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日本国憲法の秘密-34-

国際連合主導

前記事では新旧の日米安全保障条約の前文を比較した。
今日は第一条を比べてみようと思う。
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旧条約はアメリカ軍が日本に駐留する権利について明記されている。
新条約は違う。国際連合のメンバーであることを再確認しているような文章で、国際連合への貢献が求められている。
前文が第三者的視点の文章であることも先に述べたが、1条でも「締結国」「The Parties」とやや主体性に欠ける主語となっている。

新条約は2条も安全保障についての記述ではない。
2条では国際社会への貢献が求められ、とくに経済に重点が置かれている。
「国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め」という独特な言い回しが用いられている。
They will seek to eliminate conflict in their international economic policies

第二条:
締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。


第3、4、5条は武力攻撃に対応する内容で、第6条がやっとアメリカ軍の日本駐留に関する事項となる。

第六条
日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。



ここに憲法あり! と、思ったら・・・

新条約で国際連合憲章とともに尊重されているのが憲法である。


第三条
締約国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第五条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。


しかし条約の肝は第7条である。

第七条
この条約は、国際連含憲章に基づく締結国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。


この日米安全保障条約は国際連合憲章や国際連合に何ら影響を与えるものではないし、影響を与えると解釈してはならないと記されているのだ。
何を思ったか知らないが懇切丁寧に解釈についても条文に明記している。

優先度はこのようになる。
      国際連合憲章>憲法>新日米安全保障条約(1960年調印)


印象操作

今国会で審議されてきたのは「平和安全法制関連2法案」である。
平和安全法制関連の2法案が何かと言えば、「平和安全法制整備法」(既存の法律を改正するための法律)と「国際平和支援法」(新法)である。
さらなる正式名は赤字で書いたもの。
●平和安全法制整備法―我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律
●国際平和支援法―国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律


メディアはこれを「安保法制」や「安全保障関連法案」と呼んでいるわけだが、作為的あるいは恣意的で誠実さに欠ける。
アメリカとの関係や日米安全保障条約に特化している印象を与えている。
印象操作と疑われても仕方ないだろうと思う。
国会での答弁で安倍首相など政府側は「平和安全法制」と言っていたのだが、逆にそれが気になる。

新日米安全保障条約の第7条がある以上、国際的な安全保障に関しては憲法なんか持ち出してきても意味がない。


日米安全保障条約の有効期限

第十条
この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
もっとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。


1960年に発効した新日米安全保障条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)は、国際連合の措置がそれにとって代わると、日本及びアメリカ政府が判断するまで有効である。
発効から10年間を経過した後には、どちらの国も相手国に条約を終了する意思を通知してもよい(1年前に予告して終了できる)。
そのような意思表示がない限り条約は継続されるということである。
10年経過は1970年で、その後も条約は破棄されていないため、現在も有効である。

その新条約は、1960年1月19日、ワシントンにて調印された。




by yumimi61 | 2015-08-18 16:43