2018年 04月 30日
日本国憲法の秘密-726- (外貨準備と貿易について)
ロンドンスモッグについて書いているつもりだが、昨日は放射冷却に多くを費やしてしまった。
今日はまず昨日も登場した日本気象協会の用語辞典で「放射冷却」と「放射霧」を比較したいと思う。


日本気象協会 tenki用語辞典
「放射冷却」
地表はその温度に対応して赤外線を放出して冷却するとともに、大気や雲からの赤外線を受けて暖まっている。水蒸気が少なく雲がない夜間には、大気や雲からの赤外線が少なくなるため、地表面は冷えてくる。これを放射冷却というが、春や秋に移動性高気圧に覆われるなどして、よく晴れて風がない夜は、地表付近に冷たい空気がたまって特に冷え込み、霜が降りたりする。


日本気象協会 tenki用語辞典
「放射霧」
風が弱くて晴れた夜には、地面の熱がどんどん大気中に逃げていくため地表面付近の温度が下がる。これが放射冷却であるが、このため地面付近の空気が冷えて空気中の水蒸気が水滴となり、空中に浮かんで霧となる。これが放射霧で、地表面付近の現象であり、日の出後1〜3時間くらいで消えて晴れる。


アンダーラインは私が引きました。
実は以前は「放射冷却」も放射霧で書いてあるように説明されていたのである。気象予報士の説明もそうだった。だから私はそれは「対流」ではないのかと言ったり書いたわけです。
それが最近はちらほら「放射」を意識した文章に変わっているのが見受けられる。(公文書改竄?改竄じゃなくて訂正だ?そもそも公文書じゃないし?ネットなんか落書きみたいなものだし?テレビは所詮娯楽だし?)
だが説明内容を意識して「放射」にし過ぎたため、却って現実に起こっている現象とはそぐわない説明に変わってしまった。
理由は簡単、「放射冷却」ではないから。
でも「放射霧」がメジャーでないため、その存在が忘れ去られてしまったのか、「放射霧」の説明は変わっていない。
さらに厳密に言うと「放射霧」の説明も少々間違えている。地面の熱がどんどん大気中に逃げていったら、地表面付近の温度が下がるのではなくて上がるのだ。


温められた空気群(空気の塊)は上に昇っていく(上昇気流)。
但し上昇するには1つ条件がある。
それは空気群の温度が周囲の温度よりも高いこと。
周囲との差がないと幾ら温度が上がっても上昇はしない。
上昇した空気群も同じような温度になった所で上昇を止める。
逆に周囲の温度が高い場合には空気群は下降する。

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一般的には「高度が上がるほど気温は下がる」と言われているので、図の色が逆ではないかは思うかもしれないが、原子や分子の温度(エネルギー)は上空のほうが高い。
ではなぜ「高度が上がるほど気温は下がる」かと言えば、上空に行くほど気圧が下がるからである。
温度が高いと空気群は膨張し、膨張すると密度が小さくなる。気圧が下がるということである。
他の条件は全て同じとして、50人が4畳半に居る時の部屋の温度と、50人が20畳の部屋にいる時の部屋の温度は、50人が4畳半に居る時の温度の方が高くなる。
上空に行くほど気温が下がるのはエネルギーの大きさに変化があるのではなく、膨張して広さが変わるからである。

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気温は成層圏で下げ止まる。
成層圏には紫外線や可視光線を吸収するオゾン層が多く存在しているからである。酸素などのエネルギー吸収により温度は上がる。もちろん放射もするが四方八方に放射された紫外線や可視光線は周囲の分子にまた吸収される。太陽が存在している限り下がりにくい。
その層を抜けてもっと上に行くと再び気温は下がる。
熱圏は原子や分子の温度(エネルギー)自体は数千度もあるが、気圧が低いため気温もとても低い。

旅客機の平均巡航高度は7.5から11km。対流圏が11kmまでなので、ちょうどその辺り。上の図で飛行機がある高度。
高い所ほど気圧が低い(分子密度が小さい・空気が薄い)ので空気抵抗が少なく飛びやすいし燃費も良い。
もっと上に行くと空気はもっと薄くなって、燃料を燃やすための空気が十分に取りこめなくなってしまう。
飛行機は気圧の低い空気を圧縮して取りこんでいる。低いままでは酸欠になってしまう。
だけど気圧が低いからこそ低温なのであって、圧縮したら気温も上がってしまう。だから飛行機はエアコンディショナーが欠かせない。
もともとエアコンというのは冷媒によって気体を減圧したり圧縮するものだから。


霧が生じるためには水蒸気を含んだ大気が必要である。
水蒸気は気体で、やはり気体の空気に混じっているので、目に見ることは出来ない。
でも私達は湿気が多いとか、湿度が高いとか、なんとなく水蒸気の多い空気を感じることが出来る。
空気は無制限に水蒸気を含められるわけではなく、その量には限界がある。それを飽和水蒸気量と言うが、気温によって違う。
気温が高いほど、飽和水蒸気量は多くなる(多くの水蒸気を含めることが出来る)。

39℃  48.6g/m3
35   39.6
30   30.4
25   23.1
20   17.3
15   12.8
10    9.4
5     6.8
0     4.9

左側は温度で、右側が飽和水蒸気量(含める水蒸気の限界量)。
気温によって水蒸気量が決まっているわけではない。同じ気温でも水蒸気が多い時も少ない時もある。
従って気温ではなく水蒸気量が基準となる。
今日の12時の東京都心の気温は24.1℃で、露点は15.3℃と日本気象協会が発表しているので、その数値から考えると水蒸気量は13g/m3くらい。気温24℃の空気は22g/m3くらいまで水蒸気を含むことが出来るので液化しない。このままの水蒸気量だとして気温が17℃を下回ると液化する。


温かい空気ほど水蒸気を多く含むことが可能。
水蒸気を含んだ温かい空気が冷えて露点に達すれば、水蒸気が液化する。
でももし温かい空気群がその温かさゆえに上昇してしまうとするなら、そこに含まれる水蒸気も一緒に上昇してしまうことになる。
人間の視界の範囲で発生する霧は、水蒸気を含んだ比較的温かい空気群があまり高く上昇しないうちに冷やされる必要がある。


余談だが、夕方遅くや夜になってから外に干した洗濯物を取りこんだことはないだろうか?
昼間晴れていたはずなのに、洗濯物がしっとり湿っぽくなっている時がある。
これは乾かなかったのではなく、昼間よりも気温が下がって露点に達し、衣類が結露してしまったからである。
繊維の糸と糸の間は空気であるので、露点に達すればそこでも液化が起こる。







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by yumimi61 | 2018-04-30 11:48


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