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皆目  *1

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派手に転んでも意外に子供って平気な顔してるくせに

血を見た途端に泣き出す

見えていなかったものが見えてくるってことは

きっとすごく怖いことなんだ







私は、子供の言う「みんな」という言葉ほど信用ならないものはないと思っている。

この「みんな」が多用されるのが、夏休みや大型連休の前後。
いつだったか、夏休み明けのこと、学校から帰ってきた息子が言ったことがあった。

「みんな北海道行ってきたんだって。いいよねー」

「みんな」を信用していない私は、これぐらいでは騙されない。

「そうなの、いいねー。ねぇ、ところで、みんなって誰と誰と誰と誰?」
「TくんとYくん」
「あとは?」
「知らない」
「知らないって・・。ねぇねぇ、だったら、みんなじゃなくて二人じゃないの?」
「そうとも言うね」
「そうとも、じゃなくて、そう言うの!」

ところが、すっかり騙されてしまったこともある。

「Tちゃんちはね、家族みんなでハワイに行ってきたんだって。いいなー」
すかさず、私はTちゃんちの「みんな」を思い浮かべた。
おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に暮らしていて・・子供はTちゃん含め三人・・お父さんとお母さん入れて総勢七名・・
おぉいったい幾らかかるの~~すごいなぁと感心してしまったのだ。
そして、それからしばらく経った後、学校の授業参観で会ったTちゃんのお母さんに私は話しかけた。
「家族でハワイ行ってきたんだってねー。Rがいいなぁって羨ましがってた」
ところが・・Tちゃんのお母さんは・・「ハワイ???」・・と解せぬよう・・。
「あーーーーーー!」
「なになに?」
「わかった!!!違うの違うの、ハワイじゃなくて、常磐ハワイアンセンター。
それに家族でといっても、おじいちゃんたちはお留守番だったし、お兄ちゃんも部活があるから行かなかったのよ~」
まるで作ったような、どこかで一度は聞いたことあるような、オチだ。
ほんとにもうまったく子供と言うものは・・
全部じゃなくても「みんな」で括るくせに、「常磐ハワイアンセンター」だけは「ハワイ」に略すんだから・・。

(*ちなみに常磐ハワイアンセンターは名前が変わっているはずですが、未だにこっちのほうが通じたりします、笑)


そして、子供の言う「みんな」という言葉に親ほど弱いものはないとも思っている。

「そんなのいらないと思う」
「だってみんな持ってるもん」

「それでいいよ」
「嫌だよ、みんなにおかしいって言われるよ」

「新しいゲームなんていらないって、もうあるでしょ」
「だって、みんなの話についていけなくなっちゃうよ」

「みんな」という言葉には魔力があって、親は子供に「みんな」と言われるとぐらついてしまう。
うちの子だけ、なんて不憫なの・・ 仲間はずれにされないかしら・・ 悲しくいじらしい親心。
不況だ何だと言っても、ローンを抱えていても、大抵のものは買えてしまうのがほとんどの家だ。
昔の親の苦労が「買う」ということだったとすれば、今の親の苦労は「買わせない」ということだろう。
まぁもっとも、大人も「みんな」が大好きなのだから、その波に乗るのは当たり前といえば当たり前。
「だってぇ~、ダサいだとか、時代遅れとか、貧乏だとか言われちゃうでしょ」
「みんな」が最新を持っていたら、自分だけ最新じゃないのは恥ずかしいし、
「みんな」が行く場所には一度は行っておかないと。

まさしく、それだ。


去年の夏、私は旅行を計画していた。

サッカーをやっている息子達は、土日がお休みになることはまずない。
別に休んだっていいのだが、長男は休みたがらない。
だから、息子二人と泊まりで出かけられるとすれば長期休暇中ぐらいなのだが、うちには犬もいる。一昨年からは猫も増えた。
連れて行ける場所は限られている。ホテルではまず無理だ。
ならばそう、動物をペットホテルにという手もある。
しかしまた、このペットホテル代も決して安くはない。まごまごしてると人並みにかかる。
何よりあのシュンとした顔やキャンキャンと鳴く声を背に旅行に出掛けるのは胸が痛む。
そうなると動物可のキャンプ場やペンションということになるのだが、行き先は限られてしまう。
まぁそれでも子供達は十分楽しんでいるのだけれど、「みんな」の旅行の話を聞けばやはり憧れはあるだろう。

「沖縄に行きたい」という息子の声と、私自身が旅に出たかったという気持がちょうど共振したこともあって
去年の夏休み、私は動物達を預けても沖縄に行こうと決心したのだ。


私は沖縄には行ったことがない。
昔、東京からの船で二回ほど与論島までは行ったことがあるのだが、沖縄には行ったことがない。
沖縄に行ったことある人は沢山知っていて、沖縄のお土産も結構頻繁にもらったりするのだが、実際には沖縄を知らない。

旅行会社で沢山のパンフレットを集めた。
旅行日を始業式に一日かけただけで値段がずっと安くなるよ、なんていう情報は友人から得た。
息子は息子で友達から沖縄情報を仕入れてくる。
「水族館がいいんだって」
(なんで沖縄まで行って水族館なのよー)と思ったりもしたが、お目当ては観光。それでいいのだ。
「うんうん、美ら海水族館ね。わかったわかった」
そんなこんなで話は結構盛り上がっていた。


しかし、巡り会わせというのは不思議なものだ。
その頃ちょうど、私は、知念ウシさんという人の存在を知ってしまう。
それは、本屋で何気に手にした「あなたは戦争で死ねますか」という一冊の本が始まりだった。
四名の方の共著で、そのお一人が知念さんだった。
タイトルもかなりインパクトあるが、その新書の帯にはタイトルよりさらに過激な戦時中の写真も使われていた。
数ページを立ち読みしたのだが、結局それを買ってしまう。


この私の話がテレビドラマや映画ならば、この場面はまさしく暗雲立ち込めるシーンといえるだろう。
「みんな」への憧れが、たった一人の人の言葉によって揺らぎ、
「みんな」とはいったいなんだろうと再び考えさせられるきっかけとなる瞬間であった。



***この話、長くなりそうなので、何回かに分けて書こうと思っています***


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by yumimi61 | 2008-02-07 16:30 | *戦争と子供