2017年 09月 24日
日本国憲法の秘密-566- (加計学園問題について)
似たような特区制度が小泉政権と第二次安倍政権にて導入された。

「構造改革特区」(2002年~現在)
従来法規制等の関係で事業化が不可能な事業を、特別に行うことが可能になる地域をいう。

「国家戦略特区」(2013年~現在)
あらゆる岩盤規制を打ち抜く突破口とするために、内閣総理大臣が主導して、地域を絞ってエリア内に限り従来の規制を大幅に緩めることを目的とする。また、この区域は「解雇ルール」、「労働時間法制」、「有期雇用制度」の3点の見直しを対象としている。


小泉内閣 2001年4月26日-2006年9月26日
安倍内閣 2006年9月26日-2007年9月26日
福田内閣 2007年9月26日-2008年9月24日 申請開始 結果「不可」
麻生内閣 2008年9月24日-2009年9月16日 申請 結果「不可」
鳩山内閣 2009年9月16日-2010年6月8日 申請 結果「実現に向け検討」
                     ※愛媛県出身衆議院議員が国会にて獣医師環境について質問
菅内閣  2010年6月8日- 2011年9月2日 ※愛媛県・岡山県選出議員が獣医と構造改革特区に関する勉強会を開催
野田内閣 2011年9月2日- 2012年12月26日
安倍内閣 2012年9月2日-現在




構造改革特区は提案を年2回ほど募集をしており、愛媛県今治市は2007年から2014年まで「構造改革特区」に申請を続けてきたが認可されることはなかった。
要するに愛媛県議が自民党議員経由で口利き依頼したと思われる民主党政権でも、その後安倍内閣に代わってもすぐさま愛媛県今治市が認可に至ることはなかった。
これが安倍内閣の言う「岩盤規制」そのものなんだと思う。
大物政治家をもってしても動かなかった認可不可の烙印。
だから安倍内閣は妥当岩盤規制!打倒岩盤規制!を掲げ、霧ヶ峰霞が関の官僚を敵と見做した。
逆を言えば、「(たとえどんな理由があろうとも)大物政治家や政権の依頼に従わないやつはけしからん」と言っているに等しい。


自民党が野党になった翌月(2009年10月)、とある公共政策系コンサルティング会社が設立された。
会社のホームページの所在地には「東京都港区」としか記載されていない。
会社のブログの会社概要は「このページは表示できません」と出る。
ペーパーカンパニーか会社の体を成していないのか。
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社長の原英史は、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理となっている人物である。


2009年9月‐2012年12月 自民党が野党になる
2012年12月 安倍内閣誕生(再登板)
2013年9月 国家戦略特区第1次指定地域のヒアリング
2013年12月 国家戦略特別区域法施行
2014年1月 国家戦略特区 第1回諮問会議
2014年3月 国家戦略特区 第4回諮問会議 ※この会議で1次指定区域案が提示された
2014年5月 国家戦略特区 第1次区域指定
2015年8月 国家戦略特区 第2次区域指定

構造改革特区も法律施行前に募集が始まっていたが、国家戦略特区も法律施行前にすでに関係自治体にヒアリングを行っている。
これは募集・申請・認定という過程を踏んでいない。なにせ法施行前なので細かいことは何も決まっていないし公になっていない。
区域ありき(規制を逸脱してしたいことありき)。

1次指定区域(2014年5月指定)
・東京圏(東京都・神奈川県の全域または一部、および千葉県成田市) - 国際ビジネス・イノベーションの拠点
・関西圏(京都府・大阪府・兵庫県の全域または一部) - 医療等イノベーション拠点、およびチャレンジ人材支援
・沖縄県 - 国際観光拠点
・新潟県新潟市 - 大規模農業の改革拠点
・兵庫県養父市 - 中山間地農業の改革拠点
・福岡県福岡市 - 創業のための雇用改革拠点

※医学部新設の解禁は1次指定の千葉県成田市が用いられた。


法律が施行され、諮問会議などが開催された後には公募(募集)が始まった。
但し「国家戦略特区」は提案募集期間が設けられていない。集中的に募集する時期もあるが、その時しか申請できないというわけではなく、随時受け付けている。つまりいつでもよい。間口が広い。
もちろん申請してからといって、その全てが認められるわけではない(今度は自らが揺るぎない採択者になるわけである)

提案は、随時受け付けています。
また、年2回(春・秋ごろ)、締切を設け集中的に規制改革事項を受け付ける、いわゆる「集中受付期間」として、規制改革事項の提案募集を行っています。



国家戦略特区は、例えば「加計学園による獣医学部新設」という何か1つのことを行う区域ではない。
1つの事業や1つの企業や法人に関わることならば区域を指定する必要は無い。
さらに国家戦略特区に申請する提案は「 産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成の推進に資するもの」で、且つ「その実施が現行の規制・制度の下では不可能又は困難である場合に、それを可能にするために必要となる規制・制度改革についての具体的な提案が盛り込まれていること」が条件。
「区域」を補強するために、区域を指定した後に、提案に盛り込まれている事業者以外からも事業者を募集している。


「公務員獣医師が不足していて大変なんで獣医学部を新設したい」なんて理由では本来ダメである。
日本の公務員獣医師が不足しているからと増員したとして、国際競争力が上がりますか?(獣医学部卒の公務員教員を増やして研究者を養成すればいいではないか?)
日本は国際的に家畜が少なく獣医師は多い。
「不足」や「大変さ」が主観では困る。公務員であるなら尚更だ。客観的事実をデータで示す必要があるだろう。
東京都と愛媛県の人口は違うので学校数も教員数も当然違う。その学校数や教員数の違いを偏在や不平等と言いますか?言いませんよね?
だけど獣医師では言っている。
獣医師の場合は「獣」が付いているくらいなのだから家畜数を抜きには語れない。それは国際標準でもある。
目的や条件を何に置いている制度であり、どんなことをどのように提案すれば良いのか、それを教える事から始めないと目的に沿った提案はなかなか出てこないという現実があるのだろうと推測する。だからこそコンサルタントが必要になる。

愛媛県今治市は国際的競争力向上や国際的経済活動の拠点になる資質を持っているか?まずそこが問われる。
残念ながら国内の競争でも負けたから未だに造成地が埋まらないでいるのだ。答えなんかとっくのとうに出ている。
そこで持ち出されたのがライフサイエンス分野の研究の発展だった。
しかし愛媛県今治市がライフサイエンス分野の研究の発展に特別に寄与するだろう資質があるだろうか?
それを推進していくのに適した区域であると判断する事実や実績があるだろうか?
正直別にないと思う。
区域の指定となるとすでにある実績や利便性や経済力などが考慮されるためハードルが上がってしまう。
改革と銘打っても、結局大都市には敵わないということになる。

そこで今度は地方創生が持ち出された。
国家戦略特区の2次と3次指定は地方創生特区でもあるのだ。
要するに「国際的に」という目的にはやや遠いので地方創生という目的が引っ張り出されたわけである。
地方創生
東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である。2014年(平成26年)9月3日の第2次安倍改造内閣発足時の総理大臣記者会見で発表された。ローカル・アベノミクスともいう。

第2次区域(2015年8月指定)
・秋田県仙北市 - 農林・医療ツーリズムの改革拠点
・宮城県仙台市 - 女性活躍・社会起業の改革拠点
・愛知県 - 産業の担い手のための教育・雇用・農業等の総合改革拠点
・東京圏において、東京都の区域を全域に拡大










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by yumimi61 | 2017-09-24 15:19


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