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昭和 伍拾質

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いつだったか、電車の荷物掛けにパンの入った袋の忘れ物があったかと思いますが、それは私です。
後ろの座席の親子に気を取られ過ぎてうっかり忘れてしまいました。
「こんなところに掛けると忘れちゃうかもしれないなぁ」とぼんやり思いながら掛けたのですが、
それが本当になってしまいました。
終点赤城まで行ったであろうパンを追う気力はなく、そのままにしてしまいました。すみませんでした。








資金提供者に好条件での契約

日露戦争の戦時公債募集のために旧知の仲のシャンドのいるロンドンに出向いた高橋是清だったが反応は思わしくなかった。
しかしそこは知らぬ仏より馴染みの鬼、門前払いを食うようなことはない。
シャンドの仲介によって交渉の席に着き、条件を変えることによって希望額(1億円)の半分の募集に応じてもらえることになった。

(希望)
===発行額1億円、期間10年据え置きで最長45年、金利5%以下、担保は関税収入===
(変更後)
===発行額5000万円、期間7年、金利6%、発行価格93%===

金利を1%上げて、期間を短くし、さらに発行価格を93%とした。
(分かりやすいように日本円で記したが、ポンドが必要なのだから当然のことながら通貨はポンドである。
当時は1ポンド10円くらいのレートだったらしい。1億円は1000万ポンド、5000万円は500万ポンドとなる)

発行価格93%というのは額面100ポンドの公債を93ポンドで売ることである。
満期が来て投資家に返金する時には額面(+金利)が支払われる。
発行価格についてのみ言えば、昨今地域活性などを目的にプレミアム商品券を販売することがあるが、あれと同じと考えてもらえばいい。
10000円の商品券が9300円で買えるということ。もしも100万円ならば93万で購入できるということになる。
差額はそのまま購入者の儲けになる。
商品券の場合は使用できる場所が限られているが、通貨ならば(基軸通貨なら尚更)そうしたこともない。


ここで金利の計算をしてみよう。
例えば額面100万の公債を購入したとする。金利は6%で期限7年そのまま保有。
 100万円×(1+0.06)7乗=150万3630円
100万円に対して50万円3630円も金利が付いて戻ってくることになる。
さらに上記に記したように額面は100万円だけど93万円で購入しているので、その7万円も儲けとなる
7年後には出資金(93万円)に対して57万3630円もプラスして戻ってくるのだ。

例えば実際に貸した93万円で計算したらどうだろうか。
 93万円×(1+0.06)7乗=139万8376円
実際の出資額からすれば39万8376円の金利となるところが、額面100万円なので50万3630円となる。
金利差額は10万5254円で、返金時にプラスされる7万円の儲けも加えれば、17万5254円お得。これが発行価格93%の意味となる。
実体のない7万円に対しても金利が発生しているということだ。

 5000万円公債発行 → 実際に借りた資金は4650万円 → 返す資金は7518万1500円
 1億円公債発行 → 実際に借りた資金は9300万円 → 返す資金は1億5036万円3000円


金利の怖さ

上記金利は1年複利で計算した。
複利というのは付いた金利も元本となり金利が増えていくもの。金利が最初の元本の金額にしか発生しないのが単利。
もちろん複利のほうが金額は多くなる。

もしこれが1年ではなく半年複利だったりすると金利はさらに増えることになる。
昔は金利が高く、それほどの財閥でなくとも金利で生活できるという人がいた。
金利生活までとはいかなくとも、昔の郵便貯金は金利が高く半年複利だったので10年預けておけば2倍以上にもなった。
お年寄りがお金を持っている理由でもある。
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上の図の一番上のピンクの線が郵便局の定額貯金である。
一頃は貯金の中でこれが一番お得だと言われていた。
どんなに素晴らしかったかはこちらを参照してください


預貯金などの金利だけでなく、借りたお金を分割返済する場合にも2つの計算方法がある。
借入残高に対して金利計算する方法(残債方式・実質年率)と、借入額を基準に金利計算する方法(アドオン方式・アドオン年率)。
年率として表示するとアドオン率のほうが低くなってしまうため、支払う額が少なくて済むという誤解を与えてしまう。
そのため現在ではアドオン方式を取っている場合にも、アドオン率だけでなく実質年率を表示するよう省庁からお達しが出ている。

ところで消費者金融の金利ってどれくらいか知っていますか?
100万円未満なら18%くらいで、100万円以上なら15%くらい。
看板や広告には実質年率として随分幅のある数字が書かれているが、大きな数字のほうだと思って間違いなし。
預貯金の金利が0.01%という時代に18%という金利が乗るんですよ!
寝ていてもぼろ儲け。いやいや返済されなければ儲けどころか大損。
今は法律でも規制されているので、すぐに強面の取り立て屋がやってくるということはないかもしれないが、「いいよいいよ、いつでも払える時で」では商売にはならないということだけは覚えておきましょう。
借りる額が少なかったり一括返済してしまえばそれほど気にならないかもしれないが、金利が18%も付いてきたら元金はなかなか減らない。
きちんと返していてもしばらくは金利だけを返しているような感じになる。つまり返済期間が長くなる。
そのうちにまた何かあって新たにお金が必要になる。または返済が滞っているうちに酷いことになっている。それが借金地獄。

借りる金額が何千万円という住宅ローンもなかなか元金が減らないローンだ。
よって定年までや2世代に亘って借金が付いてくるという状態になる。
金利推移はこちらを参照
以前に比べれば金利は下がったが、預貯金ほどは下げていない。当然か。
うちが家を建てた時の住宅金融公庫が固定金利で4%を超えていた最後の時期だった。

大学生の奨学金(有利子の場合)の上限は3%だそうだ。
日本学生支援機構(昔の日本育英会)の奨学金の固定金利のここ数年の利率は1~2%くらいのようだ。
一括で返すわけではない(返せる人は返してもいいけれど)。
厳しいことを言うようだが、特別な事情がない働き盛りの若者がこの利率の奨学金が償還できずに自己破産するようでは、生活に問題があると言わざるを得ない。
問題というのは将来を考えていない進学や借金、労働の選り好み、消費(支払)の優先順位など。
よく報じられているのは民間の学生ローンのことなんだろうか?それとも幾つか重複して借りているということだろうか?
借りる先もよく考えなければならない。

兎にも角にも、預貯金の金利(%)が小数点以下の世界になって久しいのは皆さんも御存知ですね。
普通預金なら0.01~0.1%くらい、定期預金でも0.02~0.4%どまり。どう見ても%が付いていますねぇ・・。
国債長期金利も0.1%台になったという。
お金持ちの皆さんが節税や投資に走りたくなる気持ちも分からなくもない。
しかし困らないだけのお金がある人はまだいいのだ。


ゴールデンウィークの秘密!?

1904年2月8日に日露戦争は始まった。
日銀副総裁の高橋是清がロンドンにて政府希望額の半分で契約を取り付けたのが4月下旬。
そして5月に入ると、晩餐会だか交歓会だか祝賀会だか会名は分からないがパーティーが催された。
そのパーチ―にクーン・ローブ商会のジェイコブ・シフも参加していたのだった。

シフと高橋はこの時が初対面だったそうだが、なんとその翌日にシャンドを通じて「残りの5000万円は私が責任を持って引き受けアメリカで発行しましょう」と言ってきたという。
これで当初の予定通り1億円となるのだから日本側には断る理由もない。
こうして話はまとまった。ロンドンで5000万円分、ニューヨークで5000万円分、合わせて1億円。
余談だけど、ゴールデンウィーク(GW)ってひょっとしてこれを記念する週だったりして。

イギリスで引き受けた銀行は、パース銀行、香港上海銀行、横浜正金銀行。
アメリカで引き受けた銀行は、クーン・ローブ商会、ナショナル・シティ銀行など。

上で発行価格の説明をしたが、銀行が仲介して個人投資家などに販売する場合には差額を手数料として銀行が得ることも出来る。
額面100ポンドの公債を日本から93ポンドで買ったなら、銀行は93ポンド以上で販売することによって差額を得ることができる。
銀行にとってはもちろん額面どおり100ポンドで売れるに越したことはないし、プレミア価格であれば尚よい。
この場合の銀行は金券ショップのようになる。
満期後に元本と金利を支払ってもらうのは銀行から公債を買った人である。


こうして販売された公債は株式と同様に売買が可能となる。
もともと債券であるからして必ず返還されるという保証はないはずのものだが、市場での売買によってさらにギャンブル性が高まる。
額面100ポンドの公債を80ポンドで買っても50ポンドで買っても10ポンドで買っても、返金されれば100ポンド+6%の金利が手に入るのだ。
投資家はなるべく安く買った方が儲けは大きい。
戦時公債の価格(価値)を決めていくのは、その国に対する信頼・信用だったり、軍事力などに関する冷静な判断や戦況・評判であったり。
相手国の公債も同時に発行されているような時にはまさに市場でも戦争が行われているようなものである。
例えば日本の戦時公債を持っていて日本が負けそうな時には、出費をまるまる損するより少しでも取り戻そうという意識が働いて、自分の買った金額より安くても売るということがある。
この異常に安くなった公債を買い集め、日本に勝ってもらい返金にこぎつければ、その投資家は万々歳である。






by yumimi61 | 2015-04-25 12:52