2015年 05月 28日 ( 1 )

2015年 05月 28日
昭和 質拾玖
※追記しました。(5月29日)

逆走好き


平成16年(2004年)に成立した年金制度改正法においては、長期的な負担と給付の均衡を図り、 年金制度を持続可能なものとするため、基礎年金の国庫負担割合を平成21年度(2009年)までに 2分の1に引き上げることとされました。
 by厚生労働省

それまで1/3だった基礎年金の国庫負担割合が2009年から1/2に引き上げられた。
税収が足りないと言っては借金している国が法改正してまで費用負担してくれるというのだから大盤振る舞。
「厚生年金の保険料や積立金を流用するな」と言われるものだから、「国庫(借金)なら文句ないだろう!」と思ったんだろうか?
税収を増やしたり歳出を減らさなければならないのに、逆の政策を取るのが非常に好きである。
国を破滅に導きたいんだろうかと本気で思う。

あの時もそうだった。こちらに書いたが東日本大震災の時の「震災関連寄付金」の税金控除。
助け合いの精神で自ら進んで寄付をしようとする人の税金を少なくしてやることはない。
寄付金が届くところ(NHK・中央共同募金会・日本赤十字社・NHK厚生文化事業団など公的機関を装った団体、みんなグルですね! )は国(政府・国庫)ではないのに、国はそのために税収を減らすことになるのだ。
また企業や芸能人が相次いで、領収書も発行しないような募金窓口を開設したけれども、あれはやろうと思えば幾らでも詐取できるし、そうでなくとも税金対策となる。
国にとってあんな馬鹿げた話はないだろうと思う。
寄付をしてもらいたいならば国(政府)が自ら音頭を取らなければダメである。(それほど不安なことはない!?その前に集まらない?規制すれば?)


どういう計算?

2009年に基礎年金の国庫負担金が1/3から1/2に引き上げられたので、その差額2.5兆円を消費税引き上げで補うと言って、消費税引き上法案が審議されていた頃に書いた記事はこちら
酷いことに審議の元になっている数字が全然合っていなかった。

もっと言えば、その国庫負担金ではとてもじゃないが基礎年金の1/2にも1/3にもならない。

厚生労働省年金局が23年度1月に発表した平成21年度(2009年度)公的年金の概況を元に書いた記事がこちら
給付対象者や加入者には共済年金の人々の数も出てくるが、共済年金だけの収支決算はなかった。
また年金加入者の区別が2号被保険者という括りであることからも、これは全国民共通1階部分の基礎年金の概況だと私は判断して記事を書いた。(下図の黒い四角内の年金のこと)
公的年金と言う時にはこの部分を指していると思われる。
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基礎年金部分は全国民共通であるからして、この部分の1人当たりの給付額は基本的には同じはずである。(保険料の納付期間の不足や旧法との関係で違いがでることはある)
厚生年金の2階部分は報酬比例給付であり、保険料は収入によって人それぞれ違う。(保険料には基礎部分も含まれている)
給付される時は過去に支払った保険料に比例しての金額を受け取る権利がある。(前もって将来の金額が決定して絶対に変わらないということではなく相対的に決まるということ)

下の緑字は上でリンクした記事に書いたもの。
■年金給付総額  50兆2554億円    

 (内訳) 国民年金 18兆421億円
       厚生年金 25兆5333億円
       共済年金 6兆6768億円(職域加算を含む)

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この時にどれくらいの公的年金受給者がいたかというグラフはこちら。
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もっと届け、大切なカネ

基礎年金(老齢基礎年金)を受けるためには、原則として保険料を納付した期間と法的に免除された期間を合算して25年の年金加入期間が必要となる。
この受給資格期間が消費税率10%への引上げ時(2017年4月)に半分以下の10年に短縮される予定。
今より多くの人が受給対象となるわけで、これも逆走の歳出を増やす政策となる。(消費税引き上げと抱き合わせにしているのがポイント)
国民皆保険なのだから受給資格期間なんていうものがあることが本当はおかしい。
法的に免除されている人を除いた全員が40年間保険料を納付して然るべき。
厚生年金に加入している人は会社で控除するので保険料が未納であるということはありえないのだ。

年金は個人の積立貯金ではない。現役世代が老齢世代を支えるものであり、未納期間があるということは日本国民の義務を果たしていないということになる。
制度が変わった時に多少その隙間に落ちてしまう人がいるのだが、そういう人は別個に救済すればよい。
未納があるなら、それをそのまま放置するのではなく、追徴課税のようにペナルティを持って支払う義務を負わせるべき。
年金本来の目的からすれば老齢になった時に給付対象から外すとは言いにくいので、そういう意味においても支えるという年金の意図をもっと理解してもらわないといけない。

また国民年金には任意加入というものがある。国民年金任意加入被保険者となる。
対象は以下のとおり。
・日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人で、厚生年金や共済年金などに加入している人が任意で国民年金にも加入すること。(受給年金額を増やすためにダブりで加入しておく)
・日本国内に住む60歳以上65歳未満の人が加入。
・日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない(海外在住)20歳以上65歳以上の人が加入。

この国民年金任意加入被保険者期間のうち、保険料を納めなかった期間(未納期間。60歳以上の期間を除く)についても年金の受給資格期間に合算するように改正された。
日本に国籍を置いておけば、外国に住んでいて年金未納な時期も受給資格期間に含めてあげるという、これまた逆走政策である。

これら受給資格期間の変更は、2012年(平成24年)8月10日に成立し、同年8月22日に公布された「年金機能強化法」によるものである。


増やしてどうする!?

人生はいろいろ、年金の変遷もいろいろ、なかなか予定通り、一筋縄にはいかないものね~。

転職など状況・・・・加入年金(一番右側が60歳になった時に加入していた年金)(1・2・3号は基礎年金の種別)

【最後は厚生年金の2号】
・会社員→会社員・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(2号)
・公務員→会社員・・・・共済年金(2号)→厚生年金(2号)
・会社員→パート(扶養範囲外)・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(2号) 
・会社員→パート(扶養範囲内)→夫と死別→パート・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)→国民年金(1号)→厚生年金(2号)
・会社員→専業主婦→夫と離婚し実家暮らし→会社員・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)→国民年金(1号)→厚生年金(2号)

【最後が共済年金の2号】
・公務員→公務員・・・・共済年金(2号)→共済年金(2号)
・会社員→公務員・・・・厚生年金(2号)→共済年金(2号)
・公務員→会社員→公務員・・・・共済年金(2号)→厚生年金(2号)→共済年金(2号)

【最後が国民年金の1号】
・会社員→専業主婦(夫は会社員)→60歳前に夫が定年退職・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)→国民年金(1号)
・会社員→専業主婦(夫は会社員)→60歳前に夫と死別・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)→国民年金(1号)
・会社員→自営業・・・・厚生年金(2号)→国民年金(1号)
・公務員→自営業・・・・共済年金(2号)→国民年金(1号)
・会社員→無職・・・・厚生年金(2号)→国民年金(1号)
・無職→専業主婦(夫は自営業者)・・・・ 国民年金(1号)→国民年金(1号)
・無職→パート(扶養範囲内)・・・ 国民年金(1号)→国民年金(1号)

【最後が厚生年金の3号】
夫の定年退職が妻の60歳の誕生日より前に来る場合には(夫が年上)、妻はその時点で3号から外れるので国民年金に加入する必要がある。加入しないと以後の期間は未納になってしまう。
最後まで厚生年金(3号)でいられるのは夫が年下の場合。
・若い時に1つ年下の会社員と結婚してずっと専業主婦・・・・厚生年金(3号)
・会社員→パート(扶養範囲内)・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)
・会社員→専業主婦・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)
・会社員→専業主婦→60歳前に夫と死別→会社員と再婚・・・・厚生年金(2号)→厚生年金(3号)→国民年金(1号)→厚生年金(3号)


年金給付は基本的に60歳になった時に加入していた年金から受ける。
全国民に給付されるのは基礎年金部分(老齢基礎年金)。
20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた人の満額は772,800円/年(64,400円/月)である。(今年度4月からは満額が780,100円となった)
厚生年金の比例報酬給付(老齢厚生年金)は1年以上(1ヶ月以上)の加入があればよい。
すなわち、最後が国民年金(1号)でも厚生年金(3号)でも、厚生年金(2号)だった期間がある人は基礎年金にプラスして厚生年金から報酬比例給付が行われる。
但し金額的には報酬比例なので加入期間が少なければ(保険料支払額が少なければ)それなりにしかプラスされない。

公的年金受給者の推移というグラフの下に書かれている注意書き1は、この重複の事を言っているのだと思う。(年金受給開始年齢を引き上げている期間はやや複雑)
2に書かれていることは年金手帳の数だと思ってもらえばいいので、これが受給者の頭数である。
1.< >内は厚生年金保険と基礎年金(同一の年金種別)を供給している者の重複分を控除した場合の受給者数である。
2.[  ]内は重複の無い実受給者権者数である。



非正規労働者に退職金は出ないもの

2000年(平成12年)の法改正にて年金受給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられることになった。
年金支給は65歳からなので60歳で定年を迎えると5年間の空白期間(待機期間)が生じる。退職金や貯蓄が無い人は大変。
定年のショックを利用して5年の間に死ぬのを待っているわけでもないんだろうけど・・。
自営業の人は定年がないからいいわね・・・。でも肉体労働は辛いかしらね・・・。

65歳からではどうしても困るという国民年金の人は、60歳から64歳までの間でも請求を行えば繰上げて年金を受け取れる。但し老齢基礎年金の額は生涯にわたって減額される。
厚生年金の人は段階的に移行。
厚生年金の保険料や積立金を利用して、国が負担(国庫負担)しなければならない基礎年金部分(水色部分)を減らしたというわけ(かつては60歳から水色部分があった)。厚生年金は余計に出費したことになる。そしてなくなる・・・。

【2001~2013年】
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【2013~2025年】 ※65歳からは老齢厚生年金が比例報酬給付にあたる。
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by yumimi61 | 2015-05-28 16:57