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機宜*53

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ドクターヘリで救助できる確率とドクターヘリが落ちる確率


一部の人には大絶賛され、一部の人には嫌疑懐疑の目を向けられ、多くの人は見たことすらないドクターヘリ。

ドクターヘリの長所と短所を簡単に説明しておこう。

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[長所]

・自動車より速度が出る。

・空を飛ぶので渋滞や信号の影響を受けない。細い道でスピードが出せないということもない。


[短所]

・有視界飛行であるために夜間は飛べない(出動できない)。濃霧や雷雨、台風の時も飛べない。
 現在「PM2.5」が流行っているが大気汚染がひどくなった時も飛べないかもしれない。

・強風時も飛べない。(群馬県ドクターヘリ運航開始式に予定されていたデモフライトは強風のため中止だった)

・どこにでも着陸できない。着陸に適した地形、着陸できるだけのスペース、着陸するための許可が必要。

・有視飛行なのにパイロットが1人しか乗っていない。
 飛行中にパイロットに緊急事態(急病など)が発生した場合、搭乗者全員の命が危ない。
 ヘリが地上に落下すればさらに被害は拡大する可能性がある。

・燃費が悪い。

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こうして見てみると分かるが、ドクターヘリが自慢できるのは飛行スピードくらいなのである。
だからこんなことになる。目指すはやはりF1か。




命の格差

先日、昨年末の衆院選をめぐる「一票の格差」訴訟で札幌高裁が違憲判決を出したが、ドクターヘリ推進派の方々はこの「一票の格差」を悪用している。
「命の格差」があるというのだ


「一票の格差」
議員1人当たりの有権者数が選挙区によって違うこと。
有権者数が少ない選挙区ほど1票の価値は大きくなり、有権者数が多い選挙区ほど1票の価値は小さくなる。
その不平等さを問題にしたもの。法の下の平等に反するとして訴訟が行われている。


義務教育である公立小中学校にも格差がある。レベルではなく人数の話だ。
現代の田舎の学校なんて望まなくても「少人数学級」が実現されている。
僻地に行けば「マンツーマン」並。
これだって法の下の平等に反している。

児童生徒数の多いところに教師を増やす。または学校を統廃合して調整する。
これが「一票の格差」是正に倣った是正方法である。

学校を統廃合するとより遠くの学校へ通わなければならない子供が出てくる。それは個人の負担となる。
通学距離が長ければ長いほど命の危険性は高まる。
しかし法の下の平等の元にはそれはもう仕方のないことである。
個々で対策を取るしかなくて、それがどうしても嫌ならば転居するしかない。

「命の格差」は、児童生徒の通学距離や教師の通勤距離が違うことが不平等であると言っているのと同じ。
その不平等の改善にヘリコプターを飛ばすと言っているのだ。
私立が自費でやるならばともかく、公費を使って優先的にすることだろうか。



ドクターヘリの出動実績から見えること

群馬県のドクターヘリチームが素晴らしいサイトを作っているので活用させてもらおう。群馬県のドクターヘリの出動実績

◆出動回数

2012年度は706回出動している。(補助金算定における想定の400回を超えている)
そのうち82回(約12%)は出動後にキャンセルされたものである。
キャンセルは出動後に予想より軽症であることが判明した場合か、出動後に死亡が確認された場合であろう。
ドクターヘリの出動要請は素人の一般人が行っているわけではなく、消防本部や現場に駆け付けた救急隊員、病院の医師(病院間搬送)が行っている。
少しも間違いがないとは思わないが(とはいえミスが許されない職業である)、専門的な立場から見れば、思ったよりも軽症だったというよりも要請出動後に死亡してしまったケースが多いと考えるのが普通。だと思った。
ところが、キャンセル率が低くくてがっかりしている!(群馬県のドクターヘリスタッフブログ
え?・・・キャンセルリツガヒクスギル・・・・

つまりは、アンダートリアージ(重症な人を軽症と判断してしまうこと)をなくすために、重症と疑ってかかれということである。
出動回数は当然増える。
救急車を安易に呼ぶことが全国的に問題になっているが、ドクターヘリはそれを容認するというわけだ。
救急車は一般の人が誰でも要請できるがゆえに、その問題もなかなか難しい。
無料であることを悪用するモンスターペイシェントもいれば、専門家が見れば大したことなくても本人や家族にとっては一大事ということも多々ある。(救急車については後述する)

ドクターヘリは「防ぎ得た死」(防ぐことが可能だった死)ゼロを目指しているという。
でも穿ってみればこんな風にも考えられる。
ドクターヘリの救命率を上げるには、機内や病院で死亡が確認されるよりもヘリに乗せる前に死んでくれたほうがいいということになる。
「死がヘリに乗るのを防ぐ」ことがキャンセルとなりドクターヘリ救命率アップに繋がる。
(救急車は死んだ人を乗せないという噂がありますが乗せることはあります。)


誤解されないように言っておくけれども、私はドクターヘリチームが死を望んでいるということを言いたいわけでは決してない。
効果を強調したい場合には、統計資料を上手く使って丸め込むことが往々にしてあるということを知ってもらいたいのである。


◆消防本部別要請数

要請数が多い順 (  )内は該当地区の人口数  〇内は人口の多い順番
1.前橋市    (約340,000人)
2.吾妻広域    (約63,000人)
3.多野藤岡広域 (約73,000人)
4.桐生市    (約176,000人)⑤
5.渋川広域    (約104,000人)⑦
6.高崎市等広域(約433,000人)
7.太田市     (約247,000人)
8.利根沼田広域 (約92,000人)⑧
9.館林地区    (約145,000人)⑥
10.伊勢崎市  (約237,000人)④
11.富岡甘楽広域 (約79,000人)


ドクターヘリ要請数が多い理由として一般的に考えられるのは2つ。
・人口が多い。
・県の都市部から離れていて救急病院が近くにない。
 (群馬県の人口の多い市トップ3は、高崎市、前橋市、太田市)(県庁所在地は前橋市)

上記ドクターヘリ要請数を見るかぎり、どちらの理由にもそのまま当てはまらない(比例していない)。



◆ドクターヘリの怪(1)

群馬県のドクターヘリの出動実績を異様に感じるのは前橋市と吾妻広域の出動要請数が突出していることである。
特に驚くのは前橋市。
前橋市は県庁所在地であり、県内2位の人口を誇る市である。
そして現在、県内にある4つの第三次救急医療機関のうち、2つは前橋市内にある。
第二次救急医療機関も13ある。
前橋市内から自家用車でこれらの病院へ行く場合の所要時間は、渋滞していなければかかっても30分程度だろう。(但し、赤城山からでは1時間くらいかかる)
救急車ならばさらに時間は短縮できるはずだ。
第三次救急医療機関に一番近く環境に恵まれているはずの市が何故一番ドクターヘリを必要とするのか?


by yumimi61 | 2013-03-09 19:15