人気ブログランキング |

by and by yumimi61.exblog.jp

カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

日本国憲法の秘密-659- (外貨準備と貿易について)

かつてのお金は金や銀そのもの、あるいは金貨や銀貨など鋳貨であり、紙幣なるものは存在していなかった。
前記事に現金輸送は危険を伴うと書いたが、それに加えて金銀鋳貨は重くて気軽に運搬できるものではなく、扱いや保管も難しい。
そこで目利きであり立派な金庫を持っていた金匠や両替商は保管料を徴取して、それらのお金(金銀鋳貨)を預かるビジネスを思いついた。
元々立派な金庫を持っていたほどの、つまりはお金持ちであるということで、そういう人ならば盗まれる心配もないだろうということで信用を得られた。
お金を持っている権力者や商人は金匠や両替商に預けて、それと引き換えに預かり証を受取った。
金貨が必要になった時には、その預かり証を呈示すればいつでも金貨を返してもらうことが出来るものである。
しかしながら、いつでも返却に応じてもらえるという安心感は却って停滞を生むし、預ける側も相当なお金持ちなので、一度預けたお金はそう簡単に引き出されることはなかった。
取引きの支払いにあてるために実際に引き出されるのは10~20%程度だったという。残りは常に金庫に眠ったままである。


取引きにおいては、金貨を預けていた支払う側が預かり証を金貨に換えた後に相手に支払う。
支払ってもらった相手が今度はその金貨を金匠や両替商に預けて、今度はその人が預かり証をもらう。
同一地域の取引きならば預ける先が同じであるということは珍しくなかった。つまり結局同じところにお金が保管されることになる。
だったら預かり証だけを動かしても同じではないかということになった。
こうして預かり証での支払いが一般的になっていく。

A金匠←(金貨)商人1
A金匠(金貨)→ (預かり証)商人1
A金匠(金貨)←(預かり証)商人1
A金匠→(金貨)商人1
商人1(金貨)⇒商人2(金貨)
A金匠←(金貨)商人2
A金匠(金貨)→(預かり証)商人2

商人1が2に自分の持っている預かり証を渡しても同じ結果となる。
だから金貨を出さずに預かり証を渡すことで決済することが普及した。いつでも引き出せるという信用があるがゆえに成り立つ。
この預かり証を「金匠手形」と呼んだ。
個々の預かり証(手形)であるので発行された金匠手形は金額などが統一されたものではなかったが、これが現在の紙幣(銀行券)の原形である。

また金貨を預けた商人1が自分で金貨を引き出して商人2に支払う代わりに、その手間を省いて金匠から商人2に金貨を支払ってもらうことを依頼する紙(預証紙幣)を商人1が商人2に渡した。
これを「金匠宛手形」と呼んだ。現在の小切手の原形である。

A金匠←(金貨)商人1
A金匠(金貨)→(預かり証)商人1
商人1(預かり証)→(預証紙幣)商人2
A金匠(金貨)←(預証紙幣)商人2
A金匠 ⇒商人2(金貨)
A金匠←(金貨)商人2
A金匠(金貨)→(預かり証)商人2


「金匠手形」「金匠宛手形」での取引が主流になれば、ますます金庫からお金は出て行かない。金庫のお金が動かないということを意味する。
そうなると金匠や両替商は預かった時に得る保管料の儲けが少なくなる。
そこで次に思いついたのが、その動かないお金(どうせ引き出されないお金)をお金がない人に金利を取って貸し出すビジネスである。
他人から預かっていつでも引き出しに応じられるはずのものを股貸しするなんてことは信用を損なうリスクが高い。
だから最初は貸し出す期間はなるべく短くして、リスクに備えて高い金利を取った。こうして高利貸が誕生する。

その貸し出した分も実際に金貨を貸し出すのではなくて、世間で取引きに使われている預かり証を貸し出せばよいのだ。
預かって金庫に眠る金貨の総額を100とすれば、理論上は最大100まで貸し出せることになる。
裏付けのない預かり証はなるべく早く回収したい。だから最初は短期で高利が実践された。

実際に金貨を預けた人に100の預かり証(金匠手形)が発行されている。
それに加えて金貨を貸し出した人にも100の預かり証(金匠手形)が発行される。
つまり金貨は100しかないのに世には200の預かり証(金匠手形)が流通し取引きが行われているということ。
全く価値の裏付けのない単なる紙を創造してしまうのだ。無から有を生める。現在の紙幣制度もこれと同じである。
もしも200の預かり証(金匠手形)を持っている人が全員金貨を引き出したいと言えば、そんなことは出来ないので金匠は破滅する。
しかし半分の100ならば実際に存在するので応えられる。
全員が一斉に引き出すという事態は滅多にないので成立するし、そもそも預かり証(金匠手形)で金貨と同じ取引きが可能ならば当座の金貨の価値は薄れてしまう。
世の中の人間の感覚が麻痺すればするほど預かる側(貸す側)は大胆になっていく。
200ではなくてもっと貸し出すようになるということである。100を元手に貸し出すという理論も破綻した状態となる。



ここでは理論内にある200のケースで高利貸しがどのように儲かるかを説明する。
100の金貨を元手に200の預かり証(金匠手形)を発行したとする。
100の預かり証(金匠手形)は金貨を預けた権力者や商人が持っている。
残りの100の預かり証(金匠手形)は金貨を持っておらず借金した人が持っている。(金貨を借りたけれど金貨は預けて代わりに預かり証を受け取ったという形式になる。世間では預かり証だけで取引き可能なので金貨を手元に置いておく必要はない)
金匠が発行した200の預かり証(金匠手形)の内、100は実際のところ貸しているものなので金利が付く。
金利込みで全部が返ってくれば130くらいになるとする。
200の預かり証(金匠手形)を発行していて130の預かり証(金匠手形)が実際には金貨を持っていない人から戻ってくるとするならば、30の金貨は金匠のものとなる。要するにそれが儲けとなる。

借金した人が返済した預かり証の額 100+30(金利)=130
金貨を預けている人の預かり証の額 100-30=70

その30は、お金の無かった人(金貨がなくて借りた人)がお金持ち(金貨を持っていた人)から奪った預かり証(金匠手形)と言えるのだ。
奪ったというのは文字通り強奪ということもあるかもしれないが、一般的には市中にて商売か何かでお金の無かった人(金貨がなくて借りた人)が儲けたことを意味する。
要するにお金(金匠手形)の所有者が移ったのだ。これも「金は天下の回り物」ということになる。

高利貸しというと他人の不幸に付けこんで自分ばかりが得をする悪いイメージしかないが、初期にはお金を持っていなかった人にもお金を貸してあげてお金を得る(奪う)チャンスを与えるという意味合いもあった。
そうでもしなければなかなか価値あるお金は動かない。
借りた人が借りた分+金利以上に儲けることが出来れば、借りた人と高利貸しはwin-winの関係となるのだ。

でも借りた人が借りた分+金利以上に儲けることはなかなか難しいので、高利貸しが他者の力を利用して自分だけが儲かるか、借りた人も高利貸しもぱっとしないという結果を招くことが多かった。





by yumimi61 | 2018-01-28 18:24