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帰結

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「よるには、せかいは、すべてぼくたちのものだよ」

「すべて わたしたちのもの・・・・・」

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「そうだよ。ぼくたちのものであり、よるをあいする すべてのものたちのものなのさ」


---上の文章は、絵本『よるとひる』より引用しています。---




去年の5月から、私は、白い猫の詩を探していました。
というのも、去年の5月に、「この詩の中に白い猫が隠れている」という夢をみたからです。

うちにいる猫は、私が初夢に猫につまずく夢を見た年にうちに来ました。
だから、夢の中に出てきた「猫」という言葉が、まったく意味のないものだとは思えなかったのです。
けれど、「猫」や「詩」というだけではあまりに範囲が広く、それが何を示し、どんな意味があるのかを最初はしぼりきれませんでした。


少ししてから、あることに気がつきました。

それからまた時間が経って、違う「白い猫」にも気がつきました。

そして今日、私はまたまた、「白い猫」に出会いました。


今日は、母の病院に行っていました。
検査をしている母を待っている間に、廊下に置いてあったパンフレットを見ていたら、「絵本のある子育て」という冊子がありました。
これは、絵本を毎月配本する会社のPR冊子で、私は以前にも何度か目を通したことがありました。
今日もそれを読み進めていたら、なんと、「白い猫」がでてきたのです。

<絵本の秘密と魅力>というタイトルの特集で紹介されていた絵本。
『よるとひる』  文:マーガレット・ワイズ・ブラウン  絵:レナード・ワイスガード  訳:ほしかわなつよ

1942年にアメリカで出版された古い本のようで、私もこの本は知りませんでした。
帰宅してから、この本を調べてみましたが、取り扱い自体少ないようです。
せっかくなので、ここにも転記します。

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『よるとひる』

 しろいねこがいました。しろいねこは、ひるが、こよなくすきでした。
 くろいねこがいました。くろいねこは、よるが、こよなくすきでした。

 しろいねこは、日だまりにまるくなっているのが、すきでした。
 ひるのぬくもりと、ひるのざわめきがすきでした。カラスのなくこえ、ハエの羽音、うまのいななき、おとこたちのはなしごえ、しゃりんのまわる音がすきでした。
 しろいねこは、かねのなる音、風のふく音、けいてきのひびく音が、すきでした。からだにふりそそぐ あたたかな日ざしと、ひげにそっとふれていく かすかな風が、すきでした。お日さまにてらされた まつの木のにおいが、すきでした。

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 くろいねこは、よるのしじまを あるくのが、すきでした。ホタルの ひそやかなまたたきが、すきでした。やわらかなやみのなかに うかびあがる、いろいろなもののかたちが、すきでした。
やわらかなやみのなかにひとつ、またひとつと、きこえてくる音が、すきでした。とおくで、いぬがほえています。ふねが、きてきをならして きしをはなれます。

 まどから、あかりがもれています。のねずみが、チューチューないています。アマガエルがうたをうたい、もぐらが土をほり、木のはが 風にそよいでいます。
 ときおり、草むらをふきぬける風が、サワサワと足音をたてて、よるのしめったにおいを、はこんできます。

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 けれど、くろいねこは、よるはいつもひとりでした。なぜって、しろいねこは、よるにはねむっているからです。



ある夜のこと。くろいねこは、しろいねこを起こします。しろいねこに、夜の魅力を知ってほしいと思ったのです。
でも、しろいねこに、まずは昼を楽しんでみてはどうかしら、夜よりはずっとすてきなはずよ、と切り返されてしまいます。くろいねこは、こだわりなく、しろいねこに従います。「きみがあすのよる、ぼくとすごしてくれるならね」と。
こうして、しろいねこは、くろいねこに、昼を案内します。


 「よくおききなさい」 しろいねこはいいました。 「これがひるよ」
 みちで、コツコツなっているものはなんでしょう?みちをあるいているひとたちの、くつの音。
 のはらで、ブンブンいっているものは、なんでしょう?
 ・・・・・・・・・・
 ジュージュー音をたて、おいしいにおいをふりまいているものは、なんでしょう?
 火にかけたフライパンのうえの、さかなとベーコン。ポットのなかであわだつ、コーヒー。こんがりとほどよくやけた、じゃがいも。

 「それで、ぼくたち、いつしょくじするの?」 くろいねこがいいました。「いまからよ」と、しろいねこ。しろいねこは、テーブルから、たべのこしのバターとチーズをとって、くろいねこにあげました。「うん、わるくないね」くろいねこはいいました。「でも、あす、ぼくがもっとおいしいものを、きみにおしえてあげるよ」

次の日の夜。

 しろいねこと、くろいねこは、カエルがいけにとびこむ音に、耳をそばだてました。虫たちが、草のかげでおんがくをかなでるのに、耳をかたむけ、アマガエルが、木のはのうえでうたうのに、きき耳をたてました。
 もりは、よるをあいするものたちとともに、いきづいています。

 「よるは、お気にめしましたか?」 くろいねこがたずねました。「ええ、とてもね」 しろいねこがこたえました。「それにねずみにも、気をそそられるわ」
 やわらかなやみが、しろいねことくろいねこをつつみ、ふかいしずけさが、二ひきの耳をみたしました。


しろいねこは、あれほどこわがっていた夜を、受け入れていきます。人間の食べのこしのチーズに満足していたのに、漁師が残していった魚をおいしく食べます。夜の闇に包まれ、夜の気配に触れることで、しろいねこに変化がおきています。

 「よるには、せかいは、すべてぼくたちのものだよ」 くろいねこがいいました。「すべて わたしたちのもの・・・・・」 しろいねこは、のどをならしながらいいました。「そうだよ。ぼくたちのものであり、よるをあいする すべてのものたちのものなのさ」
 それからというもの、しろいねこは、よるが、こよなくすきになり、ひるには、ねむりました。そして、よごと、ちいさな しろいねことくろいねこは、よるのしじまの やわらかなやみのなかを、あるきまわるのでした


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-----内はすべて、冊子内の文章を引用しています。緑字部分が、絵本の本文です。


よるとひるの対比、くろいねことしろいねこの対比、そこから描かれた帰結、、、

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がここで書いた話は、夢をもとにしていますが、夢でみた情景は澄んだ夜でした。
でもなぜか私は、朝の霧の風景にそれと同じものを見たのです。
そして、朝の話として、その情景を綴りました。
実は、この夢を見たのは、2年前の3月16日だったのです。 

***トップ2枚の写真は、今日撮ったものです。行きと帰りに。***

*** 冊子の発行元/こどもの本の童話館グループ ***






by yumimi61 | 2009-03-18 00:17 | photo