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土台 *2

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(今日の写真は過去にコンデジで撮ったものです)




(*1の続きです)

医療職でありながら、何故企業に就職したのか。
それは、ここにも書いた出会いにあります。

彼は、仕事に情熱を注いでいたビジネスマンだったそうです。
忙しさと、30代前半という若さへの過信もあったのかもしれません。
体調不良の自覚や職場での健診の再検査通知をそのままにし、本人が病院に行こうと重い腰を上げた時にはもう手遅れという状態に。
民間療法も試し、病院を転々とし、それでもダメで大学病院にやってきました。
そこでの出会いです。
未婚だった彼のそばにはいつもお母様が付き添われていました。
大学病院というのは多くの実習研修生が入るので、嫌がる人もいるのですが、彼のお母様にはとても親切にしてもらいました。
本当は逆じゃなければいけないのに。
いろんな経緯を、誰もいない時間帯の病棟の食堂で聞いたことを今でも時々思い出します。
学生という若く頼りない私を、もしかしたら娘のように思って下さったのかもしれません。
ある日、ちりがみに包んだお金をお小遣いだからと渡してくれたことがありました。
そういうことは一切禁止されているのでとお断りすると、本当に本当に残念そうな顔をされました。
「お金」という聞こえは悪いですが、お金にもいろんなお金があるんだと、その時思ったのです。
次の日はお菓子を包んできてくれました。
本当はそういうのもダメなのですが、私はそれを受け取りました。


彼は、私の実習期間中に亡くなりました。病院で出会った初めての死でした。
死後処置を実習させてもらったのも彼でした。

死後、少し時間を置いて、私と担当教官はお線香をあげに彼のご実家を訪ねました。
一人息子さんだったこと、ご主人もすでに他界されているとのことで、とても静かなお家でした。
そこで見た遺影。
それは私の知っている彼とはまるで別人でした。
あたりまえだけど、彼にも元気な時があったのです。涙が止まりませんでした。
仮定なんて意味ないかもしれないけれど、もしかしたら彼はあんなに早く死なずにすんだかもしれない、その思いが企業に就職するきっかけとなりました。

*3に続きます。


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声を上げて泣こう また明日 笑って生きてくために



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10/9エントリー「こと *1」の中で、私が言葉を思いついたと書いたブログ。
了解も得ずに勝手に書いたので「ある方」にしましたが、
リンクを貼ってもいいと言って下さったので、その時の記事にリンクさせてもらっています。
「こと *1」の中にもリンクさせましたが、ここにも。
ブログ『緋色の箱庭』 2006.5.28「事実の中の真実



by yumimi61 | 2008-10-11 16:48 | photo