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やがてそこに。


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日本国憲法の秘密-758- (外貨準備と貿易について)

前々記事の終わりに書いた「借金」は国家間(政府や公的機関)の借金のことである。
他国にどれだけ貸し借りをしたかという話で、イギリスやフランスはお金を借りた国でもあるが、貸し出した国でもある。
アメリカはかなり貸し出しているものの借りたのはごく僅か。
ドイツは他国から借金をしていない。
他国から借りたくせに他国に貸し出すということは、国家の信用の違いなどからくる金利差があったり、必要通貨や正金保有量が異なるため可能となる。
信用の高い大国ほど有利である。
また国内で借りて国外に貸し出すという方法もあるので、政府と親密な金融資本家がいれば国内で資金を調達しやすい。


国内における自国通貨の資金調達は増税か公債発行などが考えられる。
第一次世界大戦で増税したのはイギリスとアメリカのみ。
突発的に始まりいつ終わるともしれない戦争の費用は予算に計上されにくいものである。
政府が余剰金(貯金)を持っていればよいが、そうでなければほとんどの場合借金で賄うことになる。
戦争の際に最も行われる資金調達は、国債を自国の中央銀行に引き受けさせ、紙幣を新規発行させてしまうこと。


何かと融通の利く国内で調達(借金)が出来ればそのほうが良いが、国内で調達しきれない金額が必要になったり、決済で外貨や正金が必要な場合でそれが不足する場合には、どうしても国外に求める必要がある。
多くの戦費を費やしたドイツ政府が国外に借金しなかったということは、開戦時に財政上余裕があった、あるいは国内で資金調達が可能であったということであるし、物資の調達もほとんど国内でカバーできて外貨がそれほど必要でなかったということになる。
資金面、物資面、兵士、戦略など、ドイツが有利であったことを示している。残る問題は内政だけ。



ここでもう一度日露戦争の資金調達を考えてみてほしい。
日本は外貨を調達しなければならなかった。
戦争が始まってから、外貨には直接関係なかった日銀副総裁があてもなくアメリカやイギリスの銀行家に依頼にいくなんてことをしなくても、日英同盟を締結済みだったのだから日本政府がイギリス政府と交渉して借りれば良かったはずである。
しかもどうせその多くはイギリスに支払うお金だったのであろう。実に簡単な話である。
民間の銀行家に借りるよりも低金利で期間も長く設定できたのではないだろうか。
イギリスは日露戦争においては中立的立場を維持するからお金も貸せないと断られたのだろうか?
ならばアメリカの銀行家ではなくアメリカ政府と交渉すれば良かったではないか。



政府間のお金の貸し借りのことを借款という。
今の時代の借款はもっぱらODAということになりそうだが、戦争などが行われる時にはもう少し幅が広がるのではないだろうか。

政府開発援助(Official Development Assistance, ODA)
発展途上国の経済発展や福祉の向上のために先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のことである。

借款
国際機関と国家間または、それぞれ異なる国家の政府や公的機関間における長期間にわたる資金の融資のこと。日本では、「クレジット」とも呼ばれている。英語における正しい表記は「ローン(loan)」である。また、政府と関係の深い民間の金融機関や企業が借款の貸し手・借り手となる場合もある

上にラインを引いたようにこの借款の定義が微妙なのである。
どの定義を使っているかを明確にしないと金額も意味合いも変わってくる。
通常は政府と政府の貸し借りのことを指すはずなのだが、借りる側に政府だけでなく民間金融機関や企業を含めていることもある。また相手も政府だけでなく外国の民間の金融機関や企業に借りた場合を含めることもある(広義)。
もっと広義には民間の銀行や会社が外国の銀行や会社から資金を借りる民間の貸し借りまで含めていることもある。
日露戦争時の日本政府は外国の金融機関・企業から借りたわけだが、広義の意味ならば借款である。(金利は決して低くはなかったが)
ではドイツも他国政府からは借りなかったけれど、銀行からは借りたのではないかと思うかもしれないが、戦時中にすでに多額の借金をしていたならば戦後あれほど莫大な賠償金を課せられることはなかっただろうと思う。


円借款とは、国際協力機構を経由して日本政府から発展途上国政府へ、インフラストラクチャー整備を目的として行われる長期・低金利の資金貸し付け。
日本による政府開発援助(ODA)は伝統的に、被供与国の自立を促すため返還の必要の無い無償資金供与ではなく、有償資金協力のうち特に円借款を重視してきた
2006年(平成18年)に行われた円借款の平均金利は1.03 %、平均返済期限は33年8ヶ月である。1966年(昭和41年)から、2006年(平成18年)までに実施された借款の82 %はアジア諸国を対象としている。



現代の日本は世界の中でもODAの規模が大きい国である。
日本のODAを行っているのはJICA( 国際協力機構)。
独立行政法人国際協力機構は技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力の援助手法を一元的に担う、総合的な政府開発援助(ODA)の実施機関です。

JICAホームページより
他の先進国の有償資金協力の比率が低いのに対し、日本のODAは有償資金協力の比率が高い、その主たる理由は、日本のODAは開発途上国の「自助努力」の支援を基本原則とするという考えで供与しているからです。

ちなみにIS(イスラム国)に拘束されて2015年1月に殺害されたらしいジャーナリストの後藤健二氏の奥さんがJICA勤務だったとか。
彼女は殺害の映像が流されたらしい1月30日の前日に声明を発表した。
これが何故かイギリスのロイター通信(親会社はトムソン・ロイターでカナダとイギリスの二元上場会社だったが、イギリス法人は上場を廃止して、カナダ法人がカナダとニューヨークで上場している)とイギリスのフリージャーナリスト支援団体「ローリー・ペック・トラスト」を通しての発表だった。

それから2016年7月にバングラデシュのダッカ(かつて日本赤軍がハイジャックテロを起こした時の行き先地)で武装グループが飲食店を襲撃し、日本人7人を含む22人が死亡した事件、あれもIS(イスラム国)が犯行声明を発表したらしいが、犠牲となった日本人は全員が国JICAのプロジェクトに関わっていた人だった。
イスラム教徒のラマダン(断食月)に高級レストランで食事をしているところを襲われている。


ODAの借款の条件の緩やかさはグラント・エレメントという指数で表わされる。金利が低く融資期間が長いほどグラント・エレメントが高い。
資金を無償提供(贈与)した時にグラント・エレメント100%となるが、日本は25%以上であることを条件としている。援助という名の融資。ある意味、ハゲタカと言われても仕方がないような。

【2013年度までの累計で見た円借款供与額上位30か国】
1 インドネシア 47,219.70(単位億円)
2 インド 44,564.19
3 中国 33,164.86
4 フィリピン 24,209.20
5 ベトナム 22,814.75
6 タイ 21,986.21
7 マレーシア 9,760.38
8 パキスタン 9,759.93
9 スリランカ 9,516.29
10 バングラデシュ 9,456.49

【2013年度円借款供与額上位10か国】
1 インド 3,650.59
2 ベトナム 2,019.85
3 インドネシア 821.82
4 フィリピン 687.32
5 コスタリカ 560.86
6 ミャンマー 510.52
7 トルコ 429.79
8 イラク 391.18
9 スリランカ 350.20
10 ウズベキスタン 348.77


融資とはいえ日本もお金がないのに財源はどこなのかしらと思うと思うけれども、それもアンサーしている。

円借款の財源は?
A. 大きく三つの財源があります。
円借款の貸付・出資業務に要する財源は大きく分けて、(1)税金や国債などを財源とする一般会計からの出資金、(2)財政融資資金借入金、(3)自己資金等から構成されています。
一般会計予算が円借款の主な財源となっていることにより、開発途上国の経済発展のために、非常に低い金利で返済期間の長い円借款を供与することが可能となっています


日本の財政収支は何十年も赤字で、余っているお金などないはずなのだ。(最初から予算に組み込んでしまうから必要経費という扱いで赤字だろうが関係ないという意識なんだろうけれども)
国債を財源にするということは国債を発行し資金調達して貸し出すという意味だろうか。
そうだとしたらせめて日本の新規発行国債の金利よりも、貸し出し金利のほうが高くなければならない。
もしも貸し出し金利のほうが低ければ「援助という名の融資」や「ハゲタカ」すら格好付かない。
ODAの貸し出し金利が1%くらいとして日本の国債金利はどうか。1%を下回ったのは2012年以降である。


中華人民共和国へは1979年(昭和54年)から約3兆3165億円の借款が行われた。2000年代に入り、日中関係の悪化と中国経済の発展を受けて、中国への円借款の批判が高まり、2007(平成19)年度をもって終了した。
無償資金協力(2011年〈平成23年〉現在、累計1544億円)および技術協力(2011年〈平成23年〉現在、累計1704億円)、政府貸付(円借款以外)については現在も対中ODAが続けられている
 






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by yumimi61 | 2018-06-18 21:12