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器官95

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免疫について

先日、東京MXテレビの「5時に夢中」の週一レギュラーだった中村うさぎさんが病気療養中であることを書いた
スティッフパーソン症候群(自己免疫疾患の一種)の疑いがあるが確定はしていないと発表された


以前、私は「免疫」というタイトルでアレルギーについて書いたことがあるが、再び免疫についての説明をしたいと思う。


●免疫とアレルギー

感染症などある種の疾患は1度罹患すれば2度と罹ることはないという性質を持つ。
この現象は古くから経験的に知られていたことだったが、それを最初に治療に用いたのが「種痘(天然痘の予防接種)」であった。

その後、ドイツの医師・細菌学者であるベーリングと、日本の医師・細菌学者である北里柴三郎が、破傷風とジフテリアの抗毒素を発見した。
細菌感染した動物の血中には、細菌毒素を中和させたり、細菌自体を死滅させる能力を持つ物質が存在することを確認したのである。
これが抗毒素(抗体)と呼ばれるものである。
当時、抗毒素は生体にはまったく無害なものと信じられていた。

しかし、抗毒素の注射(いわゆる予防接種)を実施する中で、注射によって不幸な転帰をたどる症例が認められた。
オーストリアの小児科医ピルケーは抗毒素の完全なる安全性に疑問を持ち、動物実験によってもアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が起こることを証明した。
これにより、抗毒素(抗体)が生体に不利に働く場合があることが明らかになった。

現在は免疫現象(抗原抗体反応)のうち、生体に有利に働くものを「免疫」と言い、不利に働くものを「アレルギー」と言う。
食べ物や花粉など外からの抗原が生体内に侵入して不利な現象を起こすのが、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患である。予防接種の副作用としてのアレルギー反応もこの範疇に入る。
外からではなく自己抗原に由来して不利な現象が起こる疾患を自己免疫疾患と呼ぶ。
発生機序としては、抗原側の異常と生体(抗体産生組織)側の異常とがある。

2度と罹らないという性質を持つ疾患でも再発して繰り返す場合があるということは、こちらの帯状疱疹のところに書いた。



●北里柴三郎

抗毒素を発見したベーリングと北里柴三郎はドイツのベルリン大学の同じ研究室にいて、ロベルト・コッホに師事していた。
コッホは炭疽菌、結核菌、コレラ菌を発見した細菌学の開祖である。
北里は東大医学部から内務省衛生局に入り、明治天皇の奨学金でドイツのコッホの下へ留学した。
帰国時には、ドイツの皇帝より外国人としては初めての栄誉称号を与えられ、日本にも賞賛の電報が打たれた。
しかし北里柴三郎と日本政府、東大医学部との間には確執があった。
また医学者の中には北里の研究成果に異を唱える者も少なくなかった。
そのあたりが影響したのか、ドイツでの共同研究者であったベーリングは第1回ノーベル賞医学生理学賞を受賞したが、北里は受賞できなかった。
北里柴三郎は北里大学、慶応義塾大学医学科、日本医師会の創立者である。(北里柴三郎の従妹のユウは新島襄の最期を看取った



これだけ医科学が進んだ現代においても、免疫のメカニズムは完全には解明されていない。
まだまだ分からないことが多いというのが現状である。
従って、自己免疫疾患についても診断及び治療法が確立されているわけではなく、その多くが「特定疾患(難病)」に指定されている。
スティッフパーソン症候群も自己免疫疾患と考えられているが特定疾患には指定されていない。
それほどに珍しい疾患であるということであろうか。



敵か味方か

「感染症」と「アレルギー疾患」と「難病と呼ばれるような自己免疫疾患」を全くの別物(別疾患)と考えている人も多いと思うが、そんなことはない。
「がん」を含め全ての病気は免疫(抗原抗体反応)によって繋がっていると考えることができる。
抗原抗体反応が生体内で起こることだから至極当然なことではあるが、医学の専門化や細分化、医療の著しい高度化により見落とされがちなことでもある。
一般的に「免疫力を上げよう」などと言う場合には、特定の疾患を狙い撃ちするのではなく、自然な生体反応を活発にしようと意味で用いているはずである。(間接的解決法)
一方、医学的にがんに対抗しようとすれば、がんという抗原を廃除可能なほど強力な抗原抗体反応を引き起こす抗体を探すのである。「免疫療法」。(直接的解決法)
反応が強力なのだから、有利な現象だけでなく不利な現象も増大する。
「一か八か」「当たるも八卦、当たらぬも八卦」―こうした博打的要素を持っている。「諸刃の剣」である。


心理学的に「リスキーシフト」と呼ばれる現象がある。
集団になると極端な言動を許したり同調してしまい、次第にリスクの高い方向へ進む傾向である。
個人であれば避けられたであろう間違いが集団であったがゆえに起きてしまう。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」という心理。
戦争突入時がこんな感じであっただろうし、現代でいえばインターネット内の議論にもこの傾向がある。
災害時など非常時にも発生しやすい心理である。
医療にも当てはまる部分があって、健康診断や集団検診に見られる。
また高度医療の普及もこれに当てはまると思う。

「リスキーシフト」の逆は「コーシャスシフト」。
できませ~ん。無理で~す。まあいいじゃん。いいんじゃね? わざわざそんな大変なことする必要ないでしょう。今で十分。別に不自由してないし。その先に何が待ってるっていうわけ?
このような事なかれ主義。現状維持派。
生活指導する保健師の敵!(というのは冗談であり半分は本当)
病院や製薬会社や国の経済戦略にとっては生活指導で健康に導く保健師は敵!(これも半分くらいは本当だと思う)



美しさも命がけ? ゴージャスシフト(造語)

自己免疫疾患は、全身に影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分別できる。
「膠原病(こうげんびょう)」という名称のほうが知られているだろうか?
膠原病とは1つの病名ではなく全身性自己免疫疾患の総称である。
代表的疾患には「関節リウマチ」や「全身性エリテマトーデス」「多発性筋炎」がある。

かつて、病気というものは臓器が侵されるから生じると考えられていた時代があった。
しかし次第に臓器間や組織間に相互関係が見られる病気があることが分かってきた。
これにより「系」という概念が生まれた。
また感染症や中毒性疾患の中にはこれといった臓器障害が認められないものがあった。
これらは臓器病理学(病理解剖学)だけでは解決できない。メカニズム不明で原因も不明。
原因が分からないので治療法も見つからない。
こうしたところから「膠原病」という概念が提唱された。

膠原病は英語で「connective tissue disease」で、直訳すると「結合組織の病気」。
私は最初、「抗原(こうげん)」と「膠原(こうげん)」を掛けたのかと思ったが、結合組織を構成する線維の一種に膠原繊維という名の繊維がある。
コラーゲンから成り、腱・靭帯・骨などに多く含まれる。これを煮ると膠(にかわ)状になる。(これも煮皮かと思った)
動物の皮や骨、腱や内臓膜を主要原料として水で煮沸し、その抽出液を濃縮及び乾燥させたものは「膠(にかわ)」と呼ばれる接着剤となる。粗製(精製不十分・不純物含有)のゼラチンと言える。
コラーゲンが多く含まれる鶏肉の皮や骨付き肉、魚類などの煮汁が冷えてゼリー状に固まることを「煮こごり」(煮こりごり!?)というが、これもゼラチンの作用によるものである。
肉や魚はもちろんのこと、市販のゼラチン粉、食品やお菓子に含まれるゼラチン、美容サプリなどのコラーゲンも原料によっては危険となる。
各国とも輸入や使用を禁止している地域や原料などがあるわけで、私達はその安全対策を信じるしかない。



2000年にTBSの東芝日曜劇場で『Beautiful Life』というドラマが放映され大ヒットしたことがあった。
ヒロインは難病に侵され車椅子で生活していたが、その難病は自己免疫疾患という設定だったようだ。
脚本は北川悦吏子さん。
その北川さん自身も難病を患っているそうである。
2011年に特定疾患(難病)であることを読売新聞で告白した
病気が発見されたのは1999年、人間ドッグによって
せっかくの告白も病名を明かさず「かぼちゃ病」にしてほしいなどと発言したものだから、あちこちから非難を受ける羽目となってしまった。(非難1非難2
臓器の手術をしたとも言っているので全身性ではなく臓器特異的疾患が考えられる。
かぼちゃの色から肝臓なのではないかと推測していた人もいた。
確かに、病名を知っている本人が自ら告白したにも関わらず、病名だけを隠す必要があったんだろうかという疑問は私も持った。


私が罹った特発性血小板減少性紫斑病も特定疾患(難病)に含まれる。
私の場合も原因は不明、診断も難しかったようだ。
小児に多いアレルギー性紫斑病の病態も同時にあって、そちらも疑ったようだ。
どちらにしても免疫に関係する。
アレルギー性紫斑病はかつて小児慢性特定疾患に指定されていたが、数年前の見直しにより外れ、紫斑病性腎炎のみに限定されるようになった。


拡大路線

最近、大手医療法人である「徳洲会」という名を見聞きすることが多い。
2012年12月の衆議院議員選挙で大がかりな選挙違反(公職選挙法違反)があったとして事件となり報じられている。
ここ数日は、東京都の猪瀬知事も徳洲会から5000万円の資金提供を受けていたとか、1億円を超える資金を要求していたとかで、ニュースを賑わせている。
徳洲会の創設者は医師の徳田虎雄氏。1990年~2005年の間に4期、衆議院議員であった(鹿児島県奄美群島選挙区から出馬)。
1990年前にも2回ほど衆議院選挙に立候補して落選しているが、その選挙戦でも選挙違反による逮捕者を出している。
徳田氏は医師であるが、日本医師会(保守、自民党系)とは対立の関係にあった。
右派左派で分ければ左派であるから猪瀬知事との関係にも頷ける点はある。
徳田氏が確固たる思想を持つのかどうかは分からないけれど。

1995年~1996年は、村山(改造)内閣の下で沖縄開発政務次官を務めていた。
村山首相は社会党であり、自民党以外ではない初の総理大臣であった。
こちらに歴代総理を書いたことがあるが、村山内閣の時に阪神淡路大震災(1995)や地下鉄サリン事件(1995)が発生したのである。
アメリカも民主党のクリントン大統領であった。


1994年~1995年の村山内閣で沖縄開発政務次官を務めていたのは、徳田氏と同じく鹿児島県出身の参議院議員の尾辻秀久氏。
1986年の衆議院選挙で落選し、1989年に自民党公認で比例区から出馬し当選。
徳田虎雄氏と尾辻秀久氏は、1986年の衆議院選挙ではともに落選し、衆参違うが同じ頃に国会議員となった。

こちらに徳洲会グループの一覧がある。
数は多いが所在地にはかなり偏りがある。
地元の鹿児島県と出身大学所在地の大阪府を除けば、多いのは北海道と沖縄県、神奈川県である。千葉県や山形県も多い。
僻地医療が得意であるようだが、神奈川県などは僻地とは言えないので何か強いコネクションがあるのだろうか。
私は徳洲会という病院や施設に馴染みがなかったのだが、群馬県にはないようだ。東京都にも今のところ1つしかない(2005年設立)。
東京都内には2015年に武蔵野徳洲会病院という新しい病院を開院予定である。
こちらは医療法人沖縄徳洲会が設立する病院である。
徳洲会には「医療法人徳洲会」と沖縄に設立した「医療法人沖縄徳洲会」がある。
徳田虎雄氏が最初に病院を開設したのは1973年のこと。大阪府にて。
1976年には東京本部、 1977年には大阪本部を開設した。
医療法人沖縄徳洲会を設立したのは1978年。
最初の開院から僅か数年で病院も各地に次々設立している。
実家は資産家ではないようで、家計は苦しく医学部に通う学費も先祖伝来の農地を切り売りして支えたとのこと。
最初の病院も渋る銀行を「事業失敗したら自殺して返す」と説得して資金調達したらしい。
病院設立は非常に資金がかかるため、医学部に進学して医師免許を取得しても、実家が病院や医院を経営でもしていない限り、勤務医に甘んじるしかなく、人々が思うほど高給ではないという話はよく耳にする。
高給となっても勤務がハードのため十分に謳歌出来ない人もいるようだ。
病院経営も昨今はかなり厳しく、それこそ自殺者を出すほどである。
何の後ろ盾もなしに裸一貫一代でこれほど拡大できたとは、俄かには信じがたい。
まあバックがついているんでしょう。


          






by yumimi61 | 2013-11-23 16:02