2017年 12月 04日 ( 1 )

2017年 12月 04日
日本国憲法の秘密-631- (外貨準備と貿易について)
日本がエネルギー資源に乏しい国であることは自他ともに認めている。
それにも関わらずエネルギー消費大国である。

【エネルギー消費大国】
1.中国
2.アメリカ
3.インド
4.ロシア
5.日本

人口が桁違いに多いのが中国とインド。
アメリカはその2国に次ぐ第3位。
ロシアは9位。日本は10位。
日本以外の国は国面積も広い。
特にロシアは飛び抜けて広く、また寒冷な地域である。
中国とインドは石炭の比率が大きく、ロシアは天然ガスである。
天然ガスで賄えるロシアは石油自給率も200%超えである。
石油の割合が一番なのはアメリカ(37%)と日本(42%)であるが、特に日本は石油への依存率が高い。
アメリカで石油に次ぐのは天然ガス(31%)、日本で石油に次ぐのは石炭(27%)である。ちなみにこれは2015年の統計であり日本の原子力は0%となっている。

日本のエネルギー自給率はとても低く4%ほど。石油自給率に限れば0.1%程度しかない。

【エネルギー自給率の高い国】
1.ロシア 180%
2.カナダ 150%
3.中国 90%
4.イギリス 80%
5.アメリカ 75%

一番意外なのは国土がそれほど広くないイギリスの自給率の高さだと思うが、イギリスは石油、天然ガス、石炭とバランスよく供給できる。
思えばイギリスが第二次産業革命を起こしたのも豊富な石炭資源が背景にあった。
イギリスには北海油田があり石油に限った自給率は120%を超える。
但しイギリスの油田も枯渇し始めていると言われている。


次の順位は、各国のガソリン小売価格をUSドルに換算して比較し高い国から並べたものである。(2014年)
1 エリトリア
2 ノルウェー
3 オランダ
4 イタリア
5 トルコ
6 香港
7 デンマーク
8 モナコ
9 ギリシャ
10 南スーダン
11 イギリス
12 アイルランド
13 ベルギー
14 ポルトガル
15 フィンランド
16 イスラエル
17 アイスランド
18 スウェーデン
19 バルバドス
20 ウルグアイ
21 ドイツ
22 マルタ
23 フランス
24 マラウイ
25 スロベニア
26 スロバキア
27 パレスチナ
28 アルバニア
29 リヒテンシュタイン
30 スイス

51 韓国
80 日本

110 中国
112 カナダ
120 インド
146 北朝鮮
155 ロシア
156 アメリカ
163 アラブ首長国連邦
164 イラク
166 イラン
170 クウェート
172 サウジアラビア

上位(ガソリンが高い国)はヨーロッパの国々が多い。
ヨーロッパも石油を輸入に頼っている国が多いが、自給率が高いイギリスが自給率の非常に低い日本よりも高価格であることは驚かされる。
全体的な傾向としては石油産出国では価格が安く、輸入に頼る国では高くなっている。
ひとつ気を付けなければならないのは小売価格をUSドルに換算していることである。
単位を同じにしなければ比較しようがないので仕方ないが、為替レートによって価格が変わってきてしまう。
1リットル150円のガソリン、1ドル100円の時(円高)ならば1.5ドルとなり、1ドル300円の時(円安)では0.5ドルとなる。
対ドルの為替レートと実質実効レートがかなり乖離していることを先に述べたが、実質実効レートの円安具合に合わせて1ドル300円くらいの円安だとするならば日本のガソリン小売価格はもっと順位を下げることになる。
資源に乏しく輸入に大きく依存する日本のガソリン小売価格はどうしてこんなに安いのだろうか?


石油の値段が安くなる時
●需要<供給
輸入した量よりも使う(売れる)量が少ない。
●原価が安い
原油価格も物の値段の1つなので需要と供給のバランスで決まる。季節性は多少あるが継続して使用されるものであり産出国もほぼ限られていることから、エネルギー革命や製油所の事故でも起こらないかぎり意図的な理由以外で大きく需要と供給のバランスが崩れることはない。(枯渇してくれば供給減となるので価格は上がるが)
近年原油は投機対象となっており、それによって価格が上下している。
金融市場と比べると原油市場は小さいので、金融市場からの投機は原油価格に大きな影響を及ぼしてしまう。
何故に金融市場が大きくなったかと言えば、各国の紙幣を裏付けなく好き勝手に発行できるようになったからである。
原油価格が上がれば儲かるのは石油会社である。
かつてはロスチャイルドとロックフエラー系の7社がセブンシスターズと言われた。

■現在の新セブンシスターズ(全て国営企業)
サウジアラムコ(サウジアラビア)、ペトロナス(マレーシア)、ペトロブラス(ブラジル)、ガスプロム(ロシア)、中国石油天然気集団公司(CNPC)(通称:ペトロチャイナ)(中国)、イラン国営石油(NIOC)(イラン)、ベネズエラ国営石油(PDVSA)(ベネズエラ)  

■旧セブンシスターズ(統廃合によって7社が4社に)
シェブロン、エクソン・モービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)

旧セブンシスターズの原油生産シェアは10%程度、保有する油田の埋蔵量シェアは5%程度に減少した。
一方の新セブンシスターズは、原油生産シェアも保有する油田の埋蔵量シェアも30%にまで増加。
セブンシスターズ以外の国営企業も含めると石油埋蔵量のシェアは70~80%が国営企業で、その他ロシア系の企業が15%ほど保有している。



ここで日本のガソリン価格(1リットルあたり)の推移を見てみたいと思う。

1946年(終戦翌年) 1.2円
1954年(高度経済成長期始まり) 39円
1964年(東京オリンピック) 48円
1965年(戦後初めての国債発行) 51円
1971年(ニクソンショック) 57.3円
1973年(10月勃発中東戦争による第一次オイルショック始まり) 66.2円
1974年(オイルショック継続&高度経済成長期終了直後) 97.6円
1975年(FRBが$紙幣供給開始) 112.4円
1979年(2月のイラン革命による第二次オイルショック) 124.8円
1980年(イラン・イラク戦争、アメリカインフレピーク) 154.8円
1981年(レーガン大統領就任)(鈴木内閣の増税なき財政再建開始) 157.8円
1982年(第5次中東戦争)(11月中曽根内閣発足) 172円
1985年(9月プラザ合意) 146円   ↑対ドル円安(輸出に有利)(自国通貨インフレ傾向)(インフレは物価高を呼びやすい)
--------------------------------------------
1986年(プラザ合意翌年) 128円   ↓対ドル円高(輸入に有利)(自国通貨デフレ傾向)(デフレは物価安を呼びやすい)

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黄色縦線と西暦と入れた1974年と1979年はオイルショックの影響で価格は上昇した。
1985年はプラザ合意の年。
第一次オイルショックの影響が落ち着いてきたと思ったら(①)イラン革命による第二次オイルショックに見舞われた形になっている。
日本の高度経済成長期は第一次オイルショックとともに終わったと言われている。
そのせいか第二次オイルショックでは経済への影響を受けなかったとか。
もともと第二次オイルショックは第一次ほど継続していないのだが、日本のガソリン小売価格は下がっていない。②の部分である。
アメリカは2つのオイルショックとインフレのダブルパンチで国力をダウンさせた。
③1999年5月がプラザ合意後の最安値で100円を切った。
上昇を始めたのは2004年頃。投機的に買い方が増えた、買いが買いを呼ぶ原油バブルによって高騰していったと考えられる。
その後ストンと落ちたのはリーマンショックの影響である。リーマン前が最高値だった。
かなり大きく落ちてその後またじりじりと上げていた。
シェールガス革命の影響かここ数年は下げているが、安定的に低めだった時期に比べるとまだ高めである。

次のグラフは原油価格の推移。残念ながら1980年からである。
http://ecodb.net/pcp/imf_group_oil.html
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21世紀に入ってからは投機によって原油価格が上昇しており、日本の小売価格もそれを反映している形になっている。
しかし第二次オイルショック後の小売価格の高騰は原油価格を反映していない。
原油価格は上がっていないのだ。むしろ少し下げている。
その時期に日本では石油の価格が上がっていた。
自動車売上や貿易なども好調な頃であるので石油の需要が増えたということは考えられる。
あるいは税金を上乗せしたんだろうか。タバコの値上がりは税金であるということはよく知られているが、意外にガソリンの価格にはかなり税金が含まれているということを知らなかったりする。
「増税なき財政再建」を掲げたものの実はガソリンで税収を稼いでいたということはないのだろうか?
自給率の高いイギリスもかなり税金が乗せてある。税収になるのはもちろんのこと、高くすることで石油をふんだんに使うことを抑える効果がある。

1バレルは約159リットル。
原油価格が1バレル=30USドルだとする。1リットル≒0.19ドル
1ドル=100円ならば、1バレル=3000円 1リットル≒19円
1980年代前半、原油価格1リットル19円くらいの時に、日本では160円前後でガソリンを売っていた。(もちろん原油価格の他に輸送料や保険代などもかかるので日本の原油価格はもっと高くなってしまうけれども)








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by yumimi61 | 2017-12-04 12:54