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2018年 09月 10日 ( 1 )

有視界飛行✇✇✇✇

計画と実績と報告

8月10日、群馬県中之条町の山中に墜落した群馬県の防災ヘリ「はるな」。
事前に提出していた飛行計画では西吾妻福祉病院を経由(着陸)することが盛り込まれておらず、さらに機体が群馬ヘリポートに戻ってきていない(着陸していない)にも関わらず到着した(着陸した)との報告を国土交通省にしていた。
群馬県は防災ヘリの飛行運用を東邦航空に委託。それらの報告は東邦航空から群馬県に派遣されていた職員が行っていた。

突然ですが、あなたは会社員で通常は8~17時勤務(1時間休憩で実働8時間/日)。
あなたが会社の仕事で会議に出席するため「出張」したとします。「直行直帰」です。(会社から出て会社に戻る場合には「外出」扱い)
会議は16時に終了しました。出張先から自宅最寄り駅まで戻るには電車を利用して2時間かかるので、すぐに電車に乗っても到着は18時を回ります。

帰宅までの移動時間は労働時間には含まない。つまり残業1時間は付かない。
(移動時間にも業務に関わる打ち合わせや作業等を行っていれば労働時間とみなされるべき。また移動時間に交通事故などに遭った場合には労働災害の対象になる)
でも一般的には16時に会議が終わったからといっても1時間早退扱いにもならない。労働時間8時間でカウントされる。

あなたは16時に会議終了後に飲食店に立ち寄りました。
電車に乗ったのは何故か21時頃です。従って最寄駅到着は23時頃。
大人なので最寄駅に到着したことをその都度いちいち会社や上司に報告したりなどしません。会社もそれを求めません。
後日、出張報告と旅費精算は会社で行います。
しかしそこには飲食店に立ち寄ったことなどもちろん書きません。
時間もテキトーな感じで報告しておきます。
あなたの身に何もなかったからこそ、その報告が通じるわけです。

もしも会社が到着報告を求めたとするなら、到着してなくても「ただいま到着しました」と連絡を入れればよいだけの話となる。あとは大人の自由時間!?
あなたの身に何もなかったからこそ、その嘘がばれずに済むだけで、何かあったらそうはいかない。到着したって連絡してきたのに、何故あいつはあんな所にいたんだ!?ということになってしまう。
また重要な会議ではサボれないだろうし、サボってもばれてしまうけど、例えば講演会のような不特定多数の人が参加する所に出張する場合には、ちょっと顔だけ出して資料だけもらい、あとは大人の自由時間にだって出来なくもない。それだってもちろん報告書にはそんなことは書かない。


飛行計画とは

飛行計画
航空機が飛行を行うに際して航空官署(航空交通管制機関等)に通報する飛行予定に関する計画のことである。フライト・プラン (英語: flight plan) とも呼ばれる。

航空機が他国の防空識別圏内を飛行する場合には事前に飛行計画を提出することが一般的になっている。国際線運航の場合は関係国に飛行計画が通知され、その国の空軍防空部門に情報連携される。
機が防空識別圏に侵入すると、通報受理されている飛行計画と侵入機情報が照合され、該当する飛行計画がない場合は、国籍不明機による領空侵犯の恐れがあるとしてスクランブルが発出される。

また、提出された飛行計画に基づき、管制機関に位置通報、または運航状態通報が為されない場合は、「遭難の疑いあり」として、最後の通報地点を中心に捜索救難活動が開始される。


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米国における飛行計画
アメリカ合衆国等では有視界飛行方式 (VFR) の場合、距離も関係なく特定の空域を除き、飛行計画の通報の必要はない。

日本における飛行計画
日本の場合、航空機が日本の防空識別圏で飛行を行う(領空通過も含む)際は、航空法第97条により、原則として飛行計画を航空管制機関に通報する必要がある。計器飛行方式 (IFR) で飛行する場合は、通報した飛行計画に対する管制承認を航空管制官から得る必要があるのに対し、
有視界飛行方式 (VFR) で飛行する場合は、管制承認の必要はなく、出発地の半径9キロメートル以内を飛行し、その範囲内に着陸する場合には、通報の義務もない。なお、通報は文書又は口頭でする(航空法施行規則第203条第2項)。


日本では有視界飛行の場合、出発地から半径9kmを出ずに飛行する予定ならば飛行計画を提出する必要はない。
しかしスピードが自慢で、遠くへ行くほどその特徴が活かせる航空機が9キロ範囲内をちょろちょろするということは普通はあまり考えられない。
遊覧飛行とか空撮とか特別な事情がある時くらいであろう。
半径9kmを超えて飛行予定ならば飛行計画を提出(通報)する必要がある。
例えば群馬ヘリポートから群馬県防災ヘリが墜落した地点では直線距離で60kmを超える。
前橋赤十字病院(ドクターヘリ運用病院)から前橋の赤城山は直線距離で20kmくらい。

飛行計画は120時間(5日)より前に行うことは出来ない。
120時間を切り出発2時間前までに行うことが望ましく、少なくとも30分前までには提出(通報)しなければならない。
ただ有視界飛行のヘリコプターは緊急出動することがあるので、その時間的余裕がない時や連絡手段がない場合もある。その場合には飛び立ってからでもよいが、出発地から半径9km以内の範囲内で無線連絡などする必要がある。

報告する内容(航空法施行規則第203条)・・フォーマットあり

1.航空機の国籍記号、登録記号及び無線呼出符号
2.航空機の型式及び機数
3.機長(ただし、編隊飛行の場合は編隊指揮者)の氏名
4.計器飛行方式又は有視界飛行方式の別
5.出発地及び移動開始時刻
6.巡航高度及び航路
7.最初の着陸地及び離陸した後当該着陸地の上空に到着するまでの所要時間
8.巡航高度における真対気速度
9.使用する無線設備
10.代替飛行場
11.持久時間で表された燃料搭載量
12.搭乗する総人数
13.その他航空交通管制並びに捜索及び救助のため参考となる事項

どこにどうやって?

■飛行計画の提出方法
①文書
②口頭(電話や無線連絡など)
③専用通信回線・・・航空運送事業者のうち航空局の承認を受けた事業所が利用可
④インターネット・・・利用者として登録をした場合にはSATサービスにより通報できる

■東京航空局(東日本担当)出先機関

丘珠空港事務所 (北海道札幌市東区丘珠町)
新千歳空港事務所(北海道千歳市美々新千歳空港内)
稚内空港事務所 (北海道稚内市大字声問村字声問6744)
函館空港事務所 (北海道函館市高松町511)
釧路空港事務所 (北海道釧路市鶴丘2-260)
三沢空港事務所 (青森県三沢市大字三沢字下夕沢83-197)
仙台空港事務所 (宮城県名取市下増田字南原)
百里空港事務所 (茨城県小美玉市与沢1601-21)
成田空港事務所 (千葉県成田市古込字込前133)
東京空港事務所 (東京都大田区羽田空港3-3-1)
新潟空港事務所 (新潟県新潟市松浜町2350-4)

旭川空港出張所 (北海道上川郡東神楽町東2線15-96)
帯広空港出張所 (北海道帯広市泉町西9線中8-40)
中標津空港出張所(北海道標津郡中標津町北中16番1)
女満別空港出張所(北海道網走郡大空町女満別町字中央256 女満別空港内)
紋別空港出張所 (北海道紋別市小向19-3)
青森空港出張所 (青森県青森市大字大谷字小谷1-303)
花巻空港出張所 (岩手県花巻市葛3-183-1)
山形空港出張所 (山形県東根市大字羽入字柏原新林3008)
福島空港出張所 (福島県石川郡玉川村大字北須釜字ハバキ田21)
大島空港出張所 (東京都大島町元町字北の山270-1)
松本空港出張所 (長野県松本市大字空港東8928)
静岡空港出張所 (静岡県牧之原市坂口字高尾山1250-52)

秋田空港・航空路監視レーダー事務所

かつて飛行計画は航空局(国土交通省の内部局)の出先機関となる空港事務所や空港出張所にて決まった書式に記入し担当職員に手渡し、その場で互いに計画を確認しあうか、電話で飛行計画の各項目を読み上げて通報するという形が主流だった。
航空局の出先機関のある空港を出発する場合にはよいが、そうでない場合にわざわざ事前に提出に出向くというのはかなりの手間となる。(例えば群馬を出発地とした場合には東京まで提出にいかなければならないことになる。東京にいるパイロットに提出してもらってから群馬に来てもらうという方法もあるといえばあるけれども)
従って電話や無線も活用された。
今は③④の方法があるのでスピーディーに簡単に提出できる。それはとても便利なことではあるけれども、対人ではないということは飛行へのハードルを下げることにもなり、「思い立ったらいつでも飛行」に繋がりやすいと思う。
また「互いに確認し合う」という要素がなくなり、決まった書式だけが送られ受理されるという「形式だけの飛行計画」に陥りやすいと思う。

文明の利器の登場とその弊害

かつては着陸の連絡もパイロットが電話で行っていた。
まだ空中にいる間ならば無線連絡も可能だが、着陸前の到着連絡は有効ではない。着陸はリスクが高いのだから、その前に連絡したってダメだということである。
ヘリの場合、着陸地が空港とは限らず、着陸地に人がいるとも限らないのだから、何かトラブルやアクシデントがあったとしても分からない。
着陸は着陸後に連絡をする。
携帯電話のない時代は大変である。携帯電話時代に突入しても山間部では圏外かもしれない。付近の公衆電話を探したり、電話を借りられる場所を探したりしなければならない。
スピード自慢で早く到着したって、着陸連絡に手間取っているのでは本末転倒。
あまり連絡が遅れたらヘリの捜索が始まってしまうかもしれないし。
有視界飛行は何から何までパイロット頼みだった時代があり、パイロットは確かにとても大変だった。

今は航空事業者などが専従の運航管理者を配置して飛行計画から着陸連絡まで運航管理を一手に引き受けていることが多い。
要するにパイロットは運航管理者と連絡しあうのであって、航空局(国土交通省)への通報などは運航管理者が行っている。
パイロットと運航管理者、こういう仲間内みたいなやり取りになると、どうしても連絡などが簡素化し、「あとはテキトーに通報しておいて」なんてことになりかねない。

その運航管理者も対人ではなくて、パソコンに向かって連絡すればよいのである。

サテライト空港運航管理卓
データ通信(パソコン)の技術を利用してサテライト空港運航管理卓と航空機運航者等が設置するパソコンを接続することにより、運航者は自らのパソコンから飛行計画等の通報及びノータム(航空情報)、気象情報の入手を可能としたシステムである。
<設置場所>
サテライト空港運航管理卓:新千歳,仙台,東京,中部,大阪,福岡,鹿児島,那覇の各空港事務所
運航者側端末:航空運送事業者,航空機使用事業者,新聞社,官公庁,自家用パイロット,飛行場等管理者





by yumimi61 | 2018-09-10 13:58