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日本国憲法の秘密-653- (外貨準備と貿易について)

前にも書いたが、自分が売りたい時に売りたい価格で売れやすいものほど「流動性が高い」と言う。
人々ができるだけ流動性の高いものを保有したがる性質のことを「流動性選好」と言う。人間は基本的に流動性選好を持っている。
一番流動性が高いのは貨幣(現金)である。
貨幣(現金・貯金)>債券>株式>物
金利は流動性の高い貨幣を手放すことへの報酬。

では何故人間は流動性の高い貨幣を保有したがるのか?
3つの動機が挙げられている。
①取引動機
個人や事業の買い物や取引において現金が必要となるため。
②用心動機
資産の一部は現金で持っていたいという欲求のため。非常時に備える意味合いも単なる安心の場合もあるが心の安定に繋がる。
③投機動機
投機によって利益を確保するため。その軍資金。

金利はこの流動性選好に大きな影響を与えると考えられている。
金利が下がるとこの3つの動機は大きくなる。それは世間に流通するお金の量が増えることを意味する。
金利低下に続いて雇用増が起こり賃金(国民所得)増大につながる。
国民所得が増えると①が増える。不確実さも増すので②も増える。
組織化された市場がないと③は起こりにくい。
③は投機と書いたが投機(短期の利益追求)と投資(長期予測に基づく)を完全に切り離すことはできない。③が起こらないのは資本不足に繋がる。
そうなると結局のところ国民所得が低下してしまうので、市場が組織化され大衆を動かしたりするが、それが大きくなれば真面目な長期予測はないがしろにされ社会にとって好ましいと状態とはいえなくなる。
また③が大きくなることによって相対的に①②が減少する。経済活動は滞り、不安感は増す。


未知なる未来のことは分からない。計算する方法がないものがほとんど。
さらにお金の動きはああすればこうなるという単純なものではなくて、さまざま要素が加味される。
人間の気まぐれや感情や運に頼ってしまうことも多々ある。
だからどうなるかは実際のところやってみなければ分からない。
実はケインズはそんな身も蓋もないことを長々と述べているのだった。

未来が分からないから、用心動機が増える。
未来が分からないから、自分だけは損をしないようにと皆が組織された市場頼みとなってしまう。
未来が分からないから、長期予測に臨まない。
予測不可能な(予測しない)挙句、変動が多い不安定な市場を、中央銀行の金融政策だけでコントロールするのは無理だろうから、国が投資を直接まとめる責任をもっと負うべきだとケインズは主張する。
お金を回すべきところに回す責任を国が負ったほうがよいという考えである。
この考えがマクロ経済学に繋がった。

短期の変化が長期期待状態に与える影響の重要性を、金利変化とは別個に、十分に検討してきましたが、それでもやはり少なくとも通常の状況では、投資の量に決定的ではないにせよ大きな影響を与えるものとして、金利に話を戻すべきでしょう。でも、金利管理だけで適切な投資量を継続的にどこまで刺激し続けられるかは、やってみないとわかりません。
 私はといえば、金融政策だけで金利を左右できるかどうか、今ではちょっと疑問に思っています。国は資本財の限界効率を、長期的な視点で一般社会にとっての利益に基づいて計算できる立場にあるのですから、国が投資を直接まとめる責任をもっと負うべきだと私は期待しています。なぜかというと、いままで述べてきた原理に基づいて計算される、各種の資本の限界効率に関する市場推計は、変動があまりに大きすぎて、金利の現実的な変化でそれを相殺するのは無理である公算が高いからです。



日本は現在デフレ脱却と躍起になっているわけだが、デフレとは「流動性の高い貨幣が不足している状態」を言う。
違う面からみると、「物を含めた貨幣以外の財の供給が過剰(貨幣以外の財の需要不足)」ということになる。
簡単に物と貨幣の関係にすれば次のようになる。
●デフレ
 物>貨幣(物の供給が需要に対して過剰か、物に対する需要自体が不足)
 →物余りの状態なので物の値段は下がる
●インフレ
 物<貨幣(物の供給が需要に対して不足か、物に対する需要が過度に過剰)
 →物不足の状態なので物の値段は上がる

でも総需要はそれとは違う。
一定期間内に国内で産み出される物やサービスの総額をGDPと言うが、産み出したもの全てに対して需要があるわけではない。売れ残って処分したり無駄になることだって当然ある。
産み出した全てのものに対し、実際に売れたものを、総需要(有効需要)と言う。
単品の物価変動や有事など非常時には上記のようなインフレやデフレがあてはまるが、平常時に全般的な物価水準が上がると総需要は下がってしまうのだ。
要するに物の値段が上がっているからといって物不足(需要高)とは限らないのである。
物価水準が上がると、同じ金額で買えるものの量が減る。損であるという意識が働く。だから消費を控えるようになる。需要が減るということである。
また物価水準が上がると手持ちの現金では不足が生じて、貯金やら債券やらを現金化する。そういう人が増えれば(現金引き出しが増えれば)金利が上がる。金利が上がると借入コストが増えるので、企業や家計は支出を抑える方向に動く。従って物の需要は減る。

今がデフレという認識で物価水準が低いと言うのならば、総需要は上がっているはずである。
日銀や政府は物価上昇を目標にしているみたいだけれど、物価水準を上げれば今よりも総需要は下がってしまうはずなのだが。











by yumimi61 | 2018-01-16 14:25