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日光浴4

ビタミンD生成に必要な日光浴(紫外線曝露)の時間

日本では成人が1日に必要なビタミンD量を15μg/日と推定している。
そのうち、5.5μgのビタミンDを食物から摂取し、残りの約10μgを日光浴(紫外線を浴びること)によって生成すると仮定しており、食事からの摂取量は5.5μg/日を推奨している。


では日光浴(紫外線を浴びる事)によって約10μgのビタミンDを合成するにはどれくらいの時間が必要なのか。
「独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター」の研究報告(2014年)がある。

太陽紫外線による健康のためのビタミンD生成と皮膚への有害性評価
背景
日本人の多くは、ビタミンDが慢性的に不足しているという報告があります。ビタミンD欠乏は、特に高緯度に位置し日光の弱い北欧諸国などで問題となっており、その欠乏を補うためにサプリメントの摂取が積極的に行われています。日本でも最近、乳幼児・妊婦・若年女性・寝たきり高齢者等を中心にビタミンD不足が指摘されています。

 1980年代のオゾンホール発見等オゾン層の破壊が顕在化して以来、紫外線は有害であるとの考え方が浸透し、太陽光をなるべく浴びないようにするという風潮が広まってきたことも、近年のビタミンD不足の一因と考えられます。特に女性は、紫外線がシミ・しわの原因になるなどとして、美容上の観点から紫外線を避ける傾向にあると思われます。 

ビタミンDには、骨の生育に必須な血中のカルシウム代謝を正常化する作用のほかに、免疫作用を高めたり、さまざまな病気の予防効果があることが判ってきています。ビタミンDが不足すると、骨へのカルシウム沈着障害が発生し、幼児の頭蓋ろう、骨格の発達期におけるくる病、高齢者の骨軟化症、骨粗しょう症などの病気が引き起こされるほか、各種癌などの疾病への罹患率が上昇する可能性が指摘されています。


(仮定)
日本人に多い肌タイプで、成人の顔と両手の甲(面積600cm2相当)を露出した場合。

(方法)
SMARTS2(1995年にGueymardによって開発された、地上に到達する紫外線量を計算することが可能な比較的シンプルな放射伝達モデル)をもとに、地上に到達する紫外線量を、大気中のオゾン量とエアロゾル量から計算するシステムを開発し、地球上の場所、日時、その場所の上空のオゾン全量、大気の状態等を与えることによって、ビタミンD生成紫外線と紅斑紫外線量を算出した。

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日本の7月ならば北海道でも沖縄でも15~20分も日光に当たれば、約10μgのビタミンDを生成するだけの紫外線(UVB)を受けるだろうと試算している。
一方、肌が赤くなり始めるなどの影響が出る時間も1時間以内となっているので、その辺りは調整する必要がある。

但し、これはよく晴れた日に上空から地上に届く紫外線量を計算しているため、それを状況に置き換えれば、べったりと地面に寝そべっているなり坐っているなりして、手の甲と顔が動かずに日に当たっている状態である。
一面にずっと日が当たり続けている状態。
ビーチで寝転んでいるとか、グラウンドで太陽に向いて座っているとかならば、これがそのまま当てはまるが、人間が歩いたり動いていたりする場合には、日の当たり方は一律ではない。太陽の位置関係や角度など、どうしたって影になる部分が出来たり、当たらない時間もある。
従って、一般的な日常生活においての紫外線曝露の場合、ビタミンD生成時間も皮膚に影響が出始める時間も、表にある時間よりも長いと考えられる。
日陰と日向を交互に歩く、あるいは木漏れ日を歩く場合、帽子などを被っている場合、雲が多かったり、曇りの日の場合は尚のこと。
(ガラス越しや日焼け止めを塗った場合にはビタミンD生成効果がほとんどないことは前述したとおり)


ビタミンD生成が特に問題となるのがやはり冬である。

12月(冬季)は、有害な紫外線量に達する危険性は那覇以外はかなり小さく、ビタミンDの生成量の確保が問題になると考えられます。特に緯度の高い札幌の冬季には、太陽紫外線の最も強い晴天日の真昼でも、10 μgのビタミンD生成に、毎日139分という長時間の日光浴が必要となることが判りました。実際には冬季の札幌は晴天日が少ないため、計算上はさらに長時間の日光浴をした方が良いことになります。ただし、顔と手の甲だけではなく、足や腕など日光に当たる部位を増やすことによって、必要な日光照射時間は短縮させることが出来ます。一方、紅斑紫外線量に達する時間は皮膚の露出面積には拠りませんから、冬季にはなるべく広い皮膚面積を使って太陽光を浴びるのが、ビタミンD生成のためには有効です。

 もちろん、不足するビタミンDは魚やきのこなどの食物や、サプリメント摂取、日焼けサロンによっても補給可能です。いずれにしても冬季の北日本では、食物などからのビタミンD補給と併せて、積極的な日光浴が推奨されます。なお、1日に消費される以上に得られたビタミンDは体内で蓄積され、ある程度はその効果が持続することが判っています。冬季以外では表1と表2の間の範囲内の日光浴が、ビタミンD生成の観点では有効と考えられます。

 これらの試算値は、これまでに報告のある推測値や仮定に基づいていますが、実際の紫外線の曝露量やその影響は、それぞれ各人の行動の仕方や服装形式、色、または個別の皮膚の感受性などによって異なります。したがってここで試算された時間は、適正日光浴の時間や有害な時間を個人別に算出しているものではありません。あくまでも、モデルケースとして試算されているものであることに注意が必要です



「赤ちゃんと日光浴」が話題になるもう1つの理由

母子保健事業で生後2か月頃に推奨していた日光浴は赤ちゃんが光や紫外線に慣れるためのもの。だから段階を踏んで徐々に行っていく。
お天気に恵まれてスムーズに行けば2~3週間、およそ1ヶ月かけて慣らしていくのである。
もちろんそれは現実的にビタミンD生成にも役立つことになる。

生後3ヶ月以降はお出かけする機会も自然と増えていくだろうし、指導する側とすれば屋外での散歩を積極的に勧める。
産まれてすぐには視力がまだなかった赤ちゃんも次第に視力を付けてきて、物が見えるようになり色や形を認識しだす。耳から音も入ってくる。
見るもの聞くもの面白くてたまらない、そんな好奇心のかたまりである赤ちゃんの好奇心を満たしてあげるのに最適な方法は公園など屋外に連れ出してあげることなのだ。好奇心が満たされないと赤ちゃんも欲求不満となる。
屋外に出たら15~20分くらいを目安に積極的に日光に当たるようにする。
そうすれば自動的にビタミンD生成にも役立つ。

「赤ちゃんと日光浴」が話題になるもう1つの理由、それは母乳である。
母乳は赤ちゃんにとって優れた総合栄養食である。
しかし母乳というのは母親の身体の中で生成されるものであり、結局のところ母乳の栄養含有量は母親の栄養状態に大きく左右されるという欠点というか特徴がある。
特に問題になるのがビタミンKとビタミンDである。

<ビタミンK> が母乳特有の問題
・ビタミンKは経胎盤移行性が悪いため、新生児が蓄積している量が少ない。
・出生直後の腸内細菌叢(微生物の集団)は形成途上にあり、腸内細菌が生成するビタミンKがまだ少ない。
・赤ちゃんの哺乳量が不十分で母乳やミルクからのビタミンK摂取が少ない場合がある。
・母乳に移行するビタミンKが少ない場合がある(お母さんのビタミンK摂取不足)。
・母乳を飲んでいる赤ちゃんは、腸内細菌叢がビフィズス菌主体となり、ビタミンKを生成する腸内細菌が少なくなる。

ビタミンKが不足すると血液を固まらせる働きが悪くなるため、出血しやすくなる(ビタミンK欠乏症)。
新生児期には消化管出血、生後3週間~2ヶ月では頭蓋内出血のリスクがある。
頭蓋内出血を発症した場合には約半数が亡くなったり後遺症を残すなど重篤となる。
そこで1989年からビタミンKの補充(ビタミンKシロップを飲ませる)を行っている。
出生時、生後1週間(産科退院時)、1か月健診時にそれぞれ2㎎(シロップ1ml)経口投与する。
しかしビタミンK欠乏症の発症ゼロには至っていない。

ビタミンD> が母乳特有の問題
・ビタミンDは母乳移行性が悪い。(胎盤移行性はよいので妊娠中のお母さんは十分にビタミンDを摂取したり日光浴する必要あり)
・さらに母乳に移行するビタミンDが少ない場合がある(お母さんのビタミンD不足が著しい)。
・赤ちゃんの哺乳量が不十分で母乳やミルクからのビタミンD摂取が少ない場合がある。
・新生児期の赤ちゃんは紫外線にあたる機会がほとんどない。また乳児の体表面積は小さいので大人よりも紫外線を受けにくい(そのわりに必要量が少ないわけではない)。





by yumimi61 | 2019-03-12 14:27 | 日光浴について