人気ブログランキング |

by and by yumimi61.exblog.jp

カレンダー

昭和 参拾参

e0126350_2315985.jpg




オスマン帝国時代

1169年にエジプトの実権を掌握したサラーフッディーン(イラク北部出身のクルド人、本名はユースフ・ブン・アイユーブ)が、1171年にファーティマ朝を滅ぼし、自らがアイユーブ朝を開いた。
エジプト・シリア・イエメンなどの地域を支配したスンナ派のイスラム勢力(王朝)。
サラディンはパレスチナからキリスト教勢力を駆逐するという信念の実現に邁進し、1187年に十字軍に勝利し、十字軍が樹立した「エルサレム王国」は滅亡した。
e0126350_151123.png


王朝や君主は変わったものの、スンナ派によるこの領域の支配は1517年まで続いた。
そしてこの王朝を倒したのは、東ローマ帝国を滅ぼしたオスマン帝国であり、パレスチナもオスマン帝国領になった。(オスマン帝国ではパレスチナはシリアと呼んだ)

オスマン帝国の始まりはアナトリア(小アジア)の片隅の小さな領地である。
それが発展しオスマン朝(イスラム王朝)となり、やがて数々の地を征服し広大な領地を有する帝国となっていた。
オスマン帝国の最大領地はローマ帝国の最大領地と重なる部分が多いが、大きな違いは西欧(赤線内)が入らなかった点である。
e0126350_1528778.jpg


嫌われたローマ・カトリック

オスマン帝国がかつてのローマ帝国のように領土を広げた頃、西欧で何が起こっていたかと言えば、革命である。
イギリス市民革命やフランス革命をはじめとして市民革命が各地で次々に発生した。
絶対君主制に対する不満から君主に代わって国民が主権を持つ近代国家が形成されていったのである。これを国民国家とも言う。
これには、国家の領域内にいる多種多様な居留者を1つにまとめて「国民」とする意味合いと、単一の民族が主権を持って(国民として認識され)国家を形成する(単一民族国家)という、2つの意味合いがある。
実はこの時の国家形成は後者の意味合いが強いものだったのだ。
また国民が主権を手にしたといっても個々は「国民」という名で十把ひとからげにまとめられたわけだから、個性が発揮できるように見せかけて各々の個性や思想を消す体制でもある。
統治する側から見れば、多民族や個性や自由や強さや賢さや多くの選択肢は、国の存亡に関わることだろうから、ある程度仕方ないと言えば仕方ない。
同じではないということはいろいろと不都合が生じるということなのである。
こうした国家形成は、民族大移動ではないけれども、適した地を求めての自発的移動を促すことにもなった。

この頃もうひとつ起こっていたものが宗教革命である。
絶対君主制が批判されたのと同じく、権威と力を持ったローマ・カトリック教会への反発が各地で発生した。
それまでは各地域の教会税がバチカンに流れ、バチカンの収益となっていたが、こうしたことも拒絶されるようになった。自国の利益優先である。
プロテスタントはカトリック教会からの離脱から起こったものだ。
もともとローマ帝国の影響が少なかった北ヨーロッパを中心にプロテスタントが拡大しつつあった。

ローマ・カトリック(キリスト教)とイスラム教とプロテスタント(キリスト教)の三つ巴。
黒いラインは宗教の攻防戦ラインとなった。
オスマン帝国時代には、プロテスタントとイスラムのオスマン帝国が宗教上の類似点を理由に手を組んだ。
プロテスタントが反ローマや反カトリックから生じたことを考えれば自然な流れである。
e0126350_16181488.jpg


宗教改革が起こり始めた時に結成されたのがイエズス会である。
「エルサレムへの巡礼と同地での奉仕、それが不可能なら教皇の望むところへどこでもゆく」という誓いを立て、1534年8月15日(イエズス会創立日となる)、カトリックを守る使命を背負った6名によって始まったイエズス会であるが、この中にフランシスコ・ザビエル(スペイン出身)がいた。

そしてそれがまるで運命のごとく、インド経由で1549年8月15日に初めて日本(現在の鹿児島県)に上陸しキリスト教を伝えた。
この日はカトリックの聖母被昇天の祝日にあたるため、ザビエルは日本を聖母マリアに捧げてしまったらしいことは前にも書いた気がする。
これまた運命のごとく山口県で宣教し、1951年11月15日にインドへ戻るため日本を発った。
その翌年1552年12月3日、中国の広東省で亡くなった。46歳だったそうだ。


【参考】世界のイスラム人口・規模・比率・分布
ここにヨーロッパのイスラム観というグラフ(下記右図)がある。2014年春の調査だという。規模は分からないがなかなか興味深い。
e0126350_17204694.jpg



by yumimi61 | 2015-02-27 15:19