<   2017年 02月 ( 16 )   > この月の画像一覧

2017年 02月 28日
父の病⑭
地域連携課(室)

近年は急性期病院や大規模病院を中心に地域連携課(室)や地域医療連携課(室)という名の部署を設けている病院が多い。
一頃、高齢化社会の到来と医療費の増大とともに「3時間待ちの3分診療」といった病院の待ち時間の長さと診療時間の短さが取り沙汰された。
大きい病院=良い病院という意識が長いこと人々の意識にあり、ちょっとしたことでも大きな病院を受診する人が多かった。
また高齢者は、安い医療費負担(1割)のためか、暇を持て余しているのか、それとも心地よいのか、寄合所かサロンのように病院や診療所に集うとの批判もあった。
これは診療所の例だが、「最近〇〇さんに行き会わないけど具合が悪いんかね~」「あなたは具合が悪いからここに来てるんじゃないんかいっ!」(←そんなことは言いません)、というようなことも無きにしも非ず。
ともかく大きな病院の新患受け入れは原則他の医療機関からの紹介状が必要になった(予約制)。(新患でなく既患でも予約ベースのところが多し)
他の医療機関からの紹介(予約)の窓口になっているのが地域連携課である。

急性期病院では救急車で搬送されてくる患者がいる。救急の場合には一見さんを受け入れているわけである。
但しすでに述べてきたように急性期病院にいられる期間は短い。
病状が少し安定したところで、退院させるか相応しい病院に転院させる。この調整を行っているのも地域連携課である。
在院期間が長くなってきた患者や高齢者の転院や退院の相談に乗り連絡調整(在宅医療・転院・施設入所など)を行うのも地域連携課である。
つまり、病院・診療所・介護施設や福祉施設・地域包括支援センター・ケアマネジャーなどと連携を図るうえで欠かすことの出来ない部署であり、病院の病床管理や平均在院期間を維持するという重要な役割を担っている。
その他、医療費の心配など経済的問題、退院後の療養や医療についての相談を受けている。

地域連携課(室)のスタッフは看護師と医療ソーシャルワーカー(相談員)、事務員で構成されている。
地域連携課(室)はなく、医療ソーシャルワーカーが1人か2人程度、病院事務室(総務)に配属されているという病院もある。


ソーシャルワーカー

以前私はソーシャルワーカーについて少し書いたことがある。
第一次世界大戦前から独立運動を行い、戦後にチェコスロバキア共和国の初代大統領に就任したトマーシュ・マサリクについて書いていた時の事である。
トマーシュ・マサリクはチェコの東部の町の労働者階級の家に生まれた人物。妻がアメリカ人であった。
32歳の時にプラハ大学の哲学教授に任命されたが、若い頃は鍛冶屋として働いており大学で学び段階を踏んで教授になったわけではないので、妻がアメリカ人だったことの影響があったのではないかと私は書いた。
トマーシュ・マサリクはアメリカ人妻の5人の子がいて、そのうちの1人アリツェに関連してソーシャルワーカーについて触れた。
アリツェははカレル大学に入学を許可された最初期の女子学生の1人であり、その後、英国、ドイツ、アメリカに留学した。帰国後、大学教授となり、1911年のカレル大学における社会学部設立に貢献したが、第一次世界大戦中はマサリクの子は危険人物であるとして幽閉状態に置かれ、活動を制限された。チェコスロバキア独立後はチェコスロバキア赤十字総裁となり、父親の意向で女性の権利拡大にも貢献した。しかし、1939年のナチス・ドイツのチェコスロバキア併合により、米国に亡命。終生米国で暮らした。

アリツェ・マサリクはアメリカのシカゴに招かれた。
ハルハウスではなくて、シカゴ大学内に設置されたセツルメントに招かれたらしいが、ハルハウス創設者の社会福祉の母たちとの出会いがあった。
そしてチェコに戻った後の1911年にプラハ・カレル大学に社会学部を設置し教授となる。
シカゴとシカゴ大学に縁がある人なのだ。

第一次世界大戦後に独立をはたしたチェコスロバキア共和国で、1919年にチェコスロバキア赤十字の総裁となり、第二次世界大戦前の1938年にドイツがチェコスロバキアに侵攻するまでその地位にあった。
ドイツ侵攻後は再びシカゴ大学セツルメントに招聘され、アメリカで暮らした。


困っている人などを援助する社会福祉的な仕事をする人を英語ではsocial worker(ソーシャルワーカー)と言う。
この場合には慈善事業やボランティアなども含まれてくるので広義のソーシャルワーカーである。
日本では国家資格である社会福祉士と精神保健福祉士のことをソーシャルワーカーと呼んでいる。これは非常に狭い範囲のソーシャルワーカーである。
イギリスではソーシャルワークを行う場合には資格が必要でさらに登録制である。


ソーシャルワーカーとは、人権擁護の理念のもと、人々の社会的疎外を解決し、共存共栄社会の実現のために働く人たちの総称のことである。
発祥の頃は資格名や職種名ではなかった。ボランティアなどでも良かったのである。
その後は社会福祉に携わるあらゆる職種の総称となる。
日本ではさらに狭まり「相談援助職」(相談員や支援員)のことをソーシャルワーカーというようになった。
実は今現在も誰がソーシャルワーカーを名乗っても違法ではない。
その点、心理相談員や心理カウンセラーも同様である。

無資格者でもソーシャルワーカーの自称は可能であり、また活動そのものは無資格のソーシャルーワーカーが自己を名乗る際に「社会福祉士」、「精神保健福祉士」と名乗らなければ法律に抵触する事はないが(名称独占資格)、ソーシャルワーカーの国家資格である社会福祉士もしくは、精神保健福祉分野に特化した精神保健福祉士の資格を所持している者の方がもちろん無資格者よりステータスが高く、国家資格という形で国から認定されたソーシャルワーカーということになる。

巷にはソーシャルワーカーや心理カウンセラーが溢れている。
しかし現在医療現場でソーシャルワーカーと言えば社会福祉士のことである。
医療機関では「医療ソーシャルワーカー」と言っている。

医療ソーシャルワーカーとして勤務するための資格は無いが、ほとんどの病院で社会福祉士を保持することを条件としている。採用が内定しても、「社会福祉士国家試験に不合格の場合内定を取り消す」と明示している病院も少なくない。
理由としては、1,診療報酬点数の中に「社会福祉士」であることで請求できるものがあること。 2,病院機能評価機構が実施する評価の中に、専任のソーシャルワーカー配置や専用の相談室の設置などがある が考えられる。
また医師をはじめ、看護師、薬剤師、臨床検査技師など国家資格を保持している職種が働く機関において、無資格であることが許されないという情緒的な理由も考えられる。

(医療ソーシャルワーカーの)資格は無いが実質的には(国家資格である)社会福祉士を保持することが必要といえよう。


業務独占資格、名称独占資格

資格を有するものだけがその業務を行えるのが業務独占資格、資格を有するものだけがその名称を名乗ることが出来るのが名称独占資格である。
業務独占資格は名称独占資格でもあることが多い。

業務独占資格は、医師、看護師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、救急救命士、弁護士、税理士、などなど。
資格を持つものでしか提供が許されない業務(行為)がある。
医療には資格者だけに許されている医療行為がある。

名称独占資格は、保健師、栄養士、調理師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理士などなど。
例えば保健師は保健指導や健康教育を業務として行う。
しかし保健指導や健康教育・健康相談は医師や看護師や助産師や栄養士などであってもそれぞれの範疇において出来るものであるし、実際に行うこともある。
つまり保健指導や健康教育という業務は保健師が独占しているわけではないので、業務独占資格ではない。
でも資格のない者が「保健師」を名乗ってそれを行うことは禁じられている。
国家資格である看護師が保健指導を行っているとしても、保健師国家資格がないのに「保健師」と称したり登録することは違法である。

「ソーシャルワーカー」は資格がなくとも誰でも名乗ることが出来る。
また看護師も保健師もソーシャルワーカー的な業務を行うことがある。
しかしながら、一般人はもとより看護師や保健師も社会福祉士を名乗ることは出来ない。
国家資格である「社会福祉士」は名称独占資格なので有資格者しか名乗ることが出来ない。
医療ソーシャルワーカー(相談員)=社会福祉士であることがほとんどなので、病院の地域連携課にはほぼ同じような仕事をしていたとしても看護師と社会福祉士がそれぞれ別の肩書(資格名)でいるということになる。


日本の医療ソーシャルワーカーの母!?

病院の医療ソーシャルワーカーの先駆者が浅賀ふさと言われている。
1929年にかの聖路加病院の医療社会事業部に勤務したことに始まる。

浅賀ふさ
生年:1894(明治27)年2月17日
没年:1986(昭和61)年3月3日
出生地:愛知県半田市
学歴:日本女子大学英文科卒(1916年)、ハーバード大学大学院教育学部修了

1919年(大正8年)に兄がアメリカに飛行機操縦の勉強に行くことになり、ふさはそれに同行した。
25歳になっていたふさは美術学校でデザインの勉強をしながら色々な仕事をした。
1924年30歳の時にシモンズ大学の社会事業専門学校に入り学んだ。
その後にハーバード大学教育学部で1年学んだ。(学歴はハーバード大が強調されている)
1928年(昭和3年)12月に帰国。翌年2月から聖路加国際病院(の前身病院)に勤務した。

戦後はすぐに厚生省児童局に入り、渉外専門家として社会事業に携わる。
1953年の中部社会事業短大(現:日本福祉大学)創設に加わり、教授として80歳まで日本福祉大学の教壇に立った。
日本医療社会協会の初代会長。

結核患者や貧困患者への相談や支援を行い、医療ソーシャルワークの草分け的存在となった。
その医療ソーシャルワーカーが国家資格にならなかったことや、聖路加国際病院が今日全室個室の富裕層向け病院となっていることは皮肉なことか、然もありなんといったところか。
女性の選挙権獲得にも大きな関心を持ち、女性運動家として母子保護法の制定に関わったり、1958年の国際社会事業会議で「放射能と人類福祉-なぜ日本人が核兵器実験に反対するか」というテーマで発表(広島の医療ソーシャルワーカーとともに被爆者調査をしたということで世界に発信)した。
朝日訴訟にも関わっている。

朝日訴訟
朝日訴訟とは、1957年(昭和32年)当時、国立岡山療養所に入所していた朝日茂(あさひ しげる、1913年7月18日 - 1964年2月14日:以下「原告」と呼称)が厚生大臣を相手取り、日本国憲法第25条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)と生活保護法の内容について争った行政訴訟である。

結核患者である原告は、日本国政府から一カ月600円の生活保護給付金と医療扶助を受領して、国立岡山療養所で生活していたが、月々600円での生活は無理であり、保護給付金の増額を求めた。

1956年(昭和31年)、津山市の福祉事務所は、原告の兄に対し月1,500円の仕送りを命じた。
市の福祉事務所は同年8月分から従来の日用品費(600円)の支給を原告本人に渡し、上回る分の900円を医療費の一部自己負担分とする保護変更処分(仕送りによって浮いた分の900円は医療費として療養所に納めよ、というもの)を行った。
これに対し、原告が岡山県知事に不服申立てを行ったが却下され、次いで厚生大臣に不服申立てを行うも、厚生大臣もこれを却下したことから、原告が行政不服審査法による訴訟を提起するに及んだものである。



社会福祉士

保健師・助産師・看護師(保助看法)の歴史が古いのに比べると、福祉専門職資格の歴史は浅い。
社会福祉士は1987年に新設された国家資格である。
また必置資格となったのは、2006年の地域包括支援センターの創設時が初めてだった。

必置資格
ある事業を行う際に、その企業や事業所にて特定の資格保持者を必ず置かなければならない、と法律で定められている資格。業務独占資格が必置資格としての性質を併せ持つ場合もある。
病院や診療所には医師と看護師が必ず必要。
保育所には保育士、クリーニング所にはクリーニング師、美容所には管理美容師、理容所には管理理容師、一定規模以上の事業場には衛生管理者など、様々な場所に必置資格者の設置が定められている。

社会福祉士資格が誕生するまで、日本における相談援助職と言えば、福祉事務所のケースワーカーと病院の医療ソーシャルワーカーのことだった。
ケースワーカーは大学卒業後に自治体に採用され、社会福祉主事任用資格を得て職に就くという形が主流だった。
社会福祉主事任用資格とは、大学で一定の科目を履修するか、入職後に一定の研修を経た者に資格を付与するものであり、自治体がケースワーカーを任用するための資格に過ぎず、包括的かつ深い知識や実務経験は問われない。
同じく自治体に採用される国家資格の保健師などとは違い、社会福祉主事任用資格を得ても部署が異動して他の業務に就くこともあり専門性は必ずしも高くなかった。
上記のように医療ソーシャルワーカーも独自の資格としては認められてこなかった。

(1989年に誕生した社会福祉士は)これまでは医療保険算定上においても職員の人員規定が無かったので、資格取得者を雇用しても雇用者側が一方的に人件費を費やすのみになり、『非生産部門』と位置づけられて地位も低かったが、昨今では医療保険点数の改訂にて後期高齢者退院調整加算等が創設され、保険加算のための人員配置基準となり、また地域包括支援センターにおいても職員の(主任)介護支援専門員、保健師と並んで人員配置基準になっており、資格者を求める傾向または無資格者には資格取得を求める傾向が出てきた。


地域包括支援センター

地域連携課の連携先の1つである地域包括支援センターというところがある。
地域包括支援センターは、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。
センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互連携しながら業務にあたる。
法律上は市町村事業である地域支援事業を行う機関であるが、外部への委託も可能である。要支援認定を受けた者の介護予防マネジメントを行う介護予防支援事業所としても機能する。

(受託法人は社会福祉法人)

かつて市町村役場内にあった在宅介護支援などの相談業務を行う部署や窓口が専門性を高めて独立し外に出たということである。
妊産婦や乳幼児、成人の健康診断や健康相談、健康教育を行う部署が保健センターとして独立して外に出たのと似ている。
保健師はこの自治体の保健センターに多く就業している。自治体の地域包括支援センターに配属されている保健師もいる。






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-28 12:33
2017年 02月 26日
父の病⑬
「病院」とは、入院用ベッドが20以上あるところ。
「診療所」とは、入院用ベッドが19以下のところ。


【病院】
        病院数         病床数           
2001年  9239(100)   164万6797(100)
2014年  8493(91.9)↓  156万8261(95.2)↓


【診療所】
        診療所数           病床数           
2001年  9万4019(100)    20万9544(100)
2014年  10万461(106.9)↑  11万2364(53.6)↓

※(  )は2001年を100とする指数。


日本全体の病床数、つまり入院ベッド数は、この高齢化社会の中、2001年から2014年の13年間で17万5716も減少した。
特に診療所の病床数の現象が顕著である。診療所数自体は増えているのにベッド数は半分になった。
入院は儲からず経営が厳しくなるということだろうか。患者の大病院志向もある。
入院患者がいるとなれば24時間体制を敷かなければならなくなるので、小さな規模の診療所では負担が大きくなり医師や看護師の確保も難しいのかもしれない。
介護施設が増えて、高齢者がそちらに流れたということもあるだろう。


【病院患者数】
        入院         外来
2002年 137万7600人   195万2500人
2014年 127万3000人↓  164万1900人↓

【診療所患者数】
        入院         外来
2002年  7万3400人    337万7600人 
2014年  4万5800人↓   423万3000人↑


患者数が増えているのは診療所の外来のみ。


【看護職員数】
        病院              診療所  
2001年 77万6194人(100)   25万6809人(100)
2014年 97万7654人(126)↑  33万0149(128.6)↑

※看護職員は保健師・助産師・看護師・准看護師とする。
※(  )は2001年を100とする指数。


病床数が大きく減って、それに伴い入院患者数も減り、病院では外来患者も減っているが、病院と診療所で働く看護職員数は病院・診療所ともに増加している。
病院・診療所で働く医師も増加している。(2002年は26万2687人だったが、2014年は31万1205人)

近年看護大学が乱立した。
看護大学はもともと数が少なく、1989年度にはわずか11大学に過ぎなかった。入学者定員は500人程度。
ところが平成4年(1992年)頃から年々増加し続け、2014年度には228大学にまで急増した。入学定員も2万人程度に膨れ上がった。20年で20倍になったのである。
看護大学の他にも依然看護師養成学校や准看護師養成学校もある。
看護師養成学校(3年過程)は少しずつではあるが年々増加している。2014年は65校。
看護師養成学校(2年過程)はやや減少傾向にあり、2014年は80校。
准看護師養成学校も減少傾向にあるが2014年にはまだ188校ある。

看護大学乱立の背景には看護師不足があると言われているが、看護師は本当に不足しているのか?
医師も本当に不足しているのか?
すでに過剰気味なのではないだろうか?
さらに看護師は上記の従事者数以外に潜在看護師(資格を持っているが看護師として働いていない人)が50万人以上いると言われている。
医療現場などのようなところで働き方改革を導入すれば当然より多くの職員が必要になるわけだが、病床数減少の中で看護職員や医師数が増えているのはそういうことだろうか。
働き方改革で職員が増えるのは職員や患者にとっては悪いことではないかもしれないが正規職員では経営は厳しくなる。また一人一人の給与は減ると思う。世の中複雑。
看護師は過剰気味にいるのに、介護施設では看護師の確保に苦労している。


【都道府県別看護職員数】
病院・診療所に限らず何らかの職に従事している看護職の数を人口10万対比で都道府県別に比較。

■看護師・准看護師 多い10都道府県
①高知県 1663.0人
②鹿児島県 1652.4人
③長崎県 1587.8人
④宮崎県 1584.2人
⑤熊本県 1573.4人
⑥佐賀県 1544.6人
⑦徳島県 1484.6人
⑧大分県 1453.2人
⑨島根県 1437.4人
⑩山口県 1422.4人

■看護師・准看護師 少ない10都道府県
①埼玉県 691.9人
②神奈川県 693.7人
③千葉県 710.8人
④東京都 832.8人
⑤愛知県 851.1人
⑥静岡県 863.2人
⑦茨城県 865.0人
⑧奈良県 920.2人
⑨岐阜県 934.0人
⑩滋賀県 953.8人

■保健師 多い10都道府県
①山梨県 64.4人
②福井県 64.3人
③長野県 63.8人
④島根県 63.4人
⑤岐阜県 63.0人
⑥高知県 60.3人
⑦北海道 59.4人
⑧新潟県 58.6人
⑨佐賀県 57.0人
⑩山口県 56.4人

■保健師 少ない当道府県10
①神奈川県 23.9人
②埼玉県 24.8人
③兵庫県 27.9人
④大阪府 29.1人
⑤千葉県 31.8人
⑥東京都 34.6人
⑦奈良県 35.1人
⑧茨城県 35.5人
⑨三重県 36.3人
⑩愛知県 40.1人


職に就いている看護師・准看護師の10万対比については、西高東低というはっきりとした特徴がある。
これは先日掲載した要支援・要介護認定率の高低の傾向にも通じている。


■要支援・要介護認定率の高い都道府県
 1.長崎県 22.3%
 2.和歌山県 21.7%
 3.徳島県 21.2%
 4.島根県 20.7%
 5.愛媛県 20.6%
 6.鹿児島県 20.5%
 7.岡山県 20.3%
 8.秋田県 20.2%
 9.熊本県 20.1%
10.鳥取県 19.8%

■要支援・要介護認定率の低い都道府県
 1.埼玉県 13.7%
 2.千葉県 14.1%
 3.茨城県 14.4%
 4.愛知県 15.1%
 5.静岡県 15.1%
 6.栃木県 15.4%
 7.山梨県 15.6%
 8.神奈川県 15.7%
 9.岐阜県 15.8%
10.滋賀県 16.8%







[PR]

by yumimi61 | 2017-02-26 00:29
2017年 02月 25日
父の病⑫
かつては特別養護老人ホームや介護老人保健施設にも看護職員を配置する基準はなかったが、基準が設けられたため、そうした施設でも看護師を確保しなければならなくなった。
高齢化が進む中、国は医療費の削減を目指し、医療保険から介護保険に比重を移したいと考え施策を練っている。一般病床の7:1という看護体制は減少傾向にある。
一方で介護サービスを受ける高齢者は増えて介護施設は増加している。
それでもまだまだ介護施設で働く看護師は少ない。
介護施設の約半分は看護師の確保に苦労していると言われている。

2014年(平成26年) 就業場所の割合

<資格>・・・特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、居宅サービス等で働く割合(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設で働く割合)
※保健師は看護師資格も必ず有しているが、市町村と保健所以外は主にどちらの立場で働いているのか数値からだけでは分からない。

<看護師+准看護師>・・・11.8%(5.5%)

病院 63.0%
診療所 20.7%

特別養護老人ホーム 2.5%
介護老人保健施設  3.0%
訪問看護ステーション 2.7%
居宅サービス等 3.6%

<看護師>・・・9.5%(3.8%)

病院 70.1%
診療所 15.9%

特別養護老人ホーム 1.8%
介護老人保健施設  2.0%
訪問看護ステーション 3.2%
居宅サービス等 2.4%

<准看護師>・・・19.4%(11.1%)

病院 40,7%
診療所 35.7%

特別養護老人ホーム 4.9%
介護老人保健施設  6.2%
訪問看護ステーション 1.0%
居宅サービス等 7.3%

<保健師>・・・1.3%(0.2%)

市町村 46.0%
診療所 17.0%
保健所 12.0%
病院 9.2%

特別養護老人ホーム 0.1%
介護老人保健施設  0.1%
訪問看護ステーション 0.5%
居宅サービス等 0.5%


介護施設で働く方が病院(病棟勤務)で働くより夜勤が少ない。あるいは夜勤がない。
不規則勤務がないということは就業条件としては敬遠する理由にはならないが、不規則勤務(夜勤あり)がないと給与が下がる。給与が下がるということは敬遠する理由に十分なり得る。
また不規則勤務がないと言っても施設によってはオンコール対応が多いという場合もあり、その場合には結局長時間拘束されてしまう。
しかも拘束時間全てが給与になるわけではなく、出向いた分だけが給与に反映されるというケースが多い。
また介護施設では看護師が少数しかいないため、1人で判断したりや急変時に1人で対応しなければならなくなることもある。
非常に責任が重いし、家族や他職種とのトラブルなども予想できる。

そして何より人間関係がとても難しい。
どこの職場でも人間関係の問題はあるだろう。病院にももちろんある。
しかし介護現場はさらにいろいろと大変である。人間関係を理由に離職する人も多い。
看護職、介護職、リハビリ職、相談員、、、その境目があるようなないような環境。
しかしそれぞれに専門意識があることには変わりない。

医療現場や介護現場は社会のヒエラルキーの縮図のようなところがあるし、そういう意識が持ち込まれることも多々ある。
看護師として就職したとしても介護に全く携わらないなんてことは出来ない。介護の中に医療が必要な場合があるという感じであり、病院ほど看護師として働いている観はない。
また看護職も介護職も種類がある。看護師ならば正看護師と准看護師のように。養成課程や職歴が違う。
臨床経験の有無や年数やブランクによるスキルの違いもある。
正規職員なのか時給職員・短時間勤務職員なのか、はたまた嘱託・臨時・契約社員なのかという違いもある。
看護職・介護職ともに一般企業では定年後の年齢となる人も結構いる。しかしながら学校を卒業したての若い人達も多い。
年配の新人がいたり、若い上司リーダーがいたりする。経験年数と人生経験は必ずしも一致しない。
サービスを提供する対象はすべからく高齢者である。その高齢者が年齢が近い人が良いと思うか、若い人が良いと思うか、それは人それぞれ。みな各々に事情を抱え、それぞれ固有の人生経験を積んでいるという対象者側の背景がある。
病院のような短期の付き合いではなく、長期での付き合いとなり、且つ生活に密着する。
働いている人達は仕事が仕事なだけに勤務日や夜勤交代などで不公平感や不満感を募らせやすい。
売り手市場なので簡単に離職しやすいため、それを繋ぎとめたいがために管理者(経営者)が公平な対応をしない。
人手不足だけに来るもの拒まず的な採用をするなど様々なトラブルを内包している。

さらに男性も増えてはいるが女性が多い職場であることには変わりない。介護職員の7~8割は女性。看護職員は9割以上が女性。
口数・おしゃべりが多い、グループを作りやすい、家庭との両立など、女性ならではの独特な社会が形成されやすい。女の社会ということでママ友付き合いの難しさにも通じるものがある。

言うなれば幼馴染と元彼と今彼とその友達が一つ所にいるようなものです。(違う?)






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-25 15:23
2017年 02月 24日
父の病⑫
かいご病院の入院には看護基準(看護体制)が大きく関わっているという話を何度かしてきたが、介護施設にも法的にクリアしなければならない基準がある。

医療保険を使うもの

※左から、看護基準、平均在院日数、正看護師の比率、特徴

【一般病床】・・・・看護体制と平均在院日数によって診療報酬が決まる

 7:1  18日以内  7割以上  急性期
10:1  21日以内  7割以上  急性期
13:1  24日以内  7割以上  急性期・亜急性期
15:1  60日以内  4割以上  亜急性期

【医療型療養病床】・・・・患者の医療区分とADL(日常生活動作)によって診療報酬が決まる

20:1 期間の定めなし 2割以上  重症者が多い(医療区分2と3の患者が8割以上である必要あり)
25:1 期間の定めなし 2割以上  重症者が比較的少ない(医療区分2と3の患者が5割以上である必要あり)
―25:1は暫定的に認められている看護基準であり法的には20:1―

【回復期リハビリ病床】

13:1  180日以内  7割以上  重症患者3割以上
15:1  180日以内  4割以上  重症患者2割以上

【精神病床】

10:1  40日以内   7割以上  精神救急
13:1  80日以内   7割以上  精神急性期
15:1 期間の定めなし 4割以上  精神一般・療養
18:1 期間の定めなし 4割以上  精神療養
20:1 期間の定めなし 4割以上  精神療養


介護保険を使うもの

【介護療養病床(介護療養型医療施設)】
30:1 期間の定めなし 定めなし 医療管理の必要のある要介護者の療養
―30:1は暫定的に認められている看護基準であり法的には20:1―

入居者100人あたりで常勤換算17人の看護職員が必要となる。
介護職員も常勤換算で17人必要。
医師は3人。


【特別養護老人ホーム】 
・介護職員又は看護師若しくは准看護師の総数は、常勤換算方法で、入居者:職員=3:1以上の比率で配置する。
・看護職員の数は、次のとおりとすること。
(1)入所者の数が30を超えない施設では、常勤換算方法で1人以上
(2)入所者の数が30を超えて50を超えない施設では、常勤換算方法で、2人以上
(3)入所者の数が50を超えて130を超えない施設では、常勤換算方法で、3人以上

入居者100人あたりで常勤換算3人の看護職員が必要となる。
介護職員は31人必要となる。
医師は1人(非常勤可)。


【介護老人保健施設】
看護師若しくは准看護師又は介護職員の総数は、常勤換算方法で、入居者:職員=3:1以上の比率で配置する。
看護職員の数は看護・介護職員の7分の2程度、介護職員の数を7分の5程度を標準とする。

入居者100人あたりで常勤換算9人の看護職員が必要となる。
介護職員は25人必要となる。
医師は1人(常勤)。
そのほか、リハビリスタッフ(PT/OT/STのいずれか)を1人配置する必要あり。


・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅

上記施設には法的な看護職員や介護職員の配置基準はない。サービスとして配置しているところもあるが、そういうところは当然入居一時金や月額費用が高い。
但し特定施設の認定を受けて介護保険の「特定施設入居者生活介護」というサービスが利用できる施設(介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウス、介護型サービス付き高齢者向け住宅施設)においては基準が設けられている。

【特定施設(介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウス、介護型サービス付き高齢者向け住宅施設)】
看護職員又は介護職員を、要介護の入居者:職員=3:1以上、要支援の利用者:職員=10:1以上配置する。

看護職員の配置人数は次の通り。
・利用者数が50人以下の場合は、常勤換算で1人以上配置。
・利用者数が51人以上の場合は、常勤換算で、利用者:看護職員=50:1以上配置。

介護職員の配置人数は次の通り。
・常時1人以上(但し利用者全員が要支援者である場合の当直時間帯は除く)。


夜勤について

介護保険関係施設で職員の夜勤について基準があるのは、介護療養病床(介護療養型医療施設)のみ。
1病棟に付き2人以上で、且つ入居者30人ごとに1人以上。
2人のうちの1人は看護職員でなければならない。もう1名は介護職員で可。

医療保険を使う医療型療養病棟(正看護師割合は2割でOK)も1病棟に付き2人以上の夜勤職員が必要で、2人のうちの1人は看護職員でなければならないが、もう1人は介護職員で可。

特定施設の場合は介護職員配置は「常時」1人以上ということなので夜勤時間帯も1人は必要ということになる。

基準がない施設であっても介護度の高い入居者を預かっていて夜勤者が誰もいないということはさすがにないと思うが、経営に関わることなので基準がなければ最低人数で回すことが多いだろう。つまり多くは1人。
入居者が少なければ当然1人・・・。
1人だから、容態が悪化したり問題行動を起こしている人に付いていれば、他の人には目を配れない。
救急車を呼んだりした場合には誰が付き添っていくのか?行かないのか?そもそも救急車は呼ばないのかとか、、ね?オンコール?
夜中に起きて徘徊しだす認知症の人がいるような時にも大変だなぁ。車椅子?抑制?






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-24 14:43
2017年 02月 23日
父の病⑪
老いては子に従え。
介護度落ちた日本死ね。(もうそれはいいから?)


(医療保険)
■一般病床 89.4万床
■医療型療養病床 27.1万床
■精神病床 33.6万床

(介護保険)
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床

・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅



医療保険で入院する場合には当然医療の必要性がある場合となる。
医療の必要があると判断されれば年齢や介護度問わず誰でも入院出来るが、医療の必要性はない、あるいは必要性が低いと判断されれば入院は出来ない。
尚且つ入院したとしても入院期間には非常に厳しい。

介護保険を利用する次の施設は年齢制限があり、原則要介護1以上あるいは要介護3以上と決められている。
年齢が該当していても要支援では入所の条件を満たさない。
また順番待ちをしているような状況であり、要介護者であっても総合的に優先度が低いと判断されれば入所は難しく、入りたい時にすぐに入れるわけではない。
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床

介護保険を使う上記3つの施設は法にかなり縛られている。運営は社会福祉法人や医療法人。費用的には比較的安い(下記施設よりは安いことが多い)。そのため「国営」と言われる。
それに対して下記の施設は「民営」と呼ばれることが多い。
・有料老人ホーム
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅


●「介護療養型医療施設」については前に説明したとおり、終身を前提にはしていない。
医療の必要性がなくなれば退院を求められる。平均在院期間は1年。
平均要介護度4.39

●「特別養護老人ホーム」(通称:特養や老人ホーム)は死ぬまで居られる。終身を前提として入所する。
終の棲家であるので、リハビリして自宅に戻り自立した生活を送れるようにという意識はほぼない。
だからと言うか何というか、住民票を移させる。(住所が施設所在地となる)
一端入ってしまえば後々の世話などを心配する必要はない。費用も一番安価である。だから人気が高い。
平均要介護度3.85

●「介護老人保健施設」(通称:老健)
病院と家庭の中間にあるような感じ。介護療養型医療施設との差が大してないとも言われる。
病気やリハビリで入院期間が長期となっている(退院・転院を迫られている)が、自宅での生活も難しかったり受け入れ病院がなかったりする高齢者の受け皿となっている。
リハビリなどの機能回復訓練やレクリエーションを行い、自宅で自立した生活ができることを目指している。
ということで、病状が安定し日常生活をある程度行うことができるようになったら自宅へ戻る。それが前提である。
こちらのほうが特養よりは空きがでやすい。
平均要介護度3.23


・有料老人ホーム

■「介護付有料老人ホーム」(特定施設入居者生活介護)
都道府県より特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームのみが「介護付有料老人ホーム」と名乗ることが出来る。
特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできない。
介護サービスは24時間施設常駐スタッフによって提供される。
食事や入浴や排泄など日常生活全般の介護サービス・生活サービスの提供を受けられる。
入居は要介護者を対象とした介護専用型と、要支援者や自立している人(認定を受けていない人)も受け入れる混合型がある。
経管栄養や気管切開といった医療ケア(医療行為)が必要な人でも入居できる施設が比較的多い。(しかしながら看護師が24時間常駐している施設はごく僅か)
部屋は個室、入居は終身が原則。

入居一時金は数百万、数千万、、、1億円超えのところもあり。
近年は入居一時金が必要なかったり安いところも誕生しているが、その場合には月額利用料が高めとなることが多い。(ので月額利用料もよく見ましょう)
入居一時金は入居時に30%など一部が初期償却され、残りも一定の期間内で少しずつ償却されていく。
償却期間内に死亡した場合などには未償却分が返還されるが、ある程度の期間居れば返ってくるものではない。
償却期間5年などと定められているので最初によく確認しておく必要あり(トラブル多し)。
90日以内の契約解除ならば一時金についてはクーリングオフが効く。
民間企業運営の場合には倒産なども全く在り得ないとはいえない。
介護サービスについては、介護保険1割自己負担で受けられ、介護度に合わせて1日当たりの金額額が決まっている。
その他に賃料、管理運営費、食費、水道光熱費、上乗せサービス、付加サービス、オムツ代、備品代など1ヶ月の利用料は15~50万円(~100万円)くらいかかる。
入居一時金も月額利用料も施設によって違いかなり幅がある。

昨今施設数が増え、入居にかかる費用も高いために、入居まで長期間待つということはほとんどない。
それでも入居率の全国平均は80%を超えるという。


■住宅型有料老人ホーム
入居は終身が原則。
サービスは食事の提供と緊急時の対応くらいで、施設常駐の介護スタッフによる介護サービスは提供されない。
介護が必要な人は自宅の場合と同様に訪問介護などの介護サービスを受けることは可能。(=介護保険による在宅介護サービス)
入居一時金は0~数千万と幅広い。月額費用は10~30万程度。
常駐の介護スタッフがいないため介護度の重い人の場合には外部介護サービスを頻繁に利用することになり介護保険の上限額を超えやすい。
超えた分は全額自己負担となるので、介護度の高い人は費用が必要以上にかかってしまう可能性が高い。


■健康型有料老人ホーム
自立した健康な高齢者が対象。食事サービスはあるが、その他の介護サービスはない。
健康な人が対象なので介護が必要になったら退去しなければならない。
全国でも20ほどくらいしか施設がない。


■特定有料老人ホーム
有料老人ホームのうち、次の条件を満たすもの。
1.医療法に規定する病院、老人福祉法に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム又は介護保険法に規定する介護老人保健施設に隣接した場所に設置されている。
2.定員が50人未満。
3.利用料が比較的低廉であり、かつ、入居者からは原則として利用料以外の金品を徴収しない。
これを満たせば独立行政法人福祉医療機構から融資の対象となるため、「介護付有料老人ホーム」(特定施設入居者生活介護)などに比べて利用料を安く設定でき、近くに病院や介護スタッフ・支援スタッフがいる施設があるということで住宅型有料老人ホームなどよりも安心感を売りにできる。
最近はこのタイプも多い。


・軽費老人ホーム(ケアハウス)

軽費老人ホームには、A型、B型、C型がある。
C型をケアハウスと言う。
原則個室(あるいは夫婦1部屋)で、終身前提。
民間運営の有料老人ホームに比べると安いため人気があるが、軽費老人ホーム数自体がそう多くないし、増加も顕著ではない。
C型制度が導入された以降(1990年以降)は、A・B型は新設されておらず、民間企業による特定施設型(介護型)ケアハウスへの参入によりC型のケアハウスに統合されている。
今現在9割がC型(ケアハウス)となっている。
2010年には都市型(入居定員数引き下げ、居室面積が3分の1)が運営できるように法改正された。
ケアハウスの全国定員は10万人ほどで、入居率は93%くらい。年収250万円以下の入居者が約9割を占める。入居者の半数以上は要介護者であるというのが現実で、当初の目的とは変わってきている。

■A型・B型
入居対象者は、60歳以上(夫婦の場合は、どちらか一方が60歳以上)で、身寄りがなかったり家庭の事情で家族との同居が困難な人。
その他、認知症や介護度・健康状態に基づく入居制限があり、誰でも入れるわけではない。(高齢による身体機能低下などにより日常生活に不安があるが、身の回りのことは自立して出来ることが必要)
入居後に介護が必要になった場合には、自宅の時と同様に個人で訪問介護を受けることができるが、介護度が重くなったり、医療行為が必要になった場合、長期入院した場合には退去を求められることが多い。

国が弱者救済の目的で整備を進めた施設であり公的側面が強い。
入居一時金や敷金・礼金は必要ないことが多い。かかっても10万円前後。
月々必要な費用は、生活費(住宅費・家賃)、食費、水道光熱費、事務費、管理費、冬季加算(共同スペースの暖房費)など。
月額費用額は所得に応じて決められており3~17万ほどであるが、入居者の平均は5~6万円前後である。
訪問介護(生活援助など)を受ければ別途費用が必要である。
入居条件に所得制限がある。1ヶ月あたり35万円以下であることが条件。
要するに年収約420万以下なので、年金しか収入が無い人は条件を満たす事が多い。
逆を言えば、これ以外の施設に入居して生活していくことは、年金しか収入が無く、且つ充分な預貯金や仕送りも無い人には難しいということでもある。

A型とB型の違いは食事。
A型は食事の提供あり。B型は自炊である。食費がない分だけ安くなる。
A型・B型は全般的に学生寮のようなイメージ。

■C型(ケアハウス)
1989年に制度が出来て誕生した施設。
入居対象者は60歳以上の個人(または夫婦どちらか一方が60歳以上)で、身寄りがなかったり家庭の事情で家族との同居が困難な人。これはA・B型と同じ。
但しC型は所得制限がない。そのかわりA・B型では必要ない入居一時金が必要となり、月額利用料も少し高くなる。
社会福祉法人や自治体が運営していることが多いので民間企業運営の有料老人ホームに比べたら安いことが多いが、軽費老人ホームの中では経済力がある人向けの施設である。

入居一時金は十数万から数百万。
入居一時金の支払方法としては、一括一度きり、数年分(例えば20年分)を一括納付、月々分納などがある。
月額費用は所得に応じて7~13万円程度必要となる。この部分を自治体が助成している(助成していてこの値段ということ)。

ケアハウスのなかにも自治体の特定施設入居者生活介護の認定を受けた特定施設がある。
これを通常のケアハウスと区別するため、「特定施設型ケアハウス」「介護型ケアハウス」と呼ぶ。
この特定施設型の場合には入居条件が変わる。
65歳以上で要介護1から5までに認定された者。つまり要介護認定が必要である。
通常のケアハウスでは施設による介護サービスはないが、こちらは特別養護老人ホームと同じレベルの介護サービスが受けられる。
入居一時金が高めであり(中には1000万円を超えるところもある)、月額費用も17~20万円ほどと高い。


・グループホーム

グループホームは、病気や障害などで生活に困難を抱えた人が少人数グループとなり、専門スタッフやボランティアの援助を受けながら住宅で生活する形態。
施設でなく住居であるということに重点を置く。
障害者や精神疾患患者を対象としてスタートした。
日本において介護保険関係でグループホームと言えば「認知症高齢者グループホーム」のこと。
「認知症高齢者グループホーム」の入居条件の1つは要介護認定。
要支援2から要介護5までの人は利用可能。但し要支援2の人は「介護予防」の指定を受けているグループホームでないと利用できない。
要支援1は利用不可。

ユニット型住居(個室に共同スペース)。1ユニットの定員は5~9人。ユニットの数が2以下であること。
入居一時金に数十万~数百万、月額費用は15~30万程度。

昨年夏、岩手県で台風による水害により高齢者施設の入居者が犠牲になってしまったが、あれがグループホームだった。
グループホームは木造平屋建、つまり住居を意識している。入居者は9名だった。
そのすぐ後ろにも建物があったが、あれは介護老人保健施設。鉄筋コンクリート3階建。こちらは上の階に非難させ全員無事であったそうだ。
川沿いという非常に危険な場所にあり、あの時は「今までにない雨風」とニュースや天気予報で散々予報を出していたので、避難準備情報の意味が分からないにしても事前に(昼間の内に)どうにかならなかったものかと悔やまれる。(入居者9人では夜勤は1人で担当)
上に書いた特定有料老人ホームのところで、隣接する場所にあるので安心感を売りにできると書いたが、実際問題隣接しているだけでは・・ということもある。


・サービス付き高齢者向け住宅

入居対象者は60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者。
自立している人でも要支援者でも入居可能。
それもそのはず、早い話、賃貸住宅である。
もう少し丁寧に言えば、高齢者であっても契約しやすい(とはいっても連帯保証人は必要)、高齢者が生活しやすいように出来ている賃貸住宅である。
その代わりと言っては何だが、一般的な賃貸住宅より家賃は高い。
賃貸住宅なので個室は当然のこと、トイレ・キッチン・バスは部屋に付いている。
病気を持つ人や認知症の人は受け入れ条件がそれぞれ違うため入居可能か施設に確認する必要がある。

入居一時金はなく、敷金として初期費用が必要なことが多い。
敷金は退去後修繕にかかる費用を除いて残れば返還される。
敷金は無し~数百万。月額費用(主に家賃)は10~30万円。

サービスとあるが提供されるサービスは何かと言うと、安否確認と生活相談、緊急対応など。
「サ高住」「サ付き」とも呼ばれるが、短縮すれば良いというわけではないの典型!?
介護保険の訪問介護サービスは受けられる。(費用は別途)
介護度が重くなると生活は困難となる。

サービス付き高齢者向け住宅にも、介護付有料老人ホームや介護型ケアハウス同様に特定施設入居者生活介護の認定を受けた施設がある。
その施設では介護職員による食事・掃除・洗濯の生活援助、介護職員や看護師による入浴・食事・排泄などの介護などが受けられる。
この場合には入居一時金が必要なことが多く、月額費用も高くなる。

特定施設入居者生活介護の認定を受けた、介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウス、介護型サービス付き高齢者向け住宅施設では、サービスはどれも似たようなもので、全て介護付き有料老人ホームの範疇に入る。









[PR]

by yumimi61 | 2017-02-23 12:07
2017年 02月 21日
父の病⑩
介護度落ちた日本死ね

とでも書けば良かったんだろうか?

がんと診断され状態が悪くなる中、「末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれる」にも関わらず、父の介護認定は上がるどころか要支援2から要支援1に下がった。

父が要支援2で受けていた介護サービス
 ・介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
 ・歩行車レンタル

介護サービスの何をどう使うかは、個々の問題を解消し課題を克服できるように、ケアマネージャーが本人や実際にサービスを提供する事業所と相談の上、ケアプランを作成して決定する。
介護保険には支給限度額が決められているので保険内で行えることは自ずと決まってくるが、目いっぱい使わなければならないということでもない。

要介護状態  支給限度額(単位) 自己負担限度額(円)
要支援1      4万9,700        約4,970
要支援2     10万4,000        約1万400
要介護1     16万5,800        約1万6,580
要介護2     19万4,800        約1万9,480
要介護3     26万7,500        約2万6,750
要介護4     30万6,000        約3万600
要介護5     35万8,300        約3万5,830
※1単位=1円
※1ヶ月あたりの限度額

要支援2だった父は月額自己負担1万400円までは介護保険でサービスが受けられた。
介護保険でのサービスは本人1割負担である。
どんなにお金を出すと言っても介護保険における(1割負担による)介護サービスはこれ以上は受け付けないが、全額(10割)自己負担すれば可能なサービスもある。

介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)が要支援者対象のもの。
ホームヘルパーが自宅を訪問してくれて、身体介護や生活援助(家事援助)などを行ってくれる。
要介護者対象のものは身体介護と生活援助を分けているが、要支援者対象のものは区別がない。(要支援者の場合は身体介護は少ない)

訪問介護の料金は下記の通り。
e0126350_1343978.jpg

e0126350_12382958.jpg

出典:厚生労働省 訪問介護(ホームヘルプ)

※基本料金は上記の通りだが、介護職員処遇改善加算や地域加算などもあるので、自己負担額ももう少し上乗せされる場合もある。東京23区などは地域区分によって若干高くなる

明確に回数が決められているわけではないが、要支援1だと週2日まで、要支援2だと週3日までと言われる。1日(1回)の訪問時間は45分。
要支援2の父は介護予防訪問介護に3日入ってもらっていた。
その他、屋外用(庭用)の歩行車をレンタルしていた。座れるようになっているタイプなので歩いて行って苦しくなったら座ることが出来る。
訪問と歩行者レンタルで自己負担額は1ヶ月5000円弱程度だったと思う。
要支援2の上限(月額自己負担)1万400円までなので全額を使っているわけではない。
残りはデイサービスやショートステイに充てることが出来るが、父は使ったことはない。

ちなみに母もクモ膜下出血後に介護認定を受けて要支援2となった。今も変わらず要支援2である。
母も介護予防訪問介護に3日入ってもらっていたので、父3日と母3日で実家には週6日ほどヘルパーさんが来てくれていた。
母はそれにプラスして、ベッドサイドに手すりをレンタルしている。またデイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリ)に通所していたこともある。父が検査入院した時にはショートステイのお世話にもなった。
介護予防訪問介護やデイサービス・デイケアとショートステイが同じ月にあると、介護保険内では収まらなくなるし、ショートステイも食事代などは全額自己負担である。


昨年夏に要支援2から要支援1になった父は、介護保険で入れる訪問が週3日から週2日になった。
介護度が下がったことは不思議だったが、だからといって暴れるわけにもいかない。
減った分は自費サービスを利用した。
介護度が上がるべき状態で上がらないことが一番問題になるのが、要支援か要介護かの違い(要支援2と要介護1の違い)である。
(父の場合は要支援2で現状維持でも問題であったが、それどころか下がった)

要支援と要介護の何がそんなに違うのか。
それは施設入所である。

介護保険を利用する施設
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床


これらの施設は原則要介護1以上、あるいは要介護3以上と決められている。
要支援では入所の条件を満たさない。
仮に満たしたとしても、「要介護度」「介護の必要性」「介護者の状況」「待機期間」「資産や収入額」などから総合的に判断し入所が決定するのだから、優先順位はかなり低くなってしまうだろう。
常時何十人何百人待ちしている施設に、要支援の人、介護度が低い人がすんなり入れるわけがない。






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-21 13:01
2017年 02月 20日
父の病⑨
動くと苦しくなる(苦しくて動けない)という特徴を持つ疾患を患っていて、肺気腫による呼吸器機能障害3級であった父の要介護認定の結果はどうであったかというと、要支援であり要介護になったことはない。

下記は先日書いたものだが、要介護度は要支援1から要介護5まで7段階ある。要介護5が一番介護を必要とする人。

介護保険では指定の介護サービスを1割自己負担で受けられるわけだが、①がその費用(自己負担分)である。
介護サービスは何でもかんでも希望するものを受けられるわけではなく、介護度に応じてサービスや金額は決まっている。
逆を言えば、どんなにお金を出すと言っても、介護保険における介護サービスはこれ以上は受け付けないということである。

要介護状態  支給限度額(単位) 自己負担限度額(円)
要支援1      4万9,700        約4,970
要支援2     10万4,000        約1万400
要介護1     16万5,800        約1万6,580
要介護2     19万4,800        約1万9,480
要介護3     26万7,500        約2万6,750
要介護4     30万6,000        約3万600
要介護5     35万8,300        約3万5,830
※1単位=1円
※1ヶ月あたりの限度額



【要介護度の決定まで】
①要介護認定を受けるためにはまず居住地の市町村に申請書を提出する。
②申請書が出されると、市町村の職員や市町村から依頼された介護支援専門員(ケアマネジャー)が家庭や施設、病院などに申請者を訪問し、全国共通の調査項目にそって日頃の心身状態などの聞き取り調査を行う。
③調査票の内容を元にコンピュータによって判定が行われる。⇒一次判定
④主治医から意見書をもらう。
⑤一次判定や主治医の意見に基づき、どれくらいの介護が必要かを介護認定審査会(保健医療福祉に関する学識経験者5~6人で構成)が判定する。⇒二次判定(7段階の介護度決定、あるいは非該当となる)

●申請から30日以内に市町村から認定結果が届く。
●認定は無制限に有効ではない。新規認定の場合の有効期限は6ヶ月。変更申請での認定も6ヶ月。更新申請の場合は12ヶ月。有効期限を経過すると介護サービスを利用できなくなるので、継続して介護サービスを利用する人はその都度更新申請する必要がある。


父は長いこと要支援2であった。
病気の程度や医療の必要性と要介護度は必ずしも一致しない。リンクしていないと考えたほうが良いかもしれない。

要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

[例]認知症の進行に伴って、周辺症状が発生することがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする周辺症状のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に認知症の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の周辺症状は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

厚生労働省 要介護度認定はどのように行われるか より>

ではこの高齢化時代にどれくらいの人が介護認定(要支援・要介護)を受けているか?
認定率の全国平均値は17.6%である。
(認定率=介護保険第1号被保険者の要介護認定者数/介護保険第1号被保険者数) 
(介護保険第1号被保険者とは65歳以上の者)

簡単に言えば、65歳以上の17.6%の人が要支援・要介護の7段階の認定のいずれかを受けているということ。
65歳以上の17.6%でしかないと考えるか、17.6%もいると考えるかは人それぞれといったところか。
ちなみに要介護だけならば全国平均値は12.7%である。

■要支援・要介護認定率の高い都道府県
 1.長崎県 22.3%
 2.和歌山県 21.7%
 3.徳島県 21.2%
 4.島根県 20.7%
 5.愛媛県 20.6%
 6.鹿児島県 20.5%
 7.岡山県 20.3%
 8.秋田県 20.2%
 9.熊本県 20.1%
10.鳥取県 19.8%

■要支援・要介護認定率の低い都道府県
 1.埼玉県 13.7%
 2.千葉県 14.1%
 3.茨城県 14.4%
 4.愛知県 15.1%
 5.静岡県 15.1%
 6.栃木県 15.4%
 7.山梨県 15.6%
 8.神奈川県 15.7%
 9.岐阜県 15.8%
10.滋賀県 16.8%
(群馬県は11位で16.9%、東京都は14位で17.4%) 

認定率が低いのは関東圏である。上位3県は関東であり、関東の1都6県は全て全国平均値以下である。
ではここから何が言えるかということはなかなか難しい。
どこに有意差があって、どこに有意差がないのか、これだけでは分からない。
介護認定制度の認知度、あるいは申請の頻度に都道府県の差があるのかどうか。(上記のパーセンテージは認定者/申請者ではない)
コンピューター判定などを取り入れ公平に努めているとはいえ、最初の聞き取り調査や最終的な認定は人間が行っており、しかも全て同じ人間が担当しているわけではないから、比較のための条件が揃っているとは言いきれない。
また高齢になるほど援助が必要になるのは当たり前のことなので、「65歳以上」という同一の条件であっても、65歳以上の中に高齢者が多くいるほど認定率が高くなることは予想できる。
介護度認定と同居の有無は直接関係はないが、審査に携わる専門家(市町村職員、介護支援専門員、医師、学識経験者)にバイアスが全くかからないとは言えないと思う。
実際の運用面から見れば生活援助は同居の家族が居る場合には受けられない。
施設入所なども同居家族がいる場合には優先順位が低下したり収入限度額の関係で安いところには入れないなどといったことはある。

e0126350_14273335.jpg

出典:WAM NET 独立行政法人 福祉医療機構



第一次判定での要支援2と要介護1の要介護状態は同じである。
では2つを分けるのは何か?
e0126350_14492432.gif

出典:厚生労働省 同上


要介護1に該当する(予防給付が適さない)のは次の人。
 ・心身の状態が安定していない者
 ・認知症等により予防給付の利用に係る適切な理解が困難な者

厚生労働省のホームページには具体的な説明がある。

予防給付の適切な利用が見込まれない状態像は、以下のように考えられる。

(1) 疾病や外傷等により、心身の状態が安定せず、短期間で要介護状態等の再評価が必要な状態

・脳卒中や心疾患、外傷等の急性期や慢性疾患の急性増悪期で不安定な状態にあり、医療系サービス等の利用を優先すべきもの 。
・末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれるもの等。

これらの状態の判断は、運動器の機能向上のためのサービス等、個別サービスの利用の適格性に着目して行うのではなく、要介護状態が変動し易いため予防給付そのものの利用が困難な事例が該当すると考えられる。

(2) 認知機能や思考・感情等の障害により、十分な説明を行ってもなお、予防給付の利用に係る適切な理解が困難である状態

・「認知症高齢者の日常生活自立度」が概ねⅡ以上の者であって、一定の介護が必要な程度の認知症があるもの。
・その他の精神神経疾患の症状の程度や病態により、予防給付の利用に係る適切な理解が困難であると認められるもの。



父は1年に一度介護認定を更新していて、昨年8月が更新時期だった。
肺がんと診断され、放射線治療を受けたのが昨年の5~6月。
呼吸機能が良くないために治療は不可能と言われ、父もそれを受け入れ積極的な治療は希望しなかった。
当初は放射線治療も呼吸機能を落とすだけなので出来ないと言われた。
それでも僅かな望みをかけてということで定位放射線治療を勧められ、その後は全て各病院の医師の指示に素直に従ったまでのこと。
結局定位放射線治療は受けることが出来ずに、当初出来ないと言われた放射線治療を行う結果になった。
「放射線治療の副作用が出るとしたら3ヶ月後くらいからだと思う」と放射線治療を行った医師は言っていた。
そうであるならば8~9月頃から副作用が出る、つまり容態が悪くなっていく可能性があるということである。

そうでなくともがんと診断されてからの父は体調が思わしくなかった。
がんが見つかるまではそれまでと変わったところはなく、がんが疑われた時にも父は「なんの症状もない」と言っていた。
肺気腫で在宅酸素療法を行っていたこともあって父は1ヶ月に1回欠かすことなく病院を受診していたが、定位放射線治療が問題なく出来るほどがんが早期に発見されることはなかった。
7~8cmの悪性腫瘍が肺にあるという宣告は周囲が思う以上に父を苦しめたと思う。
すぐに食欲不振や不眠を招き、混乱して記憶力の低下や同じことを何度も言うようなことが見られた。急激だった。
「頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃった」とか「うつになっている」など混乱を何度か口にした。
認知症ではなくてショックで認知能力が下がってしまった状態、父が自分で言うように老人性うつに近い状態だったかもしれない。

しかしながら驚くべきことに、8月の介護認定の更新で父の等級は下がったのである。
要支援2から要支援1になった。

父の状態は厚生労働省が示す予防給付に該当する状態にはなかった。状態維持や改善可能性は低い。予防給付(要支援)ではなく介護給付(要介護)に移るべき状態に相応しい。

・末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化が見込まれるもの等。

しかし結果は全く違って逆行したのである。














[PR]

by yumimi61 | 2017-02-20 14:33
2017年 02月 18日
父の病⑧
私は高校卒業後に一人暮らしを始めたので、父と一つ屋根の下に暮らしたのは10年あまりのことである。
そして多くの若者がそうであるように、家を出てから長男が誕生するまでの期間(私の場合は9年ほど)は実家に帰ることはそう多くなかった。

父の定年は、長男(1995年生まれ)と次男(1997年生まれ)の誕生の間にあった。
子供の成長に一喜一憂しながら慌ただしく流れる日々。
父の身体の変調や定年を迎えての心の変化に思いを馳せる余裕はなかった。
父がいつ病院を受診して、どんなふうに父の呼吸機能が悪化していったのか、実のところよく分からない。
禁煙をしたのかいつだったか、在宅酸素療法を始めたのはいつだったろうか、障害者認定を受けたのはいつのことだったろうか、思い出してみたが明確な記憶はまるでなかった。

父が亡くなった後に障害者手帳を見てみたら、「平成10年1月23日交付」とあった。
「肺気腫による呼吸機能障害3級」の認定を受けている。
1998年1月23日。次男が1997年4月生まれなので1歳前のことだ。
父が定年退職したのは1996年60歳の時だったと思うので、退職から2年で障害者認定を受けていることになるが、ということは在職中から呼吸が苦しかったのだろうか。
咳や痰は結構昔からあったが父は元気だった。私は元気な父しか知らない。
晩酌をし、休みの日にはあちこち出掛け、温泉に頻繁に通い、カラオケをした。山菜やキノコ採りをしたり山野草を愛した。飛行機に乗って海外旅行にも何度か行った。
定年間近でもそんな感じだったように思う。
いつからそんなに呼吸が苦しかったんだろう。
私の子供達が少し大きくなってからだって、ちょっとした山や公園に連れて行ってくれたり、バーベキューをしたり、温泉に一緒に行ったり。あの頃はまだ在宅酸素療法はしていなかった。
ゲートボールをしていて大会に出たりもしていたけれど、あの頃はもう酸素を吸っていたろうか。

煙草について言えば、私が子供産んで里帰りした時にはすでに父は煙草を一切吸っていなかった。
つまり肺がんが発見されたのは、禁煙して20年以上も経過してからのことになるのだ。



【障害の種類と等級】
 種類             等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級
・視覚(目の不自由な人)      〇  〇  〇  〇  〇  〇
・聴覚(耳の不自由な人)      /  〇  〇  〇  /  〇
・音声言語(発語に障害)      /  /  〇  〇  /  /
・肢体(四肢に障害)         〇  〇  〇  〇  〇  〇
・内部                  〇  ※  〇  〇  /  /
 (呼吸器、心臓、腎臓、膀胱、直腸、小腸、肝臓に障害、AIDS)

/は単独障害での該当はなし。聴覚と言語など障害が重複した者はその等級(上位級)になることがある。
※の内部障害は2級は存在しない(重複の場合も)。


【内部障害(呼吸器機能障害)の場合】
1級 呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級  ※
3級 呼吸器の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 呼吸器の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの
5級  /
6級  /


【内部障害(呼吸器機能障害)の認定基準】
1級 呼吸困難が強いため歩行がほとんどできない者
    呼吸障害のため指数(予測肺活量1秒率)の測定ができない者
    指数(予測肺活量1秒率)が20以下の者
    動脈血酸素分圧が50Torr以下の者

3級 指数(予測肺活量1秒率)が20を超え30以下の者
   動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下の者
   又はこれに準ずる者

4級 指数((予測肺活量1秒率)が30を超え40以下の者
    動脈血酸素分圧が60Torrを超え70Torr以下の者
    又はこれに準ずる者



前に医療保険を利用する医療型療養病床(高齢者とは限らない)について書いた。
医療区分とADL(日常生活動作)区分によって入院点数(基本料)が決まるタイプの病床である。
療養病床は法的な入院期間の縛りはないが、3ヶ月を目安に退院や転院を勧められる。

(医療保険)
■一般病床 89.4万床
■医療型療養病床 27.1万床
 ←これ!
■精神病床 33.6万床

(介護保険)
●介護療養病床(介護療養型医療施設) 6.1万床 ・・・廃止が決定してから5~6万床減少した。
●特別養護老人ホーム 54.1万床
●介護老人保健施設 36.2万床



医療型療養病床の医療区分3には酸素療法患者も含まれている。
・酸素療法を実施している状態 (安静時・睡眠時・運動負荷いずれかでSaO290%以下。常時流量3L以上を必要とする状態、心不全状態(NYHA重症度分類のⅢ度又はⅣ度)、肺炎等の急性増悪で点滴治療を実施している状態(実施から30日間)に限定。それ以外は区分2)


障害者の認定基準にある「動脈血酸素分圧」はPaO2という。
医療区分にあるSaO2は「動脈血酸素飽和度」のことで、「動脈血酸素分圧(PaO2)」と「動脈血酸素飽和度(SaO2)」は酸素解離曲線で表されるので、どちらかが分かれば片一方が分かるということになるが、「動脈血酸素分圧(PaO2)」も「動脈血酸素飽和度(SaO2)」も血液ガス分析をしないと数値が出てこない。
簡単には調べられないということ。
それを簡単に調べられるようにしたのが、経皮的動脈血酸素飽和濃度(SpO2)である。
「動脈血酸素飽和度」とは血液中(動脈)のヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを示しているわけだが、経皮的とあるようにSpO2 はパルスオキシメータという簡易装置を用いて測定できる(指先などを挟んで測定)。
要するにSaO2=SpO2であるので、これが分かれば「動脈血酸素分圧(PaO2)」も推測できるという仕組みである。

e0126350_15223015.png

出典:ナースプレス(ナース専科) 心不全と呼吸不全のアセスメント 酸素化の指標


臨床的には、SaO2(SpO2)が96%以上なら正常値、95%未満は呼吸不全の疑いあり、90%未満は酸素療法の適用ということになる。
但し肺疾患を患って長い人や高齢者などは、SaO2(SpO2)が90~95%の呼吸不全疑い状態であっても、呼吸苦を感じることなく日常生活を送れる人もいる。徐々に低下してきたような場合。
マラソン選手などが酸素の薄い高地でトレーニングすることがあるように、ある程度の低酸素に適応していく場合もある。

障害3級に当てはまる「動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下の者」とは、「SaO2(SpO2)が85~90%の者」と言い換えることが出来る。
それはすなわち医療区分3の「安静時・睡眠時・運動負荷いずれかでSaO2が90%以下」にも当てはまってしまう。
つまり結構大変な状態である。酸素療法が必要。
父は定年から2年後にはこの状態にあったということになる。

実家にはパルスオキシメータがあって父は時々測定していたが、酸素療法を行っている状態での安静時は98~99%くらいであった。常時流量2.5Lだった。
肺繊維症や肺気腫での慢性呼吸不全の患者は歩行や動作時にPaO2やSaO2が大幅に低下する傾向が顕著であって、父もそうであった。動くと苦しくなるのである。






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-18 13:50
2017年 02月 17日
父の病⑦
先日2月14日の夕方から夜にかけて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のことと煙草やアスベストについて書いた。
ちょうどその日、実家でもアスベストのことが語られていたということを昨日母から聞いた。
所用があってケアマネジャーさんが母を訪問してくれたのだが、その時にケアマネジャーさんが父の事を離してくれたのだという。
「私は肺の病気と言えば煙草だとばかり思っていたけどそれだけではないんだってね」と母。
ケアマネジャーさんは父にアスベストの健康被害申請をしてみたらどうかと勧めてくれたことがあったらしい。
そのとき父は「世話になった会社だから、そんなことは出来ないよ」と言ったそうだ。
「らしいでしょ」とケアマネージャーさんは母に話してくれたんだとか。
肺の病の原因の可能性が煙草だけにあるわけでないことを父が知っていたことは私も知っているが、それについて深く話したことはなかった。

アスベスト(石綿)
石綿は生活のあらゆるところで使用されてきました。石綿の用途は3000種といわれるほど多いのですが、大きくは石綿工業製品と建材製品に分けられ、その8割以上は建材製品です。
石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。
また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的で使用されてきました。

石綿は、石綿セメント製パイプ状製品として煙突や排気管などの低圧管と上下水道用高圧管に使用されていました。
また、タンクやパイプラインなどを接続する際の継ぎ目からの液体もれを防止するためのシール材としてパッキングやガスケットなどに使用されています。
この他、石綿は、ブレーキライニングやクラッチフェーシングと呼ばれる摩擦材などにも使用されていました。

独立行政法人 環境再生保全機構 アスベストはどのような場所で使用されていたか?より>



アスベストが肺癌の原因となる可能性があることは1938年にドイツの新聞が公表した。ドイツはすぐに対応し、アスベスト工場への換気装置の導入、労働者に対する補償を義務づけた。しかし、戦時中の研究は第二次世界大戦後無視されていた。

空気中の大量のアスベストが人体に有害であることを指摘した論文はすでに1964年の時点で公開されている(水道水には通常、大量のアスベストが含まれているが無害であると言われている)。
アスベストの製造物責任を世界で最初に追及されたのは、世界最大のアスベストメーカーであったアメリカのジョンズ・マンビル社である。1973年に製造者責任が認定されると、類似の訴訟が多発し、1985年までに3万件に達した。マンビル社自体も1981年の段階で被害者への補償金額が3,500万ドルを超えた。更に同社だけで2万件近い訴訟の対象となり、最終的な賠償金の総額が20億ドルに達することが推定できた。このため、同社は1982年に連邦倒産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請し倒産した。このような動きを受け、世界的にアスベストの使用が削減・禁止される方向にある。


(日本では)2005年にアスベスト原料やアスベストを使用した資材を製造していたニチアス、クボタで製造に携わっていた従業員やその家族など多くの人間が死亡していたことが報道された。クボタについては工場周辺の住民も被害を受けているとの報道もあった。
その後も、造船や建設、運輸業(船会社、鉄道会社)などにおける石綿作業者の健康被害が報じられ、2005年7月29日付けで厚生労働省から平成11年度から16年度までの間に、全国の労働基準監督署において石綿による肺癌や、中皮腫の労災認定を受けた労働者が所属していた事業場に関する一覧表が公表された。

アスベストによる健康被害は労働者だけではなく、その家族やアスベスト関連事業所周辺の住民にも被害が及んでいた疑いも持たれ、近隣住民の被害、政府の規制遅れが大きな問題となっていた。2005年8月26日、政府は関係閣僚会議を開き、アスベスト健康被害者救済の特別立法制定を正式に決定した。

建造物の中に含まれたアスベストは、将来解体されるときに排出されることになる。環境省では、建築物の解体によるアスベストの排出量が2020年から2040年頃にピークを迎えると予測している。年間100万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、その対応を懸念する声もある。

アスベストは建造物を解体しない限り危険性はないと言われる(普通、アスベストを含んだ建材は粉砕しないと空気中には飛散しない)「尼崎市保健福祉局」「WHO」。アスベスト吹き付け工事直後や解体工事時には多量のアスベストが飛散する恐れがあり、一連のアスベスト騒動で心配になったからといって、性急に除去工事を行うことはリスクを増大させる恐れがある。学校・病院等公共建造物ではアスベストの撤去作業を進めているが、解体作業者の安全性を考えると、アスベストを撤去した方が安全なのか、そのまま撤去しない方が安全なのか議論の分かれるところである。学校等の解体作業者が将来20~40年後中皮腫になる事についての懸念が持たれている。

災害で壊れた建物のアスベスト被害が確認されている。
アメリカ同時多発テロ事件 - 2001年(平成13年)9月11日発生
阪神・淡路大震災 - 1995年(平成7年)1月17日発生
東日本大震災 - 2011年(平成23年)3月11日発生 



父は前橋の設備会社に定年まで勤務していた。
学校、病院、温泉施設、旅館やホテルなど、そうした公共施設の設備を多く扱っており、建設や増改築、解体などといった現場に無縁ではなかったし、当然排気管や上下水道用高圧管なども扱っていた。

父と母が出会いもその会社がなければなかった。
父の同僚の奥さんが母の知り合いだったのだ。
その人を介して父と母は会って結婚した。
それともうひとつ縁と言うか何と言うか、父の前妻が亡くなった日は8月14日なのだが。私は8月15日生まれである。
前妻は病弱だったらしいが父は優しくしていたらしい。
母が父と結婚した理由は優しい人だったからだそう。









[PR]

by yumimi61 | 2017-02-17 17:46
2017年 02月 17日
ほしはいつつのてんでえがく
私は以前、「ほしはいつつのてんでえがく(星は5つの点で描く)」という言葉を夢で聞いたことがある。
そのことは前にも書いたことがあるのだが、昨日の夜「VXガス」でひらめいた。

「V」「X」をローマ数字と考えれば、5と10!
星は五つのtenで描く・・・「いつつのテン」は日本語と英語!?

しかしローマ数字にVX(5・10)という並びは在り得ない。
510ならばDXで表される。
50ならばLで表される。
51ならばLIで表される。
ローマ数字で表せることが出来るのは3999までで4000以降は表現できない。

X 10
L 50
C 100
D 500
M 1000

ローマ数字で「L」は50なので、「LOL」に当てはめれば「50・O・50」。
アラビア数字では「0」(零)に「O」を用いてきた歴史もあるが、ローマ数字にはそもそも「0(零)」を表す表記が存在していない。
「L」ひとつで50と表せるわけだが、仮に「5・10」で「ごじゅう(50)」としよう。
「5・10」にそれぞれローマ数字を当てはめれば「VX」である。

「O」はアルファベットの15番目。
「O」は座標の原点。座標の原点は「0」ではなくて「O」。振りいれた数字の起点としては0(零)でもよいが、X軸やY軸に対応する原点はOということである。Originという単語の頭文字をとっている。
「O」は酸素の元素記号でもある。

15をローマ数字で表せば「XV」となり、VXの逆となる。
仮に1と5という数字そのままにローマ数字を当てはめれば「IV」であるが、ローマ数字でのIVは4である。
ローマ数字は減算則に則る。ある場合においては右側から左側を引くのである。IVがそうである。V(5)-I(1)=4である。
IX(9)なども同様である。X(10)-I(1)=9






[PR]

by yumimi61 | 2017-02-17 09:25