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日本国憲法の秘密-596- (加計学園問題について)

非常にややこしい内閣府と文科省の共同告示(2017年1月4日)についてもう一度説明する。

平成30年度(2018年度)に開設する獣医師の養成に係る大学の設置を定めた区域計画について、当該大学の設置に係る認可の申請の審査に関しては、『大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定』(2003年の文科省告示)を、適用しない。

2016年11月9日の国家戦略特区諮問会議において山本担当大臣が「法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うようにと安倍首相から指示があった」として「国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)」を提出し反対意見もある中、「異議なしの声あり」でその場で決定してしまった。
それが2017年1月4日の共同告示に繋がっていくが、内閣府は大学を認可する立場にないので、認可条件に関して告示する権利を持っていない。
文科省が有する権限に内閣府も関わるのであれば、まず学校教育法第4条一項を改正する必要がある。法改正を要しないものではない。


次に平成30年度(2018年度)問題が浮上する。
上記の「国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)」も突如出てきたものだが、「平成30年度(2018年度)に獣医師の養成に係る大学を設置する」という話はここまで一度も出てきていない。
開設時期もこの告示ではじめて明らかにされた。
告示までの国家戦略諮問会議、ワーキンググループヒアリング、区域会議で設置時期が話し合われたことはない(議事録に開設時期の記述は一切ない)。
この30年度がどこから出てきたかがまた問題である。
認可に関しての権限を持っているのは文科省である。
文科省は開設時期を指定する(開設期限を定める)権利も有しているのだろうか?
そのあたりはよく分からないが、開設期限を切る権利を持つ可能性があるのは文科省くらいであり、その他の者が勝手に学校の開設時期を設定するなんてことはおかしい。
そこまで踏み込むならば決議や閣議決定が必要であろう。
首相や内閣府や国家戦略特区諮問会議議員が勝手に決めたことならばそれも越権行為である。


告示自体に納得いかないが、致命的誤りについて話を進めたいと思う。

平成30年度(2018年度)に開設する獣医師の養成に係る大学の設置
この大学設置には4つの条件が設けられている。
条件① 国家戦略特区における獣医師養成に関わる大学
条件② 2016年11月9日の国家戦略特別区域諮問会議で決定した「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」に従う
⇒現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするが含まれている。
条件③ 一校に限る
条件④ 学校教育法第四条第一項の認可を申請するものに限る


この条件をクリアするような大学設置を定めた区域計画が認定されたら、その区域計画に含まれる大学は2003年に文科省告示は適用されない(つまり獣医学だからという理由にて認可されないことはない)ということになる。

ここで考えてみてほしい。いったい誰が1校に絞るのかということを。
1人の事業者が同時に2つも3つも獣医学部をつくりたいなんて言うわけがない。
1つの事業者(提案者)が1校の獣医学部を提案申請するのは当たり前なことである。
そんな当たり前なことを仰々しく言うわけもない。
では誰が1校に限定するのか?
区域計画の認定決議を行っているのは国家戦略特区諮問会議である。
となれば、条件をクリアしているかどうかは区域計画認定の段階でチェックする必要があるだろう。
しかし内閣府と文科省の告示はどこか特定の国家戦略特区を指定しているものではない。今治市だけが対象ではないのだから、今治市から1つ選ぶわけではない。
国家戦略の各区域1校ずつに限るという記述でもないし、そう解釈されているとも思えない。
また1校に限る時期(締切や募集期間)も記されていない。
昨日も書いたけれど告示自体には期限が設定されていないので改正や撤廃されるまで有効である。
但し平成30年度(2018年度)に開設する大学に係わる告示なので、平成30年度を過ぎれば実質的に意味を成さないものとなる。
でも逆を言えば国家戦略特区諮問会議は、平成30年度(2018年度)までは1校に絞るのを待つ必要がある。
2017年1月段階では京都府・京都産業大学の提案がすでに出ていた。
2015年には国家戦略特区である新潟から獣医学部新設の提案が出されていた。
獣医学部は認可しない告示が出ていたから諦めていたけれど、チャンスがあるなら申請したいという大学が出てこないとも限らない。
1校に限ると記したあの告示によって国家戦略特区諮問会議は今治市・加計学園の区域計画をすぐに認定することはできなくなってしまったはずなのだ。

区域計画の認定が行われないうちは国家戦略特区の事業として進めていくことはできないし、当然文科省に認可申請しても2003年告示の適用から除外されることもない。つまり獣医学部は認可されない。
あの法律違反の告示を有効と見做しても、まだ獣医学部認可には至らない。平成30年度(2018年度)が過ぎないと無理なのだ。



「平成30年度(2018年度)に開設」という表現も微妙。
「平成30年4月開校」などと書けば、学生を迎え入れる時期がはっきり分かるが、開設だけではどの状態であるべきなのかが不明瞭である。
極端なことを言えば、事業者が「獣医学部準備委員会」を設置し、既存の大学施設を利用したり建設予定地にプレハブ小屋でも建てて、「獣医学部準備室」でも開設することだって「開設」であろう。
そういうことを考えると、29年度が終われば良いということでもなくなる。
あれやこれやに準備がいるから早めに決めたいと主張するならば時期を書かなければならなかった。
それをしなかったのだから平成30年度終了までは決定を出せない。
お役所仕事とはそういうものである。それが嫌なら締切や応募受付期間を書けば良かっただけのこと。






by yumimi61 | 2017-10-19 20:54