2017年 03月 03日 ( 1 )

2017年 03月 03日
父の病⑮
前回、「地域連携課(室)」「ソーシャルワーカー」「業務独占資格、名称独占資格」「日本の医療ソーシャルワーカーの母!?(浅賀ふさ)」「社会福祉士」「地域包括支援センター」について書いた。

地域包括支援センターでは、保健師、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)、社会福祉士が必置とされている。


主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)

主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)は、専任の介護支援専門員(ケアマネージャー)として働いた期間が通算して5年あるいは3年あるという条件を満たす者が所定の研修を受けて得られる資格。
ケアマネージャーの上級資格となる。2006年の介護保険制度の改正により新たに誕生した資格(職種)である。
新人ケアマネージャーの教育指導をはじめ、他のケアマネージャーに対するスーパーバイザーとして機能することが求められている。


介護支援専門員(ケアマネージャー)

では介護支援専門員(ケアマネージャー)は何かと言えば、介護保険制度の中で介護をマネジメントする有資格者のこと。
こちらも介護保険制度とともに誕生した新たな資格である。介護保険制度は1997年に制定され、施行されたのは2000年4月。
介護保険制度を上手く運用させるために欠かせない職種と言えよう。

要支援・要介護認定者及びその家族からの相談を受け、介護サービスの給付計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整などを行っている。
介護保険法に基づく名称は介護支援専門員であるが、多くはケアマネジャー(ケアマネ)と呼ばれている。

介護支援専門員(ケアマネ)になるためには、都道府県の実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」(年1回)に合格し、「介護支援専門員実務研修」の全日程を休まず全て受講したうえで、レポートを提出する必要がある(第69条の2)。
登録を受けたものには介護支援専門員証が交付され、5年ごとに更新が必要(第69条の7-8)。

しかしながら誰でもが「介護支援専門員実務研修受講試験」を受けられるわけではなく、受験資格を持つ者は下記のように定められていた。

■「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格

①次の法定資格を有する者
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士

②相談援助業務に従事する者
(例)救護施設及び更生施設における生活指導員、知的障害者更生相談所におけるケース・ワーカー、有料老人ホームにおいて相談援助業務を行っている生活相談員、特別養護老人ホームなどにおける生活相談員、入所者の生活や身上に関する相談及び助言並びに日常生活の世話を行う職員など

③介護等の業務に従事する者、社会福祉主事任用資格者等に該当する者
社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)、実務者研修などの有資格者

④介護等の業務に従事する者、社会福祉主事任用資格者等に該当しない者
資格はなくても業務経験があればよい

①②②は従事した期間が通算5年以上、且つ当該業務(要援護者に対する直接的な対人援助業務)に従事した日数が900日以上であること。
④の場合は、従事した期間が通算10年以上、且つ当該業務(要援護者に対する直接的な対人援助業務)に従事した日数が1800日以上であること
研究業務、教育業務、営業や事務などの業務を行っていた期間は当該業務に含まない。


「介護支援専門員実務研修受講試験」の第1回試験は介護保険制度制定の翌年1998年だった。
2016年の試験が第19回であった。
第1回の受験者数が一番多くて20万7080人。
受験者数は年によって違い、初回を除くと9~17万くらい。13~14万代が一番多い。
この試験の合格率が年々落ちてきているのである。
第1回が44.1%、第2回が41.2%、第3回から30%代に突入し、今や15%程度にまで下降している。
どの資格者がどの程度受験したかは明らかではないが、合格者の元の資格(職種)は分かっている。

これまでに介護支援専門員(ケアマネ)の資格を取得した職種。
1.介護福祉士 42.2%
2.看護師・准看護師 25.1%
3.相談援助業務従事者・介護等業務従事者 11.0%
4.社会福祉士 6.1%
5.保健師 4.1%
6.薬剤師 3.1%
7.医師 2.3%
8.理学療法士 2.1%
9.栄養士 1.9%
10.歯科衛生士 1.7%

合格率の低下を懸念したのか社会情勢の変化か、2015年に上記の受験資格が改正された。(但し2017年度の試験までは旧対象でOK)
どのように改正されたかと言うと、③介護等の業務に従事する者、社会福祉主事任用資格者等に該当する者、④介護等の業務に従事する者、社会福祉主事任用資格者等に該当しない者、を廃止したのである。


■新たな「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格

①は変更なし。

②生活相談員
特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護予防特定施設入居者生活介護などにおける生活相談員として業務経験がある者。

③支援相談員
介護老人保健施設における支援相談員としての業務経験がある者。

④相談支援専門員
計画相談支援、障害児相談支援における相談支援専門員としての業務経験がある者。

⑤主任相談支援員
生活困窮者自立相談支援事業などにおける主任相談支援員としての業務経験がある者。

経験は通算して5年以上であり、且つ当該業務に従事した日数が900日以上であること。


居宅ケアマネと施設ケアマネ

ケアマネージャーの職場は大きく2つに分けることができる。
居宅ケアマネージャーと施設ケアマネージャーである。

居宅ケアマネジャーは、自宅で介護サービスを受ける人をサポートする仕事をしており、「地域包括支援センター」や「居宅介護支援事業所」で就業している。
利用者の家を訪問したり電話対応しつつ、ケアプランを作成し給付管理業務をこなし、会議などに出席する。
個人宅への外回りがあるのでかなりアクティブである。
個人宅への訪問と言えばかつては保健師の専売特許だったわけだが、介護が必要な高齢者についてはケアマネージャーも担ってくれるようになった。

「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違い。

「地域包括支援センター」は介護認定者に限らず全ての高齢者や高齢者に関する住民の相談を受け付けている施設。
その中でも主の業務となるのは、今現在は支援や介護が必要ではないが今後介護が必要になる恐れがある高齢者を対象とする「介護予防ケアマネジメント業務」(包括的・継続的マネジメント業務)である。
この業務の中に介護認定で要支援1・2と認定された人へのケアマネジメントがある。
すでに述べたとおり「地域包括支援センター」の設置主体は市区町村で、社会福祉法人に委託していることが多い。
「地域包括支援センター」には保健師、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)、社会福祉士が必置であるが、介護予防ケアマネジメントは保健師と主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)が担当する。
保健師は健康医療の側面から自立者への普及や啓発、支援予備軍を対象とした教室などを中心にしており、ケアマネージャーが要支援1・2と認定された人のケアマネジメントを行っている。

「居宅介護支援事業所」は要介護認定を受けている高齢者のケアプランの作成や相談に応じる施設。
運営主体は、社会福祉法人、NPO、営利企業など民間の事業所。
ただ勝手に作ればよいというものではなく、市区町村の指定を受ける必要がある。
「居宅介護支援事業所」指定を受けるためには指定申請を行うが、市区町村に申請できるのは事業所ではなく「地域包括支援センター」。
要するに申請を仲介する「地域包括支援センター」が指定事業所の設置者ということになる。

住民が介護認定を受けで要介護(1~5)と認定されたら、地域の居宅介護支援事業者に問い合わせて、担当してくれるケアマネージャーを決め、ケアプランの作成してもらい介護の相談などをする。
居宅介護支援事業所は通常地域に複数あるので、市区町村窓口や地域包括支援センター、あるいは通院入院している病院の地域連携課(室)で、自分の住んでいる地区を担当する居宅介護支援事業所を紹介してもらい契約する。

居宅介護支援事業所は、9割が介護施設を併設した併設型であり、居宅介護支援事業だけを独立して運営している事業所は1割程度しかない。
居宅介護支援事業所のケアマネージャーは自治体に採用されている公務員ではない。
(地域包括支援センターのケアマネをはじめ保健師も委託先の社会福祉法人が直接雇用している場合がある)
自分が所属している法人(運営事業者)があるわけだが、それに係わらず(所属法人の利益確保や利益追求に走らずに)、公正中立に利用者にとってより良いケアプランを作成したりマネジメントを行う必要がある。
しかし2016年3月に会計検査院が「特定の業者に偏りがちである」と指摘している。


一方の施設ケアマネージャーは、「介護関係施設」の入居者の介護サービスをサポートする仕事をする。
「介護関係施設」とは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能型居宅介護施設などのこと。



介護認定  要支援1・2 →(在宅)地域包括支援センターのケアマネ
        要介護1・2・3・4・5 →(在宅)居宅介護支援事業所のケアマネ
                      →(施設入居)施設のケアマネ







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by yumimi61 | 2017-03-03 14:14