2017年 04月 04日 ( 1 )

2017年 04月 04日
臓器移植について
雪崩に巻き込まれ犠牲となった生徒の母親が角膜(眼球)提供を決断して提供したという報道があった。
提供した生徒が意思表示していたのか(意思表示記録の有無、記録はないが家族に話していたなど)、それはよく分からない。
本人の意思表示がなくても提供できるものなの?という声が聞かれたので臓器移植についても触れておきたい。

かつては本人の意思が無ければ出来なかったが、2010年に臓器移植法が改正され、本人の意思が不明の場合(本人が嫌だと思っていてもその意思表示がなされていない場合)にも家族(全員の総意)の書面承諾があれば臓器提供できるようになった。

臓器提供をしても良いと意思表示できる年齢に上限はない。高齢になってからでも意思表示は可能である。(実際に全ての人が提供可能かは別問題)

年齢の下限は15歳。
但し臓器提供拒否の意思表示が本人によってなされておらず、家族が承諾した場合には15歳未満でも提供が可能となる。
提供したくない(提供拒否)の意思表示は年齢に限らず誰でも出来る。

現在では提供したいという意思も提供したくないという意思もインターネットで登録可能。
パソコン http://www2.jotnw.or.jp
スマートフォン http://www2.jotnw.or.jp/sp

本人によって拒否の意思表示が登録されている場合には例え家族が希望しても出来ない。
したいという個の意思表示も、したくないという個の意思表示も、どちらも尊重されなければならないということである。
したい方だけを取り上げて美談に祀り上げてはいけない。

現実的には臓器移植や脳死判定はなかなか難しいということを前にも書いたことがある。
病者や死者への思いや尊厳、宗教観なども関係してくるので画一的な結論には至りにくい。
科学的・機械的に脳死や死を見つめれば、もはや何も出来ない・・・そう長くない間にどうせ燃やされて灰になってしまうのだから・・・そう思っても不思議はないが、人の心はそう簡単に割り切れなかったりもする。
移植は時間との戦いでもある。
個の意思表示が無い場合には、せっかくだから提供したいという家族の思いも、まだそんな気持ちにはなれないという家族の思いも、どちらもが汲まれなければなれないと思う。
どちらが良くてどちらが悪いということではない。


例えば角膜(眼球)摘出は、死後6時間以内が理想とされている。
10時間以内でも可能であるが、当然短時間で移植されたほうが成功率は高い。
新鮮であることがやはり重要になってくる。
今回の雪崩による犠牲のケースだと、雪崩が発生して救助隊が現場に到着するまでに3時間という時間を要している。
そこから掘り出して下山させ医師が診察なり死亡確認するまでの時間もさらに必要である。
病気で長く入院していたような場合ならば家族もそれなりに心積もりがあるが、体力のある若者がある日突然亡くなってしまう。
家族に連絡がいって、家族が現場なり病院に駆けつけて、それを確認する。
そして死を現実のこととして受け止めるまでに相当な時間がかかっても不思議はない。
死を受け止め、移植の意思を病院や医師に告げるなりアイバンクに連絡するなりする。
摘出はどこでも行えるが、それでもここまでの過程を6時間あるいは10時間以内にこなすということはかなり大変なことだと思う。
今回特異的だったのは山岳部であったということ。
一般的な若者やその家族よりも多少死が身近にあったと言えよう。(それでももちろん個人差はあると思う)

また今回のようなケースは雪の中に埋まっていた時間や気温によって死後も比較的鮮度が保たれたということも考えられる。

雪崩の場合には窒息死や圧死が多い。
しかし雪に埋まった場合には、低体温の状態になっているがまだ死んではいないという場合もある。


「死亡」実は「生存」
北海道 雪中、脈・呼吸なく硬直 厳寒、判断基準にズレ?

 北海道北見市の北見消防署の救急隊員らに、「死亡」と判断された北見市内の女性(27)が生きていたことが二十日、分かった。女性は同市内の病院に入院、意識はない状態が続いている。雪崩の下敷きになるなどして低体温の状態に置かれた場合、人体の活動レベルが低下して「仮死状態」になることがある。専門家は「現場で的確な判断ができるよう、救急隊員のレベルアップが急務」と指摘、同消防署も「今後は判断基準を厳しくする必要がある」としている。
 北見消防署などによると、二十日午前十時二十分ごろ、北見市豊地の無加川にある豊地大橋堤防の水門近くで、女性が雪をかぶって倒れているのを通行人が発見、一一〇番通報した。
 北見署から連絡を受けた同消防署の救急隊員三人が現場に急行。女性を調べたところ、脈拍や呼吸がないようにみえたことや、死亡をうかがわせる体の硬直があったことから「死亡」と判断し、女性は北見署に移された。
 ところが警察での検視の際、医師が鼻に糸くずを近づけたところ、かすかに糸くずが動いたため呼吸している可能性が浮上。女性は救急車で北見市内の病院に搬送され、生存が確認された。救急車内でも意識はなかったが、心電図には反応があり、蘇生(そせい)措置が施された。
 遺書が見つかったことなどから、北見署は自殺未遂とみている。
 札幌管区気象台によると、女性が発見された当時の北見市の気温は氷点下二・五度で、積雪は六十六センチだった。
 救急隊員らは、総務省消防庁が全国の消防署に通達している救急業務実施基準に従って「死亡」と判断したという。
 基準では「隊員は、傷病者が明らかに死亡している場合や医師が死亡していると診断した場合は(病院に)搬送しない」と規定。「明らかに死亡」と判断するには、呼吸が感じられない▽瞳孔の散大があり、対光反射がない▽体温が感じられず、冷感が認められる▽頸(けい)動脈で脈拍が感知できない−など六項目のすべてに該当している必要があるという。同消防署の新井山勉署長(57)は産経新聞の取材に対して、「現場が屋外で氷点下という状態を考えると、低体温の仮死状態もあり得た。寒い地方なので今後は死後硬直がみられる場合でも、どこまで硬直が進んでいるかなど厳しくチェックする」と話した。
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 ◆仮死状態なら同様ケース起こり得る
 専門家によると、「死亡」と判断された救急患者が、実は「生存」していたと確認されたケースは極めて珍しい。しかし仮死状態の場合、消防レベルでの「死亡」判断は難しく、専門家は「今後も同様のケースが起こり得る」と指摘する。
 低体温症は中心体温(直腸体温)が三五度以下になる状態。雪山や海などで全身が低温にさらされ、体温を維持する生理機能に障害が起きることで発症する。
 日本救急医学会理事長を務めた杉本侃(つよし)大阪大名誉教授(救急医学)は「低体温症で生きているときには、呼吸は一分間に数回、脈拍も三、四十回となる。手で触れても脈がわからないかもしれない」と説明。
 中心体温が三二度以下になると震えが消え、筋肉の硬直が現れる。二八度以下の「重症」になると、意識や脈拍がなくなり、呼吸も半分以下に減るなどの「仮死状態」となるケースもある。このため、「死亡」判断は困難になるという。
 杉本氏は「救急救命士が病院などの現場で訓練するなどレベルアップを図る必要がある。ただそれは国の救急医療システムの問題で、システムを変えていく必要があるだろう」と話している。

(産経新聞) - 2月21日2時56分更新


<女性蘇生>遺体安置室で生存判明 女性は意識不明の重体

 20日午前10時すぎ、北海道北見市豊地の無加川の堤防で、女性(27)が倒れているのが見つかった。駆けつけた北見消防署の救急隊員は死亡と判断したが、発見から約1時間半後に道警北見署の遺体安置室で生きていることが判明、病院へ搬送された。女性は意識不明の重体という。
 北見署や北見消防署によると、発見現場では警察官が立ち会い、救急隊員が女性を調べた。救急隊員は意識、脈、瞳孔反応がなく、死後硬直が始まっているとして、同10時28分に「死亡」と判断。その後、北見署員が同署の車で女性を署内の遺体安置室へ搬送した。
 ところが、署員が検視のため服を脱がせて胸に手と耳を当てたところ、11時40分すぎに心臓の鼓動を確認、生きていることが分かった。北見市内にある女性の自宅には遺書があり、同署は自殺未遂とみている。
 札幌管区気象台によると、寒波の影響で20日の北見地方は最低気温が氷点下5.8度で、発見された午前10時も氷点下2.5度だった。同署などは、気温が低く、一時的に仮死状態になった可能性もあるとしている。
 新井山勉・北見消防署長は「救急隊員は現場で正当な手続きを踏み、死亡との判断に問題はないと思うが、寒冷地の状況を踏まえ、より厳密な死亡確認方法を考えなければならない」と話している。【丸山博、井上英介】

 ▽林成之・日本大総合科学研究所教授(救急学)の話 体温が32度以下になると、生きているのに心拍が弱まって脈が触れず、鼓動が聞こえなくなることがある。私自身、救急隊が死亡と判断した低体温症の患者を回復させた経験がある。患者が低体温の場合は、生命反応がなくとも病院に運び、蘇生のための医療行為を続けないといけない。
(毎日新聞) - 2月20日23時0分更新


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「死亡」と判断の女性回復 医師の呼び掛けに応じる
【2005年2月23日】

 北海道北見市で20日、救急隊員により「死亡」と判断された後に、北見署の遺体安置所で意識不明の状態だったことが判明した同市内の女性(27)が、自発呼吸をするなど容体が回復しつつあることが22日、分かった。

 女性が入院している北見市内の病院によると、22日午前、女性は医師の呼び掛けに応じるなど、生命に危険な状態を脱した。女性は人工呼吸器を外され、自発呼吸するようになった。

 女性は20日午前10時20分ごろ、北見市豊地の川の堤防付近で雪をかぶって倒れているのを通行人に発見された。駆け付けた北見消防署の救急隊員が現場で、脈拍がないことや体の硬直度などから死亡と判断、北見署の安置所に運んだ。約1時間後、医師の診断で生きていることが分かった。

 低体温の状態になると、仮死状態になることがあるという。当時の気温は氷点下約2度だった。北見署は、女性が自殺を図ったとみている。

記事:共同通信社 提供:共同通信社






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by yumimi61 | 2017-04-04 13:48