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2018年 04月 29日 ( 1 )

今日は「ロンドンスモッグ」の話をしたいと思う。
「ロンドンスモッグ」は大気汚染のことだが、ロンドンは「霧の都」としても知られており、簡単そうでいて少々複雑な話になってしまいます。あしからず。

まず「霧」というものについて。
霧とは、水蒸気を含んだ大気の温度が何らかの理由で下がり露点温度に達した際に、含まれていた水蒸気が小さな水粒となって空中に浮かんだ状態。

気体が液体に変わることを凝結や凝縮と言う。この変化は冷却することで起こる。水蒸気(気体)が液体に変わり始める温度が露点温度である。
前記事で触れたLNG(天然ガス)も冷却することで気体を一旦液体にする。

霧の生じ方(霧の種類)
①放射霧
これを説明するためには、「放射」や「放射冷却」を説明しないといけないので面倒長くならざるを得ない。
というのもここに大きな誤解が生じているからであり、それは温暖化の誤解問題ににも通じることだからである。

日本気象協会 tenki用語辞典
「放射冷却」
地表はその温度に対応して赤外線を放出して冷却するとともに、大気や雲からの赤外線を受けて暖まっている。水蒸気が少なく雲がない夜間には、大気や雲からの赤外線が少なくなるため、地表面は冷えてくる。これを放射冷却というが、春や秋に移動性高気圧に覆われるなどして、よく晴れて風がない夜は、地表付近に冷たい空気がたまって特に冷え込み、霜が降りたりする。

前にも何度か書いたことがあるが、気象予報士がテレビで放射冷却の説明をしているのを聞くたびに違和感を感じる。
熱の伝わり方の「放射」と、「伝導」「対流」が明確に区別できていない。

熱の伝わり方には、「伝導」と「対流」と「放射(輻射)」がある。
伝導:物質を通して熱が伝わる。
対流:空気や液体などの流れによって熱が伝わる。
放射:赤外線などによって熱が伝わる。

熱は高い方から低い方へ移動する。←この法則を利用して気象用語の「放射冷却」が説明されていることが多いが、それは対流による熱の移動ではないだろうか?


Cradle(株式会社ソフトウェアクレイドル)技術コラム
もっと知りたい! 熱流体解析の基礎  熱放射
※アンダーラインは私によるものです。

物体表面の原子からは、物体の温度に応じた波長の電磁波 が放出されています。逆に原子が電磁波を受け取ると、その電磁波を内部エネルギーに変換し、物体の温度が変化するという性質があります。

 そのため、図4.19のように複数の物体がある場合には、ある物体から放出された電磁波が別の物体の表面に到達することによって熱が移動し、物体の温度が変化します。このように、周囲の空気の温度を変化させることなく、電磁波の形で熱が物体間を移動することを熱放射や熱輻射あるいは単に放射や輻射といいます

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図4.19 2つの物体の熱放射

2つの物体間の伝熱が熱伝導で起こる場合、2つの物体の間には熱を伝える何らかの物質が必要となります。また、対流熱伝達では2つの物体の間に何らかの 流体が存在している必要があります。それに対して、熱放射は物体間に熱を伝える媒体がなくても熱の移動が生じます。真空の宇宙によって隔てられた太陽の熱が地球まで届くのも熱放射の性質によるものです

熱放射は熱伝導や対流熱伝達と同時に起こります。ところが、熱放射による熱の伝わり方は、反射や吸収 、透過といった物質の光学的性質に大きく依存し、熱伝導や対流熱伝達とはメカニズムが大きく異なることから、多くの場合はこれらと独立して考えられます


沢山の物質が存在する中にあっては、熱伝導と熱対流、熱放射は同時に起こっているが、放射と言ったら放射のことである。
でも私達の生活に密着するお天気の話や自然現象の話をするならば、放射だけでは語れない。放射と同時に伝導や対流も起こっている。
伝導や対流がどれほど起こるかはその状況や環境による。

全ての物体は赤外線エネルギーを「放射」しているが、同時に外部からの赤外線エネルギーも「吸収」「反射(撥ね返し)」「透過(すり抜け)」をしている。
外部からの赤外線エネルギーを入射とすると、入射= 反射+吸収+透過が成り立つ。(エネルギー保存則)
物体が赤外線を吸収すると物体の温度は上昇し、放射すると物体の温度は低下する。

赤外線は物質によって吸収率(放射率)が違う。非金属ではそれほど大きな差はないが、金属においては種類や状態によって違いがある。

赤外線吸収率が似たようなものだとすると、違いは伝導と対流ということになる。
伝導率が高ければ熱を伝えやすい。
温度が違う物質が触れ合うと熱は高いほうから低い方へと移動する。


熱伝導は違う温度の物質の接触だけでなく1つの物資内でも起こる(表面から内部など高い方から低い方へ)。
熱対流は違う温度を持つ固体と流れる液体や気体、あるいは違う温度を持つ液体や気体同士が、その表面間で熱のやり取りをすること。接触面が大きいほど熱の移動も大きい。


太陽光によってどうして熱が発生するかと言えば光は電磁波であり、電磁波を吸収した物質の原子や分子が振動するからである。その振動によって熱エネルギーが生じるのであって、電磁波自体がを熱を持っているわけではない。
原子や分子が振動、気体分子や自由電子の移動によって物質内部や接触している外部に伝わっていく。
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太陽から放射された太陽光(電磁波)は地上に届く前に少し吸収されている。
それを表したのが下図。
図はこちらhttp://denkou.cdx.jp/Opt/PVC01/PVCF1_4.htmlより。~から吸収という文字は私が入れました。
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太陽から放射された電磁波を大気圏外(AM0)と赤道直下ではない地表(AM1.5)とで比較したグラフである。
同じ太陽の電磁波も大気圏外と地表とでは届き方(エネルギー)が違うということ。
横軸の左側の方が可視光線領域で右側が赤外線領域となる。
大気圏外(青線)より地表(赤線)が減っているのは大気で吸収されたからである。
大気という媒体がなくても電磁波は進むことが出来る。でも何か物質にぶつかると、そこで吸収・反射・透過が起きる。
電磁波は真っ直ぐに進んでいるのであって、気温が低い所を選んで移動し吸収されるわけではない。
吸収率は物質によって違って、ほとんど吸収しないものもある。
大気中の何が吸収したかということをグレーの文字で書き入れた。
波長によって吸収される物質が違うが、吸収する大気成分は水蒸気と二酸化炭素と酸素である。吸収した物質は吸収した分だけ温度が上がるが、逆に自らが放射すれば温度は下がる。
太陽から放射された赤外線を吸収しているのは水蒸気と二酸化炭素であるが、0℃以上の全ての物体(物質)もまた温度に合った赤外線を放射しているので、水蒸気と二酸化炭素も赤外線熱を溜めこむということはない。
しかも大気の大部分を占める窒素はほとんど太陽光を吸収しない。ということは窒素は物体(物質)から放射される赤外線も吸収しない。
赤外線という電磁波は物体や空間全体を温める能力を持っているわけではない。
20%の温かさと80%の冷たさを混ぜて温かいと感じるのは難しい。


 水蒸気や炭酸ガスは大気のなかでは非常に少ない割合でしか存在しません。大気の成分でもっとも多いのは窒素で約8割を占めていますが、この窒素の分子(N2)は太陽光をほとんど吸収しません。これが地表で太陽光の恩恵を受けられる裏の理由になっていると言えます。


昼間、太陽から発せられた電磁波は地表に届き、地表が吸収した電磁波が熱となる。だから地表は温かい。
地表も電磁波(赤外線)を放射するにはするが、もっとダイナミックな熱の動きがある。
それが伝導や対流である。

太陽光に熱せられた地表よりも通常空気のほうが低温なので地表が持っている熱が、地表に接している空気から徐々に上に伝わって、気温が上がる。
地表と書いたが太陽の電磁波が届くのは地表だけではない。水でも建物でも植物でも人間でも同じである。
また熱は太陽光(電磁波)だけが生じているわけではない。分解熱とか崩壊熱とか運動エネルギーが変換された熱とか他にも熱源はある。
でも太陽エネルギーはとても大きい。

昼間は常に太陽が電磁波を発しているので、地表が熱を持ち続けられるという環境にある。
夜になると太陽が隠れてしまい地表に電磁波が届かない。だから地表の熱は当然昼間よりも下がる。地表の熱が下がったのだから昼間ほど空気に熱は伝わらない。
夜間は太陽光という熱源が途絶えた状態にある。

赤道直下の場所以外では夏と冬では太陽光の入射角度がだいぶ違い、斜度が強くなる冬はそれだけ多くの大気を通過して地表に到達するわけだから、吸収率も上がり、地表が受けるエネルギーは夏よりもダウンする。
おなじ季節でも、緯度も関係していて、高緯度なほど傾きが大きく、エネルギーはダウンしてしまう。
でもともかく北半球の場合、夏はどんどん地表が温められて、気温もどんどん上昇していくが、冬は晴れてもそこまで温められないし、気温も上昇しない。
地表が温められると地表の水分が蒸発し、大気中の水蒸気となる。
夏のほうが蒸発が進む。ガーデナーは水やりが大変な季節。
一方の冬は温められての蒸発はあまり進まない。大気中の水蒸気は減少して乾燥気味となる。

熱伝導性は、気体<液体<固体、である。
伝導性が良いということは、熱しやすく冷めやすいということ。
だから保温性ということから言えば、固体<液体<気体、である。
乾燥した空気は熱伝導が悪いので、熱を溜めこみやすい。

夏は長時間高いエネルギーで地表が熱せられており、そのエネルギーをもってして比較的広範囲な空気に熱がどんどん伝わっていて、さらに水蒸気を多く含んでいる。
雨や風でもなければ、太陽が隠れても下がりにくい環境にある。
冬は違う。太陽が隠れたら地表近くのほんわか温められた空気がゆっくりと上昇し、代わりに冷たい空気が流れ込んでくる。
昼間でも太陽が出ておらず地表が熱を十分に受けていない時や、風がびゅーびゅー吹いている時などは、昼間の地表温度も気温も上がらない。
その分だけ夜との差も小さく、夜間に急に冷え込むということはない。




by yumimi61 | 2018-04-29 17:17