2017年 03月 16日
父の病㉑
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。
- Mahatma Gandhi (ガンジー) -

1人の人間の0歳~50歳までの50年間と50歳~100歳までの50年間には同じだけの時間が存在している。

では何が違うのか?
0歳~50歳までの50年間は「生」の中に「死」がある。
50歳~100歳までの50年間は「死」の中に「生」がある。

人間の死に例外はない。人は必ず死ぬ。
人間はそのことをよく知っているはずである。
にもかかわらず、死に向かう過程に対するケアはメジャーではない。
成長過程に対するケアと比較すればよく分かる。
「レームダック」には興味もなく冷たいということだろうか。
そうであるならば社会は社会的役割を終えた人には冷たいということになる。
要するに人間は社会の歯車であり金づるということだ。次世代の人間を作る製造マシーンでもある。
その役目を終えた時には、社会から、家族から見捨てられる。
それまでの「生」が支配していた世界から、「死」が支配する世界へと移行していく。
その節目が50年といったところであろう。
歯車や金づるでありつづければ「生」が支配する世界とより長く繋がっていられるが、時間は決して巻き戻せない。
前に進むしかないのである。どんなに繋がりを願ってもその距離は離れていくばかりである。
それは物理的にどうにもならないのである。

死が優勢となる世界は恐ろしいので、心を入れ替え健康に注意しながらも、普段は出来る限り死を意識しないようにしている。死が優勢な世界なんて認めたくないとも思っている。
ところが無情にもある日突然病を宣告される。ある日突然病が襲い掛かり倒れてしまう。
死があちらからこちらに向かってくるように目の前に迫ってくる。
「助けてくれ~」と叫んでも、生が支配する世界にはその叫びは届かない。死を意識しないようにと努めている人はその叫びに耳を塞ぐ。


紐の長さが同であるならば、振り子が大きく揺れている時も、小さく揺れている時も、往復にかかる時間は同じである。(振り子の等時性)
ガリレオが発見した法則である。
1人の人間の0歳~50歳までの50年間と50歳~100歳までの50年間は、どんな人生を送ろうとも同じだけの時間が存在している。
ただ人の一生は振り子やブランコのように往復はしない。一方通行である。
「世界のクロサワ」「世界の巨匠」と言われる黒澤監督であるが、映画に込めた思いが一方通行であったということはないであろうか。それは心配し過ぎか。


死に向かう過程に対するケアはメジャーではなく、緩和ケアの認知度もまだまだ低い。
「緩和ケア」よりはまだ「ホスピス」のほうが名が通るかもしれない。


緩和ケアについては、東北大学病院がんセンターが運営している「がん情報みやぎ」というサイトで非常に詳しく説明している。
宮城県のがん患者さんと、ご家族のために。と謳っているなか、県外者の私が臆することなく引用転載させてもらいました。

がん情報みやぎ 緩和ケアについて知ろう

【緩和ケアの定義】
WHOは1990年に、緩和ケアを「治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する」ケアであるとしていました。
しかし、WHOは2002年に緩和ケアの定義を修正し、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対する」ケアであるとしました。
これは、終末期に限らずより早期から提供されるべきものであるという立場を明確にしたものです。


誤解してもらいたくないのは、「緩和ケアの定義」とは「緩和ケア病棟の定義」ではないということである。

■基本的緩和ケア
緩和ケアはがんの診断時から、がん患者に関わるすべての医療者によって提供されるべきもので、これを基本的緩和ケアと呼びます。基本的緩和ケアとは手術や抗がん剤、放射線治療などのがん治療を行う医師や看護師などのがん医療に携わるすべての医療者によって提供されるものです。
■専門的緩和ケア
しかし、担当の医師・看護師らによる通常の診療・ケアで患者の苦痛を緩和することの困難も存在します。そのような場合は、緩和ケアについて特別なトレーニングを受けた専門家が対応し、これを専門的緩和ケアと呼びます。
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※青四角、赤四角は私が書き入れたものです。

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※赤ラインは私が入れたものです。
実際には明確な区別は医療従事者でも出来ていない印象を受ける。
ホスピスについては「場所」を指しているのではなく「ケアの考え方」を指していると書いているが、ホスピタルと並ぶ言葉(語源が同じ)でもあるので場所という認識が高いかもしれない。


【専門病棟のおける緩和ケア(ホスピス・緩和ケア病棟)】
 緩和ケア病棟(ホスピス)は、緩和ケアを専門的に提供する病棟です。名称としては緩和ケア病棟、ホスピス、緩和ケアセンターなどが用いられています。
 緩和ケア病棟は、一般病棟や在宅ケアでは対応困難な心身の苦痛がある患者への対応や、人生の最期の時期を穏やかに迎えることを目的とした入院施設です。緩和ケアの専門的な知識・技術をもった医師が診察にあたり、看護師数も一般病棟より多い傾向にあります。病棟によっては専属の薬剤師、メディカルソーシャルワーカー、宗教家(チャプレン)、ボランティアなどがおり、院内の栄養士、理学療法士、作業療法士などと共同して多職種によるチームケアがなされています。
 抗がん剤治療などを行わない場合が多いため、医師や看護師などが患者のベッドサイドに行く時間も比較的取りやすく、病室は多くが個室であり、病室の中に家族がくつろげるスペースがあるなど、プライバシーに配慮された構造になっています。家族が宿泊できる家族室や家族風呂、家族が調理できるキッチン、談話室などもあります。また、病棟では七夕やクリスマスなど季節ごとの行事や、音楽会などのレクリエーションを行っていることも多いです。

患者さんにとって、緩和ケア病棟に入院するメリットは以下のようなものがあります。
●苦痛症状を緩和するための専門的なトレーニングを受けた医師・看護師が主治医・受け持ち看護師となり、24時間ケアを受けられる
●ほぼ全室個室であり、プライバシーが守られた環境で家族や友人と穏やかな時間を過ごせる
●面会や持ち込み物の制限が少なく、自分の家のようにその人らしい生活を送れることなどである


父を転院させようと思っていた緩和病棟の問診票にも「緩和ケア病棟」の下に(ホスピス)と書いてあった。




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by yumimi61 | 2017-03-16 13:00


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