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2018年 05月 24日 ( 1 )

先日暖房器具について書いたが、現在欧米で主流な暖房方法はセントラルヒーティングである。

20世紀はじめのヨーロッパにおいて、各家庭へ蒸気熱の供給を行ったのが、セントラルヒーティングのはじまりといわれています。
玄関からリビング、浴室や寝室にいたるまで、家中いつでもどこでもあたたかい。
どんなに外が寒くても、家に帰ればぬくもりと癒しの空間が待っている。
100年以上たった今も尚、ヨーロッパの家庭やホテルで親しまれ続けています。
 (グレン・ディンプレックス社)

グレン・ディンプレックス社
グレン・ディンプレックス社は、1973年にイギリスの電気暖房機器・リーディングブランドであったディンプレックス社をグレン・エレクトリック社が買収しアイルランドで設立。
その後ヨーロッパ各国の電機メーカーを傘下におさめたホールディングカンパニーとなり、 電気暖房機器においては世界で最大級の企業となっております。
また一般家電製品の分野においても世界市場においてトップクラスのマーケットシェアーを保持しております。
現在は、グループ全体として3000億円の売上、1万人従業員規模となっております。



セントラルヒーティングは日本では馴染みが薄いのでセントラルヒーティングの説明から入らなければならないので、また長くなります。

セントラルヒーティングとは、一箇所の給湯器熱源装置(ボイラーなど)を設置して、熱を暖房が必要な各部へ送り届ける暖房の方式である。全館集中暖房、中央暖房ともいう。

日本においては石油(重油)ボイラーが主として用いられてきたが、建物の種類や規模(民家など)によっては、ガスボイラーも使われている。これらのボイラー熱で湯を沸かし、循環ポンプにより各部屋へ循環させる。各部屋にはラジエーターと呼ばれる放熱器が設置される。 各部屋に設置されるラジエータは、一般的なストーブほど高温にはならないため、火傷や火災の危険が少なく、ラジエータ自体からは燃焼ガスの発散が全くないので、安全性に優れる。一方、設置時に大掛かりな工事が必要となり、初期費用がかさむことが多い。

近代的なセントラルヒーティングの発祥は欧米である。20世紀初頭から欧米の都市ではガス、電気、水道などの供給と共に蒸気の供給も行っている。 初期においてこの蒸気は発電の副産物であり、発電所が供給していた。緯度的に北に位置する欧米都市では、町ぐるみで暖房と給湯に取り組む必要があったため、このような設備が生まれた。 この蒸気を各戸へ分配するシステムがセントラルヒーティングであり、ビルディング等の建設時に、あらかじめ地下に蒸気を温水へと熱交換するボイラーが設置され、温水が作られた。 温水はビル内の各所へ分配され、暖房と給湯を成していたのである。

なお、日本において都市が蒸気の供給を行っているのは現在、札幌市、釧路市一部都市に限られている。


日本語Wikipedia「セントラル・ヒーティング」と英語Wikipedia"central heating"を両方見てみたが、載せている写真が全然違って面白かったので、その写真を拾ってきた。
日本語版は各部屋に設置されるラジエーターのみを掲載していて、英語版はセントラル(中央)の熱源を掲載している。
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まず言っておかなければならないのは、セトトラルヒーティングは各部屋で火を燃やすことはないが、どこか中央(地域のどこか・ビルのどこか・家のどこか)では火を燃やして蒸気や温水を作っている。
そのどこかをボイラー室と言ったりする。
熱源(燃料)となるのは木材、石炭、石油、ガスなど。
蒸気や温水を作るので、当然暖房だけでなく給湯(キッチンやバスなどのお湯)もカバーできる。その代わりと言うかなんというか、日本のお風呂のように追い炊き機能はない。


一般家庭ではほとんど馴染みのない日本であるが、かつては大きな会社や工場、ビル、病院などで結構使われていた。
いつどこでかははっきりと覚えていないが、私は実際に病室や事業所でラジエーターが設置され使用しているのを見たことがある。
上の「欧米のラジエーター」を横に長くしたようなものが窓下に設置されていることが多かったように思う。


様々な機械や薬品を使う工場などには、それを扱う許可を得た資格者がいる。
職場でボイラーを操作するにはボイラー技士という資格が必要である。

労働安全衛生法に基づく日本の国家資格(免許)の一つで、各級のボイラー技士免許試験に合格し、免許を交付された者をいう。空調・温水ボイラーの操作、点検を業務とする。
・特級ボイラー技士 - 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる。
・一級ボイラー技士 - 伝熱面積の合計が500m2未満(貫流ボイラーのみを取り扱う場合において、その伝熱面積の合計が五百平方メートル以上のときを含む。)のボイラー取扱作業主任者となることができる。
・二級ボイラー技士 - 伝熱面積の合計が25m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができる。

(操作自体は二級以上の資格があれば出来る。級の違いは作業主任者になるための違い)

ボイラー技士は病院、学校、工場、ビル、機関車、銭湯、地域熱供給などの様々な場所で、資格の必要なボイラーを取り扱い、点検、安全管理を行う技術者である。近年、ボイラー技士資格の必要の無いボイラー及び多様な熱源設備が普及してきている。そのため多くの現場や企業では、ボイラー技士の資格を事実上、知識や技能を証明する検定試験的な捉え方をする場合が多くなっている。熱源を用いる現場においては、法的に資格が不要な設備であっても、免許所持者を求める傾向は根強いものがある。

資格が必要ということはそれなりの知識が必要ということ。それを言い換えるとその作業にはそれ相応の危険性があるということでもある。


セントラルヒーティングは次の3種類がある。
熱源によって得られた熱をどのように運ぶかといった違いによる種類。
①蒸気 
②温水
③温風

①蒸気と③温風は気体であることが同じだが同一ではない。
①の蒸気は蒸気をラジエーターまで送りこんで、ラジエーターを通して放熱させる。ラジエーター以後の暖まり方は伝導と自然気流による暖房である。
②の温水も蒸気が温水に変わっただけで放熱(伝導と自然気流)を利用する。
従ってどちらも暖まり方は緩やか。
また水は常圧では100℃以上に上がることはないから(沸点が100℃だから)、通常それ以下の温水が送られることになり、温度上昇の限界が低い。
100℃以上の水を得るには加圧が必要、100℃以下の蒸気を得るならば減圧や真空を利用する必要がある。

①の蒸気と②の温水で比較すれば、①の蒸気のほうが暖める威力は強い。蒸気は100℃以上に上がる可能性がある。
また蒸気(気体)は蒸気よりも温度の低い管やラジエーターなどに触れて液体になる時(凝縮時)に熱を放出する。
接触部分で(液体になる時に)一気に熱を放出するので温水よりも伝熱力が強い。

一方の③の温風は暖かい空気をそのまま部屋に出す。ファンヒーターとかエアコン暖房のように送風される。

水配管内の水流を急に締め切った時や蒸気配管や蒸気使用設備に蒸気を通気し始める時などにウォーターハンマー(スチームハンマー)が起こり、急激な圧力変化によって衝撃音や振動を伴って配管や装置が破壊されてしまうことがある。
バルブ等が破壊されると一気に大量の蒸気や高温ドレン(蒸気が水に変わったもの)が噴出漏水し事故に繋がる可能性もある。

そもそもボイラーは燃料を燃焼させているので排気ガスが出るのは同じ。
当然それは屋外に排出されるもので、大規模な空間を暖めるだけの火を燃やしているのに、もしも排気ガスを外に排出しなければそこにいる人への有害影響は大きくなる。
ボイラー室の位置(例えば地下とか)によっては、また気密性の高い住宅や換気不足ではさらに影響は深刻となる。
セントラルヒーティングは基本的に気密性の高い住宅でないと向かない暖房方法である。


私達日本人には、欧米というと暖炉と煙突のイメージがある。
なんたってサンタクロースは煙突からやってくるわけだし。だけど近頃は暖炉も流行っていないらしい。
外から見ると煙突が付いている家が並んでいても単なる飾りであることも多いのだとか。
暖炉は煙突の管理(掃除)が大変なようだ。
暖炉と言えば薪だが、石炭やコークスも使われていた。
不味い書類やラブレターを廃棄するために暖炉の火にくべて燃やしてしまうこともあるかもしれないが、燃料(薪や石炭)が用意できない場合には紙や段ボール、あるいはゴミ箱をひっくり返して燃やしてしまうかもしれない。
何を燃やすかは個人次第なところがある。
また暖炉や薪・石炭ストーブは意外に部屋中は暖めることに向いていない。
暖炉は目の前にいて揺れる火やパチパチする音を聞いてリラックスするもの。
なんたって壁に埋め込まれていて前面にしか熱が伝わってこない。
その点においては薪・石炭ストーブのほうがまだ360℃の放熱が可能。
暖炉や薪・石炭ストーブで部屋中、家中暖めるには、とにかく燃やし続ける必要がある。


実は排気ガスによって呼吸器疾患に罹るのは、家族の中で暖炉やストーブの管理をしている人や煙突掃除を担当する人(煙突掃除夫)が多いという報告もある。
そうであるならば、子供の該当者は少なくなるだろう。


パーシヴァル・ポット(Percivall Pott、1714年1月6日 - 1788年12月22日)
18世紀のイギリスの外科医である。整形外科学の創始者の一人で、ガンが発癌物質によって引き起こされることを疫学的に示した最初の科学者とされる。
1775年にロンドンの煙突掃除人に陰嚢がんの多いことを報告し、すすがその原因であると推論した。これは化学物質が発癌の原因であることを示す最初の研究であった。この調査結果は1788年に煙突掃除夫(保護)条例の実現をもたらした。


訳のせいか時代の違いか分からないが、現代日本では「陰嚢がん」とは言わない。「精巣がん」とか「睾丸がん」とか。
「煤が陰嚢にたまって癌になる」とか、「陰嚢がんとは陰嚢の皮膚がん」とか突飛且つ統一性がないため、煙突掃除人の陰嚢がん説は胡散臭い。但し生殖器として考えれば、生殖器は内分泌攪乱化学物質(俗にいう環境ホルモン)の影響を受けることも考えられなくはない。
煙突掃除をしない日本人でも他のがんに比べて20~30代の若者の罹患が多い。(多いと言っても稀ではある)
その原因は分かっていないが、考えられる因子として家族歴(遺伝的)や体質的なものが挙げられ、発がん物質云々という話はあまり聞かない。
他のがんに比べて若い人が罹るということで、煙突掃除に結び付けてしまったのかもしれない。
かつて煙突掃除を子供が行っていた時代がある。
煙突の中に入るのは太ったサンタクロースよりも小さく細い子供のほうが適任だから。
貧しい子供達の仕事だった。貧しい子供達が裕福な子供達にする贈り物が煙突掃除だったということだろう。
貧しい子供は学校にも行ってないだろうからスクールカーストにも入れてもらえず、クラスに入れず!?ああ悲しき煙突掃除。

イギリスでは1840年に21歳以下を煙突掃除人にすることを禁じた。
だからそれ以降、イギリスでは子供は従事していないはずである。
しかしヨーロッパでは依然貧しい子供の仕事として人身売買されていたりもしたようだ。

『黒い兄弟』(独: Die Schwarzen Brüder)1941年発行
ドイツ出身でナチス時代にスイスに亡命したリザ・テツナー(Lisa Tetzner)の著作名、またそこに登場する煙突掃除夫の少年達の結社名。19世紀のスイス・イタリアを舞台に少年売買や少年労働の苛酷さを描く。

主人公ジョルジョは、スイスのソノーニョ村から貧しさのため煙突掃除夫としてミラノに売られる。そこで出会った仲間の煙突掃除夫達と同盟「黒い兄弟」を結成し、困難を乗り越えていく。




だけど世の中悲しいのは子供だけではないのです。

とある一家。農夫のおじいさん。
おじいちゃんは汚いからと、お風呂に入る順番はいつも家族の中で一番最後でした。(一回一回お湯を払って入れ直せばいいでしょ?)
それでもおじいちゃんは可愛い孫に美味しい野菜を食べさせるために畑仕事に精を出します。
だけど今どきの孫にはそんな愛情は通じません。
ある時、孫はその若さゆえ容赦ない言葉をおじいちゃんに浴びせかけました。
「おじいちゃん汚いから嫌いっ」
おじいさんは悲観し、山の畑に軽トラを走らせ、自らに火を放って燃え尽きてしまいました。
焼身自殺してしまったのです。

実話です。





by yumimi61 | 2018-05-24 12:16