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昭和 捌拾参

※追記しました。


厚生年金基金の仕組み

厚生年金基金の代行料とは法定保険料(現在ならば17.474%)のうちの2.4~5.0%であることは昨日も書いた。
代行料とは事務費などとは違うもので、要は厚生年金に納められるべき保険料の一部をそっくり厚生年金基金に移転して、厚生年金基金が預かるということなのである。
何故そんなことをするかと言えば、資金運用のためである。
預かった保険料と企業が独自に出す資金(掛け金)を合わせて運用をしていたのだ。
運用益を上げれば基金は潤い、給付に上乗せをしてあげることが出来る。(運用益を見越しての上乗せを謳っていた)
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緑とオレンジが重なっている代行部分が重複して給付されるということではない。
基金(オレンジ)がある場合にはその部分の緑がなくなる。


下図は企業(事業主)から基金に納められる費用の内訳。
預かったピンクの保険料に企業(事業主)がプラスした分を合わせて運用。
運用が上手くいかず元本割れを起こした時には大変。
福利厚生の一環として企業が独自に拠出している資金(加算標準掛金)だけならば、加算部分の給付を減らすなどして対応できなくもない。(それでも減額されたと裁判になった事例を昨日掲載した)
保険料(代行料・基本標準掛金)の元本割れを起こせば一大事。
ここは企業独自の加算ではなく公的な年金に含まれるところだからだ。
赤字を埋めるために企業(事業主)に余計に拠出してもらわなければならなくなる。
保険料というのは企業(事業主)とその従業員が納付したものであり、元々あった資金なのだ。
運用などしなければ減ることはない。
それを運用したがために減らしてしまった。
要するに厚生年金基金の運用損を企業(事業主)は穴埋めしなければならないのだ。
保険料を二度払いするようなものである。二度目は従業員分まで払わなければいけなくなる。
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バブルは必ず弾けるし、変動金利が動かないなんてこともない。予定は未定。
何の操作もなしに運用で何十年も勝ち続けることなどない。陥れられることはあっても。


欲に溺れる

昨日、基金の解散や積み立て不足という記事をリンクしたが、積み立て不足というのは早い話、元本割れを起こし保険料を失っているということである。
それを補おうとすれば企業経営を圧迫してしまう。

厚生年金基金と代行という制度には致命的な欠陥があった。
集めた保険料は本来そっくりそのまま給付に当てられるべきものなのだ。
何度も書いているが、年金の本来の目的とは、現役世代が老齢世代を援助するという相互扶助である。
現役世代が将来に備えて積み立てしておくものではないのだ。
この年金の目的をしっかりと押さえ共有しておかないと制度が崩れることになる。(もう崩れていると思うけれど)
政治家や官僚や担当者が変わったら年金の意図が変わっていたということでは困るのだ。(最初から意図を隠していたとか?)

保険料の一部を代行料として基金に渡してやっていけるのは、保険料よりも少ない給付総額を設定して、余剰金が出た時である。
つまり受給者が少ない時にはそれが可能だった。
現役世代が支払えるだろう保険料を集め、老齢世代が生活していけるだろう給付額を設定し、余剰金が出ればそれを蓄えにすることが出来る。
年金積立金というのはそうやって貯めてきた資金である。(支払えるだろう金額というよりも、もう少し戦略的に将来を見越して設定した金額ではあるが)
受給者が増え、現役世代が支払える保険料もそろそろ限界だろうということになれば、集めた保険料をまるまる使い、さらに足りなければ積立金から補うようになる。
積立金は完全なる余剰金ではないのだ。
すでに積立金をしていて、その積立金を運用している状態で、そのうえ、その年に使うべき保険料まで運用資金としてばら撒くなんて言語道断。
運用に投じた資金は現金ではなくなるので、積立金と代行分の保険料を当座失うに等しく、すぐに対応できない。

国は運用責任を基金にばら撒いた。
厚生年金基金が運用していたといっても、国の年金積立金同様に民間運用機関に委託されている。
AIGは基金や企業から委託されていたところだったのだ。
年金保険料を民間運用機関にばら撒いたのだ。


崩壊への歩

年金基金の問題を大きくしたのは門戸を広げ過ぎたことも関係している。
年金基金には以下3つのタイプがある。
①単独型:企業が単独で基金を設立して運営。常時1000人以上の被保険者を使用する事業主が対象。
②連合型:主力企業を中心に、関連会社(グループ会社)が集まり、共同で基金を設立して運営。グループ全体で常時1000人以上の被保険者を使用する事業主が対象。
③総合型:同業種であることなど、一定のルールの下に同一業界の会社が集まり、共同で基金を設立して運営。合算して常時5000人以上の被保険者を使用する事業主が対象。

問題は③である。これによって多くの企業が厚生年金基金に加入することになったのだが、現在存続して困窮している多くの基金がこのタイプである。
企業と基金が近い①などよりもお任せになりやすく、年金制度が取り沙汰されてもどこか他人事で、問題を把握できないことが多い。(①や②でも運用は委託していた)
このホームページの下部に厚生年金基金一覧があるので参照してみてください。
大手企業や企業グループの厚生年金は危機を察知し、すでに多くの企業が基金を解散(代行返上)している。
こちらはソニー厚生年金基金の代行返上のお知らせ
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ソニー厚生年金基金は1991年11月1に設立されて、2004年7月2日に解散。13年ほどしか続かなかった。
1991年というのはバブル景気が崩壊しだした年である。
お分かりですか?決して好景気に沸いて運用益を期待し基金が設立されたわけではないのだ。

解散(代行返上)するには、これまでに預かってきた代行料(保険料)を国(厚生年金)に返金する必要があるのだが、困窮している基金はもはやこれが出来ない。
マイナス部分を無理に企業に補填させれば、体力のない企業ではそれが倒産の引き金になりかねない。
しかし有って然るべき法定保険料を消失したままにすれば、公的年金制度への打撃も免れない。
制度を維持する限り法定保険料分のマイナスはどこかから埋め合わせしなければならないのだ。
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厚生年金と共済年金の違い

「厚生年金」はまず保険料率を先に決める。
いくら年金が相互扶助であると言っても、援助負担が大きすぎて現役世代が飢え死にするようでは困るのだ。
国や地球が存続していく上で、現役世代と老齢世代のどちらが大切かといえば、それはやはり現役世代だろう。
残酷のようだけれども、それもまたいつか来た道。誰かが前に歩んだ道であり、誰もがいずれ歩む道。送り送られ順送り。
だからと言って何も姥捨て山に捨ててこいという話をしているわけではない。
厚生年金は現役世代が納めることが可能な程度の保険料率をまず設定するのだ。
その保険料率を基に保険料が集まってくる。
集まった収入に合うような水準で年金の給付を行う。
これが厚生年金の元々の考え方である。


「共済年金」は少し違う。
何故かと言うと、共済年金は原資が公費だから。
自分の懐が痛まない。会社の利益や個人の給料といったものに左右されない。
分かりやすく云えば、団体は負担分の予算を確保しさえすればいいのだし、職員には保険料(共済では掛金という)分を給料に予め上乗せしておいてやればいいのだ。
それが何かと言えば税金である。
厚生年金のように個人が飢え死にすることを心配する必要がない。要するに給付額を先に決められる。
官公庁会計は利益を出さずに収入と支出を合わせるのが基本なので、給付額に合うように団体の負担金や職員の掛金の保険料率を決めればいいのである。
5年ごとに給付額に合わせて保険料率を見直す財政再計算を行っている。
共済年金の積立金?そうねぇ、おかしいわね。


同じ轍を踏むかどうかはあなた次第!?

なんか不公平だよね。税金使って自分達ばかり良い思いしてさ。
その上、その公務員にかぎって、コネとかカネとかそんなものが優先され、それが何より力を持っていて、それで多くのことが決まったりするしょう。
就職の前、学校とかそのあたりからそうだもんね。
まったくやってられないよ。
そんな従業員の気持ちを企業が察したのか、そう思われていると思った公務員サイドが先回りして勧めたのか、民間企業も給付額を先に決める年金を導入することにした。
それが厚生年金基金や既存の企業年金だった。いわゆる3階部分の年金である。
このように先に給付額が決まっている年金を「確定給付型年金」と言う。
この年金は給付額に合う保険料率を設定する時に、予定利率などから弾き出した運用益まで含めて計算する。
予定通りや予想以上に上手くいった時は良いが、予定よりも運用益が出なかった時には予定していた給付額が確保できない状態となる。
NHKの年金問題記事は、NHKが予定利率などから弾き出した運用益の見込みを何年も高水準に据え置いたままで、今の時代実際にはそんなに収益が上がらないから、給付額が確保できなかったという話だった。

思うような結果が出ずに懲りたのだろうか。
「確定給付型年金」から足を洗い、「確定拠出型年金」へと移行する企業が多い。
これは先に積み立てる金額を決めるタイプ。だけどこれもただの積立貯金ではない。運用ありきである。
個人が運用を指図する。将来受け取る年金額は成績次第!人それぞれ違うのだ。運用機関と仲良く頑張りましょうという年金。
国が基金に責任をばら撒いたように、今度は企業が個人に責任をばら撒いている。







by yumimi61 | 2015-06-02 14:35