2013年 01月 27日
機宜*3
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春だったか夏だったか忘れたけれど、長男が「うちのクラスに不登校気味の子がいて・・」という話をしたことがあった。
休学してニュージーランドに行くということだった。


小学校にも中学校にも不登校の子はいるが、高校生の事例でよく聞くのが燃え尽き型。
受験を乗り越えて志望校に入ったものの、直に学校に来なくなるパターン。
もうひとつは自信喪失型。これは進学校に多い。
中学校ではそれなりに良い成績や評価であったのに、成績優秀な生徒が集まるためにそれが維持できなくなり自信を喪失していくタイプ。
スポーツ校ではそれがスポーツになる。
生徒間での競争意識が高く、結果を出せなかった生徒は必然と落ちこぼれていき、集団に馴染めなくなる。
スポーツ主体で入学した生徒は、スポーツで挫折した場合に潰しが利かないことが多い。
これはスポーツ科やスポーツ推薦のリスクとして保護者にも十分認知されていることである。
一般家庭から有名私立校に入った場合には、家庭環境の違いを見せつけられ疎外感を感じ馴染めなくなる。


冬になって長男がニュージーランドに行ったという彼の話をまた持ち出した。
「前に休学してニュージーランドに行った子がいるっていう話をしたでしょ」
「うん」
「その子を〇〇(場所)で見かけたっていう子がいるんだよ。ニュージーランドに行っているはずなのにおかしいよなって話しになってさ」
「一時帰国してたんじゃない?」
「そうなのかなぁ」


それから間もなくして長男から報告があった。
「不登校気味だった子ね、学校辞めるんだって。今日挨拶に来た。ニュージーランドの学校に行くんだってさ」
「ほ~ら帰ってきてたんじゃない」
「そうだったみたい」
「休学はお試し留学期間だったんだね。で、大丈夫そうだったから退学して向こうに行くことに決めたわけかぁ」

「前に学校で俺の友達が保健室にいたら、そいつも保健室に来たことがあったんだって」
「それで?」
「周りがみんな敵に見えるので休ませて下さいって言って休憩してたって」
周りがみんな敵・・・その正直さに私は思わず笑ってしまった。(保健室にいたら笑わないけど) 
何だかちょっと彼が愛しい存在のように思えた。


その不登校気味だった彼はニュージーランドに行って生き生きしたそうだ。
環境が人を変えたという顕著な事例だけれども、日本の高校を退学してニュージーランドの学校に移るという決断はやはりなかなか勇気が必要だ。

「その子は英語が得意だったの?」
「挨拶しに来た時に質問コーナーみたいなのがあって、誰かが英語は話せるんですか?って訊いたら、少しって答えてた」
「へ~そうなんだ。じゃあお母さんもいざとなったら〇〇(次男)連れてニュージーランドに行こうかなぁ」


ストレスで病気になったり自殺するくらいなら、学校を中退して違う道へ行くという選択もある。
しかしこれだけを見て、海外へ行けば自由で健康になれ将来が保証されたという発想は短絡的。
また誰もが海外に出られる境遇にあるわけではないだろう。

よく大人は(特にある程度の成功を収めた人は)「人生はいくらでもやり直せる」と軽々しく言ったりするが、進む高校大学で将来はかなり方向づけられる。
そのレールに乗らずに成功できる人もいるだろうけれども、それはごく一部の人。
そのことをみんな知っているからこそ、幼児期から習い事をさせたりお受験させたりして、有名校を目指しているのだ。
自分や周囲の「成功できなかった」「やり直せなかった」「苦しい生活」「夢のない仕事」「あまり幸福ではない」という実体験や実感が子供達に反映されている。

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by yumimi61 | 2013-01-27 01:56


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