2015年 05月 31日 ( 1 )

2015年 05月 31日
昭和 捌拾壱
前もしたけれど

平成21年度の概況報告による
■年金加入者内訳
    
      1号被保険者(国民年金) 1985万人
      2号被保険者(厚生年金・共済年金) 3425万人
      3号被保険者(2号の被扶養配偶者) 1021万人  (2号+3号=4446万人)
 

平成21年度の概況報告の参考資料より
■年金受給者総数 3770万人

 (内訳) 厚生年金 1289万人  
       国民年金 2481万人



上記データに基づいて基礎年金拠出金を計算してみる。

【基礎年金に必要な金額】
 ●受給者(3770万人)が基礎年金を全額772,800円/年(64,400円/月)受給した場合
  3770万人×77.28万円≒29兆1346億円
 ●受給者(3770万人)の基礎年金受給額平均が660,000円/年(55,000円/月)だった場合
  3770万人×66万円≒24兆8820億円
 
 上記2つの間が27兆83億円なので、27兆円だったと仮定する。

【拠出金算出】

算出計算には受給者数ではなく現在の被保険者数を用いる。
第1号被保険者からは免除者や未納者を除くということなのだが、年金加入者の第1号被保険者の数にそれが含まれているのか含まれていないのかが良く分からない。
(そもそも数から抜くということは自営業者などが加入する国民年金の負担(拠出金)が少なくなるということであり、その分だけ被用者年金の負担が重くなり不公平感は否めない。)
下の計算は含まれている場合と含まれていない場合の2パターン。
免除者と未納者によって5兆円程被用者年金の負担が大きくなることが分かる。

1.
基礎年金給付総額(27兆円)÷被保険者数(5042万人)≒53.6万円

 ・国民年金(1号被保険者) 53.6×596万人=3兆1946億円を負担する  
 ・被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者 53.6×4446万人=23兆8306億円を負担する

このうちの半分が国庫負担になる。
 ・国民年金1兆5973億円 + 国庫負担1兆5973億円=3兆1946億円
 ・被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者11兆9153億円 + 国庫負担11兆9153億円=23兆8306億
合わせて13兆5126億円が国庫からの拠出となるはず。(実績は9兆8537億円)

2.
基礎年金給付総額(27兆円)÷被保険者数(6431万人)≒42万円

 ・国民年金(1号被保険者) 42×1985万人=8兆3370億円を負担する  
 ・被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者 42×4446万人=18兆6732億円を負担する

このうちの半分が国庫負担になる。
 ・国民年金4兆1685億円 + 国庫負担4兆1685億円=8兆3370億円
 ・被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者9兆3366億円 + 国庫負担9兆3366億円=18兆6732億
合わせて13兆5051億円が国庫からの拠出となるはず。(実績は9兆8537億円)


一緒になる前に

ここまででも国庫負担金の不足やら免除・未納者のことやら問題はあるのだが、この先はさらに問題ありあり。

被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者からの基礎年金への拠出金は9兆3366億円若しくは11兆9153億円。
計算に用いた2号被保険者数と3号被保険者数は厚生年金と共済年金が区別されておらず一緒くたになった数である。
しかし厚生年金と共済年金の会計は別となっている。
1986年に基礎年金制度が導入されても厚生年金と共済年金は一緒にはならなかった。(これが今秋から一緒になる予定!)
会計が別ということは、収支を別にしてその全てを報告するなり、内訳を書く必要があるが、それをしていない。
共済年金はお金を貰うところには姿があるのだが、お金を払う段になると姿を消してしまう。
「2号被保険者」と「厚生年金」という言葉に上手く紛れ込んだのだ。


■年金給付総額 50兆2554億円    

 (内訳) 国民年金 18兆421億円
       厚生年金 25兆5333億円
       共済年金 6兆6768億円(職域加算を含む)


給付総額50兆2554億円―基礎年金給付27兆円=23兆2554億円

給付総額から計算すれば、23兆2554億円が厚生年金と共済年金の報酬比例給付ということになる。
報酬比例給付を受ける資格のある受給者(20~60歳の間に第2号被保険者だったことがある受給者)が平成21年度は3209万人(厚生年金2814万人+共済年金395万人)*だったらしいので、その数で割ってみる。
 *人数は前記事の「公的年金受給者数の推移」というグラフの21年度の数値を使用。

  23兆2554億円÷3209万人≒72.5万円

平均では1人あたり年間72.5万円(約55,800/月)プラスされるということになる。
仮定基礎年金の月額60,000円に55,800円の加算。合計で11万5800円。  
給付総額から計算した報酬比例給付がある全ての人の平均受給額は11万5800円である。
しかし第2号被保険者であった時期は人によって大きく違い、40年間まるまるそうである人もいれば、1年しか該当しないという人もいるわけで、平均額に意味があるかは微妙なところ。
厚生労働省が報道機関に向けて発表した厚生年金の平均年金月額15万円ほどはいったいどうやって弾き出した数値なんだろうか。


自由自在

下記の緑字は『平成21年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』内の収支決算をまとめたもの。
   
  ☆国民年金

      ・実質収入合計  3兆7813億円
                      保険料収入 1兆6950億円
                      国庫負担金 2兆554億円
      ・実質支出     3兆9911億円
      ・収支         -2098億円
      ・積立金       7兆5000億円


   ☆厚生年金

      ・実質収入合計  32兆483億円
                      保険料収入 22兆2409億円
                      国庫負担金  7兆7983億円
      ・実質支出     36兆5618億円
      ・収支         -4兆5136億円
      ・積立金       120兆円8000億円


・収入(支出)合計は、決算における収入(支出)から基礎年金交付金等及び積立金からの受入を控除した額だそうです。



上でした試算から算出された金額を足すと、報告書の年金給付総額50兆2554億円に近い数値となる。 
基礎年金の仮定金額以外は報告書の数値を使用しているので当たり前といえば当たり前な話である。

【1.の国民年金免除者や未納者を数から除いて厚生年金負担を重くした方】

国民年金からの基礎年金拠出金 1兆5973億円  (保険料収入1兆6950億円でほぼ賄える)
被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者からの基礎年金拠出金 11兆9153億円
報酬比例給付 23兆2554億円
国庫からの基礎年金拠出金 13兆5126億円  (実績9兆8530億円なので3.7兆円ほど足りない)
--------------------------------------------------------------------------------------------
合計  50兆2806億円


【2.の国民年金免除者や未納者を数から除かず国民年金加入者としてカウントした場合】

国民年金からの基礎年金拠出金 4兆1685億円 (保険料収入1兆6950億円であるので2.5兆円ほど足りない)
被用者年金(2号被保険者)と3号被保険者からの基礎年金拠出金 9兆3366億円
報酬比例給付 23兆2554億円
国庫からの基礎年金拠出金 13兆5051億円  (実績9兆8530億円なので3.7兆円ほど足りない)
-----------------------------------------------------------------------------------------------
合計  50兆2656億円



試算から出した厚生年金と共済年金のかかる費用は下記の通り。
1.基礎年金拠出11兆9153億円 + 報酬比例給付23兆2554億円=35兆1707億円
2.基礎年金拠出9兆3366億円 + 報酬比例給付23兆2554億円=32兆5920億円

「厚生年金」の実質支出には36兆5618億円という金額が挙がっているが、試算で出した厚生年金と共済年金にかかる費用が比較的それに近い金額である。
一方、「厚生年金」の保険料収入は22兆2409億円となっている。

この「厚生年金」という収支決算に共済年金の額も含めているかが書かれていないのだ。
報告書のタイトル、内訳や注釈が設けられていないことなどから総合的に考えれば、「厚生年金」には共済年金は含まれていないと判断するのが妥当だと思うのだが、厚生年金のみだとすると実質支出の36兆5618億円という金額は高すぎる。
すなわち厚生年金収支の保険料収入には共済年金を含めず、支出には共済年金分も含めているのではなだいろうか?


すべて公務員がやること

今度は保険料収入をみていきたい。

【国民年金】
 ・15,250円(21年度国民年金保険料月額)×12=183,000円/年
 ・1号被保険者数1985万人、納付率約3割くらいだということなので、納付者は約596万人と見積もる。

 596万人×18.3万≒1兆907億円 (実績保険料収入1兆6950億円)

 ・未納免除者無しで全員納付ならば・・・1985万人×18.3万≒3兆6326億円
 ・もしも7割納付ならば・・・1390万人×18.3万≒2兆5437億円

【厚生年金】
 ・厚生年金保険料というのは基礎部分だけでなく加算部分も含めたもので、保険料を集める際には基礎と加算とは分けていない。保険料体系が分かれていない。本人の希望に関係なく加算部分も天引きされる。
 ・保険料は収入によって人それぞれ違う。
 ・平成21年度の保険料収入は22兆2409億円だった。
 
問題は厚生年金収支に記載されている保険料収入に共済年金分が含まれているか、である。
2号被保険者(厚生年金・共済年金)は3425万人だった。これが控除にて保険料を納めている人数である。
単純にこの数で割ってみた。
 22兆2409億円÷3425万人≒65万円

平均年間保険料は65万円となる。民間企業と公務員の20~60歳全ての人の平均。
1ヶ月あたり54,000円。事業主と本人が折半なので、本人の年金保険料は27,000円。
21年度の標準報酬月額で言うと35~36万円程度。
前述したが基本給ではなく残業代や各種手当、交通費など全て含んだ月の総支給額がそれくらいということ。
単純に×12で420~432万円となる。かなり大雑把だがこれが年収の目安。
賞与からも保険料は支払われるが、保険料収入を割ったので、賞与のある人は年収420~432万円の中に賞与も含んでいる。

さてどうですか?これが妥当な金額かどうかが分からないのだ。
でも大きく外れた金額だとは思わない。
国税庁が発表する「民間給与実態統計調査」でのサラリーマンの平均年収が400万円くらいなので、やはりそう的外れな金額でもないような気がする。

次に公務員数を抜いて考えてみよう。
公務員数というのは年金資料以外でも確認できる。およそ400万人(国家100万人+地方300万人)だそうだ。
共済年金にはこれに私立学校教職員が50万人ほど足されて、総加入者が450万人くらいとされている。
そこで2号被保険者3425万人から425万人を抜いて、厚生年金の2号被保険者を3000万人としてみる。
 22兆2409億円÷3000万人≒74万円

平均年間保険料は74万円となる。
1ヶ月あたり62,000円。事業主と本人が折半なので、本人の年金保険料は31,000円。
21年度標準報酬月額で言うと38~40万円程度。年収で456~480万円(賞与込み)くらい。
こちらも400万円台であることには変わりない。


すべてマスメディアがやること

年収が高い会社トップ50とかトップ100とかいうランキング記事が出ることがあるが(こんなやつ)、上位企業に多い職種はテレビ局や商事会社、証券会社などである。
ニュースなどでベースアップやボーナス額が報じられる時に引き合いに出されたり映像に使われたりする大企業は自動車大手企業や電機大手企業なので、一般的に人々は大手企業というとそうした会社を思い浮かべる。
輸出企業でもあるので取り分けニュースに上りやすいということもある。
しかし平均年収が良かったり、利益をベースアップや賞与に反映させられるのは、こうした企業ではなく、多くは製造を伴わない企業なのである。
イメージ操作なのか知らないが誤解のもとになっていると思う。
テレビの中のことの多くは世相や実態を反映しておらず常識外なことが多いと思ったほうがいい。








[PR]

by yumimi61 | 2015-05-31 14:36