
紅組は基本女性です。白組は基本男性です。女対男という時代錯誤な戦いなわけです。
そして合戦なので勝敗をつけます。
勝敗を付けるからには採点基準(例えば歌唱力の満点は何点、踊り何点、衣装何点など)が必要だと思いますが、そういうものは一切ございません。
従って好きか嫌いかという個人的な恨み辛み基準でも構わないので、歌合戦という名称がそもそも誤解の元になっていると思われます。
ともかく審査(投票)をします。
今年はテレビなどの視聴者(これは今年初めて導入されたのかな?)と会場での観覧者の票では白組の得票数が断然多かったのに、審査員票が入ったらひっくり返って紅組勝利、これに納得いかなかったということのようです。

でも野鳥の会出身の私としては(食べる会?野草!)、別に不思議でもなんでもありません。
紅白歌合戦は観覧者が紅か白かを掲げて、それを野鳥の会が数えるということを昔やっておりました。
しかし野鳥の会の存在もだんだん危うくなり(集計方法が変わったり、時間が押して省かれたり?)・・・。昨年は野鳥の会いました!
ともかく昔から観覧者の票は得票数ではなくて、紅か白か多かったほうにボール2つ入れていました。
だからテレビ視聴者から票を集めてもそれと同じで、多い方にボールが2つ入るだけです。
その審査方法を説明していたかどうかは定かではないですが、それが昔からのルールだったわけです。基本今まで通りです。
皆さん今まで紅白歌合戦見たことがなかったんですかね?

視聴者を無視する勝敗だと言っても、逆を言えば、視聴者で決まるならば審査員なんか必要なくなってしまいますからね。視聴者数と審査員数では数が違い過ぎます。わざわざ審査員を会場まで呼んでおいてそれはないでしょう。
私もクイズ番組で最後の最後に逆転可能とか言って逆転可能な点数を最後の問題にのみ乗っけるのは「今までの戦いは何だったのか・・」と疑問に思うことはありますが、紅白歌合戦の採点方法は点数ではないのです。


・大晦日の番組の視聴率が取り沙汰されることが多いですが、視聴率調査はとても怪しいものです。
前にも何度か記事にしています。

器官60ーTBS『半沢直樹』視聴率から国勢調査横流し事実まで

甍(いらか)百二十―ベネッセ個人情報流出と発覚までの不可解さ
(ベネッセの個人情報流出に該当していた我が家。流出についての詫び状がベネッセから来て兄弟のうちの弟宛てにしか来なかったと書いたが、その後実際に500円交換券が発送された際には詫び状が来なかった兄の分も届いた。しかし私はどちらもお金にすることはなかった。忘れていたわけではない。僅かながらのお金を受け取って許したと思われることは嫌だったから)

昭和 質拾伍―NHKのお金とNHKが得ている個人情報について
(この記事に次のように書いた。外部の干渉を受けないということは、受信料を支払っている国民なんか関係ないということ。 受信料をみんな「NHKのお金」と思っているのだろう。 外部から干渉されたくなければ、受信料徴収なんかやめて、放送法からも離れて民間企業になるべき。それでも出資者には干渉される。 しかしこれと紅白歌合戦の採点とは話が違う。お金とは経営のこと、組織の在り方である。ハードかソフトかと言えばハードな部分。番組はソフト。)

NHKは法的に保護されて受信料を徴収しているのだから競争は必要ないのです。
極端なことを言えば誰一人見ていない番組を放送することだって出来る。
法律で保護しているのだから受信料なんて曖昧な形にせずに国営放送にして税金にしてしまえばすっきりすると思います。
公共放送を自負して視聴率に拘るならば、公共に相応しい視聴率を決めて、それを下回るような番組はどんどん打ち切りにすればよいと思います。
ところでNHKはどうやって独自の視聴率調査をしているんでしょうか?

民放の視聴率調査は国勢調査にて得た情報を電通の子会社に横流しして行っています。しかも一社独占。
こうなるとテレビ局が牛耳っている選挙結果(速報)も俄然怪しくなってきますね。
また最近、韓国や電通の問題が相次いで表面化し取り沙汰されているのも、なんだかちょっとキナ臭いですね。


・視聴率の中でも特に怪しいのが瞬間視聴率というやつです。瞬間に意味ありますか?
例えば何時何分にこれを、何時何分にはこれを放送します、と事細かく事前に知らされているならば、その時間(その内容)を選んで見ることもできますが、そうではありません。
誰が何時何分にこの部分を歌って、何時何分にあの話をして、何時何分にその人が涙をこぼす、そんなことは分かっていません。
何かの瞬間(時間)の視聴率が高いと言っても、それは「これが見たい」と選択されたものではありません。
偶然の産物です。始まりとか終わり頃とかいった幅のある時間ならばまだしも、瞬間には意味が無いのです。
意味がないものをあたかも意味あるかのごとく扱っていることに対して非常に怪しさを感じてしまいます。






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# by yumimi61 | 2017-01-02 12:16