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2017年 09月 18日
日本国憲法の秘密-559- (加計学園問題について)
1991年、国(文部省)は大学設置基準を大幅に緩和した。
この策は見事に大当たり。大学の新設や学部の増設が大幅に増加していくことになった。
それに伴い大学進学率も急激に上がっていった。

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私は2014年1月に大学進学率についても書いている。
過去記事より)
時代はどこへ向かうのか

長男の友達が「帝京大学に行こうかなぁ~」と言ったら、そのお母さんが「帝京大学はとんねるずの出身校で馬鹿っぽく思われるからやめなさい」と言ったんだとか。
高卒が売りだったとんねるずがいつのまにか大卒になっていたという話でした。ちゃんちゃん。
時代が変われば何とやら。

少し前のこと、長男がこんなことを言った。
「意外に大学って行かないもんだよね。友達の半分くらいは進路決まっているみたいだし」
同じ高校に限らず小中学校の同級生などと範囲を広げてみると就職先が決まっている子も少なくないと言うのだ。
進学校での大学進学率は100%に近いだろうけれど、社会には工業高校や商業高校という実業高校もあるし、また進学校ではない普通高校も沢山ある。
「友達の半分くらいは」という彼の実感はなかなかいい線をついていて、2013年の大学進学率は49.9%である。(短大や専門学校進学を含めると70%ほど)
専門学校は募集や入試が早いため専門学校に進学する子はすでに進路が決まっている。
専門学校であれば不合格ということはあまりない。(但し入学金や授業料は大学より高めか私大並み)

これも意外かもしれないが大学進学率が急速に伸びたのはバブル経済の弾けた1991年頃からのことである。
1990年には24.6%しかなかった大学進学率が2009年に初めて50%を超えた(50.2%)。
しかしそこでほぼ頭打ちになっていて、ここ2年ほどは若干減少しており、大学進学率もついに限界を迎えたかと言われている。


帝京大学については小保方母が帝京大学グループの教授だとか帝京大学派公衆衛生の学位を出せる大学院を新設したとか先日も過去記事絡みで紹介し、帝京大学もあまり良い噂を聞かないと書いた。
2014年のこの記事ではお友達のうちのとんねるずの話しか書かなかったが、それとは全く別に世間によくない噂があったのだ。

それと「意外に大学に行かないものだね」という長男の感想はおそらく大学全入時代というイメージから来るものだと思う。
だからそれについても書いた。

リンク先の文章は、高校生の2人に1人が大学に進学するという実質的な「大学全入時代」の中で、で始まっている。
確かに「大学全入時代」と言われて久しい。
2人に1人(半数)で何故「大学全入時代」になるんだろうと思うかもしれないが、この「大学全入時代」というのは、高校生のほとんどが大学に進学する時代という意味ではなく、大学を選り好みしなければ誰でも(どんな成績レベルでも)大学に入れる時代という意味なのである。
どういうことかと言えば、出生数(子供の数)は増えていないのに、大学数は増えているということである。
大学は学生がいなければ経営にならないので、推薦試験やAO試験を積極的に導入し、早めに学生を確保する。

実質的な大学全入時代の傾向として、一般選抜(一般入試)による入学者の割合が減少していることが挙げられる。
一般選抜による入学者の割合は、私立大学では2007年に50%を下回ったとのこと。
私立大学入学者全体の半数以上が一般入試の学力テストを受けずに大学に入学する。



大学進学希望者(受験者)≦日本中の大学の定員
大学や学部の数が増えて大学進学希望者分の席(定員)はあるということ。
要するにちゃんと振り分ければ不合格になる人がいない状況、それが「大学全入時代」である。
しかし実際には不合格となって希望の大学に進めない人がいる。
何故かとえいば希望する(受験する)大学や学部に片寄りがあるから。簡単に言えば人気に差がある。
大学全入時代に不合格になる人がいるということは逆を言えば定員を割っている大学が存在しているということ。
大学は受験に際して結構いい値の受験料を取るわけだから、受験者が少ないというだけで経営にダメージを与える。
希望の大学を不合格となった人が滑り止め大学で妥協したり、後期試験で他の大学に流れれば多少こなれるが、浪人する人がいるということはそれだけでは解決しない問題であろうと思う。 


大学の学生の学力に関して言えば、大学が増えたことによって低下した。
すなわち1991年以降日本の大学生の学力は下降している。
私立大学入学者全体の半数以上が一般入試の学力テストを受けずに大学に入学をしているのだから当然な話。
大学を増やしたからといって学力が上がるわけではない。
そもそも学力向上や勉強をしたいから大学へ進む人がどれくらいいるのか。
まだ就職したくないから、親のお金で自由を謳歌し遊んでいたい、家を出られるから、都会に行きたい、恋愛相手や結婚相手を探すため、大学に進学したり学位を取ったほうが就職に有利だと思うから、親や先生が大学に行けとうるさいから、そういう人も少なくないのが現状。
大学進学率が高校のステータスになっているのか、現代の高校はやたら大学進学を推奨している(進学校でなくとも)。入学の時点で受験の話をしたりする。指定校推薦が変な夢を見させたり。
家庭の経済状況が厳しかったり大学(学問・勉強)に対して興味がなくても、「学校圧」や「いつでもみんな一緒のお友達関係」や「パパ同士ママ同士バトル」などから大学進学から離脱できない状況もある。
大学に行く気が無いなら実業高校へ進むという手もあるのだが、実業高校は負け組みたいな風潮もあるため、目的もなく普通高校に進学してしまう。
それでも大学希望者は高校3年生の50%程度が限界のようである。
その数値をさらに伸ばそうと給付型奨学金や大学無償化などが検討されているのだろうけれども、大学に行く人を増やしたからといって学力が向上するわけではないことは現状が証明している。
学力向上が望めないところにもってきて、収入が無くなる学校がどうやって学校運営していくのか?
国や自治体が肩代わりする?何のために?学校経営者を救うために?
その資金はいったいどこから出てくるのか?



1991年の大学設置基準の規制緩和によって、大学数、学部数、大学進学率とも増加した。
なんともハイカラな大学名や学部学科名が登場したのもこれ以降である。
ハイカラな名称はどうしても新しさと軽さが前面に出てしまい、案外受験生にも不評である。もうちょっと名称がどうにかならないものかと・・
大学の増加を支えたのは間違いなく医療系(薬学、保健福祉など)である。
保健福祉には看護、栄養、社会福祉、理学療法や作業療法などのリハビリ関係が含まれる。
とくに看護系の大学の増加が著しかった。

1992年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が施行され、1990年代後半から現在に至るまで看護系大学(保健学科や看護学科の設置)は増殖し続けている。
1980年代半ばには6校しかなかったのに、2014年には226校にもなっているそうだ。少子化なんかどこ吹く風の看護バブル。


いくら大学進学が当たり前になりつつあるとは言っても、お金のかかること。出来れば資格取得に繋がる食いっぱぐれのない職業関係の大学や学部に進学してほしいと親は考える。
お金を出してもらう子供からすればなるべく親の願いに沿って円満に大学進学したいと考える。
大学の先の就職が念頭にあるため、文学部とか経済学部とか抽象的な学部は好まれない。
理工系でも数学・物理・化学など基礎系学科は敬遠されがち。学問探究よりも就職目当てだからだ。
現に優秀な成績でそうした学部学科に進んでも、それを活かして就職できるわけではなく、全く違う業界の会社に就職するという話は後を絶たない。
子供達も高校の段階と大学で就職を考える段階、就職をしてからでは、考えもだいぶ変わっていて、もっと違う学部(学科)を選んでいればなぁなんて言ったりする。後の世代にはそういうものが情報として積み重なる。
企業側から見れば、新卒に専門的な仕事が最初からこなせるとは思っていない。だから研修期間を設ける。しかし設定した期間にマスター出来ない新卒が多く、研修期間を延ばすはめになる。1年とか研修に充てている企業などもあり、大学とはなんだ?という話になってしまう。
しかも慣れないことに耐え切れず辞めていく新卒も少なくはない。
何をどう学ぶのか分からない学部学科に比べると、大まかにイメージできる医療系は魅力的なんだろう。
さらに、教師や医師、警察官に弁護士、銀行員などと同様、医療従事者にも割合お堅い印象がある。
同時に弱者の味方だから優しくて悪い人ではないかもなんて印象もあるかもしれない。
看護系なんかだと男性受けとか結婚相手として親受けが良かったりもしそうと思ったり、医師と出会うチャンスもあるし~とかなんとか?(それを言うなら芸能界経由の患者のほうがよいのではとか?)
それまで大学進学を考えていなかった層(進学率増加分)を一手に引き受けたのが医療系であると言っても過言ではない。










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by yumimi61 | 2017-09-18 12:58