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混水摸魚(3)

カスリーン台風(昭和22年台風第9号、国際名:カスリーン/Kathleen)  

1947年(昭和22年)9月に発生し、関東地方や東北地方に大きな災害をもたらした台風のこと。カスリン台風や、キャサリン台風などとも呼ばれる。台風本体の勢力の割には降水量が多い雨台風の典型例とされている

現代とは観測方法が違うため、位置や強度についての正式な観測記録は残っていない。後の解析によれば・・
台風発生期間 1947年9月8日-17日
9月8日未明にマリアナ諸島東方において発生。日本列島に近づいてからの進路は下図の通り。
混水摸魚(3)_e0126350_22221791.png
台風そのものは本州に近づいたときにはすでに勢力を弱めつつあり、進路も東海地方から関東地方の太平洋岸をかすめただけであったため、強風による被害はあまり出ていない。しかし、台風接近時の日本列島付近には前線が停滞していたと推定されており、そこに台風によって南から湿った空気が供給されて前線が活発化。これが9月14日から15日にかけての戦後治水史上に残る大雨を降らせたものと考えられている

死者 1,077名
行方不明者 853名
住家損壊 9,298棟
浸水 384,743棟
耕地流失埋没 12,927


罹災者は40万人を超え、戦後間もない関東地方を中心に甚大な被害をもたらした。
特に、群馬県の赤城山麓や栃木県の足利市などにおいては土石流や河川の氾濫が多発し、これらの被害者を中心に群馬県では592人、栃木県352人の死者を出している。
また、利根川や荒川などの堤防が決壊したため、埼玉県東部から東京都23区東部にかけての広い地域で家屋の浸水が発生した
。この地域で大規模の洪水が発生するのは1910年(明治43年)8月の大洪水以来であった。
なお、東北地方では北上川が氾濫。岩手県一関市などで被害が出ており、岩手県内では109人の死者を出している

大きな被害が出た要因として、大量の雨がほぼ一日半の短い期間に降ったこと、戦時中や戦後復興の木材消費により山林が荒れ、保水力が低下していた事が挙げられている

9月14日から15日にかけての主な降水量は、秩父610mm、箱根532mm、日光467mm、前橋391mm、熊谷341mm 、網代329mm、尾鷲25mm、宇都宮217mm、仙台186mmとなっている。



台風19号が近づいている頃、天気予報やニュースや盛んに「狩野川台風に匹敵」と言っていたけれど、正直「狩野川台風なんて知らないんだよー」と思った人は少なくないはずだ。
なにせ1958年(昭和33年)の台風である。この時に20歳だった人は今年81歳。
別に認知症にならなくても人間の記憶なんて怪しいものだが、記憶とか言う以前に、元気でぴんぴんしている日本人のほとんどは狩野川台風なんて経験しておらず存在すら知らないのである。
匹敵と煽る注意喚起するには、比較対象となるものを知らなければ効果は薄いだろうと思う。
ドキッとしたのは全国の狩野さんやAidaさん、あるいはアイさんくらいではないだろうか。
ちなみに私の祖母の旧姓は狩野らしい。私はそれを2ヶ月くらい前に母から聞いたところだった。

さて狩野川台風とはどんな台風だったのか。

狩野川台風(台風第22号、国際名:アイダ/Ida) 

死者・行方不明 1,269名
住家損壊 16,743棟
浸水 521,715棟
耕地被害 89,236ha
船舶被害 260隻


台風第22号は25日も猛烈な勢力を保ったまま北に進んだ。この台風の最盛期は非常に長く、中心気圧が900ミリバール以下であった期間は概略で48時間に及んでいる。しかし26日になって日本本土に接近する頃になると急速に衰え始めた。
風第22号は進路を北北東ないし北東に取って26日21時頃伊豆半島のすぐ南を通過、27日0時頃に神奈川県東部に上陸したが、勢力はさらに衰えて960ミリバールであった。だが日本付近に横たわる秋雨前線を刺激し、東日本に大雨を降らせている。27日1時には東京のすぐ東を通過、6時には三陸沖に抜け、9時に宮城県の東の海上で温帯低気圧になった。低気圧は速度を落として東北地方沿岸を北上、28日未明から午前にかけて北海道の南東部沿岸を進み、29日9時に千島列島の南東沖で消滅した。

狩野川台風は東京湾のすぐ西側を通っており、これは東京湾に最も高潮を起こしやすい経路であるが、幸い、台風が急速に衰弱したことと通過時間が干潮時であったため、高潮の被害は無い
また風も、伊豆半島南端の石廊崎で最大風速37.8メートル、伊豆大島で36.0メートルなどの観測例があるものの、やはり台風の衰弱もあって風害も比較的軽微であった
狩野川台風が急に衰えた理由は、日本付近の上空に寒気が張り出していたためと考えられるが、それは台風を弱める半面で大雨の原因ともなり得る。実際、狩野川台風は記録的な雨台風となって伊豆半島と関東地方南部に大規模な水害を引き起こした。
狩野川流域では、破堤15箇所、欠壊7箇所、氾濫面積3,000ha、死者・行方不明者853名に達し、静岡県全体の死者行方不明者は1046人で、そのほとんどが伊豆半島の水害による。


今年の台風19号は事前にとにかく勢力の強さを強調していた。
予想台風進路図の予想暴風域の円が大きいために「勢力が強い」というイメージは確かに残った。
しかし「狩野川台風に匹敵」と考えていたならば台風の勢力は急速に落ちることが予想されていたはずである。
でもそう言うと、みんなが安心してしまうから禁句にしたのかどうか。勢力が落ちないと想定していたならば、「狩野川台風」を例に出すのはおかしいような気がするがそうでもないのだろうか。

もうひとつ「狩野川台風」という名称を出したことが罪過になってしまったのは、静岡県の伊豆半島を流れる狩野川の印象が非常に強くなってしまったことにある。
静岡辺りに上陸する台風で、東海地方に被害が出る恐れを強く想像させることになった。
固有名詞は被害地域のイメージをピンポイントに絞ってしまう結果になる。
もっとも地元近辺でない場合、「狩野川」自体知らない。
そうなると「いつもの台風の威力の大きいもの」を想像するのが精一杯だろうと思う。

一般的に台風の何が怖いかと言ったら暴風である。夜中に暴風が酷い時の怖さと言ったらないですよね?(昼間のほうがまだ怖くない)。夜中の暴風は生きた心地がしない。
その点、雨というのはそれほど恐怖を感じないものである。確かに雨も窓を叩くけれども、風の音に比べたら可愛いものである。外を歩いていたり、車を運転している時の豪雨は怖いが、屋内にいる時には昼でも夜でも人は雨を怖いとはあまり思わないと思う。
逆に言うとそれが’大雨の怖さ’でもある。

関東在住の人間の考える「いつもの台風の威力の大きいもの」の「いつもの台風」がどんな台風かと言えば、沿岸の暴風雨が酷い台風である。
台風中継のロケーションは海沿いが多い。
今回は特に台風15号での千葉県の被害が大きく、直前までそれが報道されており、且つ台風19号の前にも千葉県の被災地が心配心配と報じられており、これもやはり南関東沿岸や半島への被害を想像させる要素となった。
また台風は中心から右側が雨風とも強くなり危険が大きいので注意が必要ということも何度も聞いた。
開けてみれば、今回は右側ではなくて左側だった。まるで正反対の結果となった。

結局出した情報は全てと言ってよいくらい裏目に出たことになる。

「カスリーン台風」と「狩野川台風」は、主な被害地域こそ違うが、台風の経過ともたらした被害は似ているところがある。
どうせ誰も知らないような古い台風を出すならば、「カスリーン台風」を持ち出せば良かったではないかと思うのだ。
「カスリーン台風」は名称くらい聞いたことがあるという人がわりといるかもしれない。少なくとも「狩野川台風」よりは知名度があるだろうと思うし、カタカナ名だけに(?)何となく威力もありそうである。
過去の台風を持ち出したからと言って対策に繋がるかどうかは心許ないが、それでも今回の被害地域が重なる点もあり、警鐘に使うならばこちらだったろうと思うのだが。


あちこちで被害が出ているので、大きな声でこそ言わないけれど、「思ったより雨も風も酷くなかったよね」という個人的オフレコ的会話は結構あちこちでされていたと思う。
防災が無駄になった!と怒りはしないけれど、このような結果はやはり油断に繋がりやすく、狼少年的結果を生じやすくなると思う。

私自身も風や雨が物凄く強かったというイメージは残らなかった。
沿岸に住んでいるわけではないが、もっと強風だった台風は過去に何度もある。(そもそも冬になれば空っ風の強風が吹き荒れる地域でもある)
雨の強さも強さだけに拘れば、今回の雨よりももっと勢いよく降る雨というのはある。
但し降っている時間は確かに長かった。12日お昼前後からの雨予報が出ていたが、朝からずっと降っていた。前日も時折雨が降っていた。

翌日に利根川を何箇所かで見たが、驚くほど増水している感じはなかった。
八ッ場ダムがどうこう言われているみたいだが、八ッ場ダムは利根川に合流する吾妻川に造られたダムである。渋川市内で利根川と合流するので、合流より上流の利根川も見てみたが、思ったほど増水していなかった。
翌日でお天気も回復し水位が下がったと言えばそうなんだろうけれど、過去には雨が通り過ぎても、もっともっと水嵩が上がっていて、冠水や浸水が心配になるくらいの増水があった(吾妻川合流地点より上流で)。
今回は写真を撮る気持ちも刺激されなかったようで写真を撮っていない。今思えば撮っておけば良かったと思うけれど。






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by yumimi61 | 2019-10-22 22:54