2017年 11月 13日 ( 1 )

2017年 11月 13日
日本国憲法の秘密-619- (外貨準備と貿易について)
最初から借金あてに予算を組んでいる国が金利を上げられるはずがない。
借金の金利が上がることになるのだから、自分で自分の首を、あるいは自分で我が子の首を絞めるようなものだ。

また国内と外国の金利差で儲けようと(運用で儲けようと)企んでいる時は、国内の金利はなるべく下げておきたい。
ということで現在の日本は金利を上げられる環境にない。

だからと言ってこのままで良いのか?
貸す方もいい加減呆れて貸してくれる人が誰もいなくなれば当然倒れる。

借りるから返す必要が出てくる。それなら借りなければいい。
次に考えるのはそういうことになるのではないか。
借りなければやっていけないのに借りないとはどういうことかと言えば、借りるのではなくて貰ってしまうということ。
政府が日本銀行にお金を作らせて、それを借りるのではなくて貰ってしまう。

日本銀行はジャスダックに上場している民間企業である。
でも日本政府が55%出資しているので完全な民間企業ではない。残り45%を誰が出資しているのか非公開。
日本銀行法という固有の法律によって、出資者は株主とは違い発言権も与えられない。配当はあるが驚くほど少ない率で設定されている。
紙幣発行権を持っている中央銀行だから誰もが買えたら困るけれども、買い占めることが出来ない仕組みとなっている。

筆頭出資者で紙幣発行権を与えている政府が日本銀行に紙幣を作らせる。
しかしながら日本銀行は日本政府とは別の民間企業(半官半民)なので会計も当然別。中央銀行の帳簿が合っていないということでは示しがつかない。
日本銀行が紙幣を発行する時にはマイナスで出すので、戻ってこないとプラスマイナス0にはならないのだ。
だから国債を購入する時に紙幣を発行していた。
国債が満期で元金が戻ってくれば帳簿はプラスマイナス0になる。
しかしながら紙幣現物は廃棄しないかぎり日銀の手元に残る。
この廃棄すべき紙幣を政府の為替介入用の円に流用したらどうだろうか。
どうせ廃棄する紙幣だからもはや返さなくてもよいものだし、日銀も痛くも痒くもない。

上記のような手段あるいは最初から帳簿に載せないで裏から紙幣を発行し、それを回収したり廃棄しないとなると、心配なのはインフレである。
日銀が紙幣を世の中にどんどん出すと、世間には紙幣が溢れて、紙幣の価値が落ちる。紙幣が珍しい貴重なものでなくなるからだ。
紙幣を持っている人が増えるということは物を買える人が増えるということを意味する。(需要が増える)
それなのに物の供給量がこれまでと同じならば、相対的に今までよりも物が減ったということになり物の値段が上がっていく。
逆を言えば、需要に合わせて供給量も増加するならば紙幣が増えても物価が上がるわけではない。

インフレを例えれば、今まで1万円で買えた自転車が10万円出さないと買えなくなるということ。
10万円貯金があれば自転車10台買えたのに、インフレになったら1台しか買えない。そうなると日本での貯金額の価値は目減りしていることになる。
一方借金も目減りする。自転車10台に値した借金が今や自転車1台分にしか値しない。自転車1台売れば10万円の借金が返済できるのだ。
すでに自転車在庫があり、それを国内で売れば儲かるが、インフレになってから国内で自転車を作ろうと思えば原材料費なども上がっているため原価も上がるしかなく儲かるわけではない。

日本国の首相も日銀もデフレ脱却と言ってる。物価上昇させるために金利を引き下げると言う。
インフレとは逆のデフレ状態にあると言うのだ。デフレは紙幣の価値が高く物価が低い。世の中に出回っている紙幣が少ないということ。

紙幣の量>物の量 →インフレ(物価高、貯金や借金の目減り)
紙幣の量<物の量 →デフレ(物価安、貯金や借金の割増し)

こんなに世の中に紙幣を出しているのに何故インフレに傾かないのだろうかと不思議に思い、銀行が抱え込んで出さないのではないか、企業が抱え込んで出さないのではないかと考え、そこに向けた対策を講じているということなんだろう。


為替市場が円安で推移しているということは銀行(為替部門)などが円を沢山持っているということだ。
日本政府自ら率先して円安誘導するために為替市場に円を投入している。
もうひとつ貿易の変化も理由に挙げられるが、それは後述する。
廃棄すべき紙幣を流すとか裏から紙幣を出すとか日本銀行や日本政府が不正を行ったとしても、円が日本国内に出回らなければ、日本という国がインフレになることはない。



アメリカに輸出する時には多くはドル建てだが(ドルで支払いが行われるが)、アジア向けの輸出は50%ほどが円建てである(円で支払いが行われる)。
そして今、日本の輸出はアジア向けが多い。
下の順位は日本の輸出相手国多い順。
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輸出総額と輸出割合
       単位:100億円
=================================
対アジア
1,288(31.1%)  2,125(41.1%)  3,783(56.1%)  3,711(53.0%)

対EU
773(18.7%)  843(16.3%)  762(11.3%)  798(11.4%)
=================================
対アメリカ 
1,356(31.5%) 1,536(29.7%) 1,039(15.4%) 1,414(20.2%)

対中国
圏外    327(6.3%)  1,309(19.4%)  1,236(17.6%)
=================================
※上の対中国には台湾や香港は含めていないが、台湾や香港も中国圏(中華圏)である。



輸入相手国多い順
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輸入総額と割合 
=================================
対アジア
973(28.7%) 1,706(41.7%) 2,751(45.3%) 3,320(50.3%)

対EU
507(15.0%)  504(12.3%)  582(9.6%)  815(12.3%)

対中東
442(13.1%) 531(13.0%) 1,039(17.1%)  650(9.8%)
=================================
対アメリカ 
759(22.4% )778(19.0%)  591(9.7%) 732(11.1%)

対中国
173(5.1%) 594(14.5%) 1,341(22.1%) 1,702(25.8%)
=================================

金額ベースなので物価、例えば原油価格が下がれば輸入量が変わらなくても輸入額は減少する。
日本円に換算したものなので当然レートが違えば額にも影響する。
従って年度間の金額は単純比較できないものである。
輸入のインドネシアやオーストラリアは資源の輸入で上位に来ている。

1990年
対アジア 輸出1,288 > 輸入973
対EU  輸出773  > 輸入507
ーーーーーーーーーーーーーーーー
対アメリカ 輸出1,356 > 輸入759
対中国   輸出 圏外 < 輸入173

2016年
対アジア 輸出3,711 > 輸入3,320
対EU  輸出798 < 輸入815
ーーーーーーーーーーーーーーーー
対アメリカ 輸出1,414 > 輸入732
対中国   輸出1,236 < 輸入1,702


対アメリカはやはり貿易不均衡が目につく。
輸入額は輸出額の半分程度しかない。
完全なる自由貿易で、そういう結果ならばそれは仕方ないはずだ。事業者にも消費者にも選ぶ自由がある。
ただ完全に自由となっておらず輸入をコントロールしている場合には、国内産業や雇用を保護しているということであるので、輸出はどんどんしたいけれど輸入は断るというのでは、相手はあまり良い気はしないだろうと思う。
その挙句、輸出入の差が大きくても輸出企業が損をしないように政府が為替介入して円安誘導し、為替介入で得たドルでアメリカ国債を買って儲けているとなれば、増々アメリカは不利になる。



日本企業が海外進出するきっかけとなったのは、やはり1985年9月に行われたプラザ合意である。
為替レートの安定化に関する合意で、実質的に円高ドル安に誘導する内容であった。
当時1ドル250円くらいだったのが、それを境に1ドル170円ほどと大きく円高に振れた。
輸出企業がアメリカで100億ドル稼げば2兆5000億円だったのが、同じ100億ドルが1兆7000億円にしかならないということだ。

例えば2兆5000億円(販売価格)の半分が原価だったとする(粗利益率50%)。原価を差し引いた単純利益は1兆2500億円である。
原価の他にも人件費や諸経費など固定費が必要である。そうしたものを差し引いた売上経常利益率は10%を目指したい(だいたいそんな程度です)。2500億である。つまり2兆2500億円は必要経費であったということ。
同じ物を売って1兆7000億円にしかならなければ利益が吹っ飛ぶのはもちろんのこと必要経費(2兆2500億円)も出ない。同じ物を同じだけ売っても5500億円の赤字に転落してしまう。

そのため、少しでも安く原材料を仕入れられる場所、人件費や諸経費が安くて済む場所を求めて、日本企業の海外進出が始まった。
現在存在する日本企業の海外現地法人の約8割は1986年以降に進出(設立)したものである。
1986年前も外国に現地法人を持っていたのは電気機械工業系の企業が多かったが、1986年以降に急激に海外進出始めたのも電気機械工業系の企業が圧倒的に多い。
最初はASEAN地域(東南アジア)への進出が多く、1991~1995年にかけて中国(香港含む)への進出が急増した。
1991年11月に中国はAPEC(アジア太平洋経済協力)に加盟している。
その11月というのは、ロシア共和国エリツィン大統領が共産党解散を指示する大統領令を発令し事実上ソ連が崩壊した時期(正式には12月)(クーデター失敗は8月)。

日本企業がアジアに法人を持ったことにより、部品などを日本からアジアへ向けて輸出し、半製品や製品をアジアから日本に輸入するといった貿易が行われるようになった。
日本企業がやり取りしているのだから円建てでも不都合はない。

アジアなど外国で製造し、そこから輸出するという方法もとられている。
ASEAN地域内は自由貿易協定によってほとんどの品に関税がかからないためASEAN地域内での貿易は有利。
日本はそのASEANと2008年に経済連携協定を結んでいる。
またシンガポールは幅広い自由貿易協定ネットワークを持っていて、貿易のハブ国となっている。ASEAN加盟国でもある貿易立国。ここを介して関税フリーで輸出できる。








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by yumimi61 | 2017-11-13 11:54