2013年 01月 28日
機宜*5
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進学校での牽制球

長男が高校に入学した時、入学式の後で先生から新入生保護者に向けての話があった。
その中でこんなことが語られた。
「中学のテストでは比較的良い点を取っていたお子さん達だと思いますが、これからは20点や30点という点を取ることもあります。だからといって驚かないでください。
難しい問題もやりますので平均点自体が高くないテストも沢山あります。
それから成績順位に関しても中学では上位にいたお子さん達でしょうけれども、この中で順位を付けるという事は誰かしらが下位になるということです。
順位がすごく下がったからとすぐに落胆する必要は全くありません。
ここで下位だとしても全国に出せばそんなことはないからです。」

進学校の教師達は生徒に高みを求めてくるはずだし、課すものもあるだろう。
しかし親子して自信喪失し、親が子を必要以上に追い込むことのないように、先生はあらかじめ親を牽制しておいたわけだ。
数字というのは指標として優れたものではあるけれども、人に対する威力が強く、時に実態を覆い隠してしまうものでもある。
誰かしらが下位になるという話は当たり前のようなことだけれど、すごく新鮮で「そう言えばそうだね」と知り合いのお母さんと妙に納得したことを記憶している。

親は子供に関して他人との比較に弱いものである。
そして子供が思うようにならなかった場合、自分を否定されているような気になりがちなのだ。
子供の成績や素行に誇らしさを感じるという親は多いだろうけれども、その逆も多い。
「これはこうだからいけない」と諭すのではなくて、「親の恥になるから止めて」という論調になってしまう。
これは教師にも言えることかもしれない。




スポーツ強豪校の牽制球は?

スポーツ強豪校では牽制が利かない。
彼らは趣味や健康づくりやストレス発散のためにスポーツをしているわけではない。
勝つことを目的としている。
全国一を目指し、スポーツで食べていくことを、スポーツで優遇されることを目標としている。
残酷だけれど結果が全てな世界。数字がより重んじられる世界。
どんなに人格者だとしても実力(結果・記録・成績)が伴わなければ、上には上がれない。
強豪校に進む子でスポーツ未経験という子はまずいないだろうから、上記のようなことは親も子も十分に分かっているはずである。
そして強豪校の指導者は勝つことが使命なのである。


勉強は多くの子供達がしているので母数が大きい。
従って進学校では「ここで下位だとしても全国に出せばそんなことはない」と言うことが可能なる。
しかし勝つためにスポーツをしている子というのは限られてくる。
勝つためのスポーツをしている子は、それ以外の理由でスポーツをしている子を相手にしていない。
つまり、母数が少ないうえに、母数はみんな勝ちたい子ばかりなのである。
戦いが激化するのは当たり前。
これが勉強とスポーツの大きな差。


またスポーツを複雑にしているのは団体競技。
「ここで上位だとしても全国に出れば大したことはない」ということはあっても、「ここで下位だとしても全国に出れば上位」ということは、チームとしてはあり得ない。
地方大会、全国大会、世界大会と、勝ち続ける必要がある。
但し、団体競技の個人に目を向けると、「ここで下位だとしても全国に出せばそんなことはない」は可能だ。
全国一の強豪校にいればレギュラーは取れなくても(下位であっても)、全国での個人の実力は上の方であるということは十分に考えられる。
より勝利のチャンスがあり、良い(と言われる)指導者を求めて、強豪校には全国から選りすぐりの学生が集まる。
それが私立高校の強い理由でもある。
私立高校では都道府県代表と言っても学校がそこにあるというだけで、部員は県外出身者で占められていたりする。




桜宮高校は大阪市立の学校

今回の体罰と自殺騒動は市立高校であったということがより問題を大きくしている観がある。
公立高校で体育科を設置している学校というのはそれほど多くはない。
調べてみたら大阪府が全国で一番多かった。

桜宮高校は体育科があるようなので新しい学校なのかとも思ったのだが、学校の設立は古い。
体育科は1980年に設置されている。

桜宮高校で意外だったのは、偏差値が普通科よりも体育科のほうが高いことである。
一般的には体育科よりも普通科のほうが偏差値が高い学校のほうが多いと考えられる。
群馬県にもスポーツ科を設置する高校が一校あるが、スポーツ科よりは普通科のほうが偏差値は若干高い。

そこで大阪府の公立高校の通学区域を調べてみた。(以前こちらに高校の通学区域のことを書いた)
現在のところ、大阪府の公立高校の普通科は学区制をとっている。(今後撤廃予定らしい)
学区制というのは居住地の通学区域内から志望校を1校選んで受験するという制度。
しかしながら桜宮高校の体育科とスポーツ健康科学科は学区制ではないのだ。
府立でもなく市立高校でありながら大阪府下全域を対象としている。
学区内だけでは定員に満たないのか、それとも部活動を強くするために対象を広げているのか、その意図は分からないが。
強豪校であるようなので、ひょっとすると住所を移転させて普通科にも部活動目的で入学している子がいるのではないだろうか。

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by yumimi61 | 2013-01-28 16:46


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