人気ブログランキング |

by and by yumimi61.exblog.jp

2019年 10月 25日 ( 1 )

混水摸魚(6)

カスリーン台風での河川氾濫
混水摸魚(6)_e0126350_15094465.jpg
混水摸魚(6)_e0126350_15100341.gif
先日も書いたカスリーン台風。
1947年(昭和22年)9月に発生し、関東地方や東北地方に大きな災害をもたらした台風のこと。カスリン台風や、キャサリン台風などとも呼ばれる。台風本体の勢力の割には降水量が多い雨台風の典型例とされている。
特に、群馬県の赤城山麓や栃木県の足利市などにおいては土石流や河川の氾濫が多発し、これらの被害者を中心に群馬県では592人、栃木県352人の死者を出している。
また、利根川や荒川などの堤防が決壊したため、埼玉県東部から東京都23区東部にかけての広い地域で家屋の浸水が発生した。


終戦から2年しか経っていないので、今とは環境が全く違うことは頭に置いておかなければならない。
空襲などで破壊され再建できていない家屋などもあったかもしれないし、物資もまだまだ不足していた時期で頑丈な建物が作れる時代でもなかったと考えられる。また情報伝達手段が限られていたので、ひとたび氾濫が起きれば被害が大きくなったことは想像できる。
この頃はまだダムなんか存在していない。
堤防があったとしても今のようなものではなかっただろうと思う。
しかし自然や田畑は今よりずっと多かったはず。
ダムがないのだからダムでの貯水能力はゼロだが、その代わり自然が今よりも水を保持できた。山や土地の保水力は昔の方が断然上だったと推測できる。

カスリーン台風ではあちこちで氾濫したのだが、利根川は前橋より下流の平野部で何箇所か氾濫しているが、大決壊したのは現在の埼玉県加須市(旧:北埼玉郡大利根町)を流れる利根川だった(赤いの所です)。この決壊が浸水範囲を広げ都内にまで至った。
ここは利根川に平行するように大落古利根川や元荒川が流れているので、これらの河川の水もいっしょくたになってしまったような感じであろう。
大落古利根川は江戸時代以前の利根川本流である。東京を流れ東京湾に注ぐのを避けて現在のように千葉県銚子で海に注ぐようにしたものである。
カスリーン台風では渡良瀬川流域での被害も大きかったが、これが桐生、足利、館林辺りである。


日本の平野は堆積平野

日本という国は海に囲まれているが、河川がなければ現在のような日本という国は存在しえなかった。
それは何故かと言えば、日本の平野はほぼ全て河川が運んだ堆積物が積もってできた堆積平野(沖積平野)だからである。扇状地・沖積低地・台地といった平坦な地形で構成されている。

日本においては一部に河岸段丘や海岸段丘、海進により形成された台地面が見られるが平野と呼べるほどの規模はなく、すべて堆積平野である。これは日本付近の地殻変動が激しいことを裏付ける。日本の平野は基盤岩の沈降ブロック地域に形成されている。比較的大きな関東平野、濃尾平野などでは堆積物の厚さは数km以上に及ぶ。

日本の平野のほとんどが沖積平野である。若干海岸平野があるものの、それとて河川の影響が皆無というわけではない。
沖積平野は、上流域から下流域に向かって、谷底堆積低地、扇状地、氾濫原(自然堤防帯、蛇行原)、三角州の順に配列される。

一般には水害の危険が高いが利水しやすく、肥沃で平らであるため農耕に適する。多くの文明が沖積平野で発祥している。
沖積平野は災害に対して脆弱な地形であるものの、日本においては人口の大部分が沖積平野に集まっている。沖積平野の地層は沖積層と呼ばれる。形成年代が若く締め固まっておらず、地下水面も高く水分に富むため軟弱地盤が広く分布している。



扇状地と堆積
混水摸魚(6)_e0126350_22301794.png
山間の川を抜け出た堆積物はまず扇状地をつくる。
川の堆積物というのは小石や砂である。従って扇状地というのは非常に水はけが良い土地となる。水は地下に浸透してしまい地下水となって地上には川さえ出来ないほどである。
水はけが良いのでそのままの状態では田んぼ(稲作)には向かない。果樹栽培とか昔だったら桑畑などが適している。

扇状地の下は低地と台地。川沿いは扇状地と同じく小石や砂が堆積して水はけが良いが、その後方は泥が堆積するので水はけが悪くなる(水持ちが良い)。
川沿いは氾濫などで浸水しやすい箇所であるが、人間が生きていくには、生活するには、どうしても水が必要なので古くは川に沿って生活圏(集落)というものは存在した。基本的には今もそれは変わりない。
水はけが悪い(水持ちが良い)ところは田んぼ(稲作)に適している。

日本の平野はほぼ全て堆積平野なので扇状地も沢山あるが、関東平野の群馬県の北端にあたる箇所に大間々扇状地という扇状地がある。
上の浸水域地図で伊勢崎の東側で桐生の南側の浸水を逃れている箇所である。
下の図も同じカスリーン台風の浸水域地図であるが、赤く囲った箇所がそこである。(出典:国土交通省関東地方整備局)
右側の小さい地図は大間々扇状地を説明している地図になる。(出典:みどり市)
混水摸魚(6)_e0126350_22491346.jpg
混水摸魚(6)_e0126350_23000230.jpg

(出典:綿打小学校)


利根川と渡良瀬川に挟まれた地域であるにも関わらず浸水をしていないということは、やはり扇状地だから水はけが良かったのではないだろうか。
しかし、現在その地域には、結構田んぼが広がっていたりする。土地改良をして用水路で水を引いて稲作を可能にしたのではないだろうか。
ということは今は水はけが悪いということですよね?


水が流れ着く場所

川沿いを除いた沖積低地・台地は稲作に向くような水はけが悪い(水が溜まりやすい)土地になるが、もはや関東平野では稲作を行っている場所以外の多くの土地は土が剥きだしということはあまりないだろう。
だけどアスファルトやコンクリートでも水はほとんど浸み込んでいかない。
排水路で誘導して最終的には川に流され海に出てくことになるだろう。要するに地中で水分を保持する力がほとんどない。
その場合、保水力のある土地よりも温度は上がりやすい。
しかも都市部は地下空間も利用していたりする。
地下空間を造るということは、その部分の土(堆積物)が取り除かれることを意味する。
その堆積物はどこに持っていかれるのか。

夏場のエアコンも、屋内空間を冷やせば、屋外に排熱と排水される。
排熱されているのだからエアコンを使用しない時よりも当然外気は上がる環境にある。
また排水された水も地中で保持できないとなると、大部分は川を経て海に注ぐしかない。

陸地で水分を溜めこむことが出来なければ、海に流れるしかないのだから、保水力を持つ陸地の時よりも海水量は増えるだろう。
また陸地の堆積物とか何か物体を海に入れれば、海水はその分だけ上昇することになる。
いっぱいにお湯を張った浴槽に、さらに水を注ぎたしたり、人間がざぶんと入ればお湯は溢れるけど、海はあまりに広いし、波があるし、海岸は垂直に崖が切り立っているところばかりではないので、量の変化が分かりにくい。でも全く変化がないということはないはずである。
海に対してそんな量で・・と言う人もいるかもしれないけれど、だったら二酸化炭素だって・・と言いたい気持ちがする。

水はけの悪い土地には蓋をして、水はけの良かった土地も田んぼにし、川沿いも人工的に整えて、山を削り、森林は中途半端に手を加える。これでは保水力は減少するだろうと思う。





by yumimi61 | 2019-10-25 15:13