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コンスピキュアス ~まつりのまえ~

人々の感情に訴えるものは何か?

電通の若い女性従業員が自殺し、電通が労働基準法違反容疑で書類送検されたということで、ニュースを賑わしていたことが一時あった。

2015年(平成27年)12月25日、新入女性社員が、社員寮から飛び降りて自殺(過労自殺)した(享年24)。
この社員は2015年4月の入社後、デジタル・アカウント部に配属され、インターネット広告を担当していたが、本採用後の10月以降に仕事量が急増。遺族側弁護士の推計によると、1ヶ月の時間外労働は約130時間に達し、過労死ラインといわれる80時間を大幅に越えていた。電通は労使協定で決められた残業時間を越えないよう、勤務時間を過少申告するよう指示していたとみられる。女性社員個人のTwitterには過労だけでなく、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントの被害を窺わせる書き込みがされていた。
2016年(平成28年)9月30日、三田労働基準監督署は、この社員が自殺したのは長時間労働によりうつ病を発症したのが原因と判断し、労働災害(労災)を認定した。


マスメディア、電通という有名な大手広告代理店(日本最大、世界5位の広告代理店)、新入社員、若く美人な女性、そんな女性がクリスマスの日に自殺。
自殺の原因が過労(長時間労働)にあったとして労災認定される。自殺との因果関係が公的に認められたに等しい。
そして電通に捜査が入り書類送検されるはめになり裁判沙汰になった。
労基法違反が罰金刑とする略式命令ではなくて、正式に起訴されて公開裁判になることは極めて異例であった。
このように、そうでなくても人目を引く要素が満載である。

しかし一方、長時間労働があり労災認定もされ、会社側が裁判で糾弾されたということで、きわめて四角四面な型にはまった自殺にもなった。
言い方を変えると、社会性を帯びた自殺というか、お役所的な自殺というか。
お役所的というのは、恋愛の悩みや痴情のもつれ、親子の確執などきわめて私的な原因による自殺ではなく、公に繋がるというかお役所仕事を呼び込む要素がある自殺という意味。
よって報道から受ける自殺の印象もかなり固いものとなった。

しかしながらこの一件、少し多角的にみると、最初に持つ固い印象とは違う感じも受けるのだ。


なぜオーソドックスな選択や努力をすべきなのか、それはいらぬ疑いを掛けられないためである

『週刊朝日』で働きたかった高橋まつりさん 
電子書店パピレス(犬耳書店)ルポ・エッセイ
  『電通の深層』著:大下栄治 発行:イースト・プレス


書店だけに(?)著作権に厳しくコピーが出来ない状態になっており、さらに著作権についても次のような記述があるので、文章はリンク先に飛んで読んでください。

株式会社パピレスが提供する著作物は全て、著者若しくは、出版社等の著作権保有者から、株式会社パピレスが自動公衆送信の許諾を得ています。
自動公衆送信においては、お客様が個人的に利用される場合に限り、公衆回線/専用回線を通して著作物をお客様の端末に表示すること、複製保存することが認められています。

著作権保有者の同意を得ない下記の行為は、著作権及び著作者人格権侵害となるため、禁止します。
(1) 著作物の全部または一部を修正、変更、翻案、編集、切除等、改変する行為
(2) 著作物の全部または一部を解析したり、派生物を制作する行為
(3) 著作物を第三者に複製、複写、頒布、貸与、譲渡、自動公衆送信する行為

万一、上記に該当する行為が行われた場合、著作物に埋め込まれた著作権管理情報を用い、然るべき処置をとらせていただくことがあります。
なお、ホームページ自体の著作権は株式会社パピレスに属します。



上記のルポ・エッセイ(ドキュメント)によれば、かつて『週刊朝日』の編集長を務めていた山口一臣さんという方は高橋まつりさんと親交があったそうなのだ。
高橋さんは大学生(東大)の時に、『週刊朝日』でアルバイトをしていたそうであるが、そのきっかけが東京大学の入学式の模様を伝えるテレビの情報番組だったという。彼女はインタビューされ、「将来は週刊朝日で働きたい」と答えていた。
それをテレビで見ていた週刊朝日の編集部員がすぐさま編集長に報告。
編集長は直ちに編集部員を集めて「この子を探し出してきて」と命じた。
それから1ヶ月後、別の編集部員が知り合いの伝手を辿って、めでたく彼女を週刊朝日編集部に連れてきた。
彼女は編集長の「アルバイトをしないか」に二つ返事し、以来、卒業するまでそこでアルバイトをしていたとのこと。

東大入学生として偶然にインタビューを受けていた名も分からぬ学生だったということだが、東大の合格発表の際に、すでに『週刊ポスト』のグラビアにも取り上げられてもいたそうで、だったらすぐに見つかるんじゃない?と思うけれども。その伝手で見つかったということなのでしょうか。


高橋まつりさんは静岡県出身。
彼女のお母さんは、彼女が中学2年生の時に、子供(彼女と弟)を連れて家を出た。以来、市営住宅に暮らしていた母子家庭だった。
その中学時代に一発奮起して東大を目指すことを決めたという。
環境の変化は心境の変化をもたらしたということなのでしょうか。

高校は静岡県沼津市にある加藤学園暁秀高校に進んだ。私立の中高一貫校なので高校から入学したということになる。
高校には、特進クラス、進学クラス、アルファクラス、バイリンガルクラスがあり、どこのクラスにいたのかは分からない。
バイリンガルコースは英語で授業を行うようだ。

国際バカロレア資格認定校である。また、文部科学省からスーパーイングリッシュランゲージハイスクールに指定されていた。 国語以外の授業を全て英語で行うバイリンガルコースがメディアでも紹介された

偏差値は特進クラスで62、バイリンガルクラスで58である。
この偏差値は静岡県内の私立高校では上位2,3の偏差値であるが、静岡県全体でみると上位は公立高校が占めているため287校中の28位となる。
かつてはどこの県でも公立高校の受験には学区制というものが存在していて、現住所地に縛られ、どこでも好きな学校を受験できるという環境にはなかった。今はその学区制が撤廃され、全県制になっているところが多い。群馬県もそうだし、静岡県も同様である。
縛りが無い状態で、中学時代から東大を目指していたならば、上位公立高校への進学(沼津市への通学が希望ならば沼津東とか)のほうがはるかに現実味があったと思うのであるが・・。
学校関係者の皆様、生徒・学生諸君、大学進学アドバイザーの方々いかがでしょうか。
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(表の出典)http://www.katoh-net.ac.jp/GyoshuHS/university-02.php

さらに一般的な感覚からすると、母子家庭になってから中高一貫の私立校の高校に入学するというのは、いろんな意味で何かと大変な気もする。
母子家庭だった高橋家は裕福ではなく、まつりさんが中学高校時代に家で読んでいた週刊朝日は離れて暮らす祖父が自分が読み終わったものを送ってくれていたのだという。
そんな家庭環境であったが、特待生となり高校の3年間授業料は免除であり、本人はそれを自慢にしていたという。
公的に母子家庭救済制度があるので高校の学費的には母子家庭となったことが幸いしたのだろうか。
でも授業料だけじゃないもんね。
私立高校の多くには特待制度があるのも確かだが、対象となる人数やその範囲は学校によって違う。学校授業料だけを免除するのか、施設費(学校給付金)も免除するのか、さらには修学旅行費も免除するのかなど、学校や成績などによって違う。免除されていたのが純粋に授業料だけとすれば、公立高校より費用はかかる。
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(表の出典)https://hoken-kyokasho.com/public-hs-fee


北京の清華大学に中国政府奨学金で留学

高橋まつりさんは逆境を乗り越え、東京大学に現役で合格したという。
そして大学3年の時には北京の大学に1年間ほど留学していたそうだ。

お母さんの発言より
娘は、高校卒業後、現役で大学に入学しました。大学3年生の時には、文部科学省の試験に合格し、1年間、北京の大学に国費留学しました。帰国後も学問にはげみ、持ち前のコミュニケーション能力を活かし、就職活動にのぞみました。そして、早い時期に内定をもらい、大手広告代理店に就職しました。
娘は「日本のトップの企業で、国を動かすような、様々なコンテンツの作成にかかわっていきたい。自分の能力を発揮して、社会に貢献したい」と夢を語っていました。


上記のルポ・エッセイ(ドキュメント)によれば、清華大学に1年間、中国の国費で留学していたそうだ。
だとすれば、中国政府奨学金留学生だろう。
学費の他、住居費や生活費まで支給されて、もちろん返済は必要ない。
募集ルートは複数あり、倍率は比較的低い。
「そんなに美味しい(儲かる)投資はありません!」と詐欺への注意喚起では言っているけれど、そんなに美味しい条件だとしたら、知らない間にお礼奉公が約束させられているとかないのかしら?


メディア露出と女子力

週刊朝日編集部でアルバイトをしていたので、企画やセッティング、取材なども行っていたそうである。
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週刊朝日のインターネット配信番組ではアシスタントとしてレギュラー出演。
またテレビ東京の『くだまき八兵衛』にも出演していたことがあったそうだ。

『くだまき八兵衛X』は、2010年4月15日から2012年9月27日までテレビ東京系で放送されていた深夜トークバラエティ番組である。
当初は、中島知子、名倉潤、河本準一が居酒屋の中で素人客と5分間相席し悩みを聞くのがコンセプトだった。 しかし、客の悩みを聞くのではなく特定の特徴を持った出演者を集めて私生活や経験談などを話させる内容に変化。 恥部を暴露攻撃されて動揺する様を辱め喜ぶパターン等が主体。

演出・プロデューサーがあの俳優さんと同じ水谷豊というお名前なのですが、同姓同名の演出プロデューサーがいるようですね。

自殺する数日前のツイッター。
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命より大切な仕事・・

2016年11月9日、厚生労働省が主催する「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開催され、高橋まつりさんのお母さん(幸美さん)も登壇して心境などを語った。

弁護士ドットコムニュース
高橋まつりさん母「社員の命を犠牲にして優良企業と言えるのか」過労死シンポ発言全文
より一部抜粋

幸美さんによると、まつりさんは2015年10月、「今週10時間しか寝ていない、会社辞めたい」「休職するか退職するか自分で決めるのでお母さんも口出ししないでね」と話していたという。また、11月には、電通事件と呼ばれる1991年の電通若手社員の過労自殺の記事に触れ、「こうなりそう」と語っていた。

自殺する直前の12月、「大好きで、大切な母さんさようならありがとう、人生も仕事も全ても辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールが送られてきたことを打ち明け、声をつまらせた。

幸美さんは、「自分の命よりも大切な愛する娘を突然亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから、同じことが繰り返されるのです」と語ったうえで、過労死や過労自殺の防止に向けた今後の対策について、「残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたい」と強調した。

 *  *  *  *  *  *  *  *  *  * 

「年末には実家に帰るからね、お母さん、一緒にすごそうね」と言っていたのに、「大好きで、大切な母さん、さようなら、ありがとう、人生も仕事もすべて辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールを残して亡くなりました。

社員の命を犠牲にして業績を伸ばして、日本の発展をリードする優良企業と言えるでしょうか。有名な社訓には、「取り組んだら離すな、殺されても離すな、目的を達成するまでは」とあります。命より大切な仕事はありません。娘の死はパフォーマンスではありません。フィクションではありません。現実に起こったことなのです。

娘が描いていたたくさんの夢も、娘の弾けるような笑顔も、永久に奪われてしまいました。結婚して、子どもが生まれ、続くはずだった未来は失われてしまいました。私が今、どんなに訴えかけようとしても、大切な娘は二度と生きて戻ってくることはありません。手遅れなのです。

自分の命よりも大切な愛する娘を突然亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから、同じことが繰り返されるのです。今、この瞬間にも、同じことが起きているかもしれません。娘のように、苦しんでいる人がいるかもしれません。

「命より大切な仕事はありません」 このちょっと有名になった言葉はこのシンポジウムでお母さんによって語られたものであった。

「命より大切な仕事はありません」という言葉に対比させて「自分の命よりも大切な愛する娘を突然亡くしてしまった悲しみと絶望」という言葉を用いたのか、それとも偶然にどちらにも’命より大切’という言葉が入ったのか分からないけれど、その2つの想いをまとめると「愛する娘を生み育てるということは、自分の命より大切な仕事」ということになりはしませんか?
これも挙げ足を取っているのはではなく真剣な問いというか疑問です。


(本題はこれからなのですが、日付も回りましたので、今日はこのへんで終わりにしたいと思います)



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by yumimi61 | 2019-09-06 21:53