2018年 05月 01日
日本国憲法の秘密-727- (外貨準備と貿易について)
前2回の記事で説明したように「放射冷却」と「放射霧」の解釈や説明は合っていない。
日本気象協会からして間違えていることからも分かるように、ほとんど全ての人がその解釈を間違えている。

知恵蔵(知恵蔵は朝日新聞社が提供する現代用語事典)
放射霧
雲がないため夜間に地上の気温が下がる「放射冷却」により、地表付近の空気が一定温度以下になることによって発生する霧のこと。輻射(ふくしゃ)霧ともいう。湿度が高く風の弱い、快晴の早朝に発生しやすく、日の出で温度が上昇するに従い消滅に向かう。秋から初冬の、内陸の盆地で発生しやすい。放射霧は、地表付近が上空より低温となる「接地逆転層」により乾燥し安定した空気層の下にのみ発生し、様々な条件により、放射霧の濃さ・霧の覆う高さなどが変化する。

アンダーラインは私が引きました。
例にもれず放射冷却は間違えているが、いわゆる「放射霧」の出来やすい条件はアンダーライン部分に書かれていることである。


①放射霧←この名称は誤り

放射霧は移動性高気圧に覆われた内陸の盆地で起こりやすい。
気象予報士が「高気圧に覆われて広く晴れるでしょう」と言っているのを聞いたことがあると思うが、高気圧に覆われているので差が出来にくい。気圧差(気温差)が雲や風を生じるのだから、その差がなければ発生しにくく晴れやすい。(むろん高気圧や低気圧という言葉自体が周囲との差が高いか低いかという言葉なのでもっと遠くにいけば差はあるけれども)
移動性高気圧は春と秋に多い。

e0126350_11283528.jpg

よく晴れると地表の水分もどんどん蒸発する。但し気温が高い時には飽和水蒸気量も大きい(沢山の水蒸気を含むことが出来る)ので直ちに液化することはない。
水分がどんどん蒸発すると書いたが、アスファルトや建物ばかりで、雨の後でもないということになれば、蒸発する水分があまりないので、植物が生えている土地などよりは蒸発する水分量が少ない。
山の間の黄色い部分が地表から温度をもらった温かい空気。
高気圧に覆われて全体が温まっているので上昇気流も起きず、温かい空気はそのまま留まる。気体は液体や固体に比べると熱を溜めこみやすい。

e0126350_10525560.jpg

夜になると地表は太陽光を受けなくなるので温度が急速に下がる。
平地でも山でも地表に接している空気から徐々に温度が下がってくる。
この時、盆地の場合にはサイドにも立派な地表があるようなことになるので、平地よりも温度が下がりやすい。
但し多く空気の隙間や水分(液体)を含んだ地表は、アスファルト(固体)などよりも下がりにくい。
また夜間もエアコンや自動車などの排熱が多ければ、それだけ気温は下がりにくい。

幾ら背の高い高気圧に覆われたと言っても、平地と山の頂上の気圧が同じになるわけではなく、山の上の方が気圧が低く気温も低い。
エネルギーの強い太陽光を受けなくなって他よりも気温の低くなった(重くなった)空気が斜面を下って地に下りてくる。山風。
盆地は大きな窪みみたいなものだから、平地に比べると風などによって外部に大きく大気が流れにくいということもある。
こうして水蒸気を含んだ空気が徐々に冷やされて露点を超えれば霧が生じる。
早朝に発生しやすいのは、春や秋の地表温度は冬ほどは下がらず、露点まで空気を冷やすためにはそれなりに時間がかかるから。
また一晩中観察していれば別だが、通常夜に発生した霧は気付きにくい。
e0126350_10531626.jpg

山形盆地とか甲府盆地とか奈良盆地などは霧が発生しやすい盆地。
でも1990年頃から霧の発生が少なくなっているという報告もある。


②移流霧
暖かく湿った空気が水温の低い海上や陸地に移動し、下から冷やされたことにより発生する。
移流とは大気が水平方向に移動することを指す気象用語である。
暖流上の空気が移動して、夏の三陸沖から北海道の東海岸などに発生させる海霧などがその代表的なもので、消滅までに非常に長時間かかり、厚さが600m程度に達することもある。


イギリスのロンドンに出現する霧はこれである。
e0126350_17452658.jpg

イギリスは北海道よりも緯度が高い。
しかしそのわりには比較的温暖な気候である。
それはイギリスの近くの海の流れが暖流だから。
西側には北大西洋海流という大きな暖流が存在している。
それが回りこんで北海にも流れ込んでいる。西側には及ばないが東側の海もそれなりに温かい。
温かいと言っても15~18℃くらいで、人間が入っって暖かいとは感じられない。(ヨーロッパの人は海に行っても海に入る人は少ないから良いのかもしれないけど)
日本の本州の夏の海水浴場の海水温は日本海側でも25℃くらいになる。最も暑い時期は30℃近くにも上昇する。
(最近のお騒がせ事件で思い出したけど、私も海水浴場から小さな岩の島までの遠泳っていうのをやったことがあります!あれはどれくらいだったのかなあ。もちろん今は無理です。もう海に入るつもりないし)
さすがに北海道の海は夏でも15~18℃くらいでイギリスの海とほぼ同じくらいなのだが、イギリスは冬でも6~8℃くらいあるのに比べて、北海道は太平洋側でも1~3℃くらいと冷える。寒流が流れ込むため。


暖流の上は暖かく湿った空気が流れている。その暖かな空気が偏西風に流れてイギリス国内にもやってくる。だから緯度のわりに温暖。
6月~11月は、ロンドンの最高気温と東京の最低気温がほぼ同じくらい。
ロンドンの夏の最低気温は、日本の4月や11月の最低気温と同じくらいであり、夏でも日が沈むと結構涼しいというか寒い時がある。
ロンドンの9月は侮れない。日本の内陸では9月に35℃超えすることがあるというのに、ロンドンでは高くても20℃がせいぜい。10℃ということもあるわけで、それはもう秋じゃなくて冬ではないかと思ったり。
でもそのわりに12月~3月は、ロンドンと東京の最低気温がほぼ同じ。
ということはロンドンが「温暖」の影響を一番受けているのは冬ということになる。
冬という季節&緯度の高さというダブルパンチで太陽光エネルギーが少なくなってしまうので、ロンドンの冬はマイナス気温となるくらい本来とても寒いはず。
その本来の寒さと暖流から送られた暖かく湿った風が重なると霧が生じる。だからロンドンは冬に霧が発生しやすかった。

世界的に霧は減少傾向にあると言うが、これはヒートアイランド(都市部の高温化)と森林減少(水蒸気の減少)が原因と考えられている。これらが進んだ地域での霧の減少が著しい。


③蒸気霧
安定した冷たい空気が暖かい水面上にあるとき、 水面から蒸発した水蒸気が凝結してできる霧。蒸発霧。

河川や湖沼や湾で見られる。湯気が立ち上るような霧が出来る。
私はこれがよく出来る所を知っている。小学校の理科で霧を学んだ時にも先生があそこでよく出来ると紹介していた。
利根川のダム。堤高が15m未満なので河川法上のダムには該当しないらしいが、川の流れをその場所で一旦堰き止めている。
水を溜めるためにその手前で川幅が広くなっていて、流れもそこだけ非常に緩やかになるので、おそらく他よりも水温が上がりやすい。
ダムなので開けたり閉めたり調整しているはずなので、その関係で水温が上がった状況と冷たい空気とが重なれば霧が発生するのだろう。
本当にその水の上だけに霧が生じる。


代表的な霧を3つほど挙げた。
ロンドンはもともと霧が出やすい町だった。
だがある頃からそれがsmogスモッグと呼ばれるようになる。当初は煤煙smokeと霧fogを合わせた造語だった。

霧は大気中の水蒸気が飽和水蒸気量(含むことが可能な水蒸気量)を超えて液化(凝縮・凝結)したものだということを先に述べた。
でも実は大気中で水蒸気が液体になるには(液化・凝縮・凝結)、飽和水蒸気量(露点)を超えただけではダメなのである。
凝結核が必要なのだ。いわばきっかけと言うか、芯と言うか、核と呼んでいるが、何か微粒子が必要なのだ。
凝結核になれる微粒子は、細かな土埃、工場・住宅・自動車などから排出される煤煙(何かを燃やした時に出る煙)、火山灰、海の塩の粒など。

逆を言えば、あまりに清浄な空気だと霧や雲というものは出来ない。雲が出来なければ雨も降らないし、翳りのない日が続くことになるので、良いことばかりではない。
飽和度が高いほど微粒子は小さいくてよいが、実際に大気中でおこる飽和は飽和水蒸気量を少し超えたくらいで過飽和度が高いわけではない。
従ってある程度の大きさの粒子(といっても微粒子だけど)の凝結核が必要で、且つ吸湿性でなければ霧や雲は出来ない。

ロンドンでは霧の凝結核に煤煙の微粒子が含まれていたことからスモッグと呼んだ。
何が凝結核になったかの違いであって、霧であることには変わりないのだ。
但しスモッグと同じで煤煙が凝結核になる霧を特別に都市霧と呼んだりもする。

現代においては凝結核となりうるものは海よりは陸に多く、特に都市に多い。
人口集中が始まって都市が形成され出すと、霧や雲の発生は一旦は増加する。それは凝結核が増えるからなのだ。
ところがさらに進むとヒートアイランドが起こるので霧が発生しにくくなると言う。ヒートアイランドは温度と水蒸気に関係する。
ヒートアイランドは都市部だけでなく、風によって暖かい空気が運ばれることによって郊外や地方にも影響を与える。
熊谷や館林が高温になる原因の1つは都心のヒートアイランドの熱が南風によって運ばれてくるからだとも言われている。





[PR]

by yumimi61 | 2018-05-01 12:13


<< 山と気温      日本国憲法の秘密-726- (... >>