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2000問題

今日は老後2000万円問題について。

現在の高齢世帯の平均貯蓄額は2000万円を超えている

まずはこのグラフから。
日本経済新聞 2019年6月12日 「老後資産2000万円」金融庁報告書の波紋 まとめ読みより
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いろんなところで話題に老後2000万円問題だけれど、私がこれまで見聞きした中では、「現在の高齢世帯の純貯蓄額の平均が2482万円」であるということを説明していたものがほとんどなかったように思う。
上記の日経のグラフでは、上段右側部分に毎月5万の不足に貯蓄を充てると書いてある。
つまり数字だけを追えば、貯蓄2000万円というのは非現実的な荒唐無稽な試算ではなく、むしろ現実に沿った試算なのである。


「平均」の落とし穴と利便性

だがここには落とし穴がある。
「現在の高齢世帯の純貯蓄額が2482万円」があくまでも平均であること。
では実際のところどうなのか。次のグラフを参照。
e0126350_18245557.png
世帯主が65歳以上の世帯の中で貯蓄が2000万円以上あるのは42.8%である。
この割合を多いとみるか少ないとみるか。
額が飛び抜けて多い世帯があると、それが少数派であっても、どうしても平均を押し上げてしまう。
それが平均の怖いところで、実態を見えにくくしてしまう。
但し平均や統計は個々のファイナンシャル・プランニングをしているわけではないから、全員にぴったり当てはまる数値がでるわけがない。
じゃあ、平均や統計が嘘だったり、意味がないものなのかと言えば、そんなこともないだろうと思う。(もちろん間違いや嘘や精度の悪い統計や平均もあるだろうとは思う)
それを誰がどのように読み取ったり、説明したりするかが重要であり問題なのだ。


年金受給額の「平均」

今回問題になった試算では収入が約21万円で、年金など社会保障給付がおよそ19万円である。
このケースは夫が65歳以上、妻が60歳以上なので、もし妻が年金を受給しているとするならば、繰り上げ受給をしているということになる。
繰り上げ受給とは本来の受給開始年齢である65歳より前から年金を受給すること。
60~64歳の間も年金をもらえることになるが、そのぶん受給額は減る。

では近年の年金受給額の平均は幾らか。
↓1ヶ月あたりの受給額。(実際の支給は2ヶ月まとめて行われる)

■厚生年金受給者(65歳以上)
e0126350_20421831.png
■国民年金受給者   55,000円


これもあくまでも平均である。
まず支払った期間や保険料が各々違っている。
・どれくらいの期間、年金に加入していたか(全国民一律部分の保険料を支払っていた期間)←基礎部分
・どれくらい保険料を納付していたか←サラリーマンなどの厚生年金の上乗せ部分

さらに個々に様々な状況がある。例えば、
・学生の期間に猶予してもらい(学生納付特例制度)、その期間部分を後納しなかった。
・厚生年金(サラリーマン)と国民年金(自営業やフリーターなど)の期間両方ある。
・結婚して専業主婦や扶養内勤務になり、第3号被保険者(サラリーマンの扶養配偶者)の期間がある。
・無職やバイトで国民年金を納付しなかった期間がある。免除や猶予申請もしなかった。
・外国で暮らしていた期間があり、その間の保険料を支払っていない。

20~60歳まで全て厚生年金保険料を納付したという人と、上記のような人では自ずと年金額は変わってくる。
少ない人はかなり少ない額になるし、そもそも受給資格を満たさない人もいるだろう。
但し、貯蓄のように青天井に受給額が上がることはない。
現役時代の収入が高くても、厚生年金の制度の関係で、1人当たり月額25万円以上の年金を貰っている人は多くない。
サラリーマンの場合、特に昨今は、「老齢年金」以外にも「企業年金」や「確定拠出年金」といった年金制度を利用している場合もある。

厚生年金受給者の男女の平均額が6~7万違うのは、現在年金を受給している世代の女性は結婚育児で家庭に入る人が多く、3号被保険者や国民年金の期間が結構長くある上に、今よりも男女平等の給与体系ではなく、残業や夜勤の有無による手当ての違いなど給与に差があるから。

上の厚生年金の平均額の男女を足せば、28万円/月を超える。
しかしながら現在年金を貰っている高齢世帯の平均はそこまでいかず、20万前後が多いらしい。
どうして夫妻いる高齢世帯で28万円にいかないのかと言えば、自営業者など国民年金の人もいるから。
でも自営業者などはそれを見越してというか何というか、そのぶん貯蓄していた世帯もあるだろうと推測できる。


年金依存度はどれくらいか?

年金を受給している高齢者世帯(夫妻いる場合にはともに65歳以上)のうち、収入が年金・恩給のみ(100%)の世帯は56.7%である。
収入の80%以上が年金・恩給であるという世帯は68.1%となる。
高齢世帯の4割超は年金以外の収入がある世帯。
これを多いとみるか少ないとみるか。
自営業などで定年がなく動けるうちは働くという人もいるだろうし、年金だけで足りないから働かざるをえない人や子供などに金銭援助してもらっている人もいるだろう。
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具体的な金額は次の通り。これまた1世帯あたりの「平均」である。
赤ラインが年金・恩給部分で、1ヶ月あたりにすると17万円である。

高齢者に限らず全世帯の総所得(年間所得)の平均は528.9万円。(1ヶ月あたり約44万円)
それを高齢世帯(65歳以上)に限れば、年金以外の収入を含めて300.5万円である。(1ヶ月あたり約25万円)
つまり高齢者世帯のほうがかなり収入が少ないということだが、その収入を世帯人員(子供も含める)で割って1人あたりで比較すると、僅かながら全世帯のほうが多くなるが、そこまで大きくは変わらない金額となる。
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支出に注目

支出こそどんな生活をするかで大きく違ってくるわけだが、まあこれも平均と考えるしかないだろう。
1つとても気になるのは「その他」という項目である。
金額的には、生きていくための糧である「食料」を超えて、「その他」がトップの約7万円となっているが、「その他」って具体的になんだろうか。
日用品(消耗品など)や衣類の購入、理美容代、家電品購入、自動車維持費(は交通費に含まれるのかな?)、交際費などかなぁ。諸々諸雑費?ギャンブルとか?
ひょっとして!貯蓄(投資含む)に回すお金も含まれていたりして?
あとは生命保険料の支払いの満了が65歳以上とか終身払いとかのケースもあるのかな?

1ヶ月に7万円もかかっている「その他」の部分を減らせれば、20万円収入でも不足にはならないのだけれども。

と思ったら、支出の内訳の下に次の注意書きがあった。
総務省「家計調査」をもとに金融庁まとめ。その他には衣服や家事用品など含む。

家計調査は,一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯の方々を対象として,家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査しています。

ということは、年金もらっている高齢世帯に限った支出ではありませんよね?
それとも少ない標本世帯からさらに金融庁が独自に高齢者世帯をのみを抜き出してまとめたということなのかしら?

家計調査の問題点
本統計を巡る問題点について、そのうちのいくつかを述べる。
1.標本数の少なさ
上述した数字(全国約4,700万世帯の中から約9,000世帯を抽出)のとおり全国の世帯数に対して標本数が少なく、値が歪んでいるのではないかと指摘がある。

2.調査協力世帯の偏り-調査への非協力下記の理由により家計調査に協力してくれる世帯はそう多くはなく、そのため、ある程度の時間的な余裕がある等のところでないと調査に協力しないため、結果として回答世帯に偏りが出てしまう。
・上述したとおり調査項目が家計簿並みに細かいため、手間がかかる。
・さらに記入した調査票は回収されるので調査に協力している家庭には残らない。その為、家計簿をつけている世帯にとっては同じ物を二つ作らなければならず、負担となる。
・近年のプライバシー意識の高まりを受け、家計という個人情報を外部に出したくない世帯が増えている。


ということは、いろいろな意味で結構余裕のある世帯の支出に偏りがち、あるいは嘘偽りない実態に近い統計が取れない恐れがあるということですよね?


(次回に続く)




by yumimi61 | 2019-06-28 18:35