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有視界飛行✇✇✇

知らないよ?

振り返ってみれば、日本が大災害時代に突入したのは1995年阪神淡路大震災以降と言えるだろう。
阪神淡路大震災の被害の甚大さの象徴となったのは阪神高速道路3号神戸線の倒壊の画像であった。
それは自然が現代文明を破壊することの象徴のようでもあった(阪神高速道路3号神戸線の開通は1966年)。
しかしその一方で阪神淡路大震災は多くの古い木造住宅を押しつぶしたという謂わば旧文明の破壊を象徴するものでもあったのだ。(死者の多くはその木造住宅倒壊による圧死で、しかも即死が多かったと言われている)

その阪神淡路大震災の時からヘリコプターの音が救助や連絡を妨げるという報告がなされていた。
倒壊した住宅の中から生存者を探す作業でもヘリの音が煩さすぎたとか。
その矛先は報道ヘリに向いたが、「報道ヘリだけが飛んでいたわけではない、救助ヘリや運搬ヘリだって飛んでいたのだ。報道ヘリのせいにするな」という主張もあり、これらの批判や反論はその後今日まで繰り返されている。


有視界飛行の気象条件

ヘリコプターは有視界飛行が主流である。
有視界飛行を安全に行うには気象を理解し確認する必要がある。これは登山にも通じるものがある。
登山と違うのは有視界飛行は飛行(離陸)できる気象条件が法的に定められていること。最低限その条件をクリアしなければならない。
自己責任だからと言ってもどんな状況の時にも飛行できるわけではない。
それは有視界飛行している機体や搭乗者がどうこうという心配よりも他者(主に旅客機や自衛隊機・軍機)に迷惑がかかるからという要素が大きい。
法的に定められている気象条件とは「視程」と「雲からの距離」であり、天気とか気温とか風速とかの定めがあるわけではない。

気象条件

●3,000m(10,000feet)以上の高度での飛行
 視程:8000m
 雲からの距離:(水平)1500m、(上)300m 、(下) 300m

●3,000m(10,000feet)未満の高度で管制圏・管制区での飛行 
 視程:5000m
 雲からの距離:(水平)600m、(上)150m 、(下) 300m

●3,000m(10,000feet)未満の高度で管制圏・管制区以外での飛行 
 視程:1500m
 雲からの距離:(水平)600m、(上)150m 、(下) 300m

●地表または海面から300m(1,000feet)以下の高度で管制圏・管制区以外での飛行 
 視程:1500m
 雲からの距離:航空機が雲から離れて飛行でき、且つ操縦者が地表または水面を引き続き視認できる気象
※この高度におけるヘリコプターの場合は、この気象条件を当てはめる必要なし。視程規定なし。他の物と衝突を避けることができる速度で飛行すれば雲からの距離からも自由。要するに機体が雲の中に入り覆われ前後横上下が見渡せないような状態でも飛行が認められるということになる。

すなわちヘリコプターは低高度で飛んだ方が気象条件の縛りを受けない。(低速であることが原則であるけれども)
だが地上にいる人にとっては低高度なほど恐怖感を感じるし騒音となる。
飛行規制というのは地上に暮らす人間のことまでは考えていないということなのだ。(空港近くでは別途航空機の騒音規制などが設けられていたりすることもあるが)

航空気象情報

「自己責任」を主張すると非難されるということが最近はままある。
でも自己責任は自分の責任で何でもできる、つまり自由があるということでもある。
他者が責任を持ってくれるということは少なからず他者から制限や支配を受けるということに他ならない。
だけど制限や支配を受けても他者が責任を持ってくれるということに大きな利点があることも人々は知っているのだと思う。
そして時にその利点があだになることもある。
もちろん選択した自由があだになることもあるのだけれども。

有視界飛行には管制官にいちいち指示されないという自由がある。
自分の知識や経験や技術、外部情報をフル活用し、さらに空中において自分の目で地形や障害物、他機など飛行物や天候の変化を実際に確認しながら、自分で判断し対応しながら飛行する。
それでも飛行している他の機体のリスクにならぬように一定の飛行条件が定められいる。

とにかく自由に空を飛ぶためには気象に十分留意しなければならない。
まずは地上の天気予報や天気図、そして航空気象情報を確認する必要がある。
気象総観図(高層天気図)、SIGMET(悪天情報)やAIRMET(天気現象に関する注意報 )、TAF(飛行場予報)やMETAR(定時飛行場実況気象通報式)などを、離陸飛行場、着陸予定の飛行場、状況悪化した場合に利用するかもしれない飛行場など離着陸時間を加味して全てを確認しておく必要がある。さらに経路の気象変化も予測しておかなければならない。
そのうえで気象悪化などによって余計に燃料が必要となるかもしれないので、搭載燃料規定を守りつつ十分且つ適切な燃料搭載にも気を配る必要がある。

TAF(飛行場予報)やMETAR(定時飛行場実況気象通報式)は気象通報式の1つである。
気象通報式
観測点の気象状況を記号化して表現したデータである。各気象観測点における気象観測点の状況を、国際的に通報する場合に利用される。
英語と数字で表現されていて、知らない人がみれば???という代物である。
パイロットや運航管理者、航空管制官などが気象情報として利用するもの。以下の種類がある。

•国際気象通報式
 地上実況気象通報式(SYNOP)
 海上実況気象通報式(SHIP)
 定時飛行場実況気象通報式(METAR)
 特別飛行場実況気象通報式(SPECI)
•国内気象通報式
•航空気象通報式
 METAR、SPECI
 運航用飛行場予報気象通報式(TAF)
 着陸用飛行場予報気象通報式(TREND)
 ボルメット放送用飛行場予報気象通報式(VOLMET)
 航空気象観測所実況気象通報式(SCAN)
 航空路予報気象通報式(ROFOR)
 機上実況気象通報式(CODAR)

例えばこんなふうに表される。知らないとまるで何かの暗号か呪文か居眠りしながらキーを叩いたような感じ。
METAR RJTT 080130Z 34008KT 8000 -RA FEW020 BKN120 25/21 Q1020 RMK 2CU020 6AC120 A3014

あのね、それがあれで、これがそれで、あれがあれなんだよ。

こんなふうに分かりやすく表示してくれるサイトもあるけれども。(空港はこちらからお選びください)

気象庁の航空気象情報

空港の情報

情報の種類情報ページのリンク
空港の予報(予測情報)飛行場時系列予報・飛行場時系列情報
飛行場気象解説情報飛行場気象解説情報(定時/臨時)
全国航空気象解説報(飛行場)全国航空気象解説報(飛行場)


空域の情報

情報の種類情報名情報ページのリンク
国内悪天予想図FBJP国内悪天予想図
下層悪天予想図*--下層悪天予想図
シグメット情報SIGMETシグメット情報
全国航空気象解説報(福岡FIR)--全国航空気象解説報(福岡FIR)
全国航空気象解説報(国内空域)--全国航空気象解説報(国内空域)

実況・解析情報

情報の種類情報名情報ページのリンク
雷監視システム--高解像度降水ナウキャスト
毎時大気解析--毎時大気解析
ウィンドプロファイラ--ウィンドプロファイラ(上空の風)


航空路火山灰情報

情報の種類情報名情報ページのリンク
航空路火山灰情報(電文)FVFE01東京航空路火山灰情報センター(VAAC)
火山灰拡散予測図VAG
火山実況図VAGI
狭域拡散予測図VAGFN
定時拡散予測図VAGFNR
定時拡散・降灰予測図VAGFNR-AF
降灰予報(速報・詳細)--降灰予報


飛行場という整った環境に非ず

飛行場の観測値はあくまでも飛行場の上空の値であり、時間が表示されているものはその時間での値に過ぎないわけだし、予報は幅をもった値であったり、その時間帯に一番起こる確率の高い現象だったりするわけで、予定は未定。一寸先は闇ということだって無きにしも非ず。
また飛行場観測は限られた飛行場でのみ行われているもので全ての飛行場ではない。
さらに救助に向かうヘリは通常着陸地が飛行場であるということはない。
ドクターヘリにおいては、離陸地ですら飛行場ではない。
だからこそ、有視界飛行するパイロットは自分で判断し対処できる知識と経験と技量を持っている必要がある。
離陸準備の段階ですでに予報よりも天候が悪くなっている時もある。
その時にもパイロットは飛ぶか飛ばないかの判断を自分でしなければならない。
そしてだからこそドクターヘリの飛行運用は非常に難しいのである。




by yumimi61 | 2018-09-09 10:42