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コンテンポラリー

盲点

太宰治の小説『パンドラの匣』の一番最後は手紙の日付となっている。12月9日。
先日、この日付に関係して宣戦布告と奇襲攻撃について書いた。
理由は何であれ、明治期以降に日本が行った戦争は日本が仕掛けた戦争と言ってよい。防衛で止むを得ずという戦争はなく、しかも奇襲攻撃で始まった戦争ばかりなのである。

現代的感覚だと、戦争を始めるにあたって必要なことが日本にはなかったのだろうかと思うかもしれないが、絶対君主制だったので天皇がやると決めればやれた。「鶴の一声」で決まる。
(あっ!そうか、「鶴の一声」ではなくて「天の声」!?)
そして現に国民は天皇の為に命捧げて戦ったのである。

大日本帝国憲法は第13条で「天皇ハ戰ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ條約ヲ締結ス」と規定しており、天皇大権の一つであった。日本国憲法には宣戦布告に関する規定はない。

戦後は日本国憲法で対外的な戦争を放棄すると規定されているため(9条)、先制攻撃にしろ防衛にしろ戦争をするという前提にない。
従って戦争に関する日本独自の法律は何も存在しないことになり、宣戦布告に関する規定も存在せず、議会の承認が必要であるということもない。
軍隊や自衛隊の話ではなく、戦争そのものに関する法律の話である。

アメリカ合衆国憲法では、第1条8節11項にて宣戦布告権が規定されている。宣戦布告には、議会の承認が必要であり、アメリカ合衆国大統領が自ら発することはできない。

🐦雲雀(ひばり)から雲を取ると、雀(すずめ)!!!!!!!!!!!
「雀の千声 鶴の一声」
正岡子規「赤とんぼ 筑波に雲も なかりけり」←雀?


条約と批准と内政不干渉

1907年10月18日にハーグで署名された「開戦に関する条約」では、
第1条 開戦に先立ち相手国に宣戦布告を行うこと
第2条 中立国に対し遅滞なく戦争状態の通告を行うこと
を定めている。


国連などが国際会議を開いて、約束事(条約など)を作り、出席国の代表者が署名し、それを持ち帰ったとしても国内で批准しなければ効力は発生しない。
批准とは国家が条約に拘束されることに同意する手続きであり、現代では多くの場合、議会の同意を得る必要がある。同意が得られたら国家元首などが認証して公布に至る。これらによって初めて署名してきた条約の効力が国内で発生することになる。
その国のことはその国が決める。国際機関や他国やがその国の政治に直接口出しすることは出来ない。内政不干渉の原則がある。
じゃあ政治とは何かと言うことになりますでしょうか。

例えばオリンピック。オリンピックに政治を持ち込むなと言うくらいだから、オリンピックは政治とは無関係ということになる。だからIOCのバッハ会長は口出しが可能だ。
では小池都知事は何かと言えば、東京都の行政の長(トップ)である。
いつだったか安倍首相が三権の長の解釈を間違えたことがあったと思うけど、三権は立法・行政・司法であり、国家で言えば安倍首相は行政の長である。立法の長は議長である。衆議院は大島理森議員、参議院は山東昭子議員。

立法は法律を決める、行政はそれを実際に運用する。
政治というと漠然としてしまうが、具体的に立法に政治という言葉を当てはめることもある。
オリンピックは行政と密接に関係しているのだから、もし政治という言葉に行政が含まれてしまうと、オリンピックに政治を持ち込むなという言葉もおかしい。
行政は決まったことを行うのが役割なので、決める権利や権限は持っていない。


主権を失った国家には国際機関や他国が干渉する。
日本は戦争に負けて主権を持たない時代があった。1945年から1952年まで。この間はGHQの干渉を受けたのである。
主権を持つ国の政治に他国の人が口出しすることは出来ない。内政不干渉の原則。
「日本は未だにアメリカの言いなり」とよく日本人は言ったりするけれど、アメリカの大統領が日本の議会の決めたことに拒否権を発動して承認しないなんてことはない。
アメリカ大統領は日本の議会に対する拒否権を持っていない。
もしも日本が本当にアメリカの言いなりになっているとするならば、裏で非公式にアメリカに何か言われて従っているか、アメリカは何も言わないけれど意を汲んで意向に沿っているか、ご機嫌取りに忖度しまくっているかということになろう。

天皇も国政に関する権能を有しないと定められている。内政不干渉である。
日本の政治に口出しできないのは、天皇もアメリカ大統領も同じである。
従って「日本がアメリカの言いなり」が成り立つならば、「日本は天皇の言いなり」だって成り立つはずである。

天皇もアメリカ大統領も国家元首である。
天皇は自国の全権委任状や大使・公使を認証すること、他国から派遣されてきた大使・公使の信任状を認証することは国事行為として行うことが定められている。
現代においては各国に各国の大使館が置いてあるが、大使館には自国の特命全権大使を駐在させている。
特命全権大使は、外交交渉、全権代表としての条約調印・署名、滞在する自国民の保護などの任務を行う。
外交の重要な部分に天皇も関与していることになるが、これは政治ではないと思っているのだろうか?
<大使などの決め方>
 ・アメリカは大統領が指名し、議会が任命する。
 ・日本は内閣(国家の行政府で長は首相)が任命し、天皇が認証する。

日本は宣戦布告などに関する規定がなく議会の承認が必要ないと前述したが、この部分においても議会不在である。
もっとも一党制などで、且つ議員がみな党に従うならば、議会が関わったとしても意味ないということになるが。


守られなかった条約

第二次世界大戦の枢軸国の1つで、日独伊三国同盟の1国でもあるイタリアは、1907年10月18日にハーグで署名された「開戦に関する条約」に署名したけれど国内で批准していなかった。
宣戦布告に関する条約は、条約を締結した国同士の戦争に効力があると第3条に記されている。数国間の戦争ではその全ての国が締結している必要がある。
従ってイタリアが批准していないとなると、「開戦に関する条約」が有効ではなくなってしまうのだ。

イタリアはこの条約に署名したものの批准しておらず、第二次世界大戦に関わる各国の宣戦布告状況は非常に複雑なものとなった。

日本は1911年に批准、ドイツは1909年に批准している。
アメリカ、イギリス、ソ連、オランダはそれぞれ1909年に批准、中国は1910年に加入している。(加入は何らかの理由で期限内に条約に署名しなかった場合でも、後々条件を満たせば条約を締結できる手続き)

第二次エチオピア戦争やポーランド侵攻、独ソ戦、日中戦争などでは正式な宣戦布告は行われなかった。
第二次世界大戦では多くの国家間で宣戦布告が行われたが、この時期に多くの戦線で戦端の口火を切ったナチス・ドイツはほとんどの戦線において正式な宣戦布告なしに開戦を行っている。
ただし日米開戦の時には直後にアメリカに対して自ら宣戦布告を行なっている。



1941年12月1日   日本が御前会議でアメリカ、イギリス、オランダに対し開戦を決定
1941年12月8日  日本がアメリカ海軍の真珠湾基地を奇襲(真珠湾攻撃)した後、アメリカ・イギリスに宣戦布告
1941年12月9日 中国が日本・ドイツ・イタリアに宣戦布告
1941年12月10日  オランダが日本に宣戦布告
1941年12月11日 ドイツがアメリカに宣戦布告
1942年1月11日 日本がオランダに宣戦布告

第二次世界大戦として、連合国と枢軸国の戦争と捉えると、イタリアが「開戦に関する条約」を批准していないので、そもそもこの条約が有効ではない戦争ということになる。だからどこの国も守る必要はなくなる。
でももっと細かく戦いを絞れば、全て締結国同士の戦いもあったわけで、そうとなればこの条約が有効な戦いもあった。






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by yumimi61 | 2019-10-18 17:10