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機宜*54

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昨日の続きになります。

◆ドクターヘリの怪(2)

群馬県でドクターヘリの要請が多い地域は、前橋市と吾妻広域である。

前橋市は県中心部。但し市町村合併により赤城山(旧富士見村内)も前橋市となった。

一方、吾妻広域は県北西に位置する山間部である。
北側は新潟県、西側は長野県に接している。
中之条町・東吾妻町・長野原町・嬬恋村・草津町・高山村の6町村から構成され、市を有していない。
市がないので地域全体の人口も少なく、県内で一番少ない地域となっている。
中之条町は小渕元首相の出身地。
建設問題で揺れた八ッ場ダムは長野原町内に位置する。
人口は少ないが、草津温泉、万座温泉、北軽井沢などの観光地や別荘地を有しているために観光客で賑わう。
スキー場やゴルフ場も多数ある。




◆地域の特性(高齢化)

山間の町や村に特徴的なことと言えば高齢化である。

人口
吾妻広域に含まれる町村の人口は下記のような感じである。

・中之条町 約19,900人
・東吾妻町 約18,600人
・長野原町  約 6,900人  
・嬬恋村   約11,100人   
・草津町    約7,500人   
・高山村    約4,400人
(ちなみに、長野県の軽井沢町の人口がどれくらいかというと、約19,800人である。)


老年人口割合
これらの町村は老年(65歳以上)人口割合も高い。
群馬県の市町村別トップ10のうちに4町村が入る。

6位:草津町(34.6%)、7位中之条町(34.2%)、9位:東吾妻町(32.3%)、10位:高山村(31.8%)
(1位は南牧村の57.1%である。)
(太田市は老年人口割合が少ないほうの6位で21.9%である。1位は17.9%)


年少人口割合
子供達が少なく、年少(14歳以下)人口割合が少ないトップ10にもランク入りしてしまう。

4位:草津町(10.2%)、6位:東吾妻町(10.4%)、7位:中之条町(10.4%)、10位:嬬恋村(11.3%)
(1位はまたまた南牧村の4.0%である。)
(ちなみに太田市は年少人口割合が多いほうの2位で15.1%である。多いと言ってもこれくらい。)



◆高齢者に多い死因

日本において65歳以上の高齢者に多い死因は、癌、心疾患、肺炎、脳血管疾患である。
1位の癌が圧倒的に多く、2位の心疾患は癌の半分くらいの割合となる。
肺炎と脳血管疾患はほぼ同じくらいの割合である。


◆吾妻地域の病院事情

吾妻広域管内には9つの第二次救急医療機関がある。

その中の1つ「原町赤十字病院」は古くからあり、前橋赤十字病院と同じで日本赤十字社の病院である。
病床数227床。災害拠点病院にも指定されている。

(参考)
こちらにも書いたが、病院規模は病床数で示すのが一般的。
日本において病床数500以上の大規模病院は5%にすぎない。
病床数200未満の中小規模の病院がほとんどである。(200床未満が約70%を占める)

群馬県の第三次救急医療機関の病床数
・群馬大学附属病院 725床
・前橋赤十字病院 592床
・高崎総合医療センター 451床
・富士重工業健康保険組合 太田記念病院 400床 ←新築移転して第三次救急医療機関になった
(都内の大学病院は1000床前後のところが多い)



吾妻地区でもう1つ注目すべき病院は「西吾妻福祉病院」である。
吾妻地区の西側の町村(草津町・長野原町・嬬恋村)が設立し、運営を「公益社団法人 地域医療振興協会」に委託している。
2002年に開院した比較的新しい病院。病床数111床。
敷地内にヘリポートを有しており、ドクターヘリを利用した高次医療機関への救急搬送に積極的である。
「地元住民における新規患者増加は見込まれない為、観光客や別荘族を増やすよう行政との連携(温泉療養相談ボランティアなど)を図る」といった策が病院運営プランに盛り込まれている。


「公益社団法人 地域医療振興協会」は東京都千代田区の都道府県会館内にある。
この会館は各都道府県が東京事務所を置いている会館で、会館を運営しているのは開館を運営するために設立された財団法人。
「公益社団法人 地域医療振興協会」は、自治医科大学の卒業生が設立した公益社団法人。
協会の会長は高久史麿氏。自治医科大学の前学長。
協会の理事長は吉新通康氏。自治医科大学の元理事長。
自治医科大学との関係は深いが別組織。
多くの病院を運営しているが、いろいろと不穏

日本大学が練馬光が丘病院(東京都練馬区)からの撤退を発表し騒動になったが、その後継法人もこの社団法人。しかし問題山積み。

(参考)
自治医科大学は、国からの補助金、全国の地方自治体からの分担金、競艇や宝くじ売上金からの寄付で運営されている。
僻地医療に貢献することを目的に設立された。要は医師の確保のためである。
法的には私立大学の形をとっているが、実際には旧自治省(現総務省)が設置して職員も出向いている。
医学部の学生は各都道府県2~3人という定員が設けられている。
そのため出身都道府県によって難易度が違うという少々異質な大学。受験生の多い首都圏では超難関校となる。
医学部は全寮制。6年間の学費(2200万程度)も生活費も全て無料。
但し卒業後は9年間地域医療に従事すること(僻地勤務は3年程度らしい)が求められる。(義務年限、お礼奉公とも言う)
看護学部もあるがそちらは学費無料という制度がない。医者だけじゃ病院はやっていけないのにね。格差~差別~



◆ここまでのまとめ


ドクターヘリ 生かすも殺すも 胸三寸
(ドクターヘリ出動数は増やそうと思えば増やせるということ)


by yumimi61 | 2013-03-10 14:56