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カテゴリ:母乳・粉ミルク・液体ミルク( 9 )

液体ミルクの話題

液体ミルクとスポーツドリンクの関係やいかに

「液体ミルク 例え話バズった母」というネットニューストピックスがあったのだが、わたくし、バズッたの意味が分かりませんでした。
’バズッた’って何?
「バズる」の意味は短期間で爆発的に話題が広がり、多くの人の耳目や注目を集め、巷を席巻すること、といった意味で用いられる言い回しのこと。
爆発のバ?ズはどこ?
爆発するを短縮して言いやすくした形かしら。バ(クハツ)する→バずる→バズる!?

で、どういう話だったかと言うと、下記の通りです。

妻の「例え話」が的確すぎる! 液体ミルクの必要性めぐる投稿が話題
若松 真平 withnews編集部


液体ミルクをめぐって今月12日、こんなツイートが投稿されました。

  " 液体ミルク、すげーなー、めっちゃ便利よなー、って夫に言ったら『粉と値段全然違うんでしょ?イマイチ良さが分からん』というので、『喉乾いてポカリ買うとき、粉のほうが安いと知ってもペットボトルのほう買わん?』と言ったら分かってくれた "

 液体ミルクが必要な理由を、例え話で説明したこのつぶやき。

 子育て中の人たちから「ほんとそれ」「いま必要なの、今すぐ」「粉ミルクを飲める状態にするまでの手間を知らない人はそう言います」といったコメントが寄せられ、リツイートは4万、いいねは11万を超えています。


的確?的確なのかなぁ、これ。
そりゃあ、喉が渇く予定がなくて突然喉が渇いて脱水気味になったなら、ペットボトルのポカリを買うかもしれない。
言うなれば「そうだ 京都、行こう」「そうだ 京都は、今だ」的な外出?

だけど、喉が渇くことが予想できるサッカーの練習や試合に行く息子に持たせるとしたら、事前に粉を買って、保冷水筒に作ってあげて持たせ、それを飲ませるようにする。さらに予備に粉をバッグに常備させておいて足りなくなったら自分で作らせる。

うちは息子達が小学1年生からサッカーをしており、毎週末にスポーツドリンクを持って行った。だからポカリスエットやアクエリアスその他のスポーツドリンクの粉末には随分とお世話になった。ばら買いではなく箱買いしていた。
粉を切らしてしまってない・・!といううっかり非常時にはコンビニに寄ってペットボトルを買ったこともあったけれど。でも500mlでは足りない。毎回毎回1Lや2Lペットボトルでは買い切れないし、保冷性がないし、使い勝手が悪い。
個人持ちドリンクのさらに予備に、チームで粉を常備し、忘れた子がいれば粉をあげて作らせたり、お茶当番がやっぱり粉で必ずスポーツドリンクを作って、足りなくなった子や体調悪くなった子に飲ませたりしていた。

赤ちゃん連れて外出するのに、なんの計画もなく、何も用意せずに外出するだろうか。フツーはしないし、できない。
だから乳児用液体ミルクの例え話としては全然的確ではないように思うのだけど、’私何か間違ったこと言ってます?’


🐦違い、溝、隙間風、、🐦ひゅるり~~~

この話、記事を読み進めていくと、ツイートしたという人の印象が少し変わる。

 「投稿した当日の出来事で、液体ミルクのニュースをテレビで見ていたときのやりとりをつぶやきました」

 そう話すのは、生後6カ月の息子を子育て中の「ぽん」さん。その場でパッとポカリスエットの例え話を思いついたそうです。
 ツイートに込めた思いについては、こう話します。
 「身近な例え話を使ったら、ふだん育児に参加しない夫にも分かってもらえたよ!という愚痴のような気持ちと、あとは、本当にポカリのように気軽に、適温で自販機やコンビニで買えるようになればいいな、という思いがありました」

 息子が風邪をひいて外出できていないため、まだ液体ミルクは購入していないそうです。
 「ファミリーサポートセンターなどの託児サービスを利用する時や外出時、また私自身が倒れた時などの非常時に使いたいです」


この人は液体ミルクを日常使いするつもりは今のところなさそう。託児サービスや外出時はともかく、非常時に使いたいと言っている。
温度のことも気にしており、常温保存の液体ミルクをそのまま飲ませることには抵抗がありそうな感じも受ける。
要するにあのツイートをする心持ちとしては「液体ミルク」がメインにあるのではなく、「夫と妻(男と女)の溝」「男と女の価値観の違い」がメインにあるのだと思う。

あれでしょ?疲れてぐったりしている時に「今日のご飯なに?」とか聞くのと同じ感じ。
いやいやいやいやどうしてそうなる?私疲れてるの、見て分からない?「外食する?」とか言ってくれるなら、こっちだって「ううん、大丈夫」とか言うけど(言わない?)、何か当たり前のように「今日のご飯なに?」とか訊いてくることにイラッとする感じ。そうですよね世の奥様方、世のお母様方?
それに真っ向から挑まず、例え話で撃退した丸め込んだわけですね。平和~ いいね!


赤ちゃんもペットも

液体ミルクは非常時には役立つと先に述べたが、急に何かを変えるということに関して、赤ちゃんや子供は大人以上に適応できない。変化に弱い生き物である。
居所もそうだし、ミルクや食事を与える人もそうだし、ミルクや食事の内容や味もそうである。
災害時にはそうした変化が一気に押し寄せてくるので、大人は可能な限り「いつもと同じような生活」を提供してあげてほしいと思う。
但し生きるか死ぬかという逼迫した状況の時に「いつもと同じ」に拘りすぎてもいけないけれど。

例えば犬や猫といったペット。
育て方の本やサイトには必ずといって「急に新しいフードを変えることは避けましょう」と書いてある。
ペットフードのメーカーや商品によって配合されているものや栄養設計が違う。
犬や猫がそれに慣れるにはそれなりの時間がかかる。
従って急にフードを変えると、食べなかったり、食べても嘔吐や下痢を起こすことがある。栄養成分が吸収できていない状態となり、場合によっては脱水状態になったりもする。
その反応も食べてすぐに起こす個体もあれば、数日してから反応が起きる個体もある。

ペットフード―メーカーも商品に「初めて与える時は1週間~2週間かけて徐々にフードを切り替えるようにしましょう」などと注意書きしている。
徐々に切り替えても受け付けなかったり嘔吐や下痢が続く場合には、アレルギー反応などそのフードとペットの相性がよくない可能性もある。

人間の母乳も初乳→移行乳→成乳と徐々に切り替わっていく。また母乳の場合には全く別の母乳になるということはない。
ただ母親が極端に偏った食事になると母乳の成分というか味が変わり、それを敏感に感じ取り、ぐずって飲まなくなったり吐いてしまう赤ちゃんもいる。
災害時などはストレスで母乳が出なくなってしまうお母さんもいる。

粉ミルクはメーカーが変われば原材料も栄養成分も違う。
当然、母乳と粉ミルク、粉ミルクと液体ミルクも原材料や栄養成分が違う。液体ミルクを常温で与えるとなると温度差の心配もある。
いくら大人が非常時だからと思っても、この違いをすんなりと赤ちゃんが受け入れるとは限らないということは心しておく必要がある。
また受け入れて飲んだとしても嘔吐や下痢などを引き起こすことは十分に考えられる。





by yumimi61 | 2019-03-26 14:20 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

※液体ミルクの注意点

乳児のカリウム摂取基準の算出方法

乳児のカリウム摂取基準(表は前記事参照)は、0~5か月児で400mg/日、6~11か月児で700mg/日となっている。

ー基準(目安量)の算出のベースになっているのは母乳中の平均カリウム濃度である。
①母乳中の平均カリウム濃度を470mg/Lとした。
②0~5か月児の平均哺乳量を0.78L/日と仮定すると、母乳からの摂取量は367mg/日となる。 ⇒0~5か月児は400mg/日

成乳の哺乳量は体重1kgにつき150mlがおおよその目安。3kgならば450ml、6kgならば900mlということになる。
成長期である乳児の場合、月齢によって体重が違うのは当然だが、カリウム基準は0~5か月児とやや幅がある設定である。
従ってもう少し細かくみていくと・・
体重3kgならば212mg/日
体重4kgならば282mg/日
体重5kgならば353mg/日
体重6Kgならば423mg/日
体重7Kgならば494mg/日
体重8kgならば564mg/日
これをまとめて0~5か月児は400mg/日としている。

ー離乳食が始まる時期には哺乳量は少し減る。
①母乳中の平均カリウム濃度を470mg/Lとした。
②6~11 か月児の平均哺乳量を0.53L/日と仮定すると、母乳からの摂取量は249mg/日となる。
③離乳食からのカリウム摂取は492mg/日と仮定する。
④ ②+③=741 ⇒6~11か月児は700mg/日



成人のカリウム摂取基準の算出方法

成人の場合は、高温環境下で尿や便に排泄されるカリウム量から、カリウム不可避損失量(生命活動によって避けることが出来ないカリウム排出量)を決定する。 
尿からの排泄 200~400mg/日、便からの喪失 400mg/日。
汗、その他からの喪失は無視することができるとして、800mg/日を摂取すれば平衡が維持できると仮定した。
しかしこれで実際に測定してみると、体内貯蔵量が減少し、血中濃度が低下した被験者がいたため、全ての人を網羅できるように余裕を持って1,600mg/日(23mg/kg 体重/日)を適切な摂取量と決定した。
さらに日本人の成人が平均的に食事から摂取するカリウムは2,000mg/日を超えており、腎機能に異常がない限り過剰の症状が出る心配もほぼないことから、成人男性では2,500mg/日、成人女性では2,000mg/日が設定された。
(サプリや添加も一般的ではない)

上記のように成人の場合は、実際に決めた量を摂取してもらって、体内貯蔵量や血中濃度を測定するという実験が行われている。この手の実験は健康な人が被験者である。


特別用途食品の成分組成基準

粉ミルク(乳児用調製粉乳)も液体ミルク(乳児用調製液状乳)も「特別用途食品」に該当し、販売には表示が必要で、表示には許可が必要である。
表示許可を得るには、成分組成の基準に適合したものでなければならないので、許可をもらう側のメーカーは当然その範囲内の組成を行うことになる。

今回はその中のカリウムだけに注目する。
カリウム 60~180mg/100kcal  (熱量 100mlあたり60~70kcal)

e0126350_23080705.png

「アイクレオ赤ちゃんミルク」は125mlだが、栄養成分表示は100mlあたりの数値で示されている。
100mlで熱量は68kcalという表示があるので、125mlでは85kcalである。
それを上記の「特別用途食品の乳児用調製液状乳」のカリウム組成に対応させれば、51~153mg/85kcal である。
「アイクレオ赤ちゃんミルク」に含まれるカリウムは115mg/85kcalなので、「特別用途食品の乳児用調製液状乳」の成分組成はクリアしている。


実際に摂取するカリウムは・・・

母乳ベースで設定されている乳児のカリウム摂取基準は、0~5か月児で400mg/日、6~11か月児で700mg/日である。

0~5か月児の場合、1日4本の「アイクレオ赤ちゃんミルク」を飲めば、カリウムは460mgとなり、乳児のカリウム摂取基準400mg/日を超える。

しかしメーカーが示している月齢の飲量の目安量は下表の通り。
e0126350_23142505.jpg
1本125mlなので、1回の使用量とほぼ合致するのは、1/2〜1ヶ月。それを1日に7回としている。
こうなると1ヶ月未満の新生児が805mg(115mg×7本)のカリウムを摂取することになる。

しかもこの目安量ではミルク量が840mlということである。
母乳の目安量は、500~650mlくらいなので、そもそも飲ませる量が多い設定となっている。
これでは同じだけ栄養素が含まれていたとしても、ミルクのほうが飲む量が多い分だけ栄養素も多くなることになる。
含まれている栄養素が少ないからこそ量で稼ぐことを推奨しているのか、それとも栄養素を添加してもミルクの場合はやはり吸収が悪いことを前提にしているのだろうか。
ともかく飲ませる目安量が母乳とミルクでは違うことに注意を払わなければならない。
飲ませる量と栄養成分表示からすれば、ミルクは母乳よりもかなり多めのカリウムを摂取することになる。

また飲み残しをとっておいて飲ませることはとても危険である。
メーカーも飲み残しは捨てるように表示している。
しかし1~2ヶ月の1回の目安量は140〜160mlである。1本125mlなのにー。
2本目は捨てる方が多い。かなり無駄である。
それでも赤ちゃんが飲まないならば仕方がないと諦めるかもしれない。
でもまだまだ飲めるよーという赤ちゃんならば、お母さんも飲ませちゃうかもしれない。そうするとどんどんカリウムも多くなる。

かといって捨てずに、「冷蔵庫ならば平気でしょ」と保存して、また飲ませるのも怖い。


母乳に近い栄養成分・・・

パッケージに母乳に近い栄養成分と書いてあるが、「母乳に含まれている栄養成分が揃って入っていて、その量も同じくらい」という意味での母乳に近いではない。
※部分も見てください。
脂質・炭水化物・ナトリウムという栄養成分の成分量は母乳のそれに比較的近いという意味である。
しかもナトリウムの量が母乳に近いのに、カリウムの量はずっと多いとなると、ナトリウムとカリウムのバランス比も気になるところである。


未熟な新生児・乳児であるということ

成人の場合、カリウムの上限値が定められていないとはいえ、腎機能が低下している場合は基準値でもなく、低カリウムが指導される。
赤ちゃんは小さくて様々な身体の機能も未熟である。
乳児の基準量は母乳のカリウム濃度から算出しているが、やはり成人に比べたらずっと少ない。
ということは耐容量だって成人より小さいはずである。

健康な赤ちゃんだって未熟であるが、腎機能が低下している赤ちゃんの場合にはもっと深刻な事態となる。
腎機能が低下していることにすぐに気が付けば良いが、すぐに気が付くとは限らない。
乳児期は定期的に血液検査や尿検査をするわけではないから。


ミルクの温度について

一般的な室内での常温はだいたい15~25℃くらいを想定している。
冷蔵室は5℃くらい。自販機の冷たい飲み物の設定も5℃くらい。
例えばビール。ビールは種類によって適温も違うらしいけれど、日本の一番多いタイプのビールならば5~9℃くらいが適温だとか。キンキンに冷えているビールというのは4~5℃くらいということになる。

そんな冷えたビールじゃなかったミルクを身体機能の未熟な赤ちゃんに飲ませるのは良くない。
液体ミルクも「常温保存可能」とややこしい表示になっているが、常温で保存すべき。どんなに猛暑でもキンキンに冷やしたミルクを赤ちゃんに飲ませらダメ。
一度開封したらたとえ冷蔵庫に入れたとしても雑菌の繁殖は止められないないから、もったいない精神で冷蔵庫に保存するのもダメ。余ったら捨てるべし。
赤ちゃんと大人とは全然違う。特に初乳を含め母乳を全く飲んでいないという赤ちゃんは免疫力が弱い。

常温の飲み物は身体への負担がかかりにくいと言われることがある。
しかし常温に置いた飲み物は生ぬるいと感じることはあっても、大抵は体温より低い。
しかも紙という素材は熱伝導率が低い。熱を伝えにくい。紙パックの飲み物の中身の温度は外部の温度とは同じにはならない。

飲食は体温に近い温度のものほど内蔵への負担は少なく消化もよい。
しかし、身体の中から出てきて外気に触れさせないで飲ませる母乳や人肌に温めたミルクに比べたら、常温保存の液体ミルクは温度が低い。
よって常温保存であっても負担が全くないとは言い切れない。
また冷たいものは体温を下げてしまう。身体の中から下げてしまう。体温調節機能も未熟な赤ちゃんにはやはりあまり適したものではない。
体温低下による免疫力への影響も懸念される。


利点

いろいろ欠点を書いたけれど、粉ミルクが調達できなかったり不足している状況、清潔な水や環境の確保が難しかったり水を沸かすことが困難な状況、つまり災害時など非常時ということになるが、その場合には液体ミルクが役に立つことは間違いない。
但し1人が1日何本も飲むものなので、これだけでカバーするとなると相当の備蓄なり輸送が必要となり、それが可能なのかどうか。
備蓄ならば常温保存で6か月可能とはいっても入れ換えや保存場所の問題なども生じそうである。




by yumimi61 | 2019-03-24 22:17 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク
米(コメ)と自動車にみる基準

日本の米(コメ)は無機ヒ素濃度が高く、WHOやEUが設定している上限値を超えてしまっている。
日本国内では基準値を設定していない。
だからどんなにヒ素濃度の高い米(コメ)でも流通するが、上限値を定めている外国に輸出しようと思ったら受け入れられないだろう。

日本の自動車業界はこれと逆のようなことが起こっている。
相次いで発覚した無資格者による「完成車検査」。
日本においては国内向け生産車については、国土交通省が定めた規則に基づく完成車検査を実施しなければならないことになっている。
外国では日本のように国が「完成車検査」を課していることはほとんどない。
従って日本で生産されても輸出用の生産車には「完成車検査」は課せられていない。

では「完成車検査」を行わない日本の自動車が国外において競争力を持っていないかと言ったら、そんなことはない。
品質が求められる自動車ならば各メーカーは独自の厳しい基準をクリアさせなければならないし、品質よりも安さが求められる自動車ならばそれ相応の基準で出荷すればよいわけである。
価格や用途や求められるものが違う車に一律の検査をしてもあまり意味がないし、コストの面でも問題が生じる。
しかも日本が国内車に課している「完成車検査」は基本動作を確認するもので、電子部品関係の項目も含まれておらず、検査を重視するならば最近の自動車にはそぐわない内容である。
本当にこの検査を安全のために活かしたり、何か効果のあるものにしたいならば、もっと厳しい検査にする必要があるし、そうでければ米(コメ)のヒ素濃度のように国が基準(検査)など設定しなければよいと思う。


粉ミルクと液体ミルク

2019年3月5日、江崎グリコは乳児用調製液状乳(乳児用液体ミルク )について、消費者庁より特別用途食品の表示許可を受け、「アイクレオ赤ちゃんミルク」の販売を開始した。3月11日より順次全国で発売されることとなった。
また明治も3月下旬に乳児用の液体ミルクを発売することが発表されている。

特別用途食品とは、乳児、幼児、妊産婦、病者などの発育、健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示するものです。

そこで日本初の乳児用液体ミルクとなった「アイクレオ赤ちゃんミルク」の原材料を同社の粉ミルクと比べてみたい。
原材料表示は、使用されている量(重量)の多い順番に並べるという規則がある。
ただし原材料と食品添加物は分けることとされている。(添加物の方も多い順番に並べる)
液体ミルクの表示のからあとの記述が食品添加物という扱いになっている。
このように何らかの形で区別したり、改行したり、原材料の後に添加物を持ってくるなどしているが、一般的には分かりにくい。

=アイクレオ(グリコ) バランスミルク=
調整食用油脂(分別ラード、オレオ油、大豆油ヤシ油パームオレイン)、ホエイパウダー、乳糖、脱脂粉乳、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、ガラクトオリゴ糖、エゴマ油、レシチン(大豆由来)、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、ビタミンC、タウリン、イノシトール、硫酸第一鉄、硫酸亜鉛、5′-シチジル酸、ビタミンE、5′-ウリジル酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、5′-アデニル酸、5′-イノシン酸ナトリウム、5′-グアニル酸ナトリウム、硫酸銅、ビタミンB1、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、β-カロテン、葉酸、ビオチン、ビタミンD3、ビタミンB12


=アイクレオ(グリコ) 赤ちゃんミルク=
調整食用油脂(分別ラード、オレオ油、大豆油、ヤシ油、パームオレイン)、ホエイパウダー、乳糖、脱脂粉乳、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、ガラクトオリゴ糖液糖、エゴマ油V.C、レシチン、炭酸K塩化K、水酸化Ca、V.E、イノシトール、タウリン、5’-CMP、硫酸亜鉛、ウリジル酸Na、硫酸鉄、ナイアシン、5’-AMP、パントテン酸Ca、硫酸銅、V.A、イノシン酸Na、グアニル酸Na、V.B1、V.B2、V.B6、カロテン、葉酸、ビオチン、V.D、V.B12、(一部に乳成分・大豆を含む)


粉ミルクのガラクトオリゴ糖が液体ミルクにてガラクトオリゴ糖液糖になっただけで、使用している原材料は同じである。
添加物のほうは少々変わっている。
その中でも目立つのが液体ミルクへのカリウムの添加である。
そこでメーカーが記載している栄養成分のカリウムもチェックしてみた。
アイクレオの粉ミルクのカリウムは57.1mgで、先日掲載した母乳と粉ミルク栄養成分比較表においては、6社の中で一番母乳に近い数値となっていた。
母乳は48.0mgである。
それが今回の液体ミルクでは92.0mgとなっている。


カリウムって?

カリウムは体内に存在するミネラルの中で最も量が多い。
体内のカリウムの98%は細胞内に存在し、残りの2%が細胞外にある。
細胞外に多いナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持調整する働きがあるため、生命維持に重要な役割を担っている。
ほとんどの食品にかなり含まれているため、一般的には不足することは少ないが、不足する原因として考えられるのは、塩分の過剰摂取、大量の発汗、下痢や嘔吐、野菜不足、無理なダイエットなど。(夏バテは軽い低カリウム血症のような状態だと言われる) 利尿薬などを使用している場合には注意が必要となる。
身体に含まれている余分な塩分(ナトリウム)を排出する作用があることから血圧を下げる効果があると言われていて、このことから生活習慣病予防のためには大目にカリウムを摂取したほうが良いとも言われている。


カリウムの極端な使い方

カリウムを摂りすぎると、手指や唇のしびれ・全身がだるさ・不整脈などの症状が現れ、心臓が止まってしまう原因にもなる。

カリウムは微量で神経伝達や筋肉の機能に働く。
従って大量に投与すれば心臓を停止を招くのである。

この作用を利用して薬殺刑にも利用されている。

薬殺刑
刑罰の一種で、囚人に致死量の薬物を注射することによって執行される死刑である。
死刑制度が存置されている国においては、銃殺刑など様々な手段で刑の執行が行われている。そのうち薬殺刑は、比較的最近登場した死刑方法である。
現在、世界で最も薬殺刑が行われているのは、アメリカ合衆国の一部の州であるが、中華人民共和国(1997年以降一部実施)、グアテマラ(1998年)、タイ王国(2003年)でも行われている。
また中華民国(台湾)においては、臓器提供を希望する死刑囚は、全身麻酔を施した上で、脳組織を銃弾で破壊し、脳死状態に至らしめた上で、臓器を摘出されるが、これも広い意味で薬殺刑の範疇に入れられる場合もある。

薬殺刑に処せられる受刑者は、テーブルに固定されたあと2本の静脈カテーテルを挿入される。そのうち1本はバックアップ用であり、実際には1本で行われる。3種類の薬物を段階的に注射される。最初のチオペンタールナトリウム(バルビツール酸系全身麻酔剤)注入で意識を失い、次の臭化パンクロニウム(筋弛緩剤)注入で呼吸を止められ、最後の塩化カリウム溶液で心臓を止められて処刑される。 死に至るまでの過程は心電図でモニターされており、通常7分で処刑が完了するという。

これらの死刑執行を取り仕切るのは医師であり、大抵は医師同席で実施される。執行される場も手術室のような部屋で行われる。そのため一見すると綺麗であり安楽死であるともいえるため、尊厳なる死が迎えられるとして人権に配慮していると主張される反面、死刑制度を存続させるためにソフト化し、効率を高めるためだという批判もなされている。また実際の注入スイッチを押すのは従来どおり刑務所職員である。


ただ製薬会社は自社の製品が薬殺刑に使用されるのを嫌う。
やはりイメージ的にあまり良くないし、変な誤解を与えかねないからであろう。
薬殺刑という利用目的では販売しないとなると、今度は非正規な調達も行われてしまうことになる。
EUなどは拷問(死刑も拷問の範疇に含む)に使用される薬剤の輸出を全面禁止している。


カリウム摂取目安

食事などで摂取されたカリウムは小腸で吸収され全身の組織に運ばれ、腎臓によって尿にて排泄される。
腎臓の調節によって血中のカリウム濃度は一定に保たれており、摂りすぎたとしても通常は余分なものを排出してしまうので、食事によって(サプリとしても一般的ではない)カリウムが過剰になるリスクは低いと考えられており、摂取上限量も設定されていない。

但し腎機能が低下している場合は、腎臓での調節機能が上手く働かずカリウムを十分に尿に排泄することが難しくなり体内に蓄積されていく。
血中カリウム濃度が高くなると非常に危険で、上に書いたように不整脈が起きたり心臓が止まって突然死に至ることがある。
従って腎機能が低下している場合にはカリウムが制限される。
下記表の数値及び高血圧予防に大目に摂取という話は、腎機能に問題がない人の場合である。
e0126350_20423144.jpg
(記事を変えて続きます)




by yumimi61 | 2019-03-24 11:42 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

ヒ素~発がん性~

ヒ素の発がん性

前記事にはヒ素の中毒症状を記したが、ヒ素は発がん性のある物質としても知られている。
発がん性は中毒とは別に扱われることが多いが、発がん性も慢性中毒の1つと考えても差し支えないのではないだろうか。

IARC(WHOの外部組織である国際がん研究機関 ) による発がん性リスク一覧で、ヒ素およびヒ素化合物は最もリスクが高い「グループ1」に分類されている。

但し「グループ1」というのは、”ヒトに対する発がん性が認められる (Carcinogenic)”という区分にあたり、発がん性のある物質の中でとりわけ発がんの確率が高いとうことを意味するわけではない。
続く「グループ2」は、”ヒトに対する発癌性があると考えられる”(おそらくある、疑いがある)という区分で、こちらはかなり疑わしいが確定には至っていないという感じ。

「グループ1」にも数多くの物質や環境が存在している。
例えば、化学物質ならば、ベンゼンやカドミウムやホルムアルデヒドなどが良く知られているだろうか。
また化学物質の中には、抗がん剤や免疫抑制剤といった薬剤も含まれている。
(血液のがんである白血病治療に用いられるヒ素に発がん性があるように、抗がん剤にもかかわらず発がん性があるとされる薬剤が幾つかある)
化学物質以外では、B型やC型肝炎ウイルスの慢性感染 、ヒトT細胞白血病ウイルス1型の感染、HIV-1ウイルスの感染も含まれている。
放射線や核種による内部被爆、経口避妊薬の常用や組み合わせ、更年期以降のエストロゲン療法も含まれる。
身近な物で言えば、アルコール、紫外線、煤煙、加工肉なども含まれる。
環境的なものとしては、タバコの喫煙、受動的喫煙環境、アルミニウム精錬従事、靴製造あるいは修理に従事、家具製造環境、飲料水中のヒ素含有環境などが含まれている。



身近にあるヒ素リスク

農林水産省のヒ素に関するQ&Aより

ヒ素は自然環境中に広く存在する元素です。土壌や水中に天然由来のヒ素が含まれています。
また、環境中に存在するヒ素には天然由来のほかに、火力発電、金属精錬、廃棄物の処理といった産業活動に伴って環境中に放出されたものもあります。
このため、様々な食品や飲料水は、微量のヒ素を含んでいます。

無機ヒ素(炭素を含まない化合物)が一度に、または短い期間に大量に体の中に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれると報告されています。また、無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されています。

ヒ素は自然環境中に存在しているため、水や食事にて継続して摂取することが問題視されている。

食品安全委員会は、食品に含まれるヒ素が健康に及ぼす影響について、どのように評価していますか?

(1)食品安全委員会は、食品に含まれるヒ素が日本人の健康にどのような影響を与えるかを科学的に評価し、平成25年12月、「化学物質・汚染物質評価書 食品中のヒ素」を公表しました。

(2)食品安全委員会は、食品に含まれる無機ヒ素が健康に与える影響を中心に、各種試験成績や疫学調査結果等を用いて評価しました。

(3)しかし、疫学調査の対象地域(インド西ベンガル地方、バングラデシュ、中国内モンゴル自治区、台湾及びチリ)の住民が食品全体を通じて摂取する無機ヒ素の量を正確に推定することが難しかったこと、また、調査地域と日本では生活環境が大きく異なること(日本では水道が整備されているため、飲料水からヒ素の摂取がほとんどない等)や有害性を評価するために必要な知見が不足していることから、日本において、どのくらいの量の無機ヒ素が体の中に入った場合に、健康への悪影響が生じるかを評価することは困難であると判断しています。


端的に言えば、(動物実験など各種試験では発がん性が認められるが、)日本において疫学調査をしたことがないから、日本では安全とも有害とも評価することは出来ないということである。

疫学調査がされている地域は、上流に天然のヒ素化合物鉱床がある河川流域で、ヒ素中毒が顕著に見られた地域。
砒素中毒で最も有名なのは台湾の例であり、足の黒化、皮膚癌が見られた。汚染が深刻な国バングラデシュでは、皮膚症状、呼吸器症状、内臓疾患をもつ患者が増えている。ガンで亡くなるケースも報告されている。中国奥地にもみられ、日本の皮膚科医が調査している。

日本でもヒ素の公害事例があるが、河川の水だけでなく大気も原因であった。
土呂久砒素公害
1920年(大正9年)から1941年(昭和16年)までと1955年(昭和30年)から1962年(昭和37年)までの計約30年間、宮崎県西臼杵郡高千穂町の旧土呂久鉱山で、亜砒酸を製造する「亜ヒ焼き」が行われ、重金属の粉塵、亜硫酸ガスの飛散、坑内水の川の汚染でおきた公害である。皮膚の色素異常、角化、ボーエン病、皮膚癌、鼻中隔欠損、肺癌などをきたす。鉱業権を買った住友金属鉱山に対して1975年裁判が始まったが、15年後和解した。

日本で問題となるのは魚介類や海草など海産物と主食である米である。

(4)また、日本人が食品を通じて摂取するヒ素に関して、「海産物中には多くのヒ素化合物が含まれている」、さらに、「農産物の中ではコメからの摂取が比較的多い傾向にある」と評価しています。しかし、「日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」、ただし、「一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要」としています。

(5)さらに、食品安全委員会は、この評価結果を踏まえて、「食品を通じたヒ素の摂取については、特段の措置が必要な程度とは考えていないが、これまで行ってきた食品中のヒ素の汚染実態を把握するための調査、ヒ素のリスク低減方策に関する研究等をさらに充実して取り組んでいくことが必要である」としています。 

ヒ素濃度の高い海産物と毎日のように食べる米(コメ)

海産物では、海水に溶け込んだヒ素が、藻類やプランクトンに取り込まれ、また、食物連鎖を通じて濃縮されるため、ヒ素が比較的高い濃度で含まれています。
我が国では、伝統的に海藻類や魚介類を摂取する食習慣があるため、諸外国と比較して多くのヒ素を食事から摂取しています。しかし、食品安全委員会によれば、通常の食生活における摂取で健康に悪影響が生じたことを明確に示すデータは現在のところありません。ただし、「一部の日本人で無機ヒ素の摂取量が多い可能性があるため、特定の食品に偏らず、さまざまな食品をバランスよく食べることが重要」としています。


・2004年には英国食品規格庁がヒジキに無機ヒ素が多く含まれるため食用にしないよう英国民に勧告した。これに対し、日本の厚生労働省はヒジキに含まれるヒ素は極めて微量であるため、一般的な範囲では食用にしても問題はないという見解を出している。
(2004年7月、日本から輸入したヒジキに無機ヒ素が多く含有されていることから、英国食品規格庁が摂食を控えるように勧告した)

・スウェーデン食品局は2015年に6歳未満の乳幼児にコメやコメ製品を与えないように勧告しており、大人でも「毎日食べるべきではない」としている。

・国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長である畝山智香子の『「安全な食べもの」ってなんだろう? 放射線と食品のリスクを考える』によると、1日3食、毎日コメを食べた場合のがんリスクを、放射能による影響と比較して「20ミリシーベルトの被曝と同じぐらい」としている。



食品に含まれるヒ素濃度の基準値

日本では食品中のヒ素濃度の基準値はない。
あるのは、環境基準(土壌と公共用水域・地下水)、水道水水質基準、それに残留農薬(但し今現在、日本ではヒ素を主成分とする農薬の登録がない)の基準値である。排ガス・排水・廃棄物に関する規制はある。

コーデックス委員会(国際食品規格委員会)
消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の策定等を行っている。日本は1966年より加盟している。

国際的には従来よりコーデックス委員会が食品に含まれるヒ素濃度の一般基準値を設定していた。
2010年、そこからさらに踏み込んで、米(コメ)のヒ素濃度の最大基準値を検討することを発議し、2014年に精米中の無機ヒ素の最大基準値(0.2 mg/kg)を、2016年に玄米中の無機ヒ素の最大基準値(0.35 mg/kg)を採択した。

コーデックス委員会の動きを受けて、EUも2015年に米(コメ)の無機ヒ素濃度の基準を定め、2016年から施行している。
EUの基準は、精米0.2 mg/kg、玄米0.25 mg/kgであり、玄米はコーデックスの基準よりもさらに厳しい値となっている。
またEUは独自に、パーボイルドライス0.25 mg/kg、乳幼児用食品に利用する米(コメ)0.10 mg/kgについても基準を設けた。

オーストラリアやニュージーランド、中国なども米(コメ)のヒ素濃度の上限値が設けられている。


ジャパニーズ・ライス

米(コメ)を主食としているにも関わらず、日本は米(コメ)のヒ素濃度基準を設定していない。
コーデックス委員会(国際食品規格委員会)に加盟してはいるものの、そのガイドラインには従っていないという状況である。
何故かと言うと、日本の米(コメ)の平均的なヒ素濃度は、コーデックス委員会(国際食品規格委員会)の基準値を超えてしまっているからである。

となれば、基準値のある国々にジャパニーズ・ライスを輸出することは不可能となるであろう。
でもパンはパンで、トランス脂肪酸とかパーム油とかが逆風ですね。(シンプルなパンにバターを付けて食べればいいのよ?)

日本はヒ素だけでなくカドミウムも過度な傾向にあり、食品に含まれるカドミウム濃度基準のある国々では、こちらもひっかかってしまう状況にある。






by yumimi61 | 2019-03-22 15:12 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク
和歌山カレー事件

弁護士ドットコム 2017年4月16日
「私はヒ素を飲んでいた」再審請求棄却の林眞須美死刑囚の夫・健治氏が訴え続ける理由


1998年7月に夏祭りで提供されたカレーにヒ素が混入され、67人が死傷した和歌山カレー事件。

和歌山地裁は3月29日、無実を訴えている林眞須美死刑囚(55)の再審請求を棄却した。弁護団はこれを不服として大阪高裁に即時抗告したが、林死刑囚が今回の再審請求決定で、カレー事件だけではなく、夫の健治氏(71)に対する殺人未遂事件についての無実の訴えも退けられたことは意外に知られていない。被害者であるはずの夫がなぜ、加害者であるはずの妻をかばうのか。健治氏に真意を聞いた。(ルポライター・片岡健)。

裁判の認定によると、健治氏と共謀して保険金詐欺を繰り返し、この間に健治氏にも死亡保険金狙いでヒ素入りの「くず湯」を食べさせたとされる林死刑囚。確定判決では、このようにカレー事件以前に人にヒ素を使っていたこともカレー事件の犯人である根拠に挙げられている。

もっとも、ヒ素中毒とみられる症状で何度も病院に入院していた健治氏は、「ヒ素は眞須美に飲まされたのではなく、自分で飲んでいた」と法廷の内外で語っており、少々複雑だ。

「裁判所は、なんとしても眞須美をカレー事件の犯人にしとかんとあかんのかな。少なくとも『くず湯事件』に関しては、被害者にされとるワシが再審請求の際に『ヒ素は保険金をだまし取るために自分で飲んどった』という陳述書も提出してるんや。これほど明らかな無罪の証拠はないはずやけど」
林死刑囚の再審請求が退けられたことについて、健治氏は和歌山市の自宅でそんな感想を口にした。


――元々、ヒ素を飲んで保険金詐欺をやろうと思ったきっかけは?

カレー事件の10年ほど前にシロアリ駆除の仕事をしてた頃、仕事で使っとったヒ素をちょっと舐めてみたのが最初やった。それ以前にある人から「ヒ素は猛毒やけど、毎日少しずつ飲めば、免疫が強化されて健康になるんやで」と聞かされていて、試してみたくなったんや。そしたら嘔吐や下痢がどえらいことになって。入院したけど、手足もしびれて、握力が20なんぼしかない状態になった。そんな折、保険外交員をしとった眞須美のお母さんから「保険には、死亡保険金と同額をもらえる高度障害保険金っていうのがあるんよ」と聞かされて、それを狙おうと思うたんや。

――で、高度障害保険金をどうやってだまし取った?

医者に「両手足が一切動かず、終身介護を要する」という内容の診断書を書いてもらい、保険会社に保険金を請求したんやけど、そのためには病院で入院中、手足が一切動かんように振る舞わんとあかん。そこで入院中は眞須美に付き添わせ、ワシが寝返りを打ったのに看護婦が気づいたら、「体勢が苦しいと主人が言うんで、私が体の向きを変えたんです」と言わせたり、看護婦の前でワシのオムツを替えさせたりもしたな。

それで2億の高度障害保険金を手にして以来、ワシはヒ素を舐めて入院し、保険金をだまし取る詐欺を繰り返すようになった。裁判では、1億6000万円をだまし取ったことにされたけど、実際には8億くらい取ってるはずや。

――ヒ素を飲まず、病気の演技をするだけではダメだった?

病院では、血圧測定、筋電図、MRI、血漿交換・・・と、あらゆる検査、治療をされるから、まったくの仮病でだまし切るのは無理や。ヒ素を飲んでおけば、病院はいつもいくら調べてもワシの嘔吐や下痢の原因がわからず、急性腸炎ということにされてたな。



ヒ素の中毒性

日常生活で「中毒性」と言うと、薬物などに対する依存性のことのように捉えられがちだが、本来の「中毒」とは毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されることであり、何かが止められなくなることではない。

林夫妻はヒ素による保険金詐欺が止められなくなっていたようなので、依存性の意味での「ヒ素中毒」でもあったようだけれど。

急性中毒 - 強力な毒物の摂取や食中毒、または大量・過剰の摂取により、急速に疾病状態が生じるもの。劇物であっても毒物のおおよそ10倍の量の摂取で急性中毒に至る。通常の物質であっても過剰かつ大量の摂取で中毒に至る可能性がある。(食塩中毒、水中毒など。)

慢性中毒 - 少量ずつの摂取が長期間におよんだ結果、体内に化学物質が貯留することで疾病状態に至るもの。この場合駐留した物質は毒物や劇物とは限らない。


・ヒ素を飲み込んだ際の急性症状は、消化管の刺激によって、吐き気、嘔吐、下痢、激しい腹痛などがみられ、場合によってショック状態から死に至る。
・多量に摂取すると、嘔吐、腹痛、口渇、下痢、浮腫、充血、着色、角化などの症状を引き起こす。
・慢性症状は、剥離性の皮膚炎や過度の色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全など。慢性ヒ素中毒による皮膚病変としては、ボーエン病が有名である。



亜ヒ酸

1998年7月25日、園部地区で行われた夏祭りで、カレーを食べた67人が腹痛や吐き気などを訴えて病院に搬送され、小学4年の男子児童と高校1年の女子生徒、園部第十四自治会の会長と副会長の4人が死亡した。被害者は会場で食べた者や自宅に持ち帰って食べた者などで、嘔吐した場所も様々だったという。

当初保健所は食中毒によるものと判断したが、和歌山県警は吐瀉物を検査し、青酸の反応が出たことから青酸中毒によるものと当初は判断された。しかし、症状が青酸中毒と合致しないという指摘を受け、警察庁の科学警察研究所が改めて調査して亜ヒ酸の混入が判明した。


亜ヒ酸とは、ヒ素の酸化物である三酸化二ヒ素 (As2O3)のことである。

三酸化二ヒ素
無味無臭。常温常圧では粉末状の白色固体。毒性が強く、かつて害虫やネズミの駆除などに使われた。水溶液は虫歯や白血病治療薬にも用いられる。
中毒症状として、最初に嘔吐、次に下痢、血圧低下、頭痛などがみられる。多量に摂取した場合、急性腎不全で死に至ることもある。
もっとも簡易な解毒法は、嘔吐させて毒物が吸収されるのを防ぐことである


嘔吐や下痢が急性中毒の主症状だが、それは身体の防御反応として重要なものでもある。

亜ヒ酸は毒性が強い一方で、古くから悪性腫瘍や皮膚病の漢方薬として使われてきた。また、有機ヒ素化合物であるサルバルサンは梅毒の治療に用いられた(現在は使用されていない)。これは亜ヒ酸のもつ細胞毒性を利用したものであると考えられる。ヨーロッパでもヒポクラテスが皮膚病に使用したという記録があり、近現代においても抗がん剤などのレジメンが進歩するまでは白血病の唯一の治療薬であった。
最近では、レチノイン酸抵抗性の急性前骨髄球性白血病の治療薬として亜砒酸製剤が、2004年10月に厚生労働省に承認された。


急性前骨髄球性白血病 (APL) の治療薬(商品名はトリセノックス)。
和歌山カレー事件の影響でトリセノックスの承認がやや延びたという。
治療としては通常、三酸化二ヒ素(トリセノックス)0.15mg/kgを、5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して100〜250mLとし、1〜2時間かけて投薬する。

海外では骨髄異形成症候群 (MDS)、多発性骨髄腫 (MM) に対しても使われている。その他血液癌、固形癌に対する研究も進められている。
本剤による治療は危険性を伴うため、原則として、投与期間中は患者を入院環境で医師の管理下に置くこと。また、緊急医療体制の整備された医療機関において白血病〔特に急性前骨髄球性白血病(APL)〕の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで治療を行うこと。


いい加減

作用副作用は背中合わせであり、毒性がない物質は存在しない。
その中でも作用副作用の幅が比較的狭いものを毒性が強いというのかもしれない。
ヒ素は害虫やネズミの駆除などに使用されていたくらいであり、生物を死に至らしめることが出来る。
しかしそれを病気の治療に使うとなれば、「猛毒で僅かでも摂取すれば必ず死に至る」とは絶対に言えない。
その意味からも取扱いが非常に難しい物質である。

これを踏まえれば、粉ミルクに使用されていた「大量のヒ素を含む第二リン酸ソーダ」も実は大量ではなかったのではないかというような疑惑も残る。
ヒ素中毒の症状が出た乳児は約13,000人。亡くなったのは130人ほど。
130人だって十分に大変なことであるが、大人よりもずっとリスクの高い小さな赤ちゃんが大量のヒ素の入っていた物質を含む粉ミルクを飲んでいて死に至らなかったほうがずっと多かったということを考えると、大量ではなくて少量のヒ素だったのではないかとも思える。
だからこそ厚生省は照会された時に(工業用薬品の毒物としては)問題視しなかったのではないかとも思えてくるのだ。




by yumimi61 | 2019-03-21 16:09 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

母乳と粉ミルク4

すっかり風化した森永ヒ素ミルク中毒事件

森永乳業は、1953年(昭和28年)頃から全国の工場で酸化の進んだ乳製品の凝固を防ぎ溶解度を高めるための安定剤として、第二リン酸ソーダ Na2HPO4 を粉ミルクに添加していた。試験段階では純度の高い試薬1級のものを使用していたが、本格導入時には安価であるという理由から純度の低い工業用に切り替えられていた

1955年(昭和30年)に徳島工場(徳島県名西郡石井町)が製造した缶入り粉ミルク(代用乳)「森永ドライミルク」(製造所コード「MF」の刻印がある缶)の製造過程で用いられた第二リン酸ソーダに、多量のヒ素が含まれていたため、これを飲んだ1万3千名もの乳児がヒ素中毒になり、130名以上の中毒による死亡者も出た。

この時使用された「第二リン酸ソーダ」と称する物質は、元々は日本軽金属がボーキサイトからアルミナを製造する過程で輸送管に付着した産出物で、低純度のリン酸ソーダ(Na3PO4で似て非なる物である)に多量のヒ素が混入していた。この産出物が複数の企業を経て松野製薬(「製薬」の商号があるが医薬品ではなく工業用薬品のメーカーだったことが明らかになっている)に渡り脱色精製され、第二リン酸ソーダとして販売、森永乳業へ納入された。


■リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)Na2HPO4
食肉結着剤、かんすい原料、乳製品安定剤、緩衝剤、pH調整剤、清缶剤、 金属表面処理剤、脱脂洗浄剤、染色助剤、バレル研磨剤
※牛乳が凝固するのを防ぐ働きがある。
また粉状の製品が固まるのを防ぐ固化防止剤としても使える。
固化防止剤は粉ミルクにも使用されており、和光堂にはリン酸Naの表示が見られる。
固形防止剤は他にも何種類もあるので、どの商品もなにかしら使っているはずである。

■リン酸三ナトリウム(リン酸ナトリウム、リン酸ソーダ)Na3PO4
食肉結着剤、かんすい原料、染色助剤、pH調整剤、清缶剤、 金属表面処理剤、脱脂洗浄剤、バレル研磨剤


①リン酸に水酸化ナトリウム溶液を添加すると、一部中和される。
 H3PO4 + NaOH → NaH2PO4 + H2O

②さらに水酸化ナトリウム溶液を添加し続けると、さらに中和が進む。
 NaH2PO4 + NaOH → Na2HPO4 + H2O 

③さらに水酸化ナトリウムを添加。
 Na2HPO4 + NaOH → Na3PO4 + H2O ・


※工業的には以下のように製造したりする。(製造方法は1つではない)
リン酸水素二ナトリウムNa2HPO4を製造する場合には、リン酸水素カルシウムと硫酸水素ナトリウムを反応させ、まずリン酸一ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム)と硫酸カルシウムを作り、その後にリン酸一ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム)を水酸化ナトリウムで部分的に中和する。
  CaHPO4 + NaHSO4 →NaH2PO4 + CaSO4
  NaH2PO4 + NaOH → Na2HPO4 + H2O 


リン酸ナトリウムのことをリン酸ソーダと呼ぶことがあるが、上記の森永ヒ素中毒事件の記述にある「第二リン酸ソーダ」という呼称は今はあまり使わない気がする。
リン酸ナトリウムは結晶構造により様々な化合物があり、名前も化学式も似ていて(数字の位置が違う程度で)、よく見ないと間違いやすく、ややこしいと言えばややこしい。


光と影、作用と反作用

粉ミルクの大量生産が始まると、原料となる牛乳の輸送や保管における品質管理が追い付かなくなった。
そうなるとどうしても原料乳の鮮度が落ち、酸化して酸度が高くなってしまう。
誰でも一度くらい経験があると思うが牛乳は酸化(酸)や熱を加えることによって凝固してしまう。
この性質は製造過程や製品の保存や使用においては望ましい状態ではないが、人間の身体の中に入った牛乳の役割としては非常に重要なものである。

東毛酪農農業協同組合ホームページより

現在市場に出回っている牛乳の95%以上に採用されている超高温瞬間殺菌は大量生産に向いている殺菌方法なのですが、高い熱を加えることによって有害菌はもとより有用菌まで死滅させてしまいます。更にカルシウムやたんぱく質は高温によって熱変性を起こすため、今まで牛乳のコクと誤解されていた後口の悪いネバ付が発生してしまいます。
また、超高温殺菌することにより、生乳の風味が損なわれてしまいます。牛乳がくさいといわれるのは、本来牛乳がくさいわけではなく、超高温殺菌によりたんぱく質等が焦げ、その臭いがするからなのです。
実は、欧米で超高温殺菌牛乳(UHT)といえばロングライフミルクと呼ばれ、滅菌パックの容器に入れると1~2ヵ月もの期間常温で保存出来る為、非常用の牛乳やペット用としての位置付けにあります。しかし日本では冷やされて普通に販売されているのが現状です。

たんぱく質というのは、アミノ酸が数多くつながったもので、ただ直線的につながっているだけではなく、そのつながりが、たがいにからみあって、立体的な構造をもっています。
熱変性というのは、熱によってこの立体構造が壊れてしまうことをさしています。

牛乳たんぱく質は、カゼインたんぱく質とホエーたんぱく質に大きく分けられます。カゼインは栄養価の高いたんぱく質で、体内で分解されると各種のペプチドに変わります。
これらのペプチドは、カルシウムの吸収を促進したり、腸の蠕動運動を抑制する作用をもっています。ホエーたんぱく質は高蛋白・低脂肪で栄養価が高い、またホエーたんぱく質に含まれているラクトフェリンという成分には、エイズウイルスの侵入を防ぐ働きも確認されています。

カゼインは、熱による変性を受けにくいたんぱく質と言われていますが、ホエーたんぱく質で80℃前後から変性が始まります。
赤ちゃんがミルクを飲むとお腹の中で固まることは、お母さんは体験的にご存知のことと思います。
この胃の中で固まるということはすごく大事で、固まるときに脂肪やカルシウムを包み込み、この栄養分を体中へ運んでくれます。

牛乳も同様に、牛乳に含まれているたんぱく質の約80%を占めるカゼインが、胃の中に入ると胃酸や、酵素ペプシンによりヨーグルトのように固まります。そしてゆっくりと消化吸収されます。
チーズはまさにそのしくみを利用してつくられています。
しかし、熱変性したたんぱく質では固まらない為、直接腸に流れてしまうのです。
したがって、UHT牛乳ではチーズはできません。


胃酸などによって固まるようになっているものであるが、品質低下によっても固まってしまう。
固まるのを防ぐ物質を添加したら、本来固まるべき場所でも固まりにくくなり、栄養吸収や消化の問題にも繋がってくる。どんなに栄養素を含んでいても吸収できずに流れ出てしまったら意味がない。
しかしその問題には目を瞑るとして、森永の問題は「第二リン酸ソーダ」そのものであったという。


事件の経過と原因

「森永ヒ素ミルク中毒事件」は1955年(昭和30年)に発生したが、発端は2年前の1953年(昭和28年)にあった。
元々は日本軽金属がボーキサイトからアルミナを製造する過程で輸送管に付着した産出物で、低純度のリン酸ソーダ(Na3PO4で似て非なる物である)に多量のヒ素が混入していた。
つまり最初から作ろうと思って作った物質ではなかったということなのだ。

●1953年、静岡県にあった日本軽金属の清水工場にて、ボーキサイト(アルミニウムの原料)から酸化アルミニウムを製造する過程で副産物が生じた。
この物質を調べてみたところ、ヒ素とリン酸が大量に含まれていた。
ヒ素は「毒物及び劇物取締法」にて指定されている毒物(医薬品・医薬部外品以外の毒物)なので静岡県の衛生課に届け出し、静岡県衛生課が厚生省に照会した。
しかし厚生省は「毒物及び劇物取締法」に該当するヒ素化合物には当たらないと回答した。
その回答を受けて、日本軽金属清水工場はその物質を出荷した。
この物質がいわゆる「大量のヒ素を含む第二リン酸ソーダ」だったわけである。

 ⇒厚生省の判断が誤りだったということに対しては異論もある。森永を加害者でなく被害者にするための嘘ではないかというような。
またヒ素化合物ではなくヒ素単体については無毒と言われていた時代もある(現在は単体でも有害とされている)。

●日本軽金属清水工場から「大量のヒ素を含む第二リン酸ソーダ」を購入したのは新日本金属化学。
新日本金属化学は神戸の太陽鉱工(旧:総合商社鈴木商店の子会社の太陽曹達→太陽産業)が設立した会社である。

●さらにその物質は、丸安産業(大阪)から松野製薬(大阪)と流れていった。
松野製薬は、その物質を生駒薬化学工業(大阪)にて脱色精製させ、協和産業(徳島)に納入した。

 ⇒森永乳業という食品会社に納入するにも関わらず、協和産業は毒性検査をしていなかった。
協和産業は森永乳業の工場がどんな目的でどこに使うかという細かいことは聞いておらず、医薬品の「第二リン酸ソーダ」とも指定されなかったという。
つまり医薬品ではなく工業用薬品(それもヒ素入り)が納入された。
当時の協和産業社長によれば「あのような工場は薬品の使途を秘密にしたがる」とのこと。

●1955年4~8月、 森永乳業の徳島工場が、地元企業である協和産業から3回にわたり 、その物質「大量のヒ素を含む第二リン酸ソーダ」を購入した。

 ⇒森永乳業徳島工場でも納入された「第二リン酸ソーダ」の検査をせずに使用した。
そもそも全て工業用薬品の会社を巡っている。
食品メーカーである森永乳業は医薬品の製造会社ではなく工業用薬品のメーカーを指定した上で、さらに薬品の用途を明かさず納入させていた。
価格は医薬品のそれに比べると3分の1程度だったという。

しかもそれは、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)Na2HPO4 でもなく、リン酸三ナトリウム(リン酸ナトリウム、リン酸ソーダ)Na3PO4 だったという。






by yumimi61 | 2019-03-19 12:58 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

母乳と粉ミルク3

栄養成分と原材料は違うものなり

先日(母乳と粉ミルク)、粉ミルクの栄養成分一覧表を掲載した。
ここで間違いやすいのが、栄養成分イコール原材料ではないということである。
牛乳で考えてみて欲しい。
日本の牛乳の原材料は生乳100%である。
でもクリームやバターを加えた加工乳や栄養成分を添加した乳飲料などは当然のことながら生乳の割合は低くなってくる。
(乳製品も乳脂肪により脂質が高くなるので、乳脂肪分のみだけを調整した低脂肪牛乳や無脂肪牛乳があるが、この場合は原材料としては生乳100%である。生乳を減らして脱脂粉乳などを加える加工低脂肪乳などもある)

(例)
牛乳: 雪印メグミルク牛乳 

生乳100%


乳飲料: 雪印メグミルク「毎日骨太」

生乳(50%未満)、乳製品、乳たんぱく質、乳等を主要原料とする食品/炭酸Ca、乳化剤、ビタミンD


牛乳は牛の乳であり、母乳は母の乳であるが、あえて書くとするならば母乳も生乳100%である。
母乳はその生乳100%の中に、栄養素を添加せずとも様々な栄養成分が含まれており、さらに何か添加したり殺菌せずともいつでも新鮮なものを飲ませることが出来る。

ということで、今日は粉ミルクの原材料の話。

粉ミルクの原材料

=明治 ほほえみ=
乳糖、調整食用油脂(豚脂分別油、大豆白絞油パーム核油精製魚油アラキドン酸含有油脂)、乳清たんぱく質、カゼイン、フラクトオリゴ糖、バターミルク、デキストリン、脱脂粉乳、食塩、乳リン脂質抽出物、酵母、ピロリン酸鉄、炭酸Ca、リン酸Ca、炭酸K、塩化Mg、V.C、イノシトール、塩化K、コレステロール、タウリン、V.E、塩化Ca、硫酸亜鉛、シチジル酸Na、V.A、V.D、パントテン酸Ca、ウリジル酸Na、L-カルニチン、ナイアシン、イノシン酸Na、グアニル酸Na、5′-AMP、硫酸銅、V.B1、V.B2、V.B6、カロテン、葉酸、V.K、V.B12

=森永 はぐくみ=
ホエイパウダー(乳清たんぱく質)、調整脂肪(パーム核油パーム油大豆油)、乳糖、脱脂粉乳、乳清たんぱく質消化物、デキストリン、バターミルクパウダー、乳糖分解液(ラクチュロース)、カゼイン、ガラクトオリゴ糖液糖、ラフィノース、精製魚油アラキドン酸含有油、カゼイン消化物、食塩、酵母、L-カルニチン、炭酸カルシウム、レシチン、塩化マグネシウム、ビタミンC、ラクトフェリン、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウム、コレステロール、塩化カルシウム、イノシトール、ピロリン酸第二鉄、ビタミンE、タウリン、硫酸亜鉛、シチジル酸ナトリウム、ビタミンD3、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、ウリジル酸ナトリウム、ビタミンA、硫酸銅、5′-アデニル酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、ビタミンB6、ビタミンB1、葉酸、βーカロテン、ビタミンB12

=雪印メグミルク ぴゅあ=
乳糖、植物油(パーム核油大豆油パーム油カノーラ油)、脱脂粉乳、乳清たんぱく質濃縮物、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、全粉乳、精製魚油、炭酸カルシウム、塩化カリウム、L-アルギニン、ビタミンC、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸三カリウム、イノシトール、タウリン、ビタミンE、硫酸亜鉛、シチジル酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、リン酸三カルシウム、パントテン酸カルシウム、硫酸銅、アデニル酸、ウリジル酸ナトリウム、ビタミンB6、ビタミンA、イノシン酸ナトリウム、ビタミンB1、グアニル酸ナトリウム、葉酸、β-カロテン、ビオチン、ビタミンD3

=ビーンスターク すこやかM1=
ホエイパウダー、植物油(パーム核油大豆油パーム油カノーラ油)、乳糖、脱脂粉乳、全粉乳、バターミルクパウダー、カゼイン、乳清たんぱく質濃縮物、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、精製魚油、リボ核酸(RNA)、酵母、塩化カリウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、ビタミンC、硫酸マグネシウム、炭酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、タウリン、イノシトール、シチジル酸ナトリウム、硫酸亜鉛、ビタミンE、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ウリジル酸ナトリウム、硫酸銅、ビタミンA、ビタミンB6、アデニル酸、グアニル酸ナトリウム、ビタミンB1、イノシン酸ナトリウム、葉酸、β-カロテン、ビタミンD3、ビタミンK2、ビタミンB12

=アイクレオ バランスミルク=
調整食用油脂(分別ラード、オレオ油、大豆油ヤシ油パームオレイン)、ホエイパウダー、乳糖、脱脂粉乳、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、ガラクトオリゴ糖、エゴマ油、レシチン(大豆由来)、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、ビタミンC、タウリン、イノシトール、硫酸第一鉄、硫酸亜鉛、5′-シチジル酸、ビタミンE、5′-ウリジル酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、5′-アデニル酸、5′-イノシン酸ナトリウム、5′-グアニル酸ナトリウム、硫酸銅、ビタミンB1、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、β-カロテン、葉酸、ビオチン、ビタミンD3、ビタミンB12

=和光堂 はいはい=
乳糖、調整食用油脂(パーム油パーム核分別油大豆白絞油)、ホエイたんぱく質消化物、全粉乳、ガラクトオリゴ糖液糖、デキストリン(でんぷん糖化物)、カゼインカルシウム、精製魚油アラキドン酸含有油、酵母、炭酸Ca、塩化Mg、リン酸K、リン酸Na、塩化K、水酸化K、V.C、レシチン、ラクトフェリン、塩化Ca、イノシトール、タウリン、ピロリン酸鉄、V.E、シスチン、硫酸亜鉛、L-カルニチン、5′-CMP、パントテン酸Ca、ナイアシン、V.A、硫酸銅、イノシン酸Na、ウリジル酸Na、グアニル酸Na、V.B₁、5′-AMP、V.B₆、V.B₂、葉酸、カロテン、V.K、ビオチン、V.D、V.B₁₂


憂慮する原材料・添加物

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、2003年に世界保健機関(WHO)/国際連合食糧農業機関(FAO)合同専門委員会よって1日1%未満に控えるとの勧告が発表され、一部の国は法的な含有量の表示義務化、含有量の上限制限を設けた。日本では、製造者が自主的に取り組んでいるのみであるが、同じように目標値が設定されている飽和脂肪酸の含有量が増加している例が見られる

2013年11月、米国食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸の使用を全面的に禁止する方針を固めたと発表した。
トランス脂肪酸は冠動脈性心疾患をはじめとして、様々な疾患との関連性があるとされている。

①動物性脂肪に含まれる脂肪酸ー飽和脂肪酸(常温で固体、酸化しにくい)
②植物油や魚油に含まれる脂肪酸ー不飽和脂肪酸(常温で液体、酸化しやすい)(※)
※動物(魚含む)から得られる油脂のことを一口に動物油というが、厳密には、常温で液体のものを動物油,常温で固体のものは動物脂として区別する。牛脂やラードは動物脂であり①、それに対して魚油は動物油であり②に区分けされる。

・トランス脂肪酸ー工業的に油脂を加工する際に生じる脂肪酸(※)
※肉類や乳・乳製品類(反芻動物由来)にも僅かながらトランス脂肪酸が含まれるが、この天然物のトランス脂肪酸は疾患との関連性は認められていない。

③常温で液体の油脂(②)を硬化するためには水素添加を行う。←これが工業的な油脂加工である。
完全に硬化することもあれば、一部だけを硬化する時もある。一部だけを硬化させた油脂は部分水素化油脂(部分硬化油脂)という。
水素化の処理によって健康に悪影響のある脂肪酸が生成され、健康保険機関は厳しく指導している。
マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングはそうして製造された油脂である。


④常温で液体の油脂(②)は、嫌な臭いを消して製品化される。この脱臭行程(高熱処理)でもトランス脂肪酸が発生する。

液体であるはずの植物性油にしろ魚油にしろ粉ミルクに含まれている油脂は液体ではない。さらに脱臭なども行われている。トランス脂肪酸を含むということである。

では何故これまで動物性脂肪ばかり問題にされがちだったのかと言えば(日本においては特に)、動物性脂肪は融点が高いので、牛や豚の脂は人間の体温では溶けにくく固まって血管壁に付着しやすく動脈硬化を進行させてしまうから。(但し融点には結構な幅があり、体温より低い温度で溶け始めるものもある。生育環境や餌など動物個体差もある。融点の高い順では、牛>豚>鶏となる。鶏は概して体温より低い)。
でも上記③④などのように植物油や魚油も安心というわけでは決してないのだった。


パーム油
Business Journal > ヘルス・ライフ
パーム油、危険性の警鐘相次ぐ…動物実験で発がん性、日本で野放し、表示上は「植物油」 文=小倉正行/フリーライター

 

WHO(世界保健機関)は5月14日、人工的トランス脂肪酸を世界の食料供給から撲滅するための独自ガイド「REPLACE」を発表した。このなかでWHOは、トランス脂肪酸の供給源などをレビューし、それを健康的な油脂への切り替え、使用禁止を法制化すると明記。2019年から23年までの5年間で、トランス脂肪酸を撲滅するよう世界に呼びかけている。

 これに対して日本政府は、トランス脂肪酸を禁止するどころか野放しで、これを含む脂質に関する情報を自主的に開示することを事業者に求めることしか行っておらず、トランス脂肪酸から国民の健康を守ろうという世界の流れから取り残されている。そればかりか、今、トランス脂肪酸問題を事業者任せにしているなかで、国民の健康にとって新たな脅威となる事態が生じているのである。

 トランス脂肪酸は、菜種油やトウモロコシ油などの植物油に水素添加(常温で固化することを目的)をすることによって、発生する。食品メーカーは、このトランス脂肪酸の使用を避けるために、現在、急速に原料油をパーム油に切り替えてきている。トランス脂肪酸ゼロを謳うマーガリンなどには、このパーム油を原料としている商品もある。

  WHOはトランス脂肪酸からより健康的な油脂への切り替えを求めているが、果たしてパーム油は、より健康的な油脂なのであろうか。

 以下は農林水産省のホームページ上の記述である。

「トランス脂肪酸が多く含まれる硬化油脂を、別の硬い性質を持つ油脂(例えばパーム油など)に代替すれば、トランス脂肪酸は低減できますが、すでに平均的に見て取りすぎの傾向にある飽和脂肪酸の含有量を大幅に増加させてしまう可能性があります。米国農務省(USDA)は、食品事業者にとってパーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならないとする研究報告を公表しています」

 要するにパーム油は、脂肪酸のほぼ半分が飽和脂肪酸で、摂りすぎると血液中のLDLコレステロールが増加し、心筋梗塞や糖尿病などのリスクが増加するため、決して健康的な代替油脂ではないのだ。それを農林水産省も認めているのである。

 それどころかパーム油は、さまざまな問題を含んでいる。パーム油は全量インドネシアやマレーシアなどから輸入しており、長期間の船上輸送による酸化を防ぐために、酸化防止剤としてBHA(ブチルヒドロキシアニソール)という食品添加物が用いられている。このBHAは、1998年に食品衛生調査会で、次のようにラットに対する発がん性を確認している。



見えるもの、見えないもの

真っ白でさらさらで「何の混じりけもありません」然している粉ミルクだが、実に多くの原材料からなる。
栄養成分として必要なので加えている材料もあれば、製品の成り立ちや保存あるいは使い勝手の課題を克服するため、また製品の特色を出したり損なわないためなどに加えられる材料(添加物)もある。

一般的にも食品添加物が問題視されることはよくあるが、粉ミルクは乳幼児が飲むものなので、表示されている材料をざっとみた感じでは安全性がかなり疑問視されているような添加物はないように思う。
ただ食べ合わせや薬の飲みあわせの悪さや多剤投与の弊害のように、材料が多くなればなるほど安全性というものは担保しづらくなることも確かである。
同じ材料を使用したとしても配合比率が変われば作用や副作用が変わることもある。

また表示されている原材料だけでは見えてこない添加物も存在している。
上記にパーム油には酸化防止剤としてBHA(ブチルヒドロキシアニソール)という食品添加物が用いられていると書いてあるが、パーム油を使用すればパーム油と表示されるだけで、パーム油に使用されている添加物までは表示されてこないということである。
どんな成分もそれを製造する工程があり、なんらかの物理処理・化学処理・物理化学処理・生物処理がなされている。
そこで使用される薬品類やその工程で発生する物質は商品からは見えない。
問題になっているトランス脂肪酸も製造過程で発生するものである。





by yumimi61 | 2019-03-18 14:59 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

母乳と粉ミルク2

子供を追い詰める勉強なんかすべきではない、とあなたは声を大にして言いますか?

良心があれば、法に準じれば、その商品に含まれていない栄養素を表示することが出来ないのは当然のことである。
つまり表示されている栄養素だけを母乳と比較して、粉ミルクが母乳にほぼ同等、あるいはそれ以上の栄養素を持つ素晴らしい商品になったと手放しで称賛するわけにはいかない。
長年の研究の成果により現代の粉ミルクは母乳に近づいたと言われることがあるが、研究すればするほど母乳には新たに発見される成分もあるわけで、ある意味、粉ミルクは母乳からどんどん遠のいてしまうという見方もできる。
人間がコピーして添加できるのはごく一部の栄養成分に過ぎない。

さらに母乳の素晴らしい特徴してあげられるのは、赤ちゃんの日齢月齢や必要性に応じて、その成分や成分量などを自動的に変動させること。
粉ミルクは量こそ変えることは出来るが、個々あるいはその時々に応じて成分を変えることは不可能である。


母乳の種類

●初乳 出産後数日
(初乳が出る時期と出なくなる時期は個人差があるが、出なくなる時期は3~10日くらい)

黄色味を帯び、少し粘り気がある。
成乳よりもタンパク質やミネラル・ビタミンが多目であり、糖分や脂肪は少ない。
また、免疫力を高める「グロブリンA」「ラクトフェリン」などといった成分を多く含んでいるため、天然のワクチンとも言われる。
非常に少ない量(24時間で僅か40~50 ml)しか出ないが、生後間もない赤ちゃんの内臓は小さく機能も未熟、つまりその少ない量が赤ちゃんの必要とする量である。

・初乳は非常に消化しやすい。
・赤ちゃんが最初のうんちである胎便を排出することを助ける作用がある(下剤効果)。→黄疸の原因となるビリルビンを排出させ新生児黄疸の予防効果がある。
・抗体と白血球が非常に多く、感染予防効果がある。
・気管や消化管粘膜を初乳がコーティングする。→新生児とくに1週間未満児にリスクのある壊死性腸炎の予防にもなる
・「グロブリンA」は腸から異種タンパクを吸収させない力を有するので牛乳アレルギーを予防する作用がある。
・発達をサポートする細胞成長因子や臓器を発達や治癒を促す幹細胞が含まれる。

●移行乳 生後5日~14日
色と質感がクリーム状になる。
初乳に比べるとタンパク質が減り、カロリー・脂肪分・ラクトース(天然の糖類)の割合が増えてきて、急速に成長していく新生児に適した栄養素となる。(→母乳の成分が自動的に変わる時期なので、母親が脂肪分や糖分を摂りすぎると乳腺炎などトラブルを起こしやすくなる)
まだこの時期は抗体や白血球なども多目である。
移行乳期は、摂取したものを消化するという身体の仕組みに慣らす成分具合となっている。(→ミルクの場合、赤ちゃんの消化が追い付かずに下痢になりやすい)

●成乳 生後14日以降
さらりとした白色になる。
エネルギー消費が多くなってくる赤ちゃんに適した栄養素が増えてくるが、赤ちゃんの健康的な成長と発達をサポートするための栄養素をバランスよく含んでいて、以降の母乳栄養成分はほぼ一定に保たれるようになってくる。
しかし不思議なことに、母親や赤ちゃんが体調を崩した際には、母親の体は必要な抗体を作り、それが母乳にも移行して守ろうとする。
また赤ちゃんは口に手や物を持って行って咥えるのが好きだが、それが始まると、母乳に含まれる細菌と戦う酵素が増える。

■前乳・後乳
1回の授乳の中において、出始めは前乳と言って、比較的脂肪分が少ない母乳が出る。(母親の乳房が張っている時)
飲み進めて終わり近くの母乳を後乳と言い、比較的脂肪分の多い母乳となる。(母親の乳房の張りが解消された時)
1回の授乳の中で緩やかに変化していく。
赤ちゃんはその違いを感じ取り、1回の授乳の止め時を自然と知る。(→ミルクの場合は成分的に常に一定でそれがないため、赤ちゃんが止め時を感じにくく、飲みすぎて太る、止めると泣くという傾向がやや強い)


免疫グロブリンについて

抗体は免疫グロブリンによって運ばれている。
免疫グロブリンにはIgG・IgA・IgM・IgD・IgE(多い順)の5種類がある。
人間が持つ抗体の80%ほどはIgGに乗っている。
例えば、麻疹に罹患したり予防接種を受ければ、麻疹の抗体が作られて、通常再び麻疹に罹患することはなくなる(発症はしないが再感染することはゼロではない)。
インフルエンザの予防接種をすれば、インフルエンザの抗体が作られ、感染しにくくなる。
こうした麻疹やインフルエンザの抗体はIgGにある。

♥胎盤移行するIgGの抗体
妊娠中の母親のIgGが胎盤を通して胎児に移行するので、生まれたばかりの赤ちゃんも母親がIgGに持っているすべての種類の抗体を持っている。
これは赤ちゃんがお母さんから貰う強力な免疫であり、これで出生直後の感染を予防している。
しかし出生と同時に胎盤はなくなり、臍帯というお母さんとの連絡通路は途絶え、もらった抗体は徐々に減少していく運命にある。
生後3ヶ月頃には、出生時に持っていたIgGの半分ほどになっており、次第に感染予防効果が落ちていく。
それからの赤ちゃんは自身で感染・罹患したり予防接種したりして抗体を獲得していかなければならない。
※グラフは母乳からの移行がない場合
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♥母乳移行するIgA
IgAは粘膜に分泌され、粘膜表面で病原体の侵入を防ぐ役割を持つ免疫。
特定のウイルスや細菌だけに反応するのではなく、様々な種類の病原体やアレルゲンに反応し守備範囲がとても広いという特徴がある。
このIgAを大量に含むのが初乳である。
従って初乳を飲ませることによって粘膜が病原体から強力にガードされることになる。
初乳ほどではないが成乳にも含まれる。

下の2段の図は乳酸菌B240研究所より
e0126350_13363915.png
これは大人のケースであるが↓
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♥赤ちゃんの免疫特性
IgM・IgD・IgEは移行しない。
IgEは寄生虫やアレルギーに関係する免疫。
IgMは分子量が大きいので、胎盤も乳腺も通過できず移行しないので、これに関わる感染は起こりうる。
またその免疫特性上、ヘルペスやクラミジア、結核などからも防御できない。
身体も小さく機能が未熟な生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんの外出を控えることを推奨するのは、胎盤移行しても初乳を飲ませても完全には防御できない感染が存在するからである。
同じ感染であっても小さければ小さいほど抵抗力が弱く重篤になりやすい。

もちろん全てのお母さんが同じ抗体を持っているわけではないし、初乳や母乳を飲ませているとは限らないので、その意味からの赤ちゃんが持つ移行性抗体の不完全さも加味して、あまり早いうちからの人ごみへの外出は勧められない。外気にも少しずつ慣れてからの必要がある。







by yumimi61 | 2019-03-15 11:51 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク

母乳と粉ミルク

いつから母乳は腫れ物になったのか

昨今は「母乳」が腫れ物を扱うかのごとくセンシティブな問題となっている。

母乳に限らずセンシティブな問題というものは往々にしてバイアスがかかりやすいものだが、母乳についても案の定間違った解釈も少なくない。

前記事に書いたビタミンKとビタミンDも「母乳に含まれる量が少ない」とか、「母乳の欠点」、「母乳の落とし穴」などと言われることもあるが、赤ちゃんのビタミンKとビタミンD不足は母乳成分にのみ起因しているわけではない。
また母乳成分というのはお母さんの栄養状態に左右される、つまり個人差が大きいということである。粉ミルクのように工場で大量生産しているわけではないのだから、全ての母乳が一律というわけにはいかない。
では何故ビタミンKとビタミンD不足だけが取り沙汰されるのかと言えば、それらが不足した場合には新生児や乳幼児期にはっきりと目立つ症状として現れることがあるからである。不足(因果関係)が比較的分かりやすい。


母乳とミルクの比較

表はこちらのものを利用→https://food-drink.pintoru.com/formula/breast-milk/
※母乳、ミルクともに100mlあたりの栄養成分。母乳は前述のとおり個人差が大きいが、平均的な数値である。
粉ミルクの赤字は母乳に一番近い数値とのこと。
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上記の表が含まれている全ての栄養成分ではない。
上の表に記されている栄養成分は、ほぼ全ての粉ミルクが添加している栄養成分と言い換えてよい。
母乳にはそれ以外の栄養成分も含まれている。
何をどれだけ添加するかは粉ミルクメーカーや商品による。
一方で母乳の成分や含まれる基本的な量や比率は人間が決めたわけではない。
この世に人間が生まれついた時からそのようになっていたというしかない。
キリスト教圏ならば神の創造物ということになる。

下の表がその一例。
e0126350_11190898.jpg
赤ちゃんと子供と大人の違い =ビタミンD=

先日次のように書いた。
日本では成人が1日に必要なビタミンD量を15μg/日と推定している。
そのうち、5.5μgのビタミンDを食物から摂取し、残りの約10μgを日光浴(紫外線を浴びること)によって生成すると仮定しており、食事からの摂取量は5.5μg/日を推奨している。


では小児の1日あたりの経口(栄養)推奨量はいかほどに設定されているかと言えば次の通りである。 
左から、年齢、摂取推奨量、摂取上限量、となっている。

1歳未満 5.0μg 25μg
1~2歳 2.0μg 20μg
3~5歳 2.5μg 30μg
6~7歳 3.0μg 40μg
8~9歳 3.5μg 40μg
10~11歳 4.5μg 60μg
12~14歳 5.5μg 80μg
15~17歳 6.0μg 90μg
18歳以上 5.5μg 100μg

妊婦 7.0μg
授乳婦 8.0μg

必要なビタミンD量を仮定し、さらに紫外線から生成する量を仮定し、経口での摂取推奨量を決定するわけである。
骨格形成期や成長期にはビタミンDが多く必要なことが容易に推測できる。
では骨格形成期や成長期はいつかと言えば、生まれてから18歳位までとなる。
特に新生児~4歳までを第一次成長期、10・11歳頃~18歳頃までを第二次成長期(時期は第一次よりも個人差がある)といい、身体の成長が著しい時期である。
(第一次成長期・第二次成長期は、性差が出現する第一次性徴・第二次性徴の時期に重なる時期もあるが、全く同じものとしては扱っていない)

上の数字をみてもらうとわかるように、1歳未満の推奨量に比べると、まだまだ成長期真っ只中にある1歳以降に推奨量がガクンと減っている。
これは1歳過ぎて自分で歩くようになれば外遊びが増えて、紫外線による生成量が増えることを前提としているのだろうと思う。(だから紫外線をカットしたら前提からして不足してしまう)
逆を言えば、1歳未満でも十分に日光浴が出来れば、1歳児以降と同程度でも大丈夫ということになる。

1歳未満と大人の摂取推奨量は、5.0と5.5であり、あまり変わらない。
だけど上限量が全く違う。このことに十分注意する必要がある。
赤ちゃんや子供は身体の様々な機能がまだ未熟であり大人ほど許容量が大きくない。
つまり大人よりもずっと摂りすぎが有害になりやすいということである。

哺乳量とビタミンD

離乳食が始まるまでの赤ちゃんの1日の哺乳量は体重1kg当たり約100ml~200mlである。
平均では1kg当たり約150mlなので、「体重1kg当たり約150mlを目安に」と指導されることが多いかもしれない。

①生後2ヶ月の平均体重5.5kgとすれば、1日平均825mlほど哺乳する。哺乳量が多い子だと1100mlとなる。

②生後6か月の平均体重を8kgとすれば、1日平均1200mlほど哺乳する。哺乳量が多い子だと1600mlとなる。

母乳の平均含有量0.3μg/100mlなのでー

①平均哺乳量で、0.3×8.25≒2.5μg
 哺乳量が多い子だと、0.3×11=3.3μg

②平均哺乳量で、0.3×12=3.6μg
 哺乳量が多い子だと、0.3×16=4.8μg


1歳未満推奨量の5.0μgには足りないが、1歳未満推奨量は紫外線にあたるという前提がほとんどなく、また妊娠期の胎盤移行によって赤ちゃんが貯蓄したものも加味されていないので、それらがあれば母乳だからといって不足するとは限らない。
母乳に含有する量が平均よりも多いお母さんならば更に問題はないということになる。







by yumimi61 | 2019-03-14 11:44 | 母乳・粉ミルク・液体ミルク