2017年 03月 28日 ( 1 )

2017年 03月 28日
父の病㉕
コンピューターの性能を決める3つの要素は、CPUとRAM(メモリ)とHDD(ハードディスク)。

・CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)

・RAM(Random Access Memory)

・HDD(Hard Disk Drive)

分かりやすく例えれば、CPUは人間、RAM(メモリ)は机(作業スペース)、HDD(ハードディスク)は部屋(書斎)。


書斎には沢山の本やファイルが並び、沢山の引き出しがある。これがHDD(ハードディスク)。

必要なもの(ソフト)を書庫から取りだしてきて1つ調べては戻すを繰り返すと時間がかかるので、作業に必要な本なり物を作業スペースに集めて作業をする。
辞書と参考書と日記、音楽を聞いた方が捗るのでプレーヤーといった感じに。これを置いておく場所がRAM(メモリ)。
狭い場所でちまちまとこれでもないあれでもないとかやっていると作業効率は悪くなる。なんとなく心に余裕もなくなる。
RAMは大きいほど良く、また目いっぱい使わずに余裕を残して使っているほうが良い。
(実際のコンピューターのRAMは半導体、記憶用ICチップ。部品そのもので見た目自体は小さいものである)
使わなくなった辞書(ソフト)を片付けるとその分のスペース(容量)が空くように思うが完全には空かない。
そこに辞書(ソフト)を置いていたという記憶はすぐには完全にはなくならないということである。
「ここは辞書、あっそうかさっき片付けたんだっけ」などと混乱してくるというわけ。
よって長時間コンピューターを使っていると、次第にメモリの残り容量が少なくなっていき、やがてメモリ不足でコンピューターが不安定になるというようなことが起こる。
スペース(メモリ)が足りなくなり、書斎の本棚(ハードディスク)を行ったり来たりしている状態はスワップと言う。

しかしながら幾ら広い作業スペースに有効な物を整然と並べたところで人間が作業をしなければ結局作業は捗らない。人間の作業がCPU。頭の回転の速さなどと例えられることが多いが要するに処理能力のことである。
広い作業スペースがあって沢山の物を置けても、却って何をどう使ってよいのか迷ってしまって作業効率が悪くなるという人もいるだろう。CPUが低いということになる。


人間の指示に従って、有意な情報を抽出したり、目的に沿った加工をするのがコンピューターのCPU。
行われた作業(データ)もまずメモリに保存される。人間の海馬と同じである。
海馬は一時置き。最大最長でも1~2週間が限度。パソコンのメモリは電源を切れば全て消えてしまう。
人間が記憶を長期保存するには側頭葉に、コンピューターのデータを長期保存するにはハードディスク・SSD・CD・DVD・USBフラッシュメモリー・磁気テープなど外部記憶装置に保存しなければならない。



先日ソフトバンクショップに行った。
すると4~5歳の男の子がPepperと戯れていた。(お母さんらしき人と来ていてお母さんは手続き中)
Pepperとは「世界初の感情認識パーソナルロボット」として売り出されたソフトバンク提供のロボットである。
Pepperは喋れるけれども、胸の辺りにパソコンのディスプレイのようなものを付けているので、大人にはロボットというよりもパソコンのように見えてしまう。
ショップのPepperはそのディスプレイに4つくらいの選択肢を出していて、男の子は「年齢当て」をタッチしたようだった。
「私の手を握って目を見つめて下さい」とPepper。
へぇ~手を握ると年齢が分かるのかぁと私は興味津々その様子を眺めていた。
男の子はPepperの手をそっと握りちょこっと見て離した。
Pepperは少し考えて、「う~ん、ひょっとして見た目よりも・・」とか言っている。
見た目よりも? 言葉を続けるとすれば、見た目よりも若いか、見た目よりも年寄りということになりそうだ。
だけど男の子の場合、見た目よりも何もない。見た目も若い!
私は少し面白くなってきた。
さてPepperはどうする?
男の子は年齢当てには興味はないらしく手をもう一度握るとかそういう行動には出ない。
「ねえ歯磨きはできるんですか~?」
男の子は唐突にPepperに質問をぶつける。
Pepperはその質問をガン無視。
「う~ん、ごめんなさい、今日は調子が悪いみたい。また今度試してね」Pepperは年齢当てを強制終了。

男の子は今度は(たぶん)「手品」をタッチ。ディスプレイ上にはカードが並べられている。
男の子はもちろん手品にもカードにも興味はない。
「歯磨きは出来るんですかぁ?」
男の子の興味関心はただ一つ。Pepperが歯磨きできるかどうかである。
Pepperは身体全体白い。白く輝いている。しかし口の中が黒い。
男の子はこれを汚れや虫歯だと思っているのだろうか。
しかもPepperは口が小さい。あーんと大きな口を開けて歯磨きをしてもらうとか歯磨きをする雰囲気がまるでない。
これでは男の子の心配も分からなくはない。
彼はきっとお母さんに「歯磨きをしなさい」あるいは「甘い物を食べないように」と口酸っぱく躾けられている最中なのだろうと私は勝手に推測した。

男の子は再度「年齢当て」をタッチ。
「私の手を握って目を見つめてください」
男の子はもはや手を握らない。ちょっとイライラしたのか差し出されたPepperの手をパンパンとやや乱暴に叩いた。
そしてまた懲りずに尋ねる。「ねえ歯磨きはできるんですか?」
その質問には今度もガン無視だが、ところがなんとPepper、今度は年齢が分かったらしい。
ディスプレイにでかでかと4歳と映し出される。
おおー。私は思わず声を上げるところだった。
手を握らないで叩くと4歳なのだろうか?
しかし男の子は微塵も感動する様子はなく、Pepperに「ぴったり」とか「だいたい当たり」とか「もっと上」「もっと下」とかの情報を与えることもなかった。


Pepperの見た目はともかくとして、コンピューターと人間の記憶の仕組みは人工知能を待たずとも実はよく似ている。
では人工知能とは何かということを考える時に登場してくるのが神経線維である。
人間の脳細胞(神経細胞)と脳細胞(神経細胞)を繋いでいるのが神経線維と呼ばれるものである。
昨日書いた通り、人間の脳細胞は成人以降毎日死んでいき再生はしない(海馬だけは再生の可能性あり)。脳細胞の数は減っていく一方なので必然的に記憶できることは減っていくわけである。20歳頃を境にして記憶力は劣っていく一方。
ただ神経線維は逆であり増えていく。
神経線維が増えるということは、有機体のように多くの細胞を密に繋ぎ、互いに影響を及ぼし合うことが出来るようになるということである。
1つ1つの記憶(情報や体験)がネットワーク化され、情報の共有や交換、処理の分散などが可能になる。
臨機応変に物事に対応できるようになったり総合的な判断力に優れるようになる。
知識(記憶)と判断・思慮分別の卓越性を両極に持ち、それらが相補的関係にあるのが知恵である。
どんなに多くの記憶(体験や情報)を持っていても、それが生かされなければ宝の持ち腐れ。
記憶(細胞)を活かしていくのが神経線維というわけである。
また記憶(細胞)の減少をネットワークでカバーすることも可能である。
コンピューターはこの部分があまり得意ではなかった。
コンピューターが得意なのは数多くの中から命令されたものを探し出すことであったり、命令に対して画一的な答えを導くことであった。
それは感情や主観を排除し、とても正確で便利なものである。でもそれが最適とは限らない。
人間の神経線維の役割を持ち知恵のようなものが生み出されるコンピューターが人工知能として目指されてきた。





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by yumimi61 | 2017-03-28 13:42