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2015年 06月 19日 ( 1 )

昭和 玖拾陸

※追記しました。(6月20日)


戻らない年金積立金

前にも掲載した国の貸借対照表であるが、赤で囲ったのが法人への出資金。
現在では補助金などとして出されているようなので、その金額についてはこの表に表れていない。
この表に表れないということは当然のことながら資産ではないということであり単なる支出となる。

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表に表れている政府出資金は実際に出した金額を記しているのか、それとも決算時に法人に残っていた出資金額を記しているのか、そこは不明である。
出した金額だとするとこの金額で残っていることはないだろう。
株式会社の場合は訴訟でも起こされない限り出資金を株主に戻すことはしなくてもよいが、政府と法人の関係はやはり株式会社と株主との関係とは違うであろうから、法人を解散や売却すればその時点で残っている純資産(出資金や利益)は回収できると思う。
残っていなければもちろん回収不能だし、法人が存続しているかぎり出資金を回収することは出来ない。

青で囲ったものも資産とは言えないと思う。
貸借対照表への掲載という観点からすれば、出資金よりもこちらのほうが問題が大きいくらい。
何故かと言うと政府の預金を用いて運用しているわけではないから。

①返さなければいけない運用寄託金(年金積立金)は国の資産ではない。借金である。
借金側にも公的年金預り金と記しているからいいじゃないかと言いだしそうだが、同じ物がプラスマイナスゼロならば資産でも負債でもなく無となる。
無という状態は換金価値も支払い義務もない状態である。

何故こんな勘違いが生じるかといえば恐らく日本銀行の紙幣(債券である日本銀行券)発行の仕組みがこうなっているからだと思う。
買った国債を資産に、発行紙幣を負債に、プラスマイナスゼロ、このような考え方だったのだ。
前にも書いたけれど、この方式では国債の満期が来て支払われた時に、その分の国債と紙幣が資産と負債から消える。しかし支払われた現金は廃棄しない限り残るのだ。

「年金保険料」として集め、用途が決まっている以上、政府が自由に使える資金ではない。
政府が一時的に借りているという状態にある。
年金積立金を国の資産に出来るのは国民に積立金を諦めてもらう時。
どうしても貸借対照表の資産に載せたいならば、右側は負債(他人資本)ではなく純資産(自己資本)の所に記さなければならない。
要するに年金加入者及び受給者が出資者になるということである。
上に記したように企業会計原則では出資金が戻ってくることはまずない。


戻らない国債

②アメリカ国債などの有価証券は資産であることは違いないが、問題はそれを購入した資金である。
利益もなく預金もない政府は予算外のものを購入する資金など持っていないはず。
年金積立金のように政府が一時的に何かの資金を流用して購入したことが考えられる。
国に近いところにある資金として思いつくのは郵便貯金である。
政府が年金積立金を借りているように、郵便貯金に預けられている預金を借りて購入したのだろうか?

もう1つ濃厚なのは借金をしての購入である。
これは日本国債を発行してアメリカ国債を買うというようなことになり、紙幣(日本銀行券という債券)を発行して日本国債を買うという日本銀行の仕組みと同じである。
アメリカ国債が支払われて、それを日本国債の支払いに当てれば、プラスマイナスゼロになるように思うが、この場合には為替レートなどが関係してくるため丁度よくプラスマイナスゼロにはならない。
また外貨準備としてアメリカ国債を購入していることを考えると、日本円には戻さない、つまり日本国債の支払いには充当できないという姿が浮かび上がる。
外貨というのは輸出企業が外国で稼ぎ、それを国内の通貨に交換することによって蓄えるのが基本だと思う。
輸出があるから輸入ができる。こういうバランスになる。
そのバランスを一定に保つのは難しいので、外貨準備をしておく必要があり、特に重要品目を外国からの輸入に頼っている場合には外貨を沢山準備しておかないと心配にもなるだろう。
日本は世界の中でも外貨準備高が高く、そのほとんどがアメリカ国債だということである。
十分に外貨が稼げていないか、稼いだ外貨を換金や両替していないか、それとも日本政府が異常に心配性か、どれかということになる。
そしてこれも以前に書いた通り、国債での保持は迅速かつ臨機応変の支払いに対応しきれない。

またアメリカ国債を購入するために発行した日本国債の返済のため別途資金繰りを模索しなければならない。


戻る保証のない貸付

水色で囲んだ「地方公共団体や政策金融機関」への貸付」とは融資である。
企業や個人が銀行などからお金を借りるのと同じこと。
ただ貸付という言葉からすると金銭に限るものではないかもしれない。
国有地や建物を無償提供しているなどといったことも含まれている可能性もあり、その場合には固定資産の時価か購入価格を含んでいるかもしれない。

融資には貸し倒れが付き物である。
リーマン破綻による世界金融危機の発端はサブプライムローンだった。
信用度の低い人へのローン(貸し付け)が回収できなくなったのだ。
貸したお金を資産に掲載することは問題ないがリスクを忘れてはいけない。
リスクが皆無という金融商品はない。リスクが大きいか小さいか、その差でしかない。
預金であっても金融機関が破綻したり国の状態が大きく変わった時には戻らないことがある。
どんなにリスクが小さくともそこに当たってしまえば最後。
しかしともかく一般的にはリスクの大小で判断していくわけだ。

銀行が審査で落とすような信用度が低い人への貸付はハイリスクである。
審査で落とさなかったにしても大きな銀行が個人の住宅ローン1,2件を回収できないことによって世界金融危機に発展するなんてことはない。
そんなことならとっくに世界は滅亡している。

サブプライムローンは銀行ではなく住宅ローン会社が貸し付けたのである。
最初の数年間は金利を低くしたり金利払いのみで支払金額を抑えておくが、何年かすると金利が数倍にもなる仕組みのローンである。
金利の恐ろしさは前にも書いたが、金利が数倍にもなったら払えるものも払えなくなってしまう。
では何故そんなローンに手を出すか?
そのことを端から理解していないか、金利が高くなった時に借り換えれば良いという知恵を授かったからだろう。
「ローンで手に入れた土地建物を担保に安い金利のローンに借り換えられます」と誰かが指南したのではないか。
通常固定資産は年月を経たり使用すれば資産価値は目減りしていくものである。(土地は例外)
当時アメリカは住宅バブルで住宅の価格が上昇していたことは確かなのだが、「買い」と「売り」は同じではない。それとこれとでは話が違うという状態。
しかしその差が見えなくなった。バブルとはそういうものである。

住宅ローン会社は貸し付けによって得た「住宅債権」を証券化した。
つまり自分の持っている「貸付(融資)」という資産を有価証券の形にして販売したのだ。
これを買ったのが世界中の証券会社や金融機関。市場で売買されるという状態に。
なぜ世界中の証券会社や金融機関が手を出したかと言えば、アメリカの金融保証専門の保険会社(モノライン保険会社)により証券に支払保証が付けられ、AAA(トリプルA)の安全な有価証券として流通したから。
しかしこの金融保証専門保険会社も民間保険会社に過ぎず。
要するに住宅ローン会社が債券を販売し、それを買うことによって資金提供に応じたのが世界中の証券会社や金融機関だったということ。
販売と言っても、住宅ローン会社にとっては満期が来たら返済する必要のある借金である。(国が国債を発行して資金を得るのと同じ)


誰かにお金を貸す、誰かの借金の保証人になる、このような行為は自分がお金を持っていなければ出来ないことのはず。
十分な資金が無くこれをすれば自滅する。
長期融資の場合は尚のこと豊富な資金が必要。
さほど大きくもない住宅ローン会社の財源は何か?そこをまず不思議に思わなければならない。
住宅債券を発行することによって住宅ローン会社は次なる融資資金を得ていたわけで、その事業自体が自転車操業なわけだが、元手がないことには事業を始めることは困難であるからして、住宅ローン会社は最初からどこかしらの金融機関や誰かしら投資家などから融資してもらっていたはず。
「金は天下の回りもの」とはよく言ったもので、本当にグルグルグル(貸す貸す貸す)と回っているんですね。

・金利が上がると返せない、借り換えも出来ない、返済ストップ、自己破産 ―住宅ローンを組んだ人
・担保の価値が目減り、担保が売れない、住宅債券の支払い不能となる、破綻 ―住宅ローン会社
・住宅ローン会社の破綻により債券の回収不能(焦げ付き・貸し倒れ)、損失補填のため保有株式などを売り、一部の企業は破綻 、破綻した企業に融資していた企業が連鎖的に破綻または危機に陥る ―証券会社や金融機関



地方公共団体と政策金融機関の信用度

【地方公共団体】
地方公共団体とは地方自治体(都道府県や市町村)と同義であるが、厳密に言えば地方自治体関係の組合なども含まれてくる。
また「東京23区」と呼ばれる東京都の23の区は特別区という位置づけに在るが、この特別区が2000年以降、地方公共団体と見做されるようになった。
特別区と政令都市は別物であるが、特別区になるための要件は「単独人口200万人以上(または隣接市町村との合計人口200万人以上)の政令都市」となっている。
「大坂都構想」というのは特別区設置を試みた構想と言い換えることも出来ると思うが、いったい何が特別なのかは微妙なところである。
それまでの「特別区」というのは「特殊法人」にも似た曖昧さを含んでおり、市町村格にもなりきれない東京都のお抱え団体だったのである。
2000年以降の見解では23区はそれぞれが都道府県でも市町村でもなく、区として独立し地方公共団体として数えられるようになったわけだが、多くの権限は相変わらず東京都が握っているようだ。

大坂都構想は無駄を省く行政改革と言えば聞こえは良いが、1つところが多くの権限を握るということは、独裁、ワンワールドの布石と取れなくもない。

住宅ローン会社よりも大手銀行のほうが信用信頼度が高いのと同じで、一般的には、市町村よりも都道府県、都道府県よりは国、こうした順で信用信頼度は上がると思う。
区は圏外だったのである。東京都に内包されてきた。
「東京23区」、その華やかとは裏腹に、実は信用信頼度が不足していたことの証でもある。
同時に何に対しての信用信頼かは人ぞれぞれ解釈が違うと思う。
例を挙げれば、お金の扱いへの信用信頼か、管理監督能力か、上のものへの従順さか、突出しなさ加減か、などなど。


【特区】
ここ何年か私が怪しいなぁと思っているのが「特区」である。
「戦略」とともに「特区」好きな日本。
特区推進には当然予算が組んであると思うのだが、地方公共団体に紛れてこの特区に特別会計から別途資金が渡っているということはないのだろうか?

特区というのは複雑でいまいち把握しきれない。外国に特区を持った時代もあった。
民間事業者や地方公共団体による経済活動や事業を活性化させたり、新たな産業を創出したりするために、国が行う規制を緩和するなどの特例措置が適用される特定の地域。経済特区・構造改革特区など。特別区域。

それぞれの特区は何が違うの?アベノミクス成長戦略「国家戦略特区」とは?
  「特区」で叶える、世界トップのまちづくり
  「国家戦略特区」で「岩盤規制」を突破します!

  <赤字は「2015年3月内閣官房資料」より>
国は規制側であるわけだし、国の運営維持のために必要だから規制しているんだろうに、何かまるで他人事のようなキャッチフレーズですね!
まちづくりを「夢を叶える」レベルで語られても・・と思いますけれども。
ランキングだったら裏から手を回せば簡単にトップを取れるんじゃないでしょうか?世界だとやはりそれも難しいのかな。

国家戦略特区
1.東京圏(東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区及び渋谷区、神奈川県並びに千葉県成田市)
2.関西圏(大阪府、兵庫県及び京都府)
3.新潟県新潟市
4.兵庫県養父市
5.福岡県福岡市
6.沖縄県

・構造改革特区 構造改革特区一覧
・総合特区 総合特区一覧

東京の特区
「東京都の特区」ではなく、なぜ「東京の特区」と言うのだろうと疑問を持ったところ、やはりそこにも意味があるようだ。
日本の首都・東京は、日本最大の都市であり、アジアにおけるビジネスの拠点として機能してきました。
グローバル企業の本社をはじめ、多様な業種の企業が数多く集積し、ビジネスを成功させるために必要なヒト、モノ、金融、市場、情報、インフラが揃っています。
都心に近接している羽田空港の国際化により、アジアをはじめとする主要都市とのアクセスも益々向上しています。
東京都は、これらの立地環境を踏まえ、世界に開かれたグローバルビジネス都市「東京」としてビジネス環境の更なる改善を図るため、国の特区制度を活用し、様々な規制緩和等に取り組んでいます。

何かこれまでの枠組みを壊す意図を感じる。
「日本国」改め「東京国」?
「大阪府」改め「大阪都」?


【政策金融機関】
政策金融機関とは、日本において、政府が経済発展、国民生活の安定などといった一定の政策を実現する目的で、特に法律を制定することにより特殊法人として設立し、出資金のうちの多く(または全額)を政府が出資している金融機関の総称である。政府系金融機関と呼ばれることもある。
これらの多くは、民間金融機関が融資を行うことが困難な分野に対し、財政投融資制度を用いて民間の金融機関では困難な融資を行っているが、これには「民業圧迫」や「市場メカニズムを損なう恐れがある」などの批判もある。


以下が現在の政策金融機関
・特殊会社として在り―株式会社日本政策投資銀行・株式会社日本政策金融公庫・株式会社国際協力銀行・株式会社商工組合中央金庫
・特殊法人として在り―沖縄振興開発金融公庫
・独立行政法人として在り―住宅金融支援機構・奄美群島振興開発基金・福祉医療機構

上の青字説明文で注目すべきは、民間金融機関が融資を行うことが困難な分野に対し、財政投融資制度を用いて民間の金融機関では困難な融資を行っている、という箇所である。
困難な分野に困難な融資とはつまり、儲けにならない(採算が取れない)融資や事業、返済される確実性が薄い融資、信用度が低い箇所への融資であろう。
利益を追求する民間企業には手が出せない部分を国がフォローすることは一概に悪いとは言えない。
むしろ正しい姿勢であると言えて、「民業圧迫」や「市場メカニズムを損なう恐れがある」という批判は的を得ていないと思う。
国が民間に手を出させないのではなく、民間企業や大手企業が手を出したくないところなのだ。


国が出資している(国が株主である)点において政策金融機関の信用度は高い。
しかしその出資金の出所が問題である。
国の予算(財源は税収)から出資されている分には問題ないが、年金や郵便貯金という持ち主が別にいる資金を流用しているとなるとこれも大きな問題となる。
企業会計原則では出資金は戻らない。年金や郵便貯金を充てたならば、それはないものと覚悟する必要がある。
金融という事業は、いかに確実に回収できるか、いかに大きな金利を取れるか、いかに少ない金利で預金してもらえるかが勝負であるが、それらは往々にして相反するものであるからして、匙加減がなかなか難しい。
そのように元々が難しい事業であるにもかかわらず、民間が手を出したくない箇所を相手にするとなれば、結果は半ば見えている。
国家や国家が出資して保証人になったような企業(法人)への信用度は高くとも、事業への信用度や客観的評価はどうしたって低くなってしまう。
事業で成果や利益を出せなければ、出資金などすぐに底をついてしまうわけであり、その状態で尚も企業(法人)を破綻解散させずに維持するとなれば必要経費をずっと支出する必要が出てくる。
穴の開いた容器に水を注ぎ続けるようなものであるが、その費用をどこから出すのかという問題がある。
借金をしては融資するという金利勝負のイタチゴッコが目に浮かぶ。

また事業内容からして又貸しになることは避けられず、政策金融機関への信用度が高くとも、信用度の低い箇所へ融資されることとなる。
高いリスクを負うのは政策金融機関であり、そこに出資や支出している国(政府)ということになる。
しかも信用度の低い所は元々信用などないわけだから、失う物は何もないといった感じである意味怖いものなし。
一方、先進国や経済大国を謳う国(政府)はその信用を失うことを恐怖にすら感じている。失うものが大きい。
すなわち国内と国外への融資を比べれば、国外への融資が深刻なのである。
日本円を送られても困る国が多いというのも困るところですね!
対外的に借りた物を返さないと言うことが出来ず、お金がないから途上国に資金援助(寄付・融資)できないとも言えない。
無理をしても、贈り、貸し、返す。
その無理が何かと言えば国内にある資金の流用であり国債発行であり、アメリカ国債購入だった(と思われる)。






by yumimi61 | 2015-06-19 14:25