2017年 10月 16日 ( 1 )

2017年 10月 16日
日本国憲法の秘密-593- (加計学園問題について)
2014年4月1日 木曽功が内閣官房参与に就任

2015年6月4日 加計学園による獣医学新設提案が国家戦略特区に申請される
2015年6月30日 「日本再興戦略改訂2015」閣議決定
2015年12月15日 国家戦略特区諮問会議 3次区域案提示→安倍首相に一任
2016年1月29日 国家戦略特区3次区域指定(決定)

2016年4月  木曽功が学校法人加計学園理事と千葉科学大学学長に就任
2016年6月2日 「日本再興戦略改訂2016」閣議決定・・獣医学という言葉は含まれていない
2016年8月3日 内閣改造(地方創生と規制改革の大臣の一体化)
2016年8月末 木曽は文科省の後輩であり当時トップだった前川事務次官に面会
2016年9月2日 「規制改革推進会議」設立閣議決定(国家戦略特区WGメンバー2名が委員に)
2016年9月9日 国家戦略特区諮問会議(第18回)
2016年9月16日 国家戦略特区ワーキンググループヒアリング(文科省と農水省に対して)
2016年9月21日 今治市分科会(第1回)・・加戸守行が事業者代表として出席

9月16日から10月くらいまでの間に、上記の文科省専門教育課課長補佐が「総理のご意向」などと記載したメモ(文書)を作成し、同課の共有フォルダに保存、一部をメール送信していた。


2016年9月27日 安倍首相と松野文科省大臣と前川事務次官が面会。
 首相動静「9時56分、萩生田光一官房副長官。10時34分、閣議。52分、萩生田官房副長官。11時1分、松野博一文部科学相、前川喜平文部科学事務次官。

●2016年9月30日 国家戦略特区合同区域会議(東京圏、福岡市・北九州市、広島県・今治市)
■2016年10月4日 国家戦略特区諮問会議(第24回)
◆2016年11月9日 国家戦略特区諮問会議(第25回)


獣医学部を新設することが決まったのは11月9日の諮問会議である。
2015年度の作戦として使った「議長(安倍首相)一任」は不味いと気付いたらしく、2016年度は諮問会議の場で決定に持ち込んでいる。

●9月30日の合同区域会議では今治市の分科会で用いた資料で再び加戸・今治商工会特別顧問が説明。

■10月4日の諮問会議。司会進行は山本幸三地方創生担当大臣。
この会議の決定事項は区域計画の認定(以下資料の通り)。
資料に基づき八田(諮問会議)議員が報告。
その後に前回の会議で、小池東京都知事から提案があった「東京特区の推進のための国と都の共同事務局」について、本会議から実施するようになったとのことで、共同事務局の事務局長となる鈴木亘・東京都都政改革本部顧問から一言。
その後に進行の山本大臣が「このほか、先月21日に、今治市の特区の分科会を開催し、「獣医師養成系大学・学部の新設」などについても議論いたしました。」と付け加えた。
そして「これまでの報告等について、有識者議員より御意見ございますでしょうか」の問いかけに「異議なし」の声があり決定。決定事項は資料に掲載されているものであり獣医学部新設は含まれない
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続いて規制改革事項の追加の審議。
ちなみにこの会議に広島・愛媛県今治市の関係者は誰一人出席していない。
民間有識者提出の資料にも獣医学系に関するものはない。
しかし八田(諮問会議)議員が次のような発言をしている。

(八田議員発言の)
最後に、先ほど今治市の分科会での話が出ましたので、ちょっとそれについて、この民間人ペーパーから離れますが、私の意見を申し述べさせていただきたいと思います。今治市は、獣医系の学部の新設を要望しています。「動物のみを対象にするのではなくてヒトをゴールにした創薬」の先端研究が日本では非常に弱い、という状況下でこの新設学部は、この研究を日本でも本格的に行うということを目指しています。さらに、獣医系の学部が四国には全くないのです。このため、人畜共通感染症の水際対策にかかわる獣医系人材の四国における育成も必要です。
したがって、獣医系学部の新設のために必要な関係告示の改正を直ちに行うべきではないかと考えております


この規制改革事項の追加に関しては決議していない。
司会進行〆のお言葉。
○山本議員
どうもありがとうございました。
重点課題につきましては、本日の審議も踏まえ、実現に向けて速やかに検討を進めてまいりたいと思います。
また、その他の重点課題につきましても、次回以降、関係者に御参加いただき、集中的に議論してまいりたいと思います。
以上で本日予定された議事は終了いたしました。
それでは、安倍議長から御発言をいただきますが、ここでプレスが入ります。
(報道関係者入室)
○山本議員
それでは、安倍議長、よろしくお願いします。


後々問題となってくるのは、安倍議長(安倍首相)のこの発言である。
○安倍議長
本日は、秋田県の門脇仙北市長ほか、熱意ある自治体や事業者の皆様に御参加いただきました。国家戦略特区の重点課題である、「農業の外国人材の受入れ」、そして「地域主体の旅行企画」、また「小規模保育所の対象年齢の拡大」などの御提案をいただきました。安倍政権の掲げる「地方創生」や「一億総活躍社会」を実現していく上で、極めて重要な御提案であります。法改正を要しないものは直ちに、法改正を要するものは次期国会への法案提出を視野に、それぞれ実現に向けた議論を加速してまいります。
前回のこの会議で、小池東京都知事から、「東京の特区を一層強力に進めるための新たな仕組み」について提案がありました。早速、本日付けで、国と都が共同作業を行う「東京特区推進共同事務局」を立ち上げます。成果を上げている自治体から御要望があれば、同様の仕組みを立ち上げてまいりたいと思います。
国家戦略特区をフル活動させ、全国各地の潜在力を、規制改革によって解き放ち、国全体の成長の爆発力に変えていきたいと思っています。



◆11月9日の諮問会議。
この会議には次の3人の大臣を予め呼んでいる。最初からここで決める気満々である。省庁トップである大臣臨席(了承)のもとで決めたことだから文句は言わせないという手段である。
 松野 博一 文部科学大臣(臨時議員と記されている)
 山本 有二 農林水産大臣(同上)
 石井 啓一 国土交通大臣(同上)

○山本議員
ありがとうございました。
引き続き、特区ワーキンググループなどで、関係各省と議論を煮詰めてまいります。
続きまして、資料3を御覧ください。
前回の会議で、重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきましたので、今般、関係各省と合意が得られたものを、早速、本諮問会議の案としてとりまとめたものであります。
内容といたしましては、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置、農家民宿等の宿泊事業者による旅行商品の企画・提供の解禁となっております。
これらにつきまして、各規制を所管する大臣より御発言をいただきます。
まずは、松野文部科学大臣、お願いします。

○松野臨時議員
文部科学省におきましては、設置認可申請については、大学設置認可にかかわる基準に基づき、適切に審査を行ってまいる考えであります。
以上です。

○山本議員
次に、山本農林水産大臣、お願いします。

○山本臨時議員
産業動物獣医師は、家畜の診療や飼養衛生管理などで中心的な役割を果たすとともに、口蹄疫や鳥インフルエンザといった家畜伝染病に対する防疫対策を担っており、その確保は大変重要でございます。
近年、家畜やペットの数は減少しておりますけれども、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にございます。農林水産省といたしましては、こうした地域的課題の解決につながる仕組みとなることを大いに期待しておるところでございます。

○山本議員
最後に、石井国土交通大臣、お願いします。

○石井臨時議員
農家民宿など、受入れ側の地域、いわゆる着地における意欲のある宿泊事業者等が、当該地域の固有の資源を活かして企画・提供する「着地型旅行商品」の取扱いが広がるよう、特区において先行して、旅行業法の必置資格である旅行業務取扱管理者試験の簡素化に係る関係制度の改正を、年度内を目処に行うこととしております。
以上です。

○山本議員
ありがとうございました。
どうぞ。

○麻生議員
松野大臣に1つだけお願いがある。法科大学院を鳴り物入りでつくったが、結果的に法科大学院を出ても弁護士になれない場合もあるのが実態ではないか。だから、いろいろと評価は分かれるところ。似たような話が、柔道整復師でもあった。あれはたしか厚生労働省の所管だが、規制緩和の結果として、技術が十分に身につかないケースが出てきた例。他にも同じような例があるのではないか。規制緩和はとてもよいことであり、大いにやるべきことだと思う。しかし、上手くいかなかった時の結果責任を誰がとるのかという問題がある。
この種の学校についても、方向としては間違っていないと思うが、結果、うまくいかなかったときにどうするかをきちんと決めておかないと、そこに携わった学生や、それに関わった関係者はいい迷惑をしてしまう。そういったところまで考えておかねばならぬというところだけはよろしくお願いします。
以上です。

○山本議員
ありがとうございました。
続きまして、資料4に基づきまして、八田議員より御発言をお願いします。

○八田議員 今日は、さまざまな御説明がありましたので、ある意味でまとめということになります。資料4に基づいてお話し申し上げます。
(略)
今度は、獣医学部です。
獣医学部の新設は、創薬プロセス等の先端ライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚とかのほうが実際は有効なのですこれを扱うのはやはり獣医学部でなければできない。そういう必要性が非常に高まっています。そういう研究のために獣医学部が必要だと。
もう一つ、先ほど農水大臣がお話しになりましたように、口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もある。これは必要なのですが、その一方、過去50年間、獣医学部は新設されなかった。その理由は、先ほど文科大臣のお話にもありましたように、大学設置指針というものがあるのですが、獣医学部は大学設置指針の審査対象から外すと今まで告示でなっていた。それを先ほど文科大臣がおっしゃったように、この件については、今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった。
麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなくて、おそらく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、あまり競争力がないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。
(略)

○山本議員 御意見をいただき、ありがとうございました。
それでは、資料3につきまして、本諮問会議のとりまとめとしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○山本議員 御異議がないことを確認させていただきます。ありがとうございます。
それでは、本とりまとめに基づき、速やかに制度改正を行いたいと思いますので、関係各大臣におかれましても、引き続き御協力をお願い申し上げます。
以上で、本日予定された議事は全て終了しました。
最後に、安倍議長から御発言をいただきますが、ここでプレスが入ります。

(報道関係者入室)
○山本議員
それでは、安倍議長、よろしくお願いします。

○安倍議長
兵庫県養父市の国家戦略特区で「企業による農地の再生」が本格化します。広瀬市長とは今年2月にお会いしましたが、短期間のうちに、大手文具メーカーなど3社が、耕作放棄地を取得し再生する動きが具体化しました。高齢化した過疎の中山間地を、規制改革によってどこまで甦らせることができるか。養父市の挑戦を応援するため、「共同事務局」を設置いたします。 髙島福岡市長からは、「福岡港のPFI事業構想」について伺いました。いわゆる「コンセッション方式」によって、公共インフラを民間の創意工夫で運用できるようにする。これにより、急速に拡大する外国人観光客の受入れ体制を抜本的に強化していきます。 日は、「獣医学部の設置」や「地域主体の旅行企画」についての制度改正を決定しましたこのスピード感で、残された岩盤規制の改革にもできるものから着手し、そして実現していきます。山本地方創生・規制改革担当大臣と民間有識者の皆様には、引き続き、私と一緒にドリルの役割をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。


獣医学部新設に関しては麻生議員から反対意見が出ている。
また最初から今治市の獣医学部新設を推している八田議員の発言のなかに「先ほど文科大臣のお話にもありましたように大学設置指針というものがあるのですが」とあるが、議事録(議事要旨)の松野文科大臣の発言には大学設置指針という言葉は出てきていないし、ましてや「今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった」なんて書かれていないのだが・・・。
しかし最後はなんともあっさり「異議なし」の声で決定している。


【獣医学部新設経緯の問題点】
1.公的な権力(拘束力)の裏付けがない
国の立法や行政が正攻法で築いてきたものに束縛されないというならば、束縛されないほうにもそれなりの裏付けが必要である。
2015年度には「日本再興戦略改訂2015」を裏付けにしていたが、2016年度の「日本再興戦略改訂2016」に獣医学系の国際教育拠点という文言は含まれておらず、6つの重要分野にもそれに直接関係するようなものはない。

2.民間有識者が提出した資料に示された6つの重要分野の例示が例示のままである
そこに獣医学部の新設が盛り込まれたが、分野は次の通り。
 ・地方創生に寄与する「第一次産業」や「観光分野」などの改革
ヒトをゴールにしたライフサイエンス研究がどうしてこの分野に含まれるのか?
これに関しての審議も採決もなされていない。
水際水際と言っているがいったい何の水際なのかもよく分からない。また獣医学部がなくとも四国にもそれなりに獣医師はいて極端に少ないということはない。

3.独断(独裁)
10月4日の諮問会議の議事が終了してからの安倍首相の発言を担当大臣が拾って、次の諮問会議にてまるで議事決定事項や閣議決定したかのごとく扱っている。
2015年度に議長一任という手段を使ったが、今回の獣医学部新設決定に至るきっかけとなった「法改正を要しないものは直ちに、法改正を要するものは次期国会への法案提出を視野に、それぞれ実現に向けた議論を加速する」という事柄は安倍首相の一発言に過ぎない。

4.安倍首相から指示があったと山本大臣が明言している
「法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきましたので、今般、関係各省と合意が得られたものを、早速、本諮問会議の案としてとりまとめたものであります」
このように山本担当大臣は述べて、獣医学部新設案件を持ち出した。

5.十分な審議がなされた様子はなく急いでいる
反対意見なども見られたのに、それについて検討を加えることなく決議している。
なんの有識者か知らないが数人の有識者だけでなく、獣医師をはじめ、先に規制改革や緩和した薬剤師や看護師、大学関係者などから広く意見を集めるべきである。聞く耳がないのでは幾ら集めても同じかもしれないが。

6.京都産業大学と京都府の提案を完全に無視している
先着順での配布や安売りでもあるまいし、話が出てこないのはおかしい。
獣医学部新設という同じ提案が出されていたのだから、その情報を共有し、国家戦略特区が獣医学部新設を目指すにしても全国的にどのような形で進めるべきか、関係各所を交えて話し合われるべき。
1つの地域や事柄しか目に入らないのでは、国家としてのビジョンが欠如していると言わざるを得ない。




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by yumimi61 | 2017-10-16 15:21