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日本国憲法の秘密-605- (加計学園問題について)

幼児教育無償化について触れたついでに「憲法改正」についても述べておこうと思う。

率直に言えば、日本国憲法はその存在自体無理があるものである。

敗戦し占領され連合国の統治下にあり、正式に戦争状態が終結しておらず(条約未締結状態)、日本国という国がどういった処遇を受けるか分からない状況下にあったはずなのに、まるで独立国家のように憲法を制定したのは甚だ不可解である。
多くの人が気付いていないようで今日まで成功してきたが、実はそれが日本国憲法の最大の過ちなのだ。
戦後処理に焦り過ぎた、言い換えれば戦後処理が悠長すぎた。(憲法改正は終戦2か月後から始まっている)
それは敵味方が一部繋がっていることを暗示している。
占領地日本に幾らGHQが付いていたとはいえ、GHQは政治家でも全権大使でもない。軍の組織である。
先進的な民主主義国家が、あるいは独裁国家が、軍に戦後処理の何もかもを一任するなんてことは在り得ない。


1条と14条も相反する。一方で不平等を国民の総意と高らかに宣言し、一方で平等を謳う。
こんな矛盾が成立したまま、日本は今日まで平和にやってきたのだから、別に憲法に拘る必要もない。それが日本の現実である。
憲法を変えなくても何十年も現実的に自衛隊は存在してきたし、自衛隊が憲法違反だと訴えた人は今まで誰1人いなかったのでは?
憲法も国民1人1人もその程度のものだし、憲法を変えなくても法的に問題なく出来る戦争がある。
問題になるのは違憲ではないかと訴訟という手段に出られた場合くらいだが、最高裁判所は国の機関のようなものだから、思い切り国の為政者が不利になるような判決は下さない。
一票の格差裁判でも選挙が無効になったことは一度も無い。
特別区域だって差別の助長を推進しているようなもの。
「現実に即した形に憲法改正するべき」とか「時代にマッチさせて」とか言うけれども、それはつまり現実や時代が憲法に先行しているということで、憲法が何かの抑止力にはならないことを証明してしまっている。


憲法第89条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。


憲法89条が何を言っているか分かりますか?
私学助成は違憲ではないのですか?憲法は最高法規ですよね?
でも国を挙げて私学助成として公金を支出してきましたよね?
公の支配に属しない事業というのは何でしょうか?
私立学校や民間企業は学校教育法や私立学校法、民法その他、法律に支配されているけれども、それが公の支配に属しているという認識でしょうか?
でもそれを言ったら個人事業者だって同じで、憲法や刑法や税法その他法律、公にみな支配されている。
この国に公の支配に属しない人や、事業があるだろうか?
そう考えて行けば、公立か私立かの違いを述べているのではないかという結論に至るのだが。



再び医学部の話に戻る。
一時的な医学部増員が認められた頃(2006年)、全国の医学部(医学科)の地元都道府県出身者は3割程度に留まっていた。
しかし医学部は卒後に臨床研修を積まなければならず、一人前の医師になるまでには少々時間がかかる。
だから地元出身者でなくても少なくともその期間は出身大学あるいはその地域に残ることが多かった。
それでも医師が不足してくるということは、一人前になった医師が出身大学やその地域を離れていくということなんだろうと思う。研鑽その他の理由で都市の病院に移る、実家が開業医なので地元に戻るなど。
もちろん純粋に山間部や離島といった元々人口が少ない僻地の医療(医師不足)の問題は別にある。


そうした医師不足(定着率の低さ)を解消するために設けられた地域枠入試。地域枠入試は一部で古くから存在していたが増加したのは2006年以降である。
それ以降は地域枠入試以外にも、月10万~30万程度のお金を出して指定の病院や診療科で臨床研修をしてもらうような制度が自治体に盛んに取り入られるようになった。
兵庫県ではかなり古くから地域枠入試が存在していた。

兵庫県養成医師制度について
兵庫県内のへき地等で勤務する医師を確保するため、兵庫県が医学生へ修学資金を貸与し、卒業後、一定の期間、県職員として、県が指定する県内の医師不足地域等の医療機関で勤務する制度を設けています。

対象大学:自治医科大学、兵庫医科大学、神戸大学、鳥取大学、岡山大学
貸与金額:授業料等相当額+α
貸与期間:6年間を基本
勤務期間:9年間を基本
⇒卒後2年以内に医師になり、9年間勤務すれば、貸与金額の返済が免除されます

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兵庫県出身の医学生に対して卒後9年間兵庫県が指定する県内の病院で働く(県職)条件で奨学金を給付するものである。
つまり奨学金とお礼奉公がセットになっている。卒後9年というのが臨床研修期間となる。
奨学金給付とお礼奉公は看護師養成でも古くから見られる形。
看護師の場合は看護専門学校にて病院実習をする病院に卒後就職して一定期間働けば修学資金を全額給付するというもので、もちろん全員が対象になるわけではなく数名である。
慈善事業というよりなるべく優秀な学生を病院が確保するための手段であったと思う。
准看護師では、働いている個人病院で准看護学校の修学資金をそっくり肩代わりしてくれるようなケースが多かった。

兵庫の場合は図にあるように古くから(1972年より)県より奨学金が出されている。
自治医科大学は栃木県にあるが、この大学は他と違って、最初から僻地(地域)医療を目的にしているので都道府県別の募集である。
学校の形態も変わっていて、学校法人自治医科大学が設置する「私立大学」であるものの、実際には自治省(現:総務省)が設置した大学で、各都道府県の知事が理事となっている。

自治医科大学は、国からの補助金、全国の地方自治体からの分担金、競艇や宝くじ売上金からの寄付で運営されている。
僻地医療に貢献することを目的に設立された。要は医師の確保のためである。
法的には私立大学の形をとっているが、実際には旧自治省(現総務省)が設置して職員も出向いている。
医学部の学生は各都道府県2〜3人という定員が設けられている。
そのため出身都道府県によって難易度が違うという少々異質な大学。受験生の多い首都圏では超難関校となる。
医学部は全寮制。6年間の学費(2200万程度)も生活費も全て無料。
但し卒業後は9年間地域医療に従事すること(僻地勤務は3年程度らしい)が求められる。(義務年限、お礼奉公とも言う)
看護学部もあるがそちらは学費無料という制度がない。医者だけじゃ病院はやっていけないのにね。格差〜差別〜


自治体が奨学金を給付しお礼奉公を義務付ければ「公の支配に属している事業」と考えたのか、私立大学である自治医大の学生の教育には公金が支出されている。
自治医大は1972年に開校したが、最初からそのような制度で始まった。
それに準じて兵庫県は同じく1972年から私立学校である兵庫医科大の学生数名に対しても公金を支出している。



このように現在の医学部地域枠入試は奨学金と密接な関係がある。
そしてその医学部の地域枠入試は一般入試よりも難易度が下がると言われている。
地域枠入試では修学資金全額あるいはかなり給付してくれるにも関わらず、一般入試よりもレベルが上がるのではなくて下がってしまうのだ。
全国にいた競争相手が同一都道府県だけになり、ライバル(受験者)の実数も減るわけだから、全体的なレベルが下がることは致し方ないだろう。
この地域枠入試とは別に地域を指定した推薦入試「地域指定制推薦入試」を設けている大学もある。
地域枠入試を行っている兵庫医科大学もそれとは別に地域指定制推薦入試を行っている。
おそらく大学はお金で釣ることがあまり望しいことでないことを知っているのだ。


2018年度地域指定制推薦入学試験
兵庫医科大学の地域指定制推薦入学制度は、医学を学ぶのに十分な能力を身につけ、広い視野に立って、自ら問題を解決していこうとする意欲に燃える医師志願者を広く求めることを目的とすると同時に、政府の医師不足対策に基づき、兵庫県の医療の充実に貢献できる医師を養成することを目的とします。

■次の条件を備え、出身高等学校長が推薦する者

1.出願時点で、兵庫県内に保護者(父母。ただし、父母がいない場合は祖父母等)が1年以上在住していることが、住民票により確認できる者、又は兵庫県内の高等学校等を卒業見込みの者又は卒業した者で将来、当該地域における地域医療に貢献しようとする強い意志を持つ者

2.日本国内の高等学校(中等教育学校の後期課程を含む、以下同じ)の全日制普通科(理数科等を含む)を2018年3月卒業見込みの者又は2017年3月に卒業した者

3.2018年3月卒業見込みの者は全体の評定平均値が4.0以上の者(高等学校第3学年第1学期まで), 2017年3月に卒業した者は全体の評定平均値が4.2以上の者(2017年3月卒業時)。

4.合格した場合に入学を確約できる者(専願制)

※地域指定制により合格し入学した場合でも、卒業後の就労義務などはありません。

■出願方法  出身高等学校長経由 出願人数制限なし

■募集人員  5名以内

注) この選抜では、地域医療に貢献する強い意志と適性等を評価するため、合格者が募集人員に満たない場合があります。その場合、欠員は一般入学試験の募集人員に加えます。




地域医療に貢献する強い意志と適性等を評価するとあるが、卒業後の就労義務は特に課しておらず、奨学金とセットにもなっていない。要するに奨学金で釣るものでもない。
学生の良心に訴えるということか。

私も群馬大学医療技術短期大学部看護科に推薦入試(1期生)で入ったが、このタイプに似ている。
各高校の出願人数制限はあった。県内の女子高 各2名までの出願(当時)。
地域医療に貢献する意思が問われたかは全く覚えていないが、就労義務は特になかった。但し地域の総合病院から就職の誘いはあった。
推薦1期生なので自覚を持つようにという話もあったような気がする。
奨学金とはセットになっていなかった。
私は自宅通学しないならば奨学金を借りなさいと親に言われて、育英会の無利子タイプの奨学金を借りて一人暮らしをした。さすがにもう完済している。
育英会の奨学金も国の機関などに勤めれば返済免除となる規定があり、返済途中で後悔したことがある(なあんて)。

育英会奨学金は現在の日本学生支援機構奨学金。大学生にとって一番一般的な奨学金。
独立行政法人日本学生支援機構(Japan Student Services Organization:JASSO)は、独立行政法人通則法に基づく、中期目標管理法人たる独立行政法人である。設立根拠法は同法及び独立行政法人日本学生支援機構法。主に学生に対する貸与奨学金(student loans)事業や留学支援、また外国人留学生の就学支援を行っている。理事長は遠藤勝裕(日本銀行出身)。主務大臣は、文部科学大臣。主務省所管課は、文部科学省高等教育局学生・留学生課。

日本育英会、財団法人日本国際教育協会、財団法人内外学生センター、財団法人国際学友会、財団法人関西国際学友会が合併し、2004年(平成16年)4月1日に設立された。







by yumimi61 | 2017-10-27 13:52