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世界をまったく別のものにしてしまう方法を知っています






外に出ると春の匂いがするようになってきた。
空気に混ざってどこからかやってくる早春の匂いに包まれたくて、庭で、べランダで、時々うずくまる。(お腹が痛いのではない)
微かな春の匂いがそれほど好きなのだけれど、同時にまたストーブが大好きな私は、
そろそろストーブとお別れかしらというこの季節はとっても寂しい季節でもある。
冬の間中、一緒に寝て、ご飯を作って、本を読んで、おしゃべりをしたのだから、寂しくないわけがない。(胸が痛い・・しくしく)
あれ?
このままだとストーブへのラブレターになりそう。
違う違う、全然違う、今日は呪の話。


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私は、ストーブの上に鍋をかけるのがとっても好きなのだ。
冬でも麦茶をがぶ飲みする息子のために麦茶を煮、
気分で種々のお茶をブレンドする私用の怪しげなお茶を煮、(時々本当にすごい匂いが立ち込める時がある)
スープやお味噌汁をことことと煮る。(気を抜きすぎて煮詰まっている時がある)
ご飯の準備をしています時間ではなくて、なんとも時間外な感じがまたとってもいいのだ。
夜中にスープを煮ている時なんて、魔女気分が味わえる。
魔女はもしかしたら美味しいスープを作ろうとしてハーブを入れすぎ、もしくは煮詰めすぎ、
結果毒入りスープになってしまったのではないだろうかという考えまで思い浮かんだりする。


「呪い」というのは実は時間に密接に関わっているような気がする。
時間をかけて作られたものには、大抵呪いがかけられていると思うのだ。
よく男の子が、女の子の手作りしたセーターを貰うとちょっと怖い気がすると言ったりするけれど
あれはあながち間違っていないと思う。
男の子は、セーターを完成させるまでの時間を慮り、そこに無意識に呪いを感じとっているのだ。

親の呪いにさんざんかけられてきた子供は、ある程度成長するとその呪いを怖いと思い、呪いから逃れようとする。
そして呪いのない世界を謳歌する。ところがある日気付くのだ。呪いが姿を変えていることに。
実はこの時が本当に呪いにかかった瞬間なんじゃないだろうか。

今は呪いの少ない世の中だ。
時間をかけることは敵。呪いは敵なのだ。
だから私たちはインスタントのものに埋もれて生活している。
呪いが端からないのだから、呪いが姿を変えることもなければ、呪いの反対側を窺い知る機会もない。
その代わり、数々の研究がし尽くされたインスタントはもう「時間」になんら遜色はない。
呪いのない綺麗に願掛けされた世界がどこまでも広がっていく。


だから毒入りスープを作りたければ、冬の間にこっそり・・・
今日の写真は、残念ながらその毒入りスープではなく黒豆だけれど。
豆は戻すのも、煮るのも時間がかかるので、ストーブのある冬にぴったりなのだ。
加えて黒豆が好きな私は、お正月だけじゃなく、冬にはこうして時々黒豆を煮る。
黒豆の煮汁なんて毒入りスープに負けず劣らず怪しくていい感じ。
やや赤みを差した黒い煮汁に沈む豆を見て、うっとりさえしてしまう。

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呪いの助手といえば・・やはり猫。しっかりお鍋を見張ってくれています。
時々なにやら毒スパイスを振りかけ・・・。

by yumimi61 | 2008-03-12 13:02 | photo