2017年 10月 18日 ( 1 )

2017年 10月 18日
日本国憲法の秘密-595- (加計学園問題について)
2016年10月4日の国家戦略特区諮問会議(第24回)議事終了後の鶴の一声(安倍首相の議事終了後に発言)に基づいて、2016年11月9日の国家戦略特区諮問会議(第25回)にて獣医学部設置が決定した。
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作られた案に獣医学部設置が真っ先に挙げられ、そこにはこのような文言が含まれていた。
現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正

上記両諮問会議の間に諮問会議、ワーキンググループヒアリング、区域会議は一切もたれていない。
つまりこの案がどこから出てきたのかが明らかでないままに決議に至っている。
さらに問題は続く。

2017年1月4日、上の国家戦略特区の決定を受けて、内閣府と文科省で共同告示した。
これは2003年に文科省が出した告示の特例を認めるものである。

国家戦略特区は文科省の告示が元凶くらいのことを言っていたくせに、告示という全く同じ行為を行ったのだ。
他者がする行為は許せないけれども、自分でやるならいいわけである。この矛盾に気が付いていないというのが何とも・・・。
告示は以下の罫線内の通り。
1は医学部を新設する時になされた告示(2015年11月12日)で先に存在していた。それに2の獣医学部に関するものを追加した。

○文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件(平成二十七年内閣府・文部科学省告示第一号)
一部改正平成二九年一月四日内閣府・文部科学省告示第一号
国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第二十六条の規定に基づき、文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件を次のように定める。
  文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件

1 国家戦略特別区域法(以下「法」という。)第七条の国家戦略特別区域会議が、法第八条第二項第二号に規定する特定事業として、平成二十九年度に開設する医師の養成に係る大学の設置(法第二条第一項に規定する国家戦略特別区域における医師の養成に係る大学の設置をいい、「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」(平成二十七年七月三十一日内閣府・文部科学省・厚生労働省決定)に従い、国際的な医療人材の育成のため、一校に限り学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第四条第一項の認可を申請されるものに限る。)を定めた区域計画(法第八条第一項に規定する区域計画をいう。次項において同じ。)について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該大学の設置に係る学校教育法第四条第一項の認可の申請の審査に関しては、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成十五年文部科学省告示第四十五号)第一条第四号の規定は、適用しない。


2 法第七条の国家戦略特別区域会議が、法第八条第二項第二号に規定する特定事業として、平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置(法第二条第一項に規定する国家戦略特別区域における獣医師の養成に係る大学の設置をいい、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成二十八年十一月九日国家戦略特別区域諮問会議決定)に従い、一校に限り学校教育法第四条第一項の認可を申請されるものに限る。)を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該大学の設置に係る同項の認可の申請の審査に関しては、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定は、適用しない。

附則(平成二十七年内閣府・文部科学省告示第一号) 十一月十二日
この告示は、公布の日から施行する。
附則(平成二十九年内閣府・文部科学省告示第一号) 一月四日
この告示は、公布の日から施行する。



ややこしい文章を少しすっきりさせるとこのようになる。
平成30年度(2018年度)に開設する獣医師の養成に係る大学の設置を定めた区域計画について、当該大学の設置に係る認可の申請の審査に関しては、『大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定』(2003年の文科省告示)は、適用しない。

(   )内に条件が記されている。
条件① 国家戦略特区における獣医師養成に関わる大学
国家戦略特区とは?(法2条1項)
高度な技術に関する研究開発
若しくは、その成果を活用した製品の開発若しくは生産
若しくは、役務の開発
若しくは、提供に関する事業その他の産業の国際競争力の強化に資する事業
又は、国際的な経済活動に関連する居住者、来訪者若しくは滞在者を増加させるための市街地の整備に関する事業
その他の国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業
を実施することにより、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に相当程度寄与することが見込まれる区域で政令で定める区域。

条件② 2016年11月9日の国家戦略特別区域諮問会議で決定した「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」に従う

⇒現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするが含まれている。

条件③ 一校に限る

条件④ 学校教育法第四条第一項の認可を申請するものに限る
⇒学校教育法第四条第一項は次の通り。要するに文科省に認可申請しなければならないということ。
学校の設置廃止、設置者の変更その他政令で定める事項は、それぞれ当該各号に定める者の認可を受けなければならない。
一 公立又は私立の大学及び高等専門学校 文部科学大臣


条件②についてだが、11月9日国家戦略特区諮問会議で決定した「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」には区域が指定されていない。
ただ単に獣医学設置についてのみの案が提示され決定した。
だから今治市(加計学園)だけのための改正ではないと言うことができる。
しかし決定的な過ちを犯している。それが条件③の1校のみに限定したこと。
この告示は内閣府と文科省が共同で出したもので、改正あるいは撤廃されるまで有効である。年度切れではない。
その告示には1校を選ぶ期限が記されていない。
この告示を根拠に今治市(加計学園)がたった1つの特例に選ばれるというのはおかしい。
この告示では1校を選びようがない。何度も言うが期限が切ってないからだ。
ここでも今治市(加計学園)が特例に選ばれた理屈の破綻が認められる。


更にさらに問題がある。
2003年の文科省の告示は、設置や増員の認可条件の1つを明確に知らせただけに過ぎない。
何故文科省がそうしたことが出来るかと言えば、学校教育法第4条1項にて大学と高専の認可を担当すること(認可申請されたものの審査をすること)が定められているからである。
文部科学大臣は文科省のトップである。実務は自分が指揮する組織にやらせる。
文科省には認可審査する権利と義務がある。告示はそれに基づいたものだ。
しかし内閣府(内閣)にはその権利はない。大学設置に関して告示する権利を内閣府は持っていない。完全に越権行為である。
法に規定する権利が無いことをしたら法律違反である。
内閣府が大学認可に係わる告示を出したいならば、先に学校教育法を改正しなければならない。












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by yumimi61 | 2017-10-18 21:03