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有視界飛行✇

ドクターヘリの過去記事

以前ドクターヘリについて書いたことがある。下記の緑字はその中から。

一部の人には大絶賛され、一部の人には嫌疑懐疑の目を向けられ、多くの人は見たことすらないドクターヘリ。
ドクターヘリの長所と短所を簡単に説明しておこう。
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[長所]
・自動車より速度が出る。

・空を飛ぶので渋滞や信号の影響を受けない。細い道でスピードが出せないということもない。

[短所]
・有視界飛行であるために夜間は飛べない(出動できない)。濃霧や雷雨、台風の時も飛べない。
 現在「PM2.5」が流行っているが大気汚染がひどくなった時も飛べないかもしれない。

・強風時も飛べない。(群馬県ドクターヘリ運航開始式に予定されていたデモフライトは強風のため中止だった)

・どこにでも着陸できない。着陸に適した地形、着陸できるだけのスペース、着陸するための許可が必要。

・有視飛行なのにパイロットが1人しか乗っていない。
 飛行中にパイロットに緊急事態(急病など)が発生した場合、搭乗者全員の命が危ない。
 ヘリが地上に落下すればさらに被害は拡大する可能性がある。

・燃費が悪い。
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こうして見てみると分かるが、ドクターヘリが自慢できるのは飛行スピードくらいなのである。


有視界飛行とは

有視界飛行方式(厳密には「有視界飛行方式による飛行」。英語表記は、VFR: Visual Flight Rules)
離陸後に目視にて位置を判断する飛行のことである。
日本国の航空法施行規則 第六条の二によると、「有視界飛行方式 (VFR) とは、計器飛行方式 (IFR) 以外の飛行の方式をいう」とある。
また、日本国航空法において「計器飛行」とは、「航空機の姿勢、高度、位置および針路の測定を計器のみに依存して行う飛行」であって、前述したIFRは管制官や運航情報官の指示や提供情報に常時従って飛行する方式であり、意味は異なることに注意されたい。


有視界飛行方式 (VFR) ↔計器飛行方式 (IFR)

計器飛行方式での飛行(IFR機)は航空路の中心線飛行(空中に設定された一定の幅を持った通路の中心線から決められたマイル以内を飛行すること)が義務づけられている。
パイロットの判断や搭乗者の指示であっちにこっちに好きな方向へと飛んでいくことは出来ない。
またIFR機は常に管制機関の与える指示に従って飛行しなければならない。
決められた航空路を飛行するからこそ計器でコントロールできるとも言える。

一方、有視界飛行方式 (VFR機) には航空路の中心線飛行は義務付けられていない。また常に管制機関の指示に従う必要もない。
指定高度を出ない限りは自由に飛行できる。
自分の知識や経験や技術、外部情報をフル活用し、さらに空中において自分の目で地形や障害物、他機など飛行物や天候の変化を実際に確認しながら、自分で判断し対応しながら飛行する。
但し、有視界飛行方式 (VFR機) でも管制圏や特別管制区などの管制空域を飛行する場合は管制機関の指示に従って飛行しなければならない。
管制空域は管制機関から許可された場合を除き有視界飛行方式(VFR機)による飛行が禁止された空域である。
・管制圏とは運輸大臣が指定する飛行場とその周辺の空域である。
・特別管制区は交通量が特に多い空域,あるいは進入や上昇経路などリスクの高い飛行を行っている航空機が多い空域などで指定されている空域。航空機相互の異常接近や衝突を防止するために設けられている。

ライト兄弟の時代から第二次世界大戦終戦後の1960年代頃まで主流であったのが、このVFRである。
この当時は、IFRのような手段が確立されておらず、無線標識(無線方位信号所など)や航空路レーダーも無かったため、地形を頼りに操縦士の目視による飛行となっていた。これが現在のVFRの基である。
この方式では悪天候下における飛行はほぼ無理であることと、雲に突入してしまうと非常に危険である。
現在では技術の発展により、1970年代から航空機に搭載されている計器を頼りに航空管制の指示に従い飛行するIFRが主流となったため、定期便はIFRでの飛行が義務付けられた。
また国際民間航空機関 (ICAO) により、VFR飛行を行うことが可能な気象状態(有視界気象状態、VMC : Visual Metrorogical Condition)が定められており、空域ごとに雲との距離や視程などの条件が規定されている。このため、悪天候下における飛行機の飛行はほとんど、IFRでの飛行となっている(ただし例外があり、航空ショーなどのデモンストレーション飛行において同一空港発着における空域内飛行においては、飛行機でもVFRが許可される)。

ヘリコプターはIFRも可能であるが、VFRでの飛行が主である。


先日の台風で飛んだ報道ヘリは安全?危険?

9月4日の台風の時の報道ヘリがどこからどこに飛行していたのか私は直接確認していないが、関西国際空港周辺だとすれば管制圏である。
上記の通り、通常管制圏は有視界飛行方式による飛行が禁じられている。
昨日載せたツイートにこんなのがあった。

・関空の上空にヘリを飛ばせて撮影してるんだけど、普通空港の上って飛べないように思うんだけど違う? 17:36

ヘリコプターはほとんどVFR機なので、だから民間のヘリが管制圏である関空の上空を飛んでいるのはおかしい、空港の上は飛べないと思ったのだろう。それはその通り。
ただ例外として特別に許可を得た場合やIFR飛行にすれば可能ではある。
フライトレコードを見ていた人も多かったが、一般的なフライトレコードのサイトに飛行が記録されていたヘリはIFR飛行だったと思われる。
特に4日は「強力な台風」のためその周辺で飛行機が飛んでおらず、さらに関空では滑走路が冠水したり停電したりで再開も不能となり、空港上空ががら空きとなっていた状態であった。

また着陸は通常であっても非常にリスクが高くなるので天候が悪い時には尚のこと怖いものとなるが、上空からの撮影のための報道(取材)ヘリは取材地に着陸する必要はないので、そういう意味におけるリスクは回避できる。
比較的天気が安定している空港を飛び立ち、航空路を利用し、あるいは安全な経路を取って、安定している空港に戻ればよいわけだから。
航空機事故は離陸後の3分間と着陸前の8分間の間に起こることが多く、これを「Critical Eleven Minutes(魔の11分間)」と言っている。
但しヘリコプターは魔の11分以外の事故も非常に多い。
建物や電柱や鉄塔や他機、山や丘などへの接触や衝突(天候悪化による視界不良が関係していることもある)、障害物を回避するために体勢を崩して墜落、機体トラブルや原因不明の墜落などなど。

8月に群馬県の防災ヘリが墜落して9名も犠牲者を出したが、その飛行を請け負っていた東邦航空は過去に取材陣を乗せて事故を起こしたこともある。

##1978年8月12日 - 岩手県宮古市で取材飛行中のセスナ172C(JA3175)が墜落、搭乗していた3名のうち機長および放送員が死亡、カメラマンが重傷を負った。

##1981年12月29日 - 山形県山形市で写真撮影中のAS350B(JA9302)が墜落、中破した。搭乗していた機長、整備士、カメラマン2名のうちカメラマン1名が死亡、もう1名が軽傷を負った。

##1988年6月8日 - 東京ヘリポートで取材飛行へ向かうSA341G(JA9164)がホバータクシー中にエプロンに不時着、中破した。

##1996年4月27日 - 長野県長野市篠ノ井でテレビ信州の取材飛行を行っていたAS350B(JA9792)が、長野放送の取材飛行を行っていたAS355F1(JA9633)と空中接触して墜落、東邦航空機は4名(機長、整備士、記者、カメラマン)が死亡した。


再びの事故

東邦航空は昨年も群馬県内にヘリコプターを墜落させた。
しかもその地は1985年に日本航空の旅客機が墜落した上野村だった。
2年連続群馬県内で事故を起こしたことになる。
2件の事故とも離着陸時の事故ではない。

##2017年11月8日 - 山梨県早川町 から栃木県芳賀郡芳賀町 の栃木ヘリポートに空輸中であったAS332L(JA9672)が群馬県多野郡上野村乙母の藤沢橋に墜落、大破炎上した。乗員4名全員が死亡した。事故前に機体を修理した際に一部の部品を交換する必要があったのに怠っていたことが分かり、2018年2月2日に国土交通省東京航空局が航空法に基づき事業改善命令を出した。

産経ニュース 2017.11.8 群馬のヘリ墜落、搭乗の東邦航空4人死亡 墜落直前に部品外れる?
群馬県上野村乙母(おとも)で8日午後2時半ごろ、ヘリコプターが墜落し、乗員4人が死亡した事故で、東邦航空(東京都)は同日、同機に八尾事業所(大阪府)所属の機長、北川一郎さん(60)らが搭乗していたと明らかにした。

 墜落直前に機体後部の部品が外れたとの目撃情報があり、県警は業務上過失致死容疑も視野に墜落原因を調べる。国土交通省は航空事故と認定し、運輸安全委員会は航空事故調査官を派遣する。

 墜落機には北川さんのほか、いずれも東京本社所属で整備士の杉山勝彦(50)さん▽滝沢俊太(としひろ)さん(27)▽池田裕太さん(22)-が搭乗していた。

 ヘリは、同日午前8時31分に長野県の松本空港を離陸。山梨県早川町の水力発電所から近くの工事現場に重機を運ぶなどした後、午後2時3分に同町を離陸したと無線連絡があった。栃木県内のヘリポートに向かっていたとみられる。


航空事業会社(東邦と朝日について)

東邦航空の上野村の事故の機長は八尾事業所(大阪府)所属だったと書いてある。
東邦航空の本社は東京の新木場の東京ヘリポート内にある。
その他、調布飛行場内、仙台空港近く、花巻空港内、新潟空港内、八丈島空港内、長野へリポート内、富山空港内、静岡空港内、八尾空港内、信州まつもと空港内、栃木ヘリポート内に事業所を置いている。
これらが離着陸基点になるということである。
(株主・親会社)川田テクノロジーズ・・(子会社)川田工業・・(孫会社)東邦航空
 ※川田テクノロジーズは川田グループの持株会社

昨日載せたツイートにもヘリが八尾空港を飛び出たとあったが、八尾空港内に本社を置いているのが朝日航空。
朝日航空は航空事業大手である朝日航洋の西日本航空支社でもある。
 (株主・親会社) トヨタ自動車・・(子会社)朝日航洋・・(孫会社)朝日航空

朝日航洋の事故

朝日も東邦と同じくらい事故件数はある。
報道(取材)に関係するものは次のとおり。

##1990年8月20日 - 沖縄県中頭郡勝連町のホワイトビーチで取材飛行中のベル206L-3(JA9365)が強風下でのホバリングにより操縦不能となり墜落、大破水没した。機長、整備士、記者、カメラマンの4名が死亡した。

##1996年4月27日 - 長野県長野市篠ノ井で長野放送の取材飛行を行っていたAS355F1(JA9633)が、同じくテレビ信州の取材飛行を行っていた東邦航空のAS350B(JA9792)と空中接触して墜落炎上、朝日航洋機は機長とカメラマンが死亡した。
 ←朝日と東邦のヘリが接触して墜落炎上し、双方が死者を出したという痛ましい事故。地上の人を巻き込まなかっただけ良かったというべきか。

事故にはならなかったが重大インシデント
##2013年9月10日 - 関西国際空港において朝日放送から運航を受託しているベル430(JA06NR)が管制官の指示を得ず滑走路に進入したため、着陸進入中だった全日空機が着陸復行した。

ドクターヘリでも事故を起こしている。
2016年8月8日 - 神奈川県秦野市のコベルコマテリアル銅管秦野工場のグラウンドで、東海大学医学部付属病院のドクターヘリBK117C2(JA6917)が着陸に失敗し大破。搬送予定の高校生は救急車で搬送されたが死亡。事故との因果関係はないという。


(続きますが記事を新しくしました)



by yumimi61 | 2018-09-07 13:51