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2019年 11月 07日 ( 1 )

混水摸魚(15)

吸収力と結実

若木を植えた時、その木はまず根を伸ばすことに力を注ぎ、次に幹や枝を太くしたり伸ばすことにエネルギーを使う。
花や実にエネルギーが使われるのはその後なので、数年は思ったほど開花しないとか実がならないといったことはよくあること。
もっとも自然のサイクルの中で、若木でも花や実を付けることも普通にあることではある。
しかし木を枯らさずに早く成長させたければ、最初の数年、少なくとも植えた年は花を咲かせたり実を生らすべきではないという栽培方法もよくレクチャーされることである。

木を成長させるには栄養や水分が必要で、それらが十分に適切に存在する場所ほど成長しやすいのが一般的。
また吸肥力や吸水力が強い植物ほど旺盛に吸収していくので成長が早いし、その吸収力ゆえに多少痩せ地でも適応できる。

前回書いたようにサクラは広葉樹の中でも成長が早い。中でもソメイヨシノは最も早く大きく成長する品種。
つまりサクラは吸肥力や吸水力が強い木である。
肥沃な土地に植えればどんどん育つし、痩せ地でもその吸収力の強さで逞しく育っていく。
但しサクラが吸収するばかりで、土壌に栄養や腐葉土などの供給がされない場合には、その土地は痩せていく一方となり、成長や樹勢はいずれ頭打ちになるだろうことが推測される。


サクラは、バラ科モモ亜科スモモ属。
日本のソメイヨシノはもっぱら観賞用だが、サクラは果樹という側面も持つ樹木である。
果樹を商売として栽培する場合には、摘花や摘果を行って、全ての蕾を咲かせたり、全ての実を生らしたりはしない。
エネルギーが分散されすぎて、果実が大きくならないからだし、翌年の成長にも響く。
素人が果樹を育てている場合には、一年おきに豊作不作となることがよくある。豊作にしてしまうと、翌年はエネルギー不足になって実が余り付かないのだ。プロはこれをコントロールする。

サクラはバラ科だけけれども、薔薇(バラ)もその名の通りバラ科である。
販売されているバラ苗はやはりほとんど接ぎ木という栄養繁殖を行っている。挿し木でも可能。
品種改良に携わっている人以外は実生で育てることはほとんどない。
そのバラも植えた年は花を咲かせないほうが良いと言われているし、花が終わったら全て咲きがらをカット(花がら摘み)して、実を付けないようにする。実を付けると樹勢が落ちるからである。
但し野生に自生する野バラはたわわに花を咲かせ実を付けても樹勢はほとんど衰えない。
種を付けると開花が長持ちしなかったり、樹勢が落ちるいというのは全ての植物に言えることで、開花期が非常に長いパンジーやビオラなども花がら摘みを行うほうが良いのである。

ソメイヨシノも吸収力が強いにも関わらず、クローンであるため最初から結実しない木である。
結実というのは相当エネルギーを使うものなので、これがないということはその分、木の成長や開花にエネルギーを使えるということになる。
だからあんなに花を咲かせることが可能なのだろうし、多少痩せ地でも育っていくのだろうと思う。


適している理由

【花見に適している理由】
🌸 サクラは吸肥力が強く、早く大きく育つ性質を持つため、土壌の肥料管理など比較的楽で、若いうちから見栄えが良くなる。
🌸 ソメイヨシノはクローンであり結実しないため、そのエネルギーが開花に使え、花数が多くなり華やかである。またクローンであり木による差異が出にくいので同じ場所の木が一斉に咲き見ごたえがある。

【川沿いに適している理由】
🌸 比較的水を必要とし吸水力もあるので、水がそばにあることは好都合。
🌸 吸肥力も強いのでとりあえず痩せ地でも成長が可能。(但し土壌に腐葉土などの供給が無い場合には限界がある)

【水害予防になるとしたら】
⛲吸水力がある大きな木が川沿いにずらりと並んでいれば、全くない状態の時よりは水を吸収できる。
⛲木があるということは根が張るという事。川沿いに並木があるということは根を張り巡らせた状態となるので、土が崩れにくい。(これはソメイヨシノに限ったことではないが、ソメイヨシノは成長が早いという特徴あり効果が早く出やすい)(山の場合は傾斜、木や根の状態によって、根張りが却って土砂崩れに繋がることもあるが、川の土手くらいの高さならばそういう心配もあまりない)
⛲根が適切に張っている状態の土壌は保水力もある。(根には根詰まりとか根腐れとかデメリットにもなる問題も生じかねないので差が大きいかもしれない)

【問題点】
●川沿いに落葉樹を植えると、落ち葉や折れた枝、花びらなどが川に落ちてしまう。
これもソメイヨシノに限ったことではない。しかしソメイヨシノは大きく成長しやすく花数も多いので、沢山の花びらと葉を落としやすい。それが同じ場所に連なって植えられるとなると、自ずと落下物も多くなる。

→落下物が水門や橋脚などにひっかかったり、溜まったりする。

→落ち葉などがやがて川底に沈む。
落ち葉などは有機物である。川底に堆積した有機物も陸上と同様に微生物などにより徐々に分解されるが、この時に酸素を消費する。
留まって淀んだ水には酸素がないが、流れている水には酸素が溶け込んでいるので、川の水は酸素を含む。
但し堆積した有機物が多くて、川の上層から下層への酸素供給が追い付かない場合には酸素が無くなってしまい、ヘドロ(有機物などを多く含む泥)となる。
川底のヘドロ化は川底から地下に水が浸み込んでいくのを妨げてしまう。
すなわち、ヘドロで川底を上げて、浸み込む水は減るという状態を引き起こしやすい。
(ため池や湖や海に流れ着いた有機物はそこでも同様の問題を引き起こす)

●桜のお花見などで大勢の人が川沿いの土を踏むことがあれば、踏圧で土壌にも桜にも悪影響を与えてしまう。
桜が植えてある土壌を踏み固めることは、桜が川沿いに適している理由も、水害予防になる可能性も潰してしまう結果になる。


浸食と堆積、そして浚渫工事

川の上流にダムが建設されて以降、ダムが土砂を堰き止めてしまい、川が自然に土砂を運んでいくのを妨げてしまっているという側面があり、一般的には川底や海岸線の浸食が問題にされている(川底なら削られて従来よりも低くなるということ)。確かに大きく見ればそうした問題が存在している。

しかし上記のように有機物の堆積の問題があったり、ダムが土砂を堰き止めることで却ってダムより下の地域の川岸を崩してしまい、その土砂が川に流れ込むということも発生していたり、河川敷の利用の仕方如何によっては増水(洪水)時に土や砂が川に流出してしまうこともあるだろうと思う。(このことは後にもう少し説明を加えたいと思っている)

つまり、いつでもどこでも川底が低くなっているとは限らないし、特に大雨が降った時には、土砂が一緒に流れていることは川の水の色で一目瞭然。
流れが緩くなった所や雨が降りやんだ後などには、そうした土砂が川底に沈んでゆく。そうすれば川底は通常より上がる。

東京都板橋区辺りを流れる荒川(笹目橋から戸田橋くらいまで)と、その部分で荒川と並行して流れる新河岸川のどちらかよく分からないけれど、今年の秋の台風前に浚渫工事をしていたらしい。
浚渫工事とは河川や運河などの底面を浚って土砂などを取り去る工事である。
船の航路になっていたり船の航行に利用される場合には尚のこと川の深さには注意が必要である。
都内では隅田川とか荒川とか、新河岸川もそうだけれど航路として使われているので、定期的に浚渫工事は行われているのだろうと思う。
それはとりもなおさず、川底には堆積するものがあるということでもある。


川沿いの土

川岸、川沿いの土手・堤防、河川敷など川の横の部分は、出来れば土の剥き出しは避けたいところである。
何故かと言えば、土は水によってわりと簡単に崩されたり削られたり、運ばれたりしてしまうからである。
そういうことが起きれば、川岸の土砂崩れ、土手や堤防の決壊、土砂の堆積による河川洪水や氾濫などに繋がる恐れがある。

土を剥きだしにしないためには、石を積み重ねる、波消しブロックを置く、斜面を護岸ブロックで覆う、芝生を張る、木々や植物(雑草含む)を生やしておくなどの方法がある。
現在では大抵どこもいずれかの方法、あるいはそれらを組み合わせた方法が採られている。

但し河川敷の高水敷の部分でグラウンドとして使用されている所は、芝生ではなくて土が剥き出しの所もあるかもしれない。
地図写真で見た千曲川の決壊した辺りの河川敷は畑として使われていたようで、土がむき出しな所が幾つもあった。
土が剥き出しな所に川の流れが入れば、当然上層の砂や土は流されてしまう。
それが運ばれて他で堆積し、川底や川の横側(河川敷部分)を上げる原因になる。





by yumimi61 | 2019-11-07 16:27