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土壌汚染

【土壌汚染】
土壌汚染とは有害物質に土壌が汚染された状態にあることを言います。
全国各地、土壌汚染はかなりあると思います。

①自然由来
鉱石由来の汚染。地中に元々含まれているものだが、地層形成過程での流れや堆積で物質が偏在した場合には汚染土壌となりうる。(金の卵にもなり得るけれども)

②人為的
工場の排水や有害物質の管理や廃棄が不適切で土壌汚染をもたらしたもの。

③埋め立て
埋め立て造成の際に埋め立て用として持ち込まれた土砂や建設残土などに有害物質が含まれていた場合。

【何が問題になるか】
土壌汚染の何を問題にしているかと言えば、ほとんどの場合、健康被害だと思います。
土壌汚染による健康被害は、土壌に含まれている有害物質が人体に取り込まれることによって生じますので、どのように取り込まれるのかということが問題になります。

①地下水(井戸水)の飲用 ・・・土壌中の有害物質が地下水に溶け出す恐れがあるため
②汚染土壌への接触(素手で直接土壌を触る) ・・・皮膚からの浸透や手から口へ運ばれるなどして体内に入る
③汚染土壌の上での活動(1) ・・・砂ぼこり(粉塵)を鼻や口から吸いこむ。
④汚染土壌の上での活動(2) ・・・気化した有害物質を鼻や口から吸いこむ。
⑤農作物や家畜 ・・・汚染土壌で育成された農作物や家畜に有害物質が移行し、それらを食することで体内へ。
⑥魚介類 ・・・汚染土壌や汚染地下水から有害物質が川や海に流出して、さらに魚介類に移行する。生物濃縮あり。

「土壌汚染対策法」(平成14年法律第53号)は、①と②と③、つまり「地下水」並びに「直接」の接触による健康障害を防止することを目的に制定されました。
土壌汚染に該当すると認められた場合には、摂取経路の管理、摂取経路の遮断、土壌汚染の除去などの措置をとる必要があります。

第2条  この法律において「特定有害物質」とは、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。

【法で定める2つの区域】
区域の指定は都道府県知事が行います。

①要措置区域  ・・・下記の1と2に該当する区域
②形質変更時要届出区域  ・・・下記の1に該当する区域

1.土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないこと。
2.土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当すること。


①の要措置区域のほうが問題が多いということになります。①になるには次の政令に該当する必要があります。

*政令「土壌汚染対策法施行令」 (平成14年11月13日政令第336号)
第五条  法第六条第一項第二号 の政令で定める基準は、次の各号のいずれにも該当することとする。
一  次のいずれかに該当すること。
イ 土壌の特定有害物質による汚染状態が第三条第一号イの環境省令で定める基準に適合しない土地にあっては、当該土地又はその周辺の土地にある地下水の利用状況その他の状況が同号イの環境省令で定める要件に該当すること。
ロ 土壌の特定有害物質による汚染状態が第三条第一号ハの環境省令で定める基準に適合しない土地にあっては、当該土地が人が立ち入ることができる土地であること。
二  法第七条第六項 の技術的基準に適合する汚染の除去等の措置が講じられていないこと。


*第三条第一号イ
イ 当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないことが明らかであり、当該土壌の特定有害物質による汚染に起因して現に環境省令で定める限度を超える地下水の水質の汚濁が生じ、又は生ずることが確実であると認められ、かつ、当該土地又はその周辺の土地にある地下水の利用状況その他の状況が環境省令で定める要件に該当すること

*第三条第一号ハ
ハ 当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合せず、又は適合しないおそれがあると認められ、かつ、当該土地が人が立ち入ることができる土地(工場又は事業場の敷地のうち、当該工場又は事業場に係る事業に従事する者その他の関係者以外の者が立ち入ることができない土地を除く。第五条第一号ロにおいて同じ。)であること


【環境省令で定める基準】
工場跡地の豊洲市場の土地はまずこの基準に基づいた調査・検査が行われたと思います。

(項目は報道にでてきた物質を私が抜き出したものであり、他にもあります)
(測定方法も定められています)
●土壌環境基準(27項目)
・全シアンー検液中に検出されないこと。
・鉛ー検液1Lにつき0.01mg以下であること。
・砒素ー検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、土壌1kgにつき15mg未満であること。
・ベンゼンー検液1Lにつき0.01mg以下であること。

●地下水の水質汚濁に係る環境基準(28項目)
・全シアンー 検出されないこと。
・鉛ー0.01mg/L以下
・砒素ー0.01mg/L以下
・ベンゼンー0.01mg/L以下


【東京都の指定状況】

◎東京都の要措置区域等の指定状況 東京都環境局より

■要措置区域
土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生じるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域
 ・汚染の除去等の措置を都道府県知事が指示する(法第7条)
 ・土地の形質変更の原則禁止(法第9条)
■形質変更時要届出区域
土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生じるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域(摂取経路の遮断が行われた区域を含む。)
 ・土地の形質変更時に都道府県知事に計画の届出が必要(法第12条)



今問題になっている豊洲市場は、江東区豊洲六丁目になるようですが、要措置区域には指定されていません。全て形質変更時要届出区域 です。

(指定年月日)(指定番号)(区域が存在する場所)(面積)(指定基準に適合しない特定有害物質)
============================================
H28.4.15 指-701号 江東区豊洲六丁目地内 10040.09㎡ 砒素

H26.12.3 H28.5.31 指-556号 江東区豊洲六丁目地内 5918㎡ シアン・砒素・ベンゼン・カドミウム・六価クロム・水銀・鉛

H25.10.4 H26.3.13 指-431号 江東区豊洲六丁目地内 16994.2㎡ カドミウム・六価クロム・シアン・水銀・鉛・砒素・ベンゼン

H25.5.30 指-388号 江東区豊洲六丁目地内 5090㎡ 砒素

H25.3.15 指-367号 江東区豊洲六丁目地内 7791㎡ 鉛・砒素・ふっ素

H25.3.13 指-364号 江東区豊洲六丁目地内 4437㎡ カドミウム・六価クロム・シアン・水銀・鉛・砒素・ベンゼン

H25.3.5 指-354号 江東区豊洲六丁目地内 14690㎡ カドミウム・六価クロム・シアン・水銀・鉛・砒素・ベンゼン

H23.11.28 H23.11.29 H25.7.3 H26.5.27 H26.9.29 H26.10.9 H26.10.21 H26.3.10
指−232号 江東区豊洲六丁目地内 384777㎡  カドミウム・六価クロム・シアン・水銀・鉛・砒素・ベンゼン( 一部自然由来特例区)

H23.11.17 H25.3.4 H25.3.27 指−223号 指−224号 江東区豊洲六丁目地内 48212㎡ カドミウム・六価クロム・シアン・水銀・鉛・砒素・ベンゼン

H23.5.12 H23.12.13 指−156号 江東区豊洲六丁目地内 13407,1㎡ 砒素・ふっ素


【要措置区域とは?】

①(調査検査するまでもなく)(基準値の越え方が著しく)明らかに汚染されている場合で、地下水を飲用として用いる場合。
②基準値を超えた汚染が認められ、不特定の人が立ち入ることが出来る土地である場合。

③技術的基準に適合する汚染の除去等の措置が講じられていない場合。

①か②のどちらかに該当し、且つ③に該当するした土地が要措置区域となります。
つまり措置を講じれば「要措置区域」ではなくなるということです。


【講ずべき措置】

技術的基準に適合する汚染の除去等の措置がどのようなものかは、「土壌汚染対策法施行規則」にて具体的に述べられています。
第39条と第40条(~42条)で、別表5と別表6を参照。
ここに「盛土」が出てきます。

別表5の9
(土地の状態)
土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が土壌含有量基準に適合しない土地(前二項に掲げる土地を除く。)
(措置)
土壌含有量基準に適合する汚染状態にある土壌により覆うこと(以下「盛土」という。)
(環境省令で定める措置)
イ 舗装
ロ 立入禁止
ハ 土壌入換え
ニ 土壌汚染の除去


別表6の11 盛土
イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲を、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の基準不適合土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。


これによれば盛土は50㎝以上あれば良さそうですね。
舗装も環境省が定める措置の一方法となっていますので、参考までに舗装措置も。

別表6の8 舗装
イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート若しくは厚さが三センチメートル以上のアスファルト又はこれと同等以上の耐久性及び遮断の効力を有するもの(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由によりこれらを用いることが困難であると認められる場合には、モルタルその他の土壌以外のものであって、容易に取り外すことができないもの(以下「モルタル等」という。))により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。


みなさん盛土の意味がお分かりですか?盛るんですよ?「ご飯山盛り」と言ったりしますよね?
盛るというのは上に乗せることです。山にしなくて平らでもいいですけれども、プラスされるということです。
だから前に「いっそのこと山でも」と言ったわけです。
汚染された土壌を掘ってどかして、汚染していない土壌を入れるのであれば、「土壌入れ換え」という措置にあたります。

土壌入れ替えには「区域外の土壌と入れ換える」と、「同じ区域内で土壌を入れ換える」場合があります。
上部(地表近く)に入れる土壌は、基準に適合した(汚染していない)土壌である必要があります。
同じ区域内で入れ換える場合は、基準不適合土壌(汚染土壌)のある範囲や深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定などによって把握しなければなりません。
区域外入れ換えでも区域内入れ換えでも、汚染土壌から50㎝以上離しなさい(地表面から50㎝の深さは汚染されていない土壌にしなさい)ということ。
汚染土壌を除いて土壌を何も戻さなければ、地下に空間が生まれるだろう。
横と下も必要な措置をとれば、法規を逸脱するものではないので、これ自体は問題ないと思う。(但し地下空間というのは通常でも地上よりもいろいろなリスクが高くなることは確かなので、汚染土壌が周囲に残る地下空間を不特定多数の人が使用する場にするには適さないと思う)
(じゃあ地下鉄は、デパ地下は、地下駐車場はどうなるの?うーん、そうですねえ。分かりました、徹底管理すればいいんじゃないですか!?)

―――地表               
 汚                     
 染
 土
 壌
―――汚染ここまで 
 50㎝
--------
汚染されていない土壌

 ↓

―――地表   
汚染されていない土壌
 50㎝
====
 汚                     
 染
 土
 壌
―――汚染ここまで 


「盛土」や「舗装」、「入れ換え」といった措置は、土壌への直接接触を防ぐための措置となります。
【何が問題になるか】の②と③に対する措置です。
地下水に対する措置は変わります。
豊洲は土壌のみならず地下水の汚染も認められるということなのでしょうか?
盛土や土の入れ換えだけで地下水から完全に遮断することは不可能です。

地下水への特定有害物質溶出の有無を確認して(モニタリングして)、水質汚濁防止法の地下水の浄化基準を超過した場合、またモニタリング前、あるいは基準を超えていなくても土地所有者が措置を行うことを希望した場合には、次のような措置を実施する必要があります。(どちらにしても継続モニタリングは必要となります)
・原位置不溶化措置(重金属等に限る)
・不溶化埋め戻し措置(重金属等に限る)
・原位置封じ込め措置
・遮水工封じ込め措置
・遮断工封じ込め措置(揮発性有機化合物を除く)
・掘削除去措置、原位置浄化措置(浄化措置で、これを行えば指定区域が解除される)
by yumimi61 | 2016-09-22 14:15