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やがてそこに。


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日本国憲法の秘密-782- (外貨準備と貿易について)

GDP(国内総生産)が大きければ経済大国と言われることが多い。
2017年の名目GDP(USドル換算)トップ10は下記の通り。(ランキングは世界経済のネタ帳より)

【2017年の名目GDP(USドル換算)】
1位 アメリカ 19,390.60(単位は10億USドル、以下同じ)
2位 中国 12,014.61
3位 日本 4,872.14
4位 ドイツ 3,684.82
5位 イギリス 2,624.53
6位 インド 2,611.01
7位 フランス 2,583.56
8位 ブラジル 2,054.97
9位 イタリア 1,937.89
10位 カナダ 1,652.41

どうですか?納得な感じですか?

何度も言うようだけれどGDPは付加価値。
(控除法なら・・)
付加価値=製品の値段-製品を製造するのに掛かって当然の費用
(加算法なら・・)
付加価値=純利益+支払利息+手形割引料+賃借料+人件費+税金

※純利益は企業会計では人件費や利息や税金なども差し引いた最終的な利益であり、差し引く前ならば営業利益や経常利益であるが、国全体では企業会計以外もあるせいか、付加価値の説明においては純利益と記載している場合が多いので私もそのまま「純利益」という言葉を使用している。

GDP(国内総生産)は国内における生産性を示していると言っても良い。
生産をする上で必要な主なもの、紙幣、原材料、労働力。
原材料や動力源(燃料)調達や労働者を雇う紙幣(資金)があり、原材料や燃料や労働力が調達出来て、はじめて生産は可能となる。

・紙幣を持っているか調達できるか  →正金を保有
                  →資産を保有
                  →借金が可能か(紙幣流通量、金利との関係)
・原材料や燃料を調達できるか →国内・近場に資源があるほど調達しやすい
               →原材料や燃料の価格が安いほど調達しやすい
・労働力を確保できるか  →人口が多いほど確保しやすい
             →給料を高くするほど確保しやすい

国も企業も生産が可能となったら効率や利益率を考えて、なるべくそれらが高くなるようにしなければならないが、GDPが生産額から計算されるとするならば効率や利益は正しく反映されない。
沢山作りすぎる、結果が出ないのに開発や研究に膨大な費用を掛けている、借金が多くなり過ぎたり人件費が掛かり過ぎている、これらはGDPを上げる要素でもあるが、経営を悪化させる要素でもある。
そうした良くない経営状態がGDPには「金額の大きさ」としか反映されてこない。
一般には負債も見えない。
GDPが大きいだけで経済大国として優越感に浸るという姿をよく目にするが、企業経営や国家運営の優劣、人々の豊かさは一切表していないと言ってもいい。


人口が多く、その多くの人達が生活していかなければならないとなると、必然的に労働の場が必要となる。労働の場とは生産の場である。
だから人口が増えて生産の場が増えれば、生産額が増え、GDPも大きくなりやすい。
人口が大きくなれば、単純にそれまでよりも需要も増す。
実質GDPは人口が増えただけで大きくなる。
ということで、資源も多く使うし、紙幣を増やすことにもなる。
効率や利益を考えるべきだが、雇用というものを考えると、効率や利益だけに突っ走れないというジレンマを抱えることになる。


このように人口はGDPを大きくする1つの大きな要素であり無視できないものである。
従って国家間でGDPを比較するならば、少なくとも人口くらいは加味したほうがよい。
そこで、1人当たりの名目GDPを見てゆきたい。

計算式は、名目GDP÷人口=1人当たりの名目GDP である。
これが大きいということは1人あたりの生産額が大きいということになるので、人的には効率が良い。1人が価格に与える影響が大きいとも言える。
1人当たりが生み出す付加価値が大きい、1人当たりの生産性が高い、少ない人数で多くを生産できるというようなこと。

【1人あたりの名目GDP(USドル】 (2017年世界人口ランキング)
1位 ルクセンブルク 105,803.13 (163位)
2位 スイス 80,590.91 (93位)
3位 マカオ 77,451.29 (160位)
4位 ノルウェー 74,940.62 (114位)
5位 アイルランド 70,638.26 (118位)
6位 アイスランド 70,332.19 (171位)
7位 カタール 60,804.26 (136位)
8位 アメリカ 59,501.11  (3位)
9位 シンガポール 57,713.34 (111位)
10位 デンマーク 56,444.10  (109位)

ご覧の通り、1人あたりの名目GDPが高い国は、人口はそれほど多くない国ばかり。アメリカだけが例外。
人口が多くなると、1人当たりが生み出す付加価値が下がる、1人当たりの影響力が減少するということを如実に表している。
そんな中アメリカは人口が世界3位という多さでありながら非常に健闘していると言わざるを得ない。
但しGDPは全てがいっしょくたで、1人当たりというのはあくまでも平均。
国としてみれば健闘しているが、国民の端端まで生産性が高いとは言えない。
IT長者など一部の人がGDPの数字に大きく貢献している可能性が高いが、そうだとすれば国内において差が非常に激しい国と言えてしまう。
そうした差の激しさは綻びや軋轢に繋がってしまいやすい。
中国は74位、日本が25位、ドイツは19位、イギリスは24位である。

次のグラフは「1人当たりのGDP」の1980年からの推移である。(2018年以降は予想値)
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前にも載せたこちらのグラフももう一度。
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GDP総額ではずば抜けているアメリカだが、人口も多いので1人当たりのGDPにすると総額ほどの差は付かない。
しかもアメリカが名目GDPを上げてきたのは2009年頃からなのだ。(上のグラフで縦線を引いたところ)
前述したがアメリカはずっと実質GDPのほうが高い国で、物価が抑えられていた国だった。
ところが2009年頃にそれが突如逆転した。
2008年9月にアメリカのリーマン・ブラザースが破綻し、それをきっかけに世界金融危機が起こった。
2009年1月からは民主党のオバマ政権となった時期でもある。
アメリカのGDPが継続して上昇していることには変わりないが、中身は少々というか大きくというか、違うのである。
発表されている数値を信じるならば、アメリカは物価安の恩恵を受けられなくなり、実質(あるべき姿)からもどんどん離れてしまっている状態にある。
他国のことは分からないが、その状態は日本ならば好景気などと言うものである。
しかし人口が多く、しかも差の激しいアメリカで、実質以上に物価が上昇していくことは望ましいこととは言えないのではないだろうか。

中国は現在アメリカに次いでGDP総額は大きいが、人口が飛び抜けて多いので、1人当たりにすると大して大きくはならない。
GDPは純粋に利益を表しているわけではないので何とも言えないところがあるが、それを考慮しても1人当たりのGDPがそれほど大きくないということは、国として経済の国際競争力は思うほど高くないと言えてしまうかもしれない。




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by yumimi61 | 2018-08-13 15:18